わがまま温泉日記 塩原元湯温泉 しおばらもとゆ
大出館 元泉館

秘湯を
守る会
大出館
住所 栃木県那須郡塩原町湯本塩原102 〒329-2900 Memo:
一泊二食 \13,000
ビール \600
バスタオルなし
電話 0287-32-2438
営業期間 通年
泉質 五色の湯@炭酸泉 49度 (宿のパンフレット)
含硫黄-Na・Ca-塩化物・炭酸水素塩泉 (ワタシはこちら)
旅行日 02/07/18
コメント

02/08/04
パンフレットには炭酸泉との泉質表示。ウッソー! これはきっと、炭酸水素塩泉の誤りでしょうに。
確かに、この温泉地に炭酸泉は湧くらしいのだが、間欠泉。えびす屋や、元泉館の話じゃないのかな〜。
ちなみに、泉質名は、ビジターセンターの展示パネルのものを併記してあります。

02/08/08
一応、炭酸水素塩泉ということで、泉質をめぐる旅は幕を閉じる。
ただし、これはあくまでワタシの大胆推理。吹聴すると、恥をかくかも知れません。

02/09/17
黒サビが磁性体であることにたどり着きました。
「墨の湯」に浸かるときには、磁石のご用意を! もし、実験して下さる奇特な方がいらっしゃるなら、ご一報ください。

03/01/29
黒粒の正体はマンガンかも知れない。

03/05/23
しばし、ごぶさたしていた泉質の考察を再開し、硫黄の特性などを調べてみると、黒粒の正体は「硫化鉄」かも知れないと、考えるに至りました。
しかし、変だな、なぜ、あの浴槽だけ?
やはり、当初から目をつけていた配管パイプに問題があるのでは?
う〜ん、まとまらない・・・。

秘湯のスタンプ帳 秘湯の宿スタンプ帳での招待も、もうすぐ3年という期限が切れてしまいそう。ハイシーズンには利用できないので、一泊二日で楽しませていただくこととなる。
 ふけの湯夏油白布・塩原元湯・笹倉幕川姥湯峩々大湯藤七と、そうそうたるスタンプたちが顔を揃えるなか、近場はここだけ。う〜ん・・・。

 下界のアジサイは、もう限界と、茶色く朽ち果てようとしているのに、宿の前では今花盛り。紫・白・ピンクと、いずれの色もあでやかだ。
大出館玄関 何でも、アジサイは土壌の酸性度によって、色が変わるらしいからね。リトマス試験紙同様、酸性で紫、アルカリ性でピンクと、ワタシのお肌などより、よほど鋭敏なのである。

 部屋に通され、休処から窓の外をながめると、手すりが二重についている。この宿の3階は屋上部分に増築されたものなので、屋上手すりが邪魔になる。前回、元泉館の写真を撮るとき苦労した、まったく同じアングルなのだ。
 「スタンプでご招待のお客には、同じ部屋をあてがうのかな〜」 ダンナに言うと、「単なる偶然だよ」と、素っ気ない。でも、宿の方から「以前と同じお部屋をご用意させていただきました」な〜んて言われると、好感度アップ間違いなし。

8つの浴槽 浴槽は8つもあって目移りしそう。ところが、残念ながら混浴中心。女性専用は「高尾の湯」と「子宝の湯」の2つだけ。
 さっそく、「高尾の湯」に身を沈めるのだが、ここで確認しておくことがある。右の図にある「××の湯」というのは、あくまで湯船の名前であって、お湯の名ではない。だから、ワタシは「高尾の湯」というお愛想なしの湯船にて、「五色の湯」というお湯を楽しんでいることになる。

 さてと、「五色の湯」なるもの、長野にも山形にも「五色温泉」という名の秘湯があって、天候により、その湯色を変えることが知られている。
内風呂 時間の経過にともなうお湯の老化に因る湯色の変化は当然ながら、なんでも、気圧の変化が湯脈の深さを変えるんだとか。
 たとえば、1010hPa(ヘクトパスカル)の高気圧下と、960hPaの低気圧下(こりゃ猛烈な台風だ〜)を比べると、50hPaの気圧差となる。これは、真空パイプ中の水を押し上げる力でいうと、50cmの水位差に相当する。
 もし、岩盤などが真空に近い状態を作り出してくれるとすると、なるほど、その影響は無視できないかも知れないな〜。

露天風呂 しかし、快晴一転、台風なんて日に泊まったことなどないものだから、残念ながら、衝撃的な湯色の変化を未だ知らない。いずれも、濃淡の度合いが違う程度にしか見えないのだ。

 ややぬる目の内風呂あとに、露天へ向かう。
 内風呂から続く階段、優しくないな〜。天然石を積み上げた階段だけに、床面がでこぼこの上、手すりすらない。こりゃ、足腰の弱ったばっちゃまには危険だわ〜。
 それはともかく、こちらは熱めで、満足、満足。しかも、どこの湯口でも、飲泉用のコップが置いてあるのが何ともうれしい。

墨の湯 夕食済ませ、一服ついた夜8時、いよいよ、「墨の湯」の女性専用時間帯のはじまり、はじまり〜。
 この、白と黒のコントラストはどうだろう。白いお湯ならさほど珍しくもないが、黒いお湯は「加仁湯」以来、久々のこと。
 確かに、墨を流し込んだようなお湯で、よくよく見れば、黒い粒が浮遊している。さぞや、ザラザラするんだろうなと思いきや、ザラツキ感など微塵だにない。
 とはいえ、さすがにお肌をさするのは、この一回だけで止めてしまった。だって、タオルだってすぐ黒ずんでくるんだもの・・・。ワタシのお肌が・・・、あ〜、イヤダ〜!!!
 さて、ここで、白と黒とに色を違える「五色の湯」につき、パンフレットを調べてみると

大出館パンフレット 当館の八つの浴槽には、
それそれに効能を異にする湯が溢れています。
特に、墨を流したように真黒の「墨の湯」は
日本唯一、他に例を見ない名湯として珍重されています。
しかし、湯の違いをもって「五色の湯」と
呼称されてきたのではありません。
天候によって、温泉の色が変る自然の不思議。
一説には気圧の変化が湯脈の深さを変えるためとか・・・。
色の変化で翌日の天気がわかると言われています。

 黒い粒といえば、炭くらいしか思いつかない。こんな物質が浴槽内で生み出されるはずもないと考え、湯口のところで源泉を、何度も何度もコップに受けて、見たり、飲んだり、つぶしてみたり・・・。
近づいて見ると、基本的には白いお湯であることが分かる 湯口の段階で、すでにして、この黒い粒は紛れ込んでいる。しかも、ちょっぴり大きめ、細長いものまで存在している。ひょっとして、これは「すすの湯」?

 今の今まで、お湯につき、宿の人に尋ねることなど、ほとんどなかった。だって、推理・推測・憶測と、あれこれ重ね、楽しめるじゃない。
 今回ばかりは教えを乞うと、「五色の湯」に違いはないが、鉄が混じっているんだそうな。ということは、色からすると重炭酸鉄や赤サビではなく、鉄の黒サビ〜???

「墨の湯」の黒い粒子はこうしてできる?
炭酸泉

炭酸→水素イオン+炭酸イオン
鉄イオン+炭酸イオン→重炭酸鉄
重炭酸鉄+酸素→赤サビ・黒サビ+二酸化炭素+水
                  ▼
                
黒い粒子

 左図のように、黒サビができるメカニズムのあることだけは確認できた。ならば、「五色の湯」の正体は、宿のパンフレット通り、炭酸泉ということになる。
 しかし、あちら立てれば、こちらが立たず。炭酸泉特有の発泡現象は感じられなかったし、鉄泉特有の臭いもないし、白いお湯とベースは同じ飲み心地。しかも、ビジターセンター掲示の泉質名は、かの有名な乳頭温泉郷鶴の湯の、「白湯」とまったく同じ。飲んだお味も似ているぞ。やはり、炭酸水素塩泉なのだろう。

夕飯 そこで、炭酸泉の代わりに、炭酸水素塩泉が、炭酸を生成するとしたならどうだろう?
 白黒つきそうなところで一段落つけ、ホッと一息。白やら黒やら振り回されて、素人が玄人に聞き、より苦労する。知ろうとするなということなんかね〜。へへへっ。

 食事は朝晩ともに部屋出し。お膳ごと運んできてくれ、山の秘湯宿ならこんなものという品々で、別段、驚くこともない。

旅行日 99/11/03
コメント

02/04/27
この宿に「男湯」なるものは存在しない。あるのは「混浴」と「女性専用」ばかりなり。(Thanks to MrMeishi).
日塩もみじライン(神戸の渡辺さんが綺麗にして下さいました)

 日光と塩原を結ぶ「日塩もみじライン」をもみじの季節に走りたかった。少し早めのようだったが、ところどころ、日の光を浴びてはっとするような色を見せてくれる。もみじの沈み込んだ深い紅か、いちょうの燃えるような黄か、好みは分かれるところだろうが・・・。

 お風呂は、黒い湯、白い湯、透明な湯と3種類ばかり楽しめる。
 ただ、ワタシが訪れた日は、団体のじいちゃん、ばあちゃんで大賑わい。湯治というわけでもなく、農閑期に入ったからやってきたという、元気のよい団体。女湯が熱ければ、平気で徒党を組んで男湯へ闖入という按配。若者の乱痴気騒ぎはそれなりに許せる部分もあるのだけれど、お年寄りのはチョットね。わびしくなってしまう。
 まぁ、ゆっくりお湯につかるどころの話ではなかったね。 


元泉館
http://www.naf.co.jp/gensenkan/
住所 栃木県那須郡塩原町湯本塩原101 〒329-2900 Memo:
一泊二食 \16,000
電話 0287-32-3155
営業期間 通年
泉質 含硫化水素・重曹・食塩泉
旅行日 95/03/
コメント

元泉館(神戸の渡辺さんが綺麗にして下さいました) 写真は大出館の部屋から撮ったもの。左手に見えるのが元泉館。ということは、入口こそ大きく異なるけれども、お隣さんなのである。

 うっすら白い大浴場の湯。浴槽の広さに湯量が追いつかず、とてもぬるいのである。露天ならとの期待を抱いてつかったところ、もっと寒い思いをした。時期にもよるのだろうが、寒くて、寒くて、このまま一生風呂から出られないのではないかと思った。
 間欠泉のお湯ならば、と旧館のお風呂をたずねたら、浴槽にお湯がたまっていなかった。湧いてくるのを待ってはいたが、そこはなにしろ間欠泉。寒かったな〜!

 いま見ると、宿の前にもクルマがずらっと並んでいたので、湯量も増えたのかもしれないが・・・。

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