「イタリアへ行ってみたい」と思いつづけて１３年にもなりなんとする。きっかけは中田のペルージャ移籍などではなくて、ワタシの大好きな村上春樹の旅行記「遠い太鼓」を読んで以来のことなのだ。

　バスの運転手が、お気に入りのワインを入手するため、乗客をのっけたままで寄り道したり、お客はお客で、それならば、おいしいチーズがあるからと、運転手に寄り道させたり。もちろん車内で仲良く陽気に、飲んだり食べたり歌ったり。もちろん、運転手はごきげんで、猛スピードで山坂道を飛ばすは飛ばす。
　当然ながら、ミラノやローマといった都会での話などでは決してなくて、イタリア南部の田舎町でのできごとなのだが、驚天動地の常識に、ワタシの心はグラリとゆれた。

　これには後日談があり、改めて読み返してみると、クレタ島でのできごとだった。ハハハッ！ オリンピックもあることだし、今度はギリシアかな〜。
　それはともかく、「イタリア紀行」を著したのは文豪Goethe。記憶の底からこのタイトルが湧いてきた。「もっと光を！」なる名句もあれど、身の丈にふさわしく、ワタシの旅は、かの有名な川柳から始まるよ。