イタリア紀行 Viva Italia



ワタシはイタリアなる地が好きなわけでは決してなくて、イタリア人とその気質に心惹かれるものがあるのだ。
さて、そこで、イタリアーノを皮肉ったジョークなんぞで一笑い。

 1人のイタリア人は「恋する人」、2人のイタリア人は「決闘する人」、3人のイタリア人は「退却する軍隊」

 世界で一番薄い本は、「イタリア英雄列伝」ともいわれるだけあって、個人生活優先なのだ。第2次世界大戦後、ドイツ人が日本人に向かって曰く、「今度、戦争するときはイタリア抜きでやろうな」というのも有名な話。

 時計が出てくるので、時間の観念のなさを表す逸話のようにも思えるが、個性というものが人間だけではなく、モノにまで及んでいるような気がする。
 さすが手づくりの国。いずれにせよ、ギャフン!

 イタリアの駅や空港にある時計が、どれひとつとして同じ時刻を示していない。「なぜ時計を合わせないのか」と尋ねると、「みんな同じなら、時計は一個でいいじゃないか

 あるイタリア人がドイツ軍の捕虜になり、縛り上げられ、拷問にかけられた。そのイタリア人はどんな厳しい拷問にも屈せず、ついに何も喋りません。
 さすがのドイツ軍も根負けして、縛っていた両腕を解いてみると、とたんそのイタリア人は身振り手振りも軽やかにぺらぺらとしゃべり始めたという。
 ドイツ人は顔を見合わせ言いました。「そうか!こいつらは身振り手振りしないと喋れないんだ。」

 陽気な太っちょオヤジが身振り手振りを交えながら、おおげさにしゃべくりまくる。何もかも動きが大きく賑やかなのだ。
 イタリアで道を尋ねると、もうたいへん。5人ばかりのオヤジが集まり、てんでバラバラな方向を、自信をもって教えてくれる。さて、道が違うじゃないかと戻ってみると、大きな肩を小さくすくめ、両手の平を天に向け、大きな眼玉をしょぼつかせるのだ。まるで借りてきた猫のようにおとなしくなる。

 民主主義の基本は、自分たちが決めたことなんだから自ら従おうというもの。古代民主政治はギリシアから始まった。もっともイタリアらしい気質を未だに残すナポリは、ギリシアの植民都市となって以来、実に二千年以上の永きにわたり、他民族の支配を受けた。
 どうせ、お上の決めたこと、自分たちに有利に働くはずがないと考えるのも、DNAに刻み込まれた過去の記憶というものか。

 救命ボートが満員のとき、指揮している船員がなんと言えば救命胴衣をつけて飛び込むか。
 英国人には「紳士でしょう?」、ドイツ人には「命令だ」、イタリア人には「飛び込むと規則違反ですよ」と言えばよい。
 ちなみに、日本人には「皆さん、飛び込んでおられるようですよ」と言えばよいらしい。

In France, everything is allowed which is not explicitly forbidden by the law,
while in Germany, everything is forbidden if it's not explicitly allowed by the law.
In Italy, sometimes you are allowed to do things which is explicitly forbidden by the law.

「フランスでは、禁止されていること以外は何をやってもよい。ドイツでは、許可されていること以外やっちゃいけない。イタリアでは、禁止されてはいても、やってもよいことが結構ある。」

陽気で憎めないイタリア人、
どうやら世界中で愛されているようである。

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