トピックスコーナー
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2012年度の総会が6月9日午後1時からに開かれ、議案1〜5まで、提案の通り可決しました。

総会後に開かれた講演会「エネルギーは市民が選ぶ・創る時代へ」では講師の小田嶋電哲さん(藤野電力エネルギー戦略企画室長)から、これまでの取り組みの経緯や活動を通して得られたもの、他地域で活動を進めていくためのポイントや今後の活動展開などについてお話しがあり、その後、参加者間でのグループセッション〜発表〜まとめという構成で進みました。
これまでの活動を通して得られたものは、「人とのつながりを加速度的に強めることができたこと」、他の地域で活動を進めていく上では、やはり、人と人とのつながりを創っていくことが基本で、信頼関係を築けたらそれが活動の基盤になると話されていたのが印象的でした。

終了後の懇親会で、町田でもぜひ「町田電力」を立ち上げようという声が挙がり、具体化に向けた活動を展開していくことになりました。


鳥取県の講座で「議会のトリセツ」が取り上げられます

これまで各地で取り上げられてきた「市民必携@議会のトリセツ」が、鳥取県の男女共同参画センター(主催:鳥取県男女共同参画をすすめるネットワーク)の講座「自分磨きセミナー第3回:次世代育成スマート有権者」としてとりあげられます。講座では議会見学のプレ学習会もあり、楽しみな講座になりそうです。講師は「議会のトリセツ」編集長の奥村有紀子さんです。http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/641378/zibun2.p


市民による放射線測定アクションまちだ」がスタートしました

放射線に対する不安は依然強く、行政による測定体制の温度差に不満の声も高まっています。行政任せにするのではなく、市民が気軽に測定しそのデータを共有することで、判断材料を少しでも増やしていけたらと、活動がスタートしました。
今は未だ、成瀬地区の一部の公園での測定ですが、貸出しも行っていますので、今後、測定の輪を広げていきたいと考えています。

お問い合わせは 
mcic1997@yahoo.co.jp まで


町田市議会改革調査特別委員会が2年ぶりに再開!

2009年6月に終了したまま、改選後も設置されなかった「町田市議会改革調査特別委員会」が、9月28日(水)午後3時30分から、第1委員会室(市役所5F)で再開されます。議題は前回に引続き、1.委員会の運営について  2.付議事件 (1)地方自治法の改正に関する事項 (2)議会の権能強化に関する事項 (3)議員の調査活動に関する事項 (4)議員の身分に関する事項です。

全国の自治体議会では「議会基本条例」の制定が全体の20%に迫る勢いで進み、議会と市民との直接対話は既に400以上の議会で実践され、市民と向き合う議会の取り組みは着実に広がってきています。
町田市議会も、移転後の新庁舎では、委員会のネット中継など、より開かれた議会が実現されることになっていますが、今回どこまで議論を進め、改革を実践していくのか、その本気度が注目されます。

◆委員会の構成議員は以下の通りです(敬称略)。 ◎は委員長 ○は副委員長

 ◎齋藤祐善 ○おく栄一 三遊亭らん丈 河辺康太郎 佐藤洋子 上野孝典 渋谷武己 藤田学



かながわ女性センターの講座で「議会のトリセツ」が!

神奈川県かながわ女性センター主催の「女性にとってのセイフティーネットを考える」という5月29日から10月23日までの全12回講座で、「市民必携@議会のトリセツ」が取り上げられました。

「社会参画セミナー江の島塾」と題したこの講座は、テーマに関する、様々な専門家の話を聞き、意見交換等を通して、現状を変える手がかりを考え、政策を企画・立案・発信する手法を学ぶという趣旨で開催されています。

7月24日に行われた「市民必携@議会のトリセツ」から学ぶ〜市民が議会を使いこなすために〜の講師には、トリセツ編集長の奥村さんが招かれました。対象が女性なので、これまでのご自身の人生体験を交え、請願活動に関わるいきさつや、議会を使いこなす術等を話されたそうですが、たいへん高評だったようです。
講座の終盤には「陳情・請願を作ってみよう!」という回もあるとのことでした。

冊子「市民必携@議会のトリセツ」は、今でも地方議会の議員さんから問い合わせが続いています。


請願が不採択に!

 3月議会に提出し継続審議となっていた「
自治基本条例の再検討・制定の際は市民及び住民参加を保障することを求める請願」が、6月21日の総務常任委員会にかけられました。
 あいにく傍聴できず、結果だけ事務局に確認したところ「不採択」」だったとのことでした。

 審議の中味は分かりませんが、自治基本条例の再検討・制定の際は市民参加を保障するという請願を不採択にするということは、行政側の答弁『再検討するつもりはない』にお墨付きを与えかねません。また、制定の際も市民参加を要件としなくていいと議会が判断したことになります。

 地方政府の憲法といわれる「自治基本条例」がこんな形で制度化されていいものでしょうか。本会議は最終日が29日です。委員会報告に「否!」と発言する議員は、もはや存在しないのでしょうか?

 結果はともかく、条例の体をなさない行政案に異を唱えて提出された今回の請願について、議会と議員の良識を再度問いたいと思います

29日に開かれた本会議でも、質疑も討論もないまま採決に移り、起立少数で不採択となりました。


「市民と議員の条例づくり交流会議in関西」第2分科会に参加しました

2月20日に大阪府茨木市でおこなわれた関西初の交流会議、第2分科会の市民サイドから考える「みえる議会、わかる議会、いかす議会」にパネラーとして参加しました。http://kokucheese.com/event/index/7399/

分科会の前に廣瀬克哉法政大教授から基調報告「議会は何をするところ?いま自治体議会に問われていること」がありました。
第一分科会は広瀬さんをコーディネーターに前国立市長の上原公子さん、前栗山町議会事務局長の中尾修さん、大阪府熊取町議会議員の大村敏夫さんをパネラーに、議会サイド、行政サイド、首長サイドから考える「みえる議会、わかる議会、いかす議会」 のテーマでおこなわれました。

第二分科会は、朝日新聞編集委員の神田誠司さんをコーディネーターに、地元の茨木青年会議所の加藤万寿久さん、相模原市議会をよくする会の赤倉昭男さん、そして、まちだ市民情報センターの卯月が報告者に。
当日の参加者数は250名、その内、市民の方が半数以上という構成でした。

赤倉さんは、The Galleryという機関紙を発行、その中で「相模原市議会議員の通信簿」を4年に一度の選挙前に公表しています。
基礎的能力や質問の頻度・内容、公約言及度、人格、好感度など9の観点、25の項目について評価し、合計点で100−91点を秀、90-81点を優、80-66点を良、65-51点を可、50-31点を不可、30-0点を落第としています。全議員52名中、秀はゼロ、優が5名、良が14名、可が19名、不可が13名、落第が1名でした。この評価、相模原市民と議員本人はどのように受け止めるのでしょうか。

加藤さんは、青年会議所理事長として、コミュニティーがあふれるまちづくりを提言書にまとめられた経緯から、一人でも多くの方と議論を重ね行動していくことの意義や、市民として、まずは自分の出来る事から始めることの大切さを語られました。まさにそれこそが市民の意識改革です。

赤倉さんの活動のターゲットは議員であるの対して、「議会のトリセツ」のターゲットは市民です。市民が変わらなければ議会も変わらないというのが原点です。赤倉さんの活動は見えやすく、市民の理解を得られやすいものです。一方、私たちが市民に投げたボールを、市民はどう投げ返してくれるのか、議会へのアプローチをどう継続していけるか、まだまだ課題は山積していますが、これからも粘り強く活動をしていきたいと思います。

交流集会の実行委員であり、当センターの公民館講座でも何度も講師を務めていただいた高井章博さんが、会場で「議会のトリセツ」の販売を引き受けてくださり、何と100冊完売となりました。高井さん、本当にありがとうございました。

もうひとつ。1999年におこなった連続講座「市民参加のしくみをどうつくる」の4回目講座の講師をしていただいた、箕面市議のますだ京子さん(http://www.geocities.jp/hiroba96/)に十数年ぶりに再会しました。懐かしい方にも再会でき、いくつもの新しい出逢いがあった交流集会に感謝したいと思います。実行委員の皆様、参加された多くの皆様、お世話になりました!




「市民企画☆議会報告会」開催しました!

   

2月13日(日)午後2時から、町田市原町田のコメット会館で行われた「市民企画☆議会報告会」には、議会の4会派から8名の参加があり、各会派から1名をパネラーに報告をしていただきました。今回は3つのテーマを設定しました。なお、発言内容は概要です。

@12月議会に上程された「(仮)町田市自治基本条例案」の審議のゆくえは?
佐藤議員(条例案を審議した総務常任委員会副委員長):市側の説明では、中期経営計画の目指すものに合わせて作ったというが、拙速に作られた条例であり、市民参加の観点が見られない、街づくりの定義などが不明確であり、2006年の答申の内容も活かされていないなど問題点が多く、委員会では否決とした。本会議でも否決となった。
斉藤議員:2006年の答申は地域の様々な団体や学識者の参加があった。その内容とはかけ離れた「協働と情報共有」に特化した内容だった。庁内のコンセンサスも充分得られたものではなかった。
吉田議員:住民という考え方がない条例案だった。住民もそうでない人も町田に関わりあれば市民という捕らえ方は現状に即していない。「住民投票」が入っていない条例に意味があるのか。大多数に受け入れられる内容ではない。

☆参加者から、議員提案で制定する考えはないかとの質問に〜
斉藤議員:住民側が基本的部分を行政側と作るもので、議会側が作るのはどうかと思う。
佐藤議員:議会の委員会で作るのは難しい。行政が市民参加を得て作っていくプロセスが大切。

A議会としての「議会報告会」開催の可能性は?
吉田議員:委員会でも先進議会に視察に行ったが、町田で開催する場合、人口規模や人の意識が中央に集中していないなど多層化の問題がある。やり方の問題もあるが、多様な意見が出るのか疑問だ。また、参加者の見解を市民代表の意見として議会・議員に対応される可能性が高い。
佐藤議員:人口規模の問題を挙げ、先進議会の視察でも集まる人がだんだん固定化しているなどの問題もあるらしい。どういう形で市民に報告していくのか会派の意見が異なるので難しいと発言。
斉藤議員:広報広聴の場を持つことに異論はないが、苦情要望の場になったり参加者の固定化も危惧される。議長が記者会見するという考え方もできる。
三遊亭議員:人口規模の問題と、伊賀市議会の事例を挙げ、報告会が「要望受付会」に変貌する恐れもある。

☆参加者から:要望受付的になる危惧は分かるが、回を重ねることで意思疎通が図られることもある。やり方次第ではないか。議会への関心が低いのも、意見を通す仕組みがないからではないか。
個々の支援者への説明ではなく、有権者全体に問いかけたり意見を汲み取ったりする機会が必要なのではないか。
それに対して〜

三遊亭議員:前向きにやるべき。個々の支持者への報告会は行っているが、それ以外の人に対しても試行してみたい。
斉藤議員:反対する議員はいないと思うが、実施するにも、多層化した町田の都市構造上の問題で足踏みしている面もある。やり方次第だが、アイディア不足だ。他市との相違を配慮すべきだが、アイディア出してもらいたい。
佐藤議員:要望苦情聞くのも議員の役割だが、42万人の市民の中に36名の議員が入っていくとなると一体何回やったらいいのか、なかなか難しい問題だ。思いの違う会派が報告会を行うのは至難の業と思う。
吉田議員:報告会を政策決定の一助にするならいいが、そこでの意見に従わなくてはいけないとしたら、町田のような都市では合わないだろう。多様な意見が見えない形で出てくる、むしろ声なき声を汲み取っていかざるを得ない都市構造になっているのではないか。市長は町内会の皆さんと話しをされて、それをもって意見を汲み取ったという理解をされているが、非常に危険だと思っている。他にも様々な組織形態があり、組織に参加しないのも含めて、汲み取っていかなくてはならない。それが役割だと思っている。

B「議会基本条例」制定の是非は?
三遊亭議員:共通認識ない中で作るのは困難。
斉藤議員:議会の機能について、住民と共に話し合いを重ねたい。自治基本条例の中での議会の位置づけもされていない中で、議員だけで話し合って議会基本条例を作るのはどうか。
佐藤議員:議会改革を積み重ねた上での基本条例という位置づけで、基本条例ありきの議論ではなかった。現段階では必要ないのではないか。議員同士の論議の場がないが、これを変えていかなくてはいけないと強く思っている。
吉田議員:議員間の自由討議は「議会基本条例」抜きにしてもあった方がいい。

議会改革の3必須要素である「議会報告会」「議員間の自由討議」「請願者の意見陳述」の内、町田市議会では請願者の意見陳述が2009年9月議会から正式にスタートし、請願数が比較的多いことなどから、早稲田大学マニュフェスト研究所の2010年議会改革度調査で総合8位となりました。そんな話題も織り込みながらの意見交換会となりました。

この他にも、参加者から通年議会や議会規定の問題点などが指摘され、意見交換がされました。


ご参加いただいた議員と市民の皆さん、ありがとうございました。



「市民必携@議会のトリセツ」が「市民と議員の条例づくり交流会議in関西」で分科会に!

昨年の11月には愛知県刈谷市で開かれた交流会議で分科会に取り上げられましたが、今回2月20日に大阪府茨木市で行われる交流会議でも、市民サイドから考える「みえる議会、わかる議会、いかす議会」 のパネラーの一人として話す機会をいただきました。
おとなり相模原の赤倉昭男さん(相模原市議会をよくする会代表)<議員の評価表、議会ウオッチング>とご一緒の分科会です。

◎詳しくは  http://kokucheese.com/event/index/7399/


冊子「市民必携@議会のトリセツ」が朝日新聞の「人」でとりあげられ、全国から注文が殺到したおかげで、現在三刷目を印刷中です。



市長提案の「自治基本条例」、本会議でも否決!

本日(12月22日)開かれた本会議で、市長提案の「自治基本条例」案が否決となりました。
14日に行われた総務常任委員会の採決でも否決でしたが、その後に何らかの巻き返しがあったのか、ギリギリまで票読みが危ぶまれていました。こんな自治基本条例の体をなさない条例案が可決されたら、町田市の恥だとの声まで挙がっていました。

そして・・・
総務常任委員会委員長の審議経過と結果報告に続き、佐々木智子議員(共産党)及び斉藤ゆうぜん議員(民主党・社民・ネット)の反対討論を受けた採決で、原案に賛成少数により「否決」となりました。

当会では条例案の疑問・問題点をまとめ、議員や会派に対して充分な審議を求めてきましたが、議会の良識が発揮された議決だったと感じています。

私たち市民が求めるほんものの「自治基本条例」の構築に向けた議論を、もう一度始めていくことが必要です。

今日の結果と審議過程については、来年2月13日に開催する「市民企画☆議会報告会」で議会側の説明を求めたいと思います。


「市民必携@議会のトリセツ」が「市民と議員の条例づくり交流会議in東海」で分科会に!


2001年の第1回開催以来、各地で地域の課題解決に取り組み、政策提案や条例づくりをめざす、市民や議員、研究者、自治体職員らが、知恵や経験を共有し互いに学びあい提起しあうために交流する場として開催してきた「市民と議員の条例づくり交流会議」が、11月27日(土)に愛知県刈谷市で開かれます。

その第一分科会で、「市民必携@議会のトリセツ」が取り上げられ、実質的な編集・制作の責任者であった奥村有紀子さんが講師として話すことになりました。

この交流会議の第一回実行委員会の席上、公民館講座の講師もお願いした高井章博さんが冊子の紹介をしたところ、是非話しを聴きたい!という意見が続出し、実現の運びになったようです。市民が議会を使いこなす「議会のトリセツ」という発想が、まさに目からウロコだったとのことです。

しかも、実行委員会からの申し出で増刷決定。実行委員会で300部の買取をしていただけることに。残部が僅かで対応を考えあぐねていただけに、この申し出に喜んで対応させていただくことになりました。


交流会議の詳細は→
    http://kokucheese.com/event/index/5356/




自治基本条例素案へのパブリックコメント

町田市が募集した「(仮称)町田市自治基本条例素案」に対するパブリックコメントを提出しました。
市民からのパブコメ結果概要は11月下旬に発表されるとのことですが、スケジュールを見直す必要があることを含め、提案しました。


はじめに

2006年の検討委員会の答申「町田市における自治基本条例のあり方について」を受けて、2009年に「庁内検討委員会」で条例骨子案をまとめた、と経過説明がされていますが、示された素案に答申書の内実が反映されていると思えません。

また、示されたスケジュールによれば、市民の意見聴取はたった1回のパブコメだけになっています。自治基本条例は、制定の過程でいかに市民の多様な意見・議論を反映していけるかが鍵になります。制定を急ぐのではなく、時間をかけて主体間の議論がおこなわれるよう、スケジュールの見直しが必要です。

<前文について>

@自治基本条例は、地方政府の最高規範(まちの憲法)として位置付け、他の個別条例との関係を整理し、体系化を図ることが必要です。そのことを明記すべきであり、素案での表現「自治の礎として」は不明確で解りづらい表現です。そもそも「自治とは何なのか」また、「その主体者は誰なのか」の考え方も示されていません。

A「私たち市民は、主権者として地方政府である町田市に、まちづくりの一部を信託しています。その信託に基づいて政策を定め、市政を運営していく」ことを明記すべきです。

B憲法の要でもある「基本的人権の尊重」という表記も必要と考えます。

C素案の「市民がまちづくりを行う伝統は、町田市の誇りである」という表現は、あまりにも曖昧であり、もっと具体的な表現がなされるべきです。急速な都市化により、何がどう変化し、なにが失われたのか、そこに市民がどう関わり、未だ残る問題点は何なのか、さらに、未来に向けて何をなすべきなのか、きちんと評価すべきと考えます。


<目的について>

@より成熟した「協働型社会」の実現を図るという表現は曖昧であり、「市民自治の確立を図ること」こそ、自治基本条例の第一の目的にすべきと考えます。また、「自己責任、自己決定による自治の運営を実現する」という条文も必要と考えます。

 

<定義について>

@「自治」という概念について定義すべきです。

 

<自治の基本理念について>

@「まちづくりの主役は、市民であること」という表現は抽象的かつ曖昧です。「市政は市民主権、市民参画に基づいておこなわれます」という表現が適切と考えます。

 

<自治の基本原則について>

@「市民参画の保障」、「知る権利の保障」、「説明・応答責任」、「平等な社会の実現」、「財政自治の原則」、「法令の自主解釈」、「情報共有」、「協働の原則」、「多様性尊重の原則」といった項目が書かれるべきと考えます。

 

<市民の役割について>

@単に「役割」ではなく、「権利と責務」とすべきと考えます

A「情報発信」と「情報収集」が何故「自治基本条例」上の市民の役割なのか理解に苦しみます。権利規定として、「市民は、市の計画立案・策定・決定・実施・評価の各段階への参画する権利があります」ということを明記すべきと考えます。また、「市政への参加・参画をしないことを理由に不利益を受けない」という条項も必要と考えます。

B「市長・副市長など主要公務員の解職請求権および就任権」、「議会の解散請求権」や「条例の制定・改廃請求権、事務監査請求権」についても権利条項で明記すべきです。

C「説明責任・情報公開・提供を求める権利」、「参画・協働の推進を求める権利」「行政サービスを受ける権利」を明記すべきと考えます。

D「市政に参加するよう努める」という表現ではなく、「市民は、自らの意思と責任の下に、市政に参画することができます」とすべきと考えます。

E責務規定として、「本条例の遵守」「納税の義務」を明記すべきと考えます。

 

<市の役割について>

@市の場合は「役割」ではなく、「責務(義務)」とすべきです。

A条項としては「参画・協働の推進」「説明責任・情報公開・提供」「個人情報保護」「自治行政権」「自治組織権」「自治財務権」「自治人事権」などが必要と考えます。

Bなお、市長などの執行機関については、別途定めるべきと考えます。

C市の出資団体に関して、「市との関係と経営状況などに関して資料を作成し、毎年度公表しなければならない」という規定をおくべきと考えます。

 

<条例の改正等について>

検証の主体は市民でなければなりません。制定時もそうですが、改定時にも一定のシバリをかけるべきです。例えば住民投票などです。

 

<その他、素案に欠けている項目について>

@立法機関としての「議会および議員の責務・役割」に関する規定をおくべきです。

A住民投票に関する規定をおくべきです。その際、「常設型住民投票制度の創設」とすることが重要です。

※例(豊中市自治基本条例第30条)

1項      市に住所を有する満18 歳以上の者(外国人を含む)は、将来にわたって市に重大な影響を及ぼすと考えられる事項に関し、その6 分の1 以上の者の連署をもって、市長に対し市民投票の実施を請求できる。

2項      市長は、前項の請求があったときは、市民投票を実施しなければならない。

  (以下略)

B市民自治の推進機関「(仮称)市民自治推進委員会」の設置規定もおくべきです。


以上


町田市が「(仮称)町田市自治基本条例素案」に対するパブリックコメントを募集中

現市長(2期目)が1期目の公約で掲げていた「自治基本条例」。4年間その進捗状況は市民に知らされることもなく、8月1日にいきなり素案へのパブリックコメントが開始された。
市によれば、2009年に庁内検討委員会で条例の検討を行い、2010年3月に条例骨子案をまとめたという。
しかし、まとめた骨子案が市民に示されることもなく、今回の突然のパブコメには、驚きを通り越して呆れてしまう。

「自治基本条例」といえば自治体の憲法ともいわれ、住民自治に基づく自治体運営の基本原則を定めたもの。現在、全国の150を超える市町村で制定されている。
町田市でも2005年度に公募市民団体(1団体のみ)をまじえた「町田市自治基本条例検討委員会」を立ち上げ、パブコメや広聴会などを経て、2006年1月に答申書をだした。そこには基本理念、基本原則をはじめ、、市民等の権利・責務、行政などの責務(義務)、議会の権利及び責務(義務)など、条例の骨子となる内容が明記されていた。

しかし今回示されたのは、条例(素案)の構成として、「前文」「目的」「定義」「基本理念」「基本原則」「市民の役割」「市の役割」「条例の改正等」という項目はあるものの、答申書の内容からは程遠いものであった。

今回のパブコメ募集にどれだけの市民が関心を寄せるのか(関心を呼ぶ程の内容ではないが)、疑問であり、検討過程・制定過程にこそ意義がある「自治基本条例」をこんな形で進めようとする町田市の姿勢に大きな疑問符をつけたい。
何をそんなに急ぐのか、理解に苦しむ。もっと時間をかけて、市民間の議論を巻き起こすことから再出発してほしい。

市によれば12月議会に条例案を提案するという。議会改革の足が止まったままの議会がどんな判断を示すのか。市民の代表機関としての責務を全うしてほしい。


議会活用 市民向け「トリセツ」

町田の団体発行 実例取り上げ解説

「市民が議会に関心を持つきっかけになれば」と話す卯月代表

 町田市の市民団体「まちだ市民情報センター」(卯月慎一代表)が、市議会の仕組みや、議会への請願の仕方などをわかりやすく解説した「市民必携@議会のトリセツ(取扱説明書)」を発行した。卯月代表は「市民の小さな思いを議会に反映させるため、どう議会や議員を活用していくかを紹介した」と話している。

 同センターは1997年、市民に自治や議会に関心を持ってもらおうと設立された。会員は会社員ら約50人。講座を開いたり、市長選で各候補の公約についてアンケートしたりしてきた。今回は、メンバー7人で編集委員会を作り、1年がかりでまとめた。

 トリセツは、「市議会ってなあに」「請願のイロハ」など5章から成る。「困りごと解決への道のり」では、困りごとが発生したら、まず担当課に連絡、情報収集し、仲間と解決策を検討する。次に市長に手紙を出すとか、市長懇談会で訴える、担当課に要望する、議会に請願するなど、問題解決に向けた対応を丁寧に説明している。

 実践的なノウハウとして、継続審査とされた請願(「きょうだい児が同一園に通園できるように入所基準表を改訂する」)が内容を一部修正する作戦で、採択された実際のケースも取り上げている。

 また、一般質問や動議など議会用語の解説、議会改革をテーマにしている市民団体の一覧などもついている。B5判、82ページ。1部500円。問い合わせは卯月代表((電)042・739・0080)へ。

2010年1月9日  読売新聞)

どこまで進む「議会改革」

町田市議会の「議会改革調査特別委員会」は2009年6月16日で終了。2006年9月の定例市議会で設置が可決されてから約3年間の議論に終止符が打たれました。この間、先行自治体議会への視察などを行い、その実態に触れてきた委員会、「請願者の意見陳述」をスタートさせるなどの一定の成果は挙げたものの、「議会報告会」や「議会の権能強化」などのテーマでは議論の一致を見ることができませんでした。

今後も議論が必要との認識では一致していますが、改選期にあたることから、2月に行われる市議選(市長選と同時)において選ばれる議員・議会が、どの程度「議会改革」に本気になるのか、立候補予定者の意識・見識が問われます。

お隣の多摩市では、「出前委員会」の実施など、市民との意見交換の場を積極的に設け、あるべき議会の姿を模索してきました。「議会基本条例素案」の提示、パブリックコメントの実施を経て、「議会改革特別委員会」での議論も、既に大詰めの段階にあるといいます。
素案:http://www.city.tama.lg.jp/dbps_data/_material_/localhost/01gikaijimukyoku/joureisoan.pdf

全国の自治体議会では、既に84条例(1月6日現在)が制定され、100を越すのも間近になりつつあります。議会基本条例制定状況 (自治体議会改革フォーラム) http://www.gikai-kaikaku.net/gikaikihonjourei-info.html


地方紙においても、議会改革の特集が組まれるなど、その動きはますます活発化しているといえるでしょう。
 河北新報特集「変えよう地方議会」http://blog.kahoku.co.jp/chihougikai/cat600/



冊子「市民必携@議会のトリセツ」刊行しました。



2008年9月から11月まで、全5回にわたって開講された公民館市民企画講座「知って得する!あなたのための議会と議員の使いこなし術
〜市民必携!@議会のトリセツ(取扱説明書)」
の成果を形にしようと、今年1月から編集委員会を立ち上げ、冊子かに向け活動してきました。
そして先日、12月19日に市民フォーラムにて刊行発表会を行いました。

今回の冊子は、市民の悩みごとや困った!を解決する手段のひとつとしての「議会への請願」を中心に、実録を交えて解説したものです。手順や注意点など、実際に請願活動を通した貴重なアドバイスが詰まっています。これから議会への請願に取組みたいと考えている方に、役立つ冊子ですので、是非、ご活用ください。
久美堂でも扱っています。定価は500円です。

第1章「市議会ってなあに」第2章「困りごと解決への道のり」第3章「これがキモ!問題の整理」第4章「請願のイロハ」第5章「実録 ザ・請願」
この他、コラムやお役立ち資料も満載です。



市民と議員の条例づくり交流集会2009

7月25日(土)、26日(日)の2日間にわたって行われた[市民と議員の条例づくり交流集会」、今年のテーマは「市民と議会の次のステップ」です。

お茶の水の明治大学駿河台キャンパスで行われた初日の全体会・第1部で、挨拶に立った廣瀬克哉/法政大学教授は、「全国で議会改革に取り組んでいる議会が過半数を超え、議会基本条例を制定した自治体議会も63を数える。しかし、制定後の動きが見える議会と全く見えない議会に二分されている。何のための議会改革なのか、あらためて議会のありようが問われている。圧倒的に優位な執行機関に対して議事機関としての議会が力を発揮するためにも、住民との共同作業を積み重ねて信頼関係の構築に取りみ、議会の声が住民自治の声になる必要がある。」と問題提起をされました。

続いての基調講演「自治体ガバナンスと地方議会」で中邨章/明治大学教授は、「二元代表制は虚構であり、立法府と行政府は対等というのはウソ、今の制度は圧倒的に首長に有利で、議会に権限などない」と、穏やかでない発言も飛び出しました。また議会改革の私案として、「行政監視機能、百条委員会の一層の強化。事務局人事をコントロール化に置くなどの後方支援の強化。パブコメの常設化や議会広報の充実など参加議会への移行。」を強調されました。

基調講演を受けて、北海道栗山町議会の橋場利勝議長と三重県議会の三谷哲央議長、そして会津若松市議会の松崎新議員からの事例報告がありました。橋場議長からは、栗山町議会基本条例の進化として、3度の改正の意義や計7回にわたる議会報告会での住民意識の変化、新たな議会モニター制度・議会サポーター制度についての報告がありました。三谷議長からは、条例制定後の議会改革の主な取り組みとして、会期の見直しや付属機関「議会改革諮問会議」などの解説や、議長選挙の際に掲げた「議長マニュフェスト」について言及され、改革の牽引役としての強い意気込みを感じることができました。松崎議員からは、「議会基本条例」で市民に約束した事の具現化としての「市民との意見交換会」を政策形成のツールのひとつとして位置づけ、政策形成のマネジメントサイクルに活かしていくこと、政策討論会の取り組みとして、全体テーマのひとつである「水道事業の民間委託」についての討論会の概要と成果について報告された。

第2セッション「どこまで進んだ?議会改革」では、長野基/跡見学園女子大学専任講師から、自治体議会改革フォーラムが実施した「全国自治体議会の運営に関する実態調査2009」の結果報告がありました。1851の全国自治体議会の内、1508議会から有効回答、22の設問の分析についても言及がされました。

そして第3セッションの事例報告「市民と議会の次のステップへ」では、6月6日に「市民と議員の条例づくり交流会議in会津」を開催した会津若松市議会の小林作一実行委員長からの報告がありました。2番手は川崎市議会を語る会の吉井俊夫さん(情報センターの「議会のトリセツづくり」編集委員のメンバーです)から、終始非公開で審議され、パブコメもただのアリバイかと思われるような、川崎市議会の「議会基本条例」制定のおかしさに対して突きつけた、市民による「議会改革チャレンジ案」についての報告がされました。最後に奈良市での市長・市議選立候補予定者と市民による「大討論会」について、ローカル・ガバナンス研究所の木原勝彬さんから報告がありました。


2日目は会場を法政大学市ヶ谷キャンパスに移して、3つの分科会と全体会という構成でした。
第1分科会は「市民と議員の政策条例づくり」。第2分科会は「財政・予算決算改革」、そして第3分科会「議会改革から自治体改革へ」です。第2分科会に興味を抱きつつも、第3分科会に参加しました。午前中は「議会報告会がつくる自治の舞台」と題して、前半に鶴ヶ島市議会の山中基充議員、小松島市議会の出口憲二郎議長から、後半に南会津町議会の湯田秀春議員、京丹後市議会の大同衛議長から、議会報告会の実践報告や経緯についての説明がありました。町田市議会では考えられないような実践には驚かされると同時に、改革はここまで来ているとの実感を得ました。それぞれの報告に、改革は一気に進まないながらも、工夫をしながら根気よく続けていくことの大切さを改めて受け止めることができました。

午後は「市民と議会が政策をつくる」と題して、会津若松市議会の目黒章三郎議員と会津美里町議会の荒井誠一議員から報告がありました。
会津若松市議会では議長選挙の際に所信表明会を実施、常任委員会委員長選挙にもマニュフェストを提案した。行政職員が案を作って審議会や懇談会に答申させるのは行政側の市民参加のアリバイ作りであり、計画の素案の段階から市民参加をするルール作りが必要、自治基本条例も議会から提案できるよう準備したい。議員の個人プレーではなく「チーム・ザ・議会」が大切と話された。

会津美里町議会では、未だ議会基本条例は制定されていないが、福島大学と協定を結び、セミナーの開催や助言・指導を受けた。その中で議会の活性化の目的を明確にするために「議会の機能」について全議員からアンケートをとり、結果、先ず「住民との連携」について研修した。これまで住民に対して結果を報告したことはあるが、意見を聴くことはなかった。議運でも、「大事なことは議員は住民によく説明し、住民に考えてもらい、住民も参加して討議し両者が熟慮の上で、住民が賛否それぞれの意見について納得した上で、住民の意向を踏まえて、議会が議決する」との研修会からの指摘を課題として受け止めた。今後も議員間の自由討議と町民との自由討議を行う行うことを決定しているとの報告がありました。

その最終の全体セッションとして「議会が変われば、自治体が変わる」と題して、中尾修さん/東京財団研究員・前北海道栗山町議会事務局長と武藤博巳/法政大学教授から発言がありました。
中尾さん/前事務局長は冒頭、前日の中邨明治大学教授の基調講演にふれ、「あの発言にブーイングもせずに黙って聴いている議員さんはそれでいいということなのか?議員がチェック役に徹すればいいというなら、監査役を100人にしたほうがいい!」と一撃の場面も・・・。

栗山町では基本条例制定前の2005年から報告会を始めた。2008年に合併問題が起きたが、4年間の報告会で双方向の回路が成立していたので、合併問題も報告できた。栗山町は橋場議長がいたから議会改革ができた。議長は一貫して「首長と議会は5分と五分」であると、一歩もぶれなかった。全国の議会改革の先頭を走り続けてきた実践の重みを感じさせる発言でした。

武藤教授は、民主主義のコストをどう考えるか、自治体の予算総額の1%程度を議会に当てていいのではないか。その枠内で事務局機能を高め、議会を活性化すべき。常時、市民の意見を聴く場を設けることが、信託の確認の場として必要と話された。

今回の参加者は議員と議会関係者が170名、市民・自治体職員・学生・マスコミが68名でした(共に前日までの集計による)。
残念ながら今回も町田市議会の議員さんの参加はありませんでした。もう来年の選挙選モードに突入なのでしょうか。市民のために働く議会、市民に開かれた議会改革を考えることこそ、議会と議員の最大の今日的課題のはずですが、その認識はあまり感じておられないのか、単にご多忙なのか???

それにしても、改めて感じたのは、改革を進めてこられた議会や市民には必ずキーマンが存在していることです。そこが作用点や力点になって改革が進められていくように思いました。動き出さなければ転がっていかない。町田市議会も先ずは「議会報告会」の実践だ、と意を強くしました。



地方議会の改革「ニセ議会基本条例を斬る」

7月1日、東京財団主催で表題の政策懇談会が日本財団ビルで行われました。50名定員でしたが、100名以上は参加していました。
その多くは地方議会議員の人達で、議会ウォッチャーの方々も参加されていました。事前に「ニセ議会基本条例」とは何ぞやという問い合わせもあったようです。

東京財団が今年4月までに「議会基本条例」を制定した48市町村を対象に行った、ヒアリングを含めた調査結果の中間報告がありました。特に今回は「議会と市民」との関係を取り上げ、議会への市民参加を強化する条文がないものは「ニセ基本条例」である!と位置づけてのものでした。
一般会議の開催、参考人/公聴会制度、請願者/陳情者の委員会での発言、委員会の公開、議会報告会の開催、議案への各議員の投票結果の公表、制定過程などのチェックです。「議会と市民」との関係で、これらの項目を条文に入れているのはまだまだ小数で、条例検討の委員会を全く非公開で行う議会すら存在するという驚きの実態が明らかにされました。

この後、パネルディスカッションに入り、3名のパネラー福嶋浩彦(前我孫子市長)、中尾修(前栗山町議会事務局長)、大下敏之(前佐賀市長)からの発言があり、それを受けての会場からの質疑と意見交換となりました。

前栗山町議会事務局長の中尾氏への質問が集中していましたが、議会報告会の進め方で、「栗山町では前段を議会で報告したいこと、議会として決めたことを報告をし、後段ではフリートーキングで行ってきた。テーマを決めないでガチンコで述べ合うこと、自治という中に参画してもらうことがいいと思っている」と中尾氏。また議会への市民参加について「物事が決まっていく過程に参加してもらうことが重要」。説明責任については「否決事案はより丁寧な説明が求められる」と話された。栗山町では町民からの請願等を「第三の町民提案」と位置づけています。

前佐賀市長の大下氏も、市長時代に19の小中学校区で行った市長と語る会(部長連は同行せず、市長と広報担当のみ)で、「当初は陳情の連続だったが、次第に重要な課題が浮かび上がってきた。前向きな提案もあがってきた」と市民との直接対話の重要性を語った。

福嶋氏は、「先ず基本条例を制定して、その後に充実型という傾向が多いが、議会の常套句は、“趣旨はいいけど、早すぎる”だ」。「議会の権限強化も大切だが、市民の議会への権限強化が先ず先にあるべき。議会の権限強化だけでは、改革をしたくない議会基本条例になる」ときっぱり。

また、人口38万のある市の議員の「議会報告会をやらないと住民参加していないという傾向はどうか、」という質問に対して、福嶋氏は「それはこれまでの伝統的な考え方や個々の議員の対応であって、議会への市民参加は個々の議員にお願いすることではない。正式な場で議員と住民が議論することだ。議員は意思決定機関としてのあり方を定めるべき、その過程では議員同士の討論をすべき、意思決定の場にキチンと市民の意見を入れるべきで、機関としての報告がなされるべき」と熱く語っていたのが印象的でした。

質問者の挙手は止まらず、予定を大幅に超過して終了となりました。
みんなこんなに熱心なのに、なぜ議会は変わらないのでしょうか。
いや、変えていかなければ。そのためには、先ず議会のトリセツづくりです。



●小冊子「@議会のトリセツ」づくり中間報告
  どなたでも参加できます!日程はイベント情報コーナーをご覧ください。


公民館市民企画講座を終わり、講座の参加者や講師をまじえた編集会議が1月からスタートしました。
冊子の内容としては、既にある「議会のしおり」「議会の概要」との違いを明らかにし、市民の目線からわかりやすく書く。また、トピックとして面白いものは取り上げることにしています。

項目として以下の構成で検討中です。
0.この本の使い方
1.市議会ってなあに
 ・市議会って何をしているの?
 ・市議会はいつやってるの?
 ・市議会と町田市って違うの?
 ・議員ってどうやって選ばれるの?
 ・議会でできること、できないこと
2.困りごと発生!
 2−1.まず市役所に相談(行政)
 ※提言ももちろんOKということを盛り込む
3.他に相談する
 3−1.関係するところに相談
 3−2.議員に相談
 3−3.他に相談できるところはある?
4.要望をまとめる
 4−1.問題の本質を突き止める
 4−2.どうすれば問題が解決できる?
 4−3.実現手段を決める
5.困りごと解決手段
 ※手段選択に使えるよう、マトリクスで表現(効果、ハードル、・・・)
 5−1.請願 etc.
6.請願のしくみ
7.実録「ザ・請願」


A.禁止事項
 ・一般質問の禁止事項
  −お金に関すること(予算)
 ・議員の使い方禁止事項
B.議会用語の常識・非常識(議会用語の基礎知識?)


公民館市民企画講座「知って得する!あなたのための議会と議員の使いこなし術
〜市民必携!@議会のトリセツ(取扱説明書)」

“変えなきゃ!議会”の旗印の下、全国各地で議会の役割を問い直す取り組みが始まっています。真に豊かな地域の自治を創るために、議会の役割はますます高まっていますが、現実は行政提案への賛否や質問に終始し、討論する議会、参加の場としての議会、チェック機関としての再生という、議会にいま求められている姿とは程遠いと云わざるを得ません。先進自治体議会の事例や全国での取り組みなどから、市民に開かれた議会をどう創っていけるのかを学ぶ「まちだ中央公民館市民企画講座」が、2008年9月27日から11月22日の全5回の日程で開催されました。


1.ナンカイ用語も、これでスッキリ p(^ ^)q 議会と議員の常識・非常識

講師:吉井俊夫さん(「川崎市議会議員と市政を語る会」実行委員)

地域の子どもサッカークラブのコーチ兼代表として、川崎市の少年サッカークラブが利用していた多目的広場が、利用者との議論もなく突然消えるという問題に直面し、議会と関わりはじめた。ワールドカップキャンプ地誘致に必要な大人用の専用グラウンドへの転用が理由だった。市長への手紙やオンブズマンへの相談などを経て議会に陳情を出し採択されるが、その後のフォローはなく、議会の役割に疑問を感じた。一方、行政は教育委や環境局、企画局、市民局からなる「あり方委員会」を設置し、意識調査の実施など1年間検討し報告書を出したが、問題の核心には言及しないままだった。

川崎市議会では年4回議会を開き「地方自治法の第96条」に則って審議するが、質問はあっても条例も予算・決算も「原案可決」で、議員同士の討論や修正はなく、実質的な審議がないまま形式的な議会運営に終始している。また、市長の専決処分など、議会の議決権を狭めている状況がある。その上、「事件」「質疑」「質問」などの議会用語が解りづらく、市民の議会への関心を遠ざける要因だ。

そうした状況を踏まえ、市民の議会への関心を関与に引き上げ、最終的には参加へと結びつけていくために「川崎市議会への関心を広げる市民の広場」というHPを立ち上げた。「市議会活動の検証と評価」サイトで、会議録から一般質問の内容に踏み込んだ批評を行い、優れた質問を紹介、その条件を探り効果的な質問展開のパターンを分析している。(※筆者注:かなり注目されています!)

各地で議会ウオッチングの動きがあるが、川崎市では「川崎市見張り番」が議会費用の監視を行ない、多摩区では公開討論会や議員と語る会を10年前から実施、今は全体(7区)に広がっている。

市長提案の「住民投票条例案」については、住民投票に付す「重要事項」の範囲を大幅に狭めていること、住民発議が成立した後、議員の3分の2以上の反対があれば住民投票を実施しないという議会の拒否権や、住民への周知不足、審議における討論不足だったことから、継続審議などを求める13件の陳情・請願が出された。委員会での審議時間の長さ、傍聴者の多さと異例尽くめだったが、結果、住民の声は届かず「適当な時期において必要な措置を講ずる」という附則をつけて可決採択された。

現在、川崎市議会では政令市初の「議会基本条例」の制定にむけ、「議会のあり方プロジェクト」を設置し審議されているが、傍聴や討論内容の公開拒否など、市民不在の状況を変えていくために、請願・陳情を含め、さらに活動を展開していきたい。

川崎市議会への関心を広げる市民の広場:http://www.k4.dion.ne.jp/~kmk-head/index.html


2.ここがポイント(^.^)議会のカシコイ使い方 請願・陳情・傍聴

講師:白井信昭さん(町田市保育園保護者会連絡会事務局)

  :奥村有紀子さん(町田市学童保育父母連絡協議会副会長)

(白井さん)具体的には、まずは賛同する仲間を集め、請願要旨や項目などの文案作りを進める。関係団体との協力は欠かせない。そして各会派を回って紹介議員となってもらう議員探しをする。全会派への説明を通して文案の手直しも必要となる。その後はひたすら署名を集め期日までに議会に提出するが、担当課と普段からつながりを作り、署名提出を伝えておくことも忘れずに。また、提出に当たっては不備がないかきちんとチェックすることが大切。その後も追加署名を積み上げ、付託された常任委員会をできるだけ大勢で傍聴、結果(採択・継続審議・不採択)を待つ。その結果にかかわらず、各会派を回り、問題点を探る。本会議での結果を待ち、同様に各会派を回る。議会が終わったら署名してくれた方への報告を行なう。どの会派からあたるかなど、ロビー活動の重要性と、場面ごとに押さえておくべきポイントについても具体的にお話いただいた。

 

(奥村さん)自分たちの想いを行政に届ける方法としては、行政担当部署との懇談会や要望書、市長への手紙、そして請願がある。請願のメリットとして、民意を市民の代表である議員が知ってくれること、常任委員会での行政への質問を通して議論されるが、議会の決定は大きいこと、本会議に報告され、市長も知ることとなり、市議会だよりや委員会での議論が公開されることなどがある。何より、署名を集めることで一般市民に知ってもらうことができる。

請願文書の修正など臨機応変な対応の必要性や、請願採択がゴールではなく、そこからが新たな始まりであり、行政のその後をウオッチし、市民の願いが実現されているかを継続して確認していくことの重要性を強調された。


3.変えなきゃ議会(?_?) なぜ変わらない?議会

  講師:大塚信彰さん(町田市議会議員)

4期目になるが、常に市民の立場でものを考えていくというスタンスで議員活動をしてきた。前回の「議会改革調査特別委員会」では、定数に関する事項が中心だった。その際に出された請願の審議で、参考人制度を使って「意見陳述」をおこなったが、その審議を通して「議会を変えなければ」という問題意識を強く感じた。インターネット中継や議会のHP開設も、この委員会での議論が始まりだった。

現在の「議会改革調査特別委員会(2006年9月設置)」では、地方自治法の改正を受けた関係法令の整備、議会の権限強化、市民と議会の関わり、議会の情報提供、議員の身分などについて議論している。政務調査費についてはハンドブックをまとめた。栗山町や伊賀市など、先進自治体議会の視察を通して得た情報や知恵を活かしながら、改革に向けた議論をおこなっているが、過半数を取らないと物事が決まらないという壁もあり、改革を目指す議員も、決して一枚岩ではないと感じている。しかし、合意できることから少しでも具体を積み上げていきたい。請願・陳情者の意見陳述などは、概ね合意ができてきたので、次に議会懇談会の実現を目指したいと考えている。

議員には「一般的な意思」と、「分化的な意思」による判断が求められている。そして「常に住民の中に飛び込み、対話を重ね住民の悩みと声を汲み取りながら議論を重ね、住民全体の福祉向上と地域社会の活力のある発展を目指して、時には住民に訴え、時には住民を指導して、その実現に積極的に努力することが大事である」と、全国町村議会議長会の「議員必携(学陽書房)」にも書かれている。「政策の最終決定」と「行財政運営の批判と監視」という議会の使命を全うするために、議員にはこのような職責が課せられていることを常に意識して行動することが求められている、と話された。


4.小さな町の大きな改革w( ゜o ゜)w「栗山町議会基本条例」

講師:高井章博さん(中央大学法学部兼任講師)

 北海道は自治の問題についての研究・改革が進んでいる。栗山町も条例を制定する前から既に先進的な取り組みを進めていた。2002年には議員提案で情報公開条例を制定、同年6月には地域インターネット利用での議会ライブ中継や政務調査費の交付に関する条例の制定、議員定数の削減を行なった。2003年の3月議会から一問一答方式の導入、6月議会から一般質問をポスターで町民に周知、11月にはごみ有料化の条例を修正可決、2005年3月には議会報告会を実施するなど、議会側の積極的な動きが前提としてあった。

そうした取り組みを経て2006年5月に「栗山町議会基本条例」が制定された。同時にビデオオンデマンド方式による議会録画中継の放映も開始された。議員は「議会報告会」に臨むために勉強をしなければならず、議員の質の向上とともに住民の意識も変わった。議会が住民の信頼を取り戻し、議会が変われば住民も変わるという自治の確立につながっていった。

 これまで議会改革は票にならなかった。「議員が自分でやることで有権者には関係ない」との声が多かった。しかし、議会のルールを決めることは、自治体の物事を決めるルールを決めることであり、議会改革をしっかり進めることで、そのことが達成されることにつながる。

 以前から指摘されていたのは、「議会は議論をしていない」ということだ。正式な会議の場以外での「議論」はあるが、制度としての「討論」は単に賛否の演説をするだけにすぎない。議会や行政が動く時、専門家の意見を聞いて安心し、当の議員が「議論をしている」と錯覚していた。研究者がそのことに気づき、そこから変える運動を起こした。そうした動きもあって、議会に求められていることの「問題意識」を全国の議員が理解し始めた。「自治体議会改革フォーラム」や「市民と議員の条例づくり交流会議」の取り組み、そこに集う市民や議員の圧倒的な数の多さが、こうした動きを証明している。

   自治体議会改革フォーラム:http://www.gikai-kaikaku.net/news.html

   市民と議員の条例づくり交流会議:http://www.citizens-i.org/jourei/


5.サクサク動く!市民の議会を創るツボ d(-_^)

  講師:岩永ひさかさん(多摩市議会改革特別委員会副委員長)

    :佐藤真和さん(東村山市議会議員)


(岩永さん)全国的な流れとして、改革派市長がクローズアップされ、地方議会の存在価値への揺らぎが生じた。多くの市民はマスコミを通じてイメージを植えつけられている。合併に伴う議員報酬への批判や政務調査費の使い方への批判を議員はしっかりと受け止め、市民に投げかけていかなければならない。多摩市はインテリ層が多く、高学歴でパワーのある女性が多い。2004年3月に「自治基本条例」を制定したが、議会改革への兆しはあった。通常、市長提案に与党は諸手を挙げて賛成するが、条例を制定するためには野党にも手を挙げてもらわなければならない。議会構成も重要で、条例提案に際して、与党的立場の議員も譲歩を余儀なくされた事例もあった。

 多摩市議会では代表者会議の公開や、一般質問の一問一答方式の導入、一人会派の意見を大事にするためのオブザーバー参加、議場の形を対面型に変更するなどの取り組みを経て、「議会基本条例制定をめざす議会改革特別委員会」の設置となった。京丹後市の事例を通して「市民アンケート調査」の取り組みを提案。調査では議員の活動内容を知らない人、議員の人数を知らない人が6割を超え、議員報酬額を知らない人が約9割という実態だった。その後、アンケート意見をどう活かしていくかを市民に訴え、直接、意見交換をするために「出前委員会」を3回開催した。特別委員会に特別な調査費はなかったが、議会運営委員会では栗山町や伊賀市に視察を行なっており、その調査結果が委員会で有効活用されている。

「市議会ウオッチングの会」の人々は常に厳しい視線を寄せているが、その存在意義は大きい。活動も批判だけでなく評価していく姿勢に変わってきた。メンバーの新陳代謝も進み、公正・公平な取り組みをすべきと考える人たちが入ってきたこともあるだろう。

時代背景は大きく変わった。サクサク動く市議会を創っていくためには、批判ばかりでも後援会、支持者への要求に応えているだけではなく、顔の見えない市民にも働きかけをしていかなければならない時代だとの認識が徐々に広がり始めている。また、議員個人ではなく、議会として行政に政策提案ができるようにすること、そのためにもフットワークの軽さが必要だ。予算の使い方を議会自らが行政に示し、議会が先行して物事を決めていけるような力量をつけていかねばならない。そうなって初めて二元代表制が確立できる。もちろん市民自身も変わっていく必要がある。「おねだり」だけでは進んでいかない。議会改革にはさまざまな思惑があることも事実。しかし、改革の手柄は議員にあるわけではなく、市民にあることを忘れてはならない。サクサク動く市議会を創り、望む市民の輪を広げていくことが必要だろう。「同床異夢」で進む議会改革の行方を見守るのは市民の力が試されているのかもしれない。

 

岩永ひさかさん:http://www.iwanaga-hisaka.net/

 

(佐藤さん) 無所属2期目の一人会派。保育園問題を通じて一市民から議会の一員になった。駅前の再開発問題で住民投票を求める直接請求運動が起きたが、実施までの時間がない中、ブログでの情報発信が広がりをみせ、法定署名数をはるかに超える18000人余り署名が集まった。ところが賛成していた議員が一転否決に回り、同数による議長採決で否決され、住民投票は実現されなかった。

その後、4選出馬確実といわれていた市長の突然の引退宣言、後継者として45歳の若い候補者を立ててきた。そのマニフェストには「自治基本条例」の制定や「議会のネット中継」が掲げられていたように、変わらざるを得ないという状況が生まれたと考えている。

その後ブログ開設でお世話になった薄井さんが当選し、無所属の変り種議員が2名になった。(特定の政党や団体とつながりのない)一市民が議員になるということで大きな変化が起きたわけではないが、これまで吹かない風が吹いていると感じている。これまでは情報が出ない議会と行政だったので、その障害になっていることを取り除くことに取り組んだ。傍聴者に自分の資料や一般質問の全員の通告書をコピーして渡したことで、何を聞いているのかが解ってもらえた。事務局も少しずつ配布するように変わってきた。ブログでタイムリーに議会の様子や委員募集情報の発信をするようにしたが、総合計画審議会の委員への応募やパブコメへの回答が増えてきた等の変化があった。また、双方向というブログの特徴を活かして投げかけを行なうと、匿名ではあっても書き込みがあり議論が成立している。保守系の議員もブログを始める人が出てきた。全議員のブログをチェックするのが朝の日課になっている職員もいると聞く。

 議会と市民との距離を少しで縮めたいという想いで活動しているが、議会の厚い壁は簡単には崩れない。その上、「東村山市議会を考える市民の会」の作成した「多摩地域26市議会の現況調査結果」にあるように、東村山市議会は他市議会に比べて制限が多い。一般質問の事前通告内容は骨子ではなく詳細まで、内容制限も3部門以内、再質問も再々質問まで、時間も1人20分以内。委員会質疑まで通告制をとっている。「議会運営委員会」も3人以上会派でないと参加できず、市民はもちろん少数会派の傍聴もできないなど、他市に比べしばりが多い。議運は請願や調査が入ると開催されるが、それ以外は「議会運営委員協議会」という非公式の場として議会のルールなどを決めている。

 町田市は「議会改革調査特別委員会」で議論されていて、議事録から推察すれば、テーマをしっかり位置づけ全体像を明らかにし、ロードマップを決め、こうしましょうという形で進んでいるようだ。多摩市議会はその道を歩んで、ずっと先頭の方にいる。東村山市では特別委員会は開かず「議会運営委員会」で議会改革の話をしていて、インターネット中継や行き過ぎた質問時間制限をどうするのか、議員への資料提供をどうするかという話をしている。資料提供については、かつて問題が起き、所属外の常任委員会の資料さえ、情報公開の窓口に行くようにいわれるというおかしな状況になっている。

また、「議員定数適正化調査特別委員会」を設置し、議員定数を1年間議論したが結論も出ず、請願の賛否を決めて12月に終了することになっている。「予算・決算委員会」も全て事前通告制で、事前に「賛否」についても問われる形式になっている。

 片山前鳥取県知事の「八百長議会」発言や、福島前我孫子市長の「市議会に与党も野党もない」という発言を直接聞き、首長が変われば議会も変わらざるを得ない、と感じてきた。東村山でもこの2年、市民に新たな動きが広がっている。前述の「東村山市議会を考える市民の会」もそのひとつだし、財政を自分たちで紐解こうという市民グループが立ち上がり、最近「市民版財政白書」をまとめた。また、3040代が中心となって子育て支援のNPOをつくり、活動の一つとして議会の傍聴を呼びかけている。最近はベビーカーを連れたお母さん達が傍聴に来るようになった。

新たな風が吹いてきたようで、面白くなってきている。議会構成を何とかしたいという想いで、次回の選挙をターニングポイントと位置づけ、立候補する人を少しでも増やせたらと思っている。市民生活で話されていることが議会で話されていない。遠い存在と思われている議会を市民に近づけためにも、問題に即応できる議会に変わっていくことが必要。議長に召集権がないという制度上の問題もある。

普段、市民からは、閉じられているものを開け、見えないものを見えるようにしてほしいという要望が寄せられている。いろんな方法を使って、市民が簡単に情報にアクセスでき、活動に参加できるための条件を整えるのが、自分のような議員の最大の使命だと思っている。次々と生まれてくる新しい力を信じて、これからも市民活動との連携を深めていきたい。

    佐藤真和さん:http://satomasataka.blog110.fc2.com/


◆予算改革をはじめよう!
 

 3月29日、桜が満開の外堀公園横の法政大学市ヶ谷キャンパスで、表題のシンポジウムが行われました。これは、市民と議員の条例づくり交流会議2008プレ企画として開催されたものです。
 北海道から長崎県まで、200名を超える参加者、そのほとんどが議員です。残念ながら町田市議会の議員は1名も参加していませんでしたが、議会改革に熱心な議員がこんなにいるという事実に驚きました。

 第1部は「市民自治と予算改革」と題した基調講演、講師は前我孫子市長/中央学院大学客員教授の福嶋浩彦さんです。

 1.市民から出発する
 「市民自治」を理念として3期市長を務めた。市民自らが地域の理念や方向性を決め、市民自らの手で地域を創ることが必要で、そのためには、@地域の中で、市民ができるものは自立して自らの責任と権限で行う。A出来ないものを補完して行政が行う。B行政が行う場合、まずは市民にいちばん近い市町村ができることを全部やる。行政は、主権者である市民のコントロールの下に置かれなければならない。地方分権の意義は、行政の権限や財源をできる限り市民に近いところへ持ってきて市民がコントロールしやすくすること。

 2.市民が行政を変える
 市民が行政をコントロールする基本は選挙。ローカルマニフェストの意義もそこにある。もうひとつは日常的な市民の直接参加である。予算は行政の基本であり、予算編成への市民参加はきわめて重要との観点から、我孫子市では予算編成過程の公開とパブリックコメントを行った。
 その流れは、@庁内各部署からの新規事業の予算要求を受け重要度別に3段階にランク付け。A各事業の予算金額やランク(4段階)を公表。ランクごとの事業数や、各事業のうち、一般財源、地方債、その他補助金などの内訳、それによる債務負担額も示されるBパブリックコメントを実施。Cパブリックコメントを受け、さらにランク及び予算の絞込みを行い、最終的に理事者の査定にて予算案を決定し、市議会に提出する。
 このように、市民は予算案がつくられていく過程を知るだけでなく、パブリックコメントで意見を提出することができる。

 3.自治をリードする議会に
 二元代表制の自治体の議会に「与党」「野党」はない。予算案の審査も議会と首長がオープンな場で議論することが大切。「質疑」で個々の議員が執行部に陳情し、首長提案に賛否を表明するだけの議会でいいのか、それとも、自治体の政策や方針を議員同士が討論し「議会としての総意」をまとめる議会なのか。後者には議員同士の自由討議が不可欠。「議会としての総意」で首長提案を修正したり、議会として市民の意見を聴き、議会として市民に説明責任を果していくことが求められている。

 4.自治の力を高める
 違う意見、異なる利害関係を持つ市民同士がきちんと対話し、お互いに納得できる合意を自ら創り出す力が必要。陳情政治の延長か、市民自治につながる参加なのか、市民も自治の力を高めることが不可欠。行政は市民同士の対話をコーディネイトする力を持つことが大切。

第2部では、自治体議会における予算委員会の現状と課題・問題提起を4つの自治体議会の議員から、さらに予算を審議する&市民が予算を理解するためのポイントとして、議会傍聴を始めて5年目の市民団体から、そして執行側から見た予算議会・審議のポイントとして元市職員で、現市議会議員から、それぞれ報告と問題提起がされました。

残念ながら交流会に参加することはできませんでしたが、「変えなきゃ!議会」への思いをますます強く感じました。
議会改革を目指す新企画(公民館市民企画講座)を現在検討中です。


◆公民館講座が終了しました。

1月12日〜2月23日までの全4回の「市民力養成講座」が終了しました。今回の講座を受け、次のステップを具体的に検討していきたいと思います。次回の企画をご期待下さい。


◆公民館市民企画講座がスタートしました

 第1回目(1月12日)は「行列のできる講座の創り方」でした。全国を飛び回って講演されている、「NPO法人エセナおおた」の牟田静香さん、そして思いがけず飛び入りで、牟田さんの師匠である大阪の吉田清彦さんの話を聴くことができましたました。
 
 開講前の打合せで、いきなり「この講座のタイトルでは人は集まらない。チラシも人の目引かない」とバッサリ!ターゲットを絞った企画・広報の戦略がいかに重要であるか、この後の講座でたっぷりとお聴きすることができました。

 天気のせいや意識の低さなど、人が集まらない言い訳を探すよりも、どうやったら人が集まる講座をつくれるかを考える。ターゲットの世代によって曜日や時間帯を考える。「誰にでも来て欲しい」では人は集まらない。ターゲットを絞った企画が大切。
 タイトルに否定形や疑問系、「○○しよう」などのレッツ形は厳禁。ポイントは「楽しそう」「役に立ちそう」「仲間ができそう」という雰囲気を醸しだしていること。講座に出ると得をすると納得できるものがいい。また、若い女性をターゲットにする場合は、カラダ、ココロなど、3文字はカタカナを使う。ケイタイ世代にはQRコードを入れておく等、納得!のお話でした。

 途中、実際に「エセナおおた」が企画した講座のチラシを見て、応募者数を当てるというクイズ形式のグループミーティングを取り入れるなど、参加者は話にぐんぐん引き寄せられていました。吉田さんからは「広報力」、「手にとってもらえるチラシのつくり方」についてお話いただきました。
 前半2時間、後半の1時間もあっという間に過ぎ、事後アンケートからも参加者の満足度が高かったことが解りました。

                      


公民館市民企画講座の第2回目(1月26日)は「市議会議員とのパートナーシップ」。講師は元・三鷹市議会議員で、現在中央大学講師の高井章博さんです。自己紹介を含め、高井さんが世話人の「自治体議会改革フォーラム」の活動紹介からスタートしました。
 
 議員という存在は有権者の主権の一部の役割を果しているに過ぎず、特別な存在ではない。議員活動とは公務として認められているもの(議会に出席して議論し、採決に加わること。命令を受けた出張など。)に限られ、支持者と接する活動などは政治活動。議員個人としては特別な情報に接する権限はなく、市民も同じ。市側がサービスの一環で情報を流すことはあるので、こうした情報を以下に入手するか。

 請願には実現して欲しい政策がある場合と、政治運動として出す場合があるが、そのどちらかによって、請願を通すためのやり方は変わってくる。実際に議員として関わった事例などから議員の使い方などについて話されました。

 また、議会改革の必要性という点では、「自治体議会改革フォーラム」が昨年実施した「全国自治体議会の運営に関する実態調査2007」の17項目にわたる調査内容と結果について報告されました。市民発の政策が実現されるためにも、議論ができない議会、市民が発言できない議会、公開が不十分な議会を変えていくことが必要。しかし改革が進んでいるのは栗山町や三重県など、数えるほどであり、町田市からのアンケート結果についても、他の自治体と同様の結果であるとのことでした。

 その後2つのグループに分かれ、@子育て支援の観点から、保育料について減免枠を拡大して欲しい。A近くに高層マンションの建設計画がある、なんとか階数を減らして欲しい。というテーマについて、どうしたら解決していけるのか、議会の活用について討論を行いました。簡単な自己紹介から始まったグループ討議でしたが、なかなか議論が進まず難航したようです。この連続講座には3名の現職議員が申込みされていましたが、今日はその内2名の参加があり、このグループ討議では進行役を担っていただきました。

 

                   


公民館市民企画講座の第3回目(2月16日)

 第3回目は「市職員とのパートナーシップ」。講師は多摩住民自治研究所理事長の池上洋通さんです。
 @地方自治の原理と地方公務員A市民と職員の関係をつくる−ガバメントとガバナンスB市民と職員のパートナーシップの3点からお話いただきました。

 役所も議員も市民の家来であり、道具に過ぎない。憲法は主権者の公務員への命令者である。また、憲法における「国民」とは、国籍を有するものだが、「住民」とは国籍の有無を問わない、住所を有していれば、法人と同様に「住民」とされる。
 国民は統治者(主権者)としての顔と、受益者(個人)としての顔を持っている。また、行政の権限は市町村政府が最も大きく、都道府県、中央政府の順に小さくなっていく。何故なら、個人の生活に一番近い政府に最も大きな権限を持たせなければならないからである(近接性の原則)。基礎自治体の職員には、一人一人の住民に向き合うことが求められている。

 職員とのパートナーシップに当たっては、「主権者への奉仕者が職員」であるという当然の原則を確認すること、協働の場をつくることが必要である。また、専門性の蓄積が重要であり、指定管理者制度では色々と問題が起きている。保育園でこの制度を取り入れ3年で見直していたら地域に専門性は蓄積できない。安上がり論が実態ではないか。財政難から職員数の削減が云われるが、住民一人当たりの公務員の数は、アメリカは日本の2倍、フランスは3倍である。

 市民の参画や協働についても、危険な面があると、講演後の懇親会で発言されていたことが印象的でした。

                               


公民館市民企画講座の第4回目(2月23日)

 最終回は「政策立案ワークショップ」。講師は環境自治体会議政策研究所の増原直樹さんでした。ご専門は環境政策で、普段は自治体の環境政策へのアドバイスや、自治体間の情報交流をされています。

 深刻な温暖化の影響を回避するには、温度上昇を2℃以内に抑える必要がある。しかしそのためには、世界全体で、2050年に1990年比で約50%の削減を達成する必要がある。このように、「政策」とは、現在生じている、あるいは今後生じると考えられる「課題/問題」に対する解決策であり、一般的には、解決すべき課題(政策対象)を明らかにし、それが解決されたとする水準を示す。そして「誰が」「いつ」「どのように」取り組むのかを体系的に示したものである。

 市民参加で政策をつくる必要性について、政策の影響を受ける市民・企業の視点を、行政・議会に反映させる。「お上が決めれば市民はそれに従う」モデルは、経済発展・所得倍増などという社会全体の方向性が比較的均質であった時代には有効だが、現代は価値観や生き方が多様化している。市民参加のない政策は、それ自体知られにくく、政策実現のための予算が確保しにくいという面がある。

 政策のステージに応じた市民参加と協働が必要で、先ずは課題設定(争点提起・目標設定)を行い、それを解決していくための政策立案形成(複数案から最適案の選択)する。そして政策の決定(合意形成、長・議会の決定)をし、それを実施(執行・進行管理)した上で、政策評価(評価、修正、継続的改善)を行うサイクルになる。自治体での事例として、課題設定では板橋区の野鳥観察や日野市の用水路カルテづくりなどがある。政策の立案形成では、志木市の市民会議(現在は廃止)や、豊中市の環境基本計画・アジェンダの事例がある。政策決定・実施段階では、日野市の環境基本条例の直接請求などがある。政策評価では、同じ日野市の「環境白書」における市民コメントなどの事例がある。

 第2部はワークショップです。それぞれが自己紹介を行った後、コミュニティーにおいて、どんな問題意識をお持ちなのかを発言してもらいました。それを基に、さらに詳しく課題や問題点、理想像などをポストイットに書き出して、模造紙に貼り付けていきました。
「安全・安心のまち」「集いの場」「ごみ」「働き方」「こども」「世代間交流」「高齢者」の7つのグループ分けをし、出された課題や解決策などについてディスカッションをしました。休憩を挟み、さらに出された課題や問題点の原因は何なのか、またそれを解決していくための方策を各自書き出し、発表していきました。解決策にさまざまなアイディアが出され、すぐに実現可能なものも多くありました。
 時間の関係で解決策を体系的に整理するところまで至りませんでしたが、今日の経験を次のステップに活かしていければと思います。




                


◆議会改革調査特別委員会のその後

 2006年9月28日から始まった特別委員会の審議、主な議題は政務調査費の問題や、地方自治法の改正に伴う関係法令の整備に関する事項、議会の権能強化(閉会中の委員選任や専門的知見の活用など)などでした。その内、政務調査費についての議論は終結し、この程「政務調査費ハンドブック」という冊子にまとめられました。

 議会改革の先進自治体である栗山町と旭川市には、当委員会から7名が10月18日〜19日に、また議会運営委員会として4名が9月4日〜5日の日程でそれぞれ視察に行っています。11月16日の委員会には、三重県議会と栗山町議会の「議会基本条例」が資料として提出されました。

 議員の任期はあと2年、議会基本条例をやるやらないという議論を先行させるのではなく、任期中に現状でもできることは進めてはどうか、市政50周年を記念して、栗山町のように、一般会議や議会報告会をやってみたらどうか、などの意見もだされました。

 議会基本条例だけでなく、市民と議会の関わりなど、まだまだ議論すべき事項が残されています。市政50周年を待つまでもなく、少なくても議会報告会を早急に開き、市民に開かれた議会としての説明責任を果していくべきではないでしょうか。

 この特別委員会の動向に、どれだけの市民が関心をお持ちなのか、残念ながらその関心度は低いのではないでしょうか。


◆公民館市民企画講座の内容が決定しました!

1.行列のできる講座の創りかた 1月12日(土)午後1:30〜4:30
  講師:
牟田静香さん(NPO法人男女共同参画おおた理事)
 

2.市議会議員とのパートナーシップ 1月26日(土)午後1:30〜4:30
  
講師:高井章博さん(自治体議会改革フォーラム世話人・
中央大学法学部兼任講師
   
3.市職員とのパートナーシップ 2月16日(土)午後6:30〜9:30
  講師:池上洋通さん(多摩地域住民自治研究所理事長)

4.政策立案ワークショップ 2月23日(土)午後1:30〜4:30
  講師:増原直樹さん(
環境自治体会議環境政策研究所

  
  対  象 市内在住・在勤・在学
  会  場 まちだ中央公民館6階 視聴覚室
  定  員 30名(申し込み順)
  参加費 無料
  
  ◆申し込み 町田コールセンター 電話 042−724−5656(12月11日から)
          お問合せ先 まちだ中央公民館 電話 042−728−0071


◆公民館市民企画講座に採用されました!

 これまでにも、地域市民講座など、市民が企画する講座はありましたが、「市民企画講座」を正式に募集したのは初めてです。当センターは常に独自企画で公民館講座を提案し、採用されてきましたが、こうした流れは歓迎です。
 今回の募集は5企画、書類審査と職員によるヒアリング(公民館運営審議会委員のオブザーバー参加も)がありました。6団体が応募し、5団体の企画が採用となりました。
 講師の選定・交渉、内容の詰めはこれからですが、企画が固まり次第、改めてお知らせします。実施時期は来年の1月〜2月、隔週の土曜日の午後を予定、全4回の講座になります。


◆検討委員会報告その2

 第2回目の検討委員会が8月9日に行われ、今後の調査予定が明らかになりました。委員会に出席している「どぜうの会」のメンバーからの報告です。
 地下水については、新たに7箇所の調査孔が設置されたり連続測定もおこなわれるなど、結果が楽しみな内容になっています

 
また、モニタリング井戸(下流側)が本来の機能を果たしていないことが明らかになれば、新たに別のモニタリング井戸を作るということも明らかになりました。


 
●夏季調査として8月に先行して行われる内容
  1.浸出水原水調査
    埋立地(池の辺4箇所、峠谷3箇所)の水質(20項目)とガス(10項目)についての分析をおこなう。
  2.地下水調査
    埋立地外6箇所(既設)の水質分析(14項目)、内3箇所は連続測定(水位・水素イオン・電気伝導度)
    を9月から5ヶ月間おこなう。
  3.河川水調査
    鶴見川への放流地点で、8月〜12月まで約5ヶ月間、水質分析を続け、多雨期の変動を把握する。
  4.雨水調整池の底質・水質の分析
    引き続きおこなうと共に、雨天時に表流水を3〜5検体採水し分析する。

 ●9月から10月にかけてボーリングをおこない、採水等は10月上旬〜中旬を予定している内容
  1.地下水調査
    既設に加え埋立地外7箇所を9〜10月にかけてボーリングをおこない、地質と地下水の流れ、水質
    などを調査し、周辺環境への影響調査を充実させる。
  2.地中温度調査
    埋立地内の地下水4、埋立地外の浸出水13、埋立地ガス調査3、下流モニタリング井戸の計21箇所
    で10月以降おこなう。(地下何mまで測定するかは、この時点では明らかになっていません)
  3.イオンバランス調査
    上記の調査孔に加え、下流モニタリング井戸、雨水調整池、表流水(3〜5検体)、放流路の
    計28〜30箇所で実施する。


◆最終処分場の閉鎖に向けた検討委員会が発足しました。

 
昨年から、最終処分場の閉鎖に向けた環境影響調査などが始まりましたが、新たな試掘による埋立物や浸出原水、地下水、発生ガスや臭気などの調査結果を基に、この7月から、「町田市廃棄物最終処分場閉鎖等検討委員会(構成:町内会・自治会代表8名、環境団体代表3名、専門家4名)」が発足しました。これから約2年をかけて、適正な閉鎖に向けた検討を行っていきます。

 町田の最終処分場は1979年から埋立を開始し、2000年11月からは金属類などを除き、焼却灰など全量が日の出町に搬出されています。しかし、処分場として整備される前には、生ごみや汚泥、産廃などが埋め立てられてきた歴史があります。
 処分場の底面には遮水シート(厚さ1.5mm)が敷かれていますが、一部、関東ローム層を転圧した遮水構造の箇所もあります。遮水シートは雨水などが埋立廃棄物の層を通ることで浸出した汚水が、地下水に漏れ出さないようにすることが目的ですが、日の出町の三多摩廃棄物広域処分場では、遮水シートの破損による地下水への汚水漏れが大きな問題となりました。

 第1回の検討委員会に出された資料の中に、処分場の断面図がありました。地下水の帯水層を含めた全体の断面図が示されたのは初めてのことでした。これはあくまでも試掘による結果からの推定であり、今後の新たな試掘による検証が必要なことは云うまでもありません。しかし、この図を見る限り、これまで唯一の浸出汚水漏れのチェックと考えてきた「モニタリング井戸(下流側)」のストレーナー
※地下水を汲み上げる「ザル」の部分)の位置が、上段の第1帯水層(※地下水を通しやすい地層で、地表に最も近い位置にある層ではなく、下段の第2帯水層にあることが解ります。
 このことが事実だとすると、「モニタリング井戸」は本来の機能を果たせるのか、疑問が生じることになります。今回、新たに6ヶ所を地下水観測孔として試掘しましたが、採水位置は何れも第1帯水層にあたります。この8月に、この6ヶ所の地下水観測孔で再度地下水の採水調査が行われ、結果は10月頃に出るようです


 ※市民団体の「どぜうの会」がリサイクル文化センター周辺の民家井戸の水質調査を行っていますが、処分場からの地下水の流れの方向上にある民家の井戸は、40〜100mと何れも深く、第1帯水層には該当しないと思われます。

 また、今回の報告項目のひとつに「イオンバランス調査」があります。地下水や浸出水に溶存している主要なイオンの成分比較をおこない、浸出水が地下水に影響を与えていないかを調べるものです。結果として、「埋立地外の地下水は浸出水とは
ダイヤグラムの形状が異なるため、周辺への影響は少ないと想定される」としています。ただし、これは現時点での結果であり、もっと早い段階で、地下水への影響を調べるためのモニタリング井戸の新設やイオンバランス調査などが、継続的におこなわれるべきだったといえます。
 今後、新たな調査を含め多角的な観点から、処分場の適正な閉鎖に向けて検討がなされていくことになります。これからも注視していきたいと思います。

 ※
ダイヤグラム:成分の比率を視覚的に分かり易く表したもの、「ヘキサダイヤグラム」と呼ばれるもの。

 

 ◆これまでの検討委員会の会議等の日程
  第1回の検討委員会が7月12日、第2回目が8月9日、並行して専門家による作業部会が8月2日に開かれ、埋立地の見学会が8月7日に行われています。

 ◆次回の作業部会は10月5日を予定していますが、検討委員会の日程は現時点では未定です。
 
 ※なお、検討委員会は公開されていて傍聴ができます。
   申し込み・お問い合わせは、清掃総務課 797−9615まで。
 
 


◆10周年記念講演会が終了しました

         

 7月15日、台風4号が太平洋沖を進む中、当センターの総会に引き続き、記念講演会「やっぱ、憲法でしょ!一人ひとりに投げかけられている憲法(講師:加藤喜代志さん)」が行われました。あいにくの空模様で参加者は多くはありませんでしたが、憲法と人権について、英・米・仏を中心として築き上げられてきた歴史や、今私たちが置かれている状況を再認識すると共に、何をなすべきかを考えさせられる機会となりました。
 憲法は国家権力をいかにコントロールするかを規定したものですが、憲法に書かれているからというだけでは、私たちの人権が保障されるわけではなく、国や国会議員を含む公務員に憲法を尊重し擁護する義務(憲法99条)を果たすよう、常に求めていくこと。大メディアの情報に惑わされることなく、情報を読み解くこと、自らの問題として、日常の中で行動を通して実践していくことの大切さを再確認させられました。
  また、今の若者の60%が、8月15日が何の日か解らないという事からも、いかに危機意識が希薄なのか、その根底には、人権を獲得するために自らの血を流さなかったという、西洋との歴史の違いがあることを痛感しました。

 なお、この講演記録は後日、冊子としてまとめる予定です。
   


◆10周年記念事業記録集「市民参加システムをつくるために」ができました

 まちだ市民情報センターの10周年記念事業の第一弾として、1999年に取り組んだ「ひと・まち・くらしを考える連続講座〜市民参加システムをつくるために」の記録集が出来上がりました。会員の方には無料で配布いたします。
ご希望の方は、こちらから→お申し込みください。
inkyono-nego10@tim.hi-ho.ne.jp

※おまけ
 実は、6日に行われた当センターの「サロン」第1回目は、当初予定していた公民館講座の打ち上げ的企画を返上し、この記録集の訂正作業から始まりました。原稿の細かなところには目を通し「これで大丈夫!」と印刷GOしたのですが、上がってみたら、表紙に脱字が。参加者全員でのシール貼り内職作業となりました。細かなところには目がいくのですが、大きなところを見落としていました。「情報センター」が「情センター」ということで、「情け」センターもいいのではとの声もあったのですが・・・ まぁ、細かなところで、メルアドも前のままでしたが・・・・
 作業完了後、「サロン」となったのですが、運営委員以外の講座参加者がいなかったので、次回以降のサロンの構想などで大いに盛り上がりました。
 次回以降の「サロン(毎月第1金曜日午後6:30 会場はコメット会館2Fの喫茶トマト)」に、是非ご参加下さい。思いがけない出会いが、あなたをお持ちしています。


◆3年目を迎えた千葉県市川市の「1%支援制度」

 1%支援制度」とは、市民団体・NPOなど市民の自主的な活動に対して、個人市民税の1%相当額(団体の事業費の2分の1が上限)を支援する制度です。支援金の交付を希望する団体は活動計画を市に提出し、市民活動団体支援制度審査会(7名中、公募市民3名)が要件の可否を審査します。納税者は、広報やインターネットのビデオクリップなどを参考に支援したい団体、または基金(市民活動団体支援基金)への積み立てを選択できます。申し込みは窓口、郵送、インターネット、電話でもOKです。

 2007年度(19年度)から、納税者は3団体まで支援できるようになり、納税者以外も、ボランティア活動などで貯めた地域ポイント(エコボポイント、eモニターポイント)で支援ができるようになりました。19年度、団体への支援を希望した納税者は4744人、有効届出金額は12,965,303円です。地域ポイントを加えた最終金額は13,003,271円です。また、基金への積立は392人、地域ポイントを加えた合計額は966,730円、支援制度への最終合計額は13,970,001円にも上りました。

 団体への支援実績は初年度2005年度が11,009,679円(81団体)、2006年度の支援実績が11,948,480円(96団体に)です。制度導入3年目を迎え、今年度は85団体から応募があったようです。
 
 市民は納税者でありながら、直接的に市の施策を選択する事はできませんが、こういう制度があれば、納税額の1%を市民活動の支援に振り向ける事ができます。NPOなどへの寄付金控除には一定の制限がある現状では、こうした制度もひとつの選択肢だといえます。

 制度導入に関して、市民税の納税者の多くは男性であり、女性の声が反映されないのではという批判の声もありましたが、納税者=男性の勤労者だけではなく、配偶者としての女性の意見を反映させていく事はできるわけで、完璧な制度を求めて躊躇して踏み出せずにいるよりも、実際に動きながら、問題点があれば改善していくことが必要でしょう。今年度から税源移譲によって市民税収入も増えたことでもあり、市川市の取り組みは、町田市でも大いに参考にしたい試みだと思います。
 まずは、市民活動の支援に対応する窓口の一本化や、幅広い市民を巻き込んだ支援のあり方をめぐる議論の積み重ねが必要でしょう。町田市の首脳部にその度量があるやなしや!?


 



◆公民館市民講座「市民によるパブリックデザイン」の報告書が完成しました。

 
当センターの企画提案による市民講座「市民によるパブリックデザイン」は2006年10月〜2007年1月にかけ、全6回開催されました。
「協働へのプロセスと市民の役割」そして「市民プロデューサーへの道」という、導入部と市民講座のまとめの間に、他市の先進例ではなく、町田の中での市民活動の実践に学ぶ「市民発の実践活動を知ろう@〜C」で、「冒険遊び場たぬき山」「町田発ゼロウェイスト宣言の会」「まちだ市民財政研究会」「まちだ大福帳」それぞれの実践活動をとおした協働の事例を報告してもらいました。そして、毎回市役所の所管課の職員にも参加してもらい、市民活動への評価や今後の協働の展望などについて発言していただきました。
 講座の参加者には配布されますが、市政情報室や公民館、図書館などでも閲覧できます。
 入手希望の方は公民館(TEL:042−728−0071)にお問合せください。




◆議会改革の行方は

 
地方の分権と自治の時代を向かえ、二元代表制の一翼を担う議会も、市民からの付託に応えるための改革に取り組んでいます。

 北海道の栗山町では2006(平成18)年5月に「栗山町議会基本条例」を施行。議会・議員の活動原則や町民参加・連携、首長との関係、自由討議による合意形成、政務調査費、議会・事務局の体制整備、議員の身分・政治倫理などを定めたものです。特に本会議における「一問一答方式」や議員の質問に対する行政側の「反問」規定、議員と町民が自由に情報や意見を交換する「一般会議」の設置などが特徴的です。


 
その後、三重県(2006.12.26)、三重県伊賀市(2007.2.28)、神奈川県湯河原町(2007.4.1)と相次いで施行されています。また、全国の自治基本条例で唯一、条例名に「市民自治」を冠した三重県四日市市でも、「議会基本条例」の制定に向けた動きが「月間ガバナンス」で紹介されましたが、小委員会で「案」が了承されたものの、本議会での議決には至らず改選と重なり解散となりました。議論は5月からの新議会・新議員に委ねられることになるようです。
 
 三重県の条例では、議会の権能の強化の部分に関する条項に7条を割き、審査・諮問または調査のための「付属機関」の設置や、学識経験者などで構成する「調査機関」の設置などを定めています。栗山町と同様に「一問一答方式」の規定も置いています。

 伊賀市の条例では、市民との意見交換の場として「議会報告会」や、委員会の活動の一環としての「出前講座」、「政策討論会」の設置、また栗山町と同様に「一問一答方式」や「反問権の付与」などを定めています。


 
湯河原町の条例では、議員間の自由討議の拡大や「一般会議」の設置、町民に対する「説明責任」や「町民懇談会や出前講座」の実施などの規定を置いています。

 
また、栗山町、伊賀市、湯河原町の各条例では、首長及び執行機関からの政策提案などに対して、決定過程の説明や論点情報の提供を課しています。

 
さて、町田市での動きはどうなっているのでしょうか。町田市議会では2006年9月12日に本会議において「議会改革調査特別委員会」の設置が決定され、実質審議は9月28日から始まりました。委員会に付されている内容は以下の通りです。

◆付議事件1.地方自治法の改正に伴う関係法令の整備に関する事項(議員の常任委員会への複数所属について・会議録の電子媒体化について・委員会による議案提出権についてなど)
◆付議事件2.議員の調査活動等に関する事項
付議事件3.議会の権能強化に関する事項・議会基本条例について・議長の臨時会招集権について・市が設立・出資した法人への監視権の拡充について・地方公営企業にかかる契約に議会が関与出来るようにする件について・議会に附属機関を設置できるようにする件について・議決事項に関する件など)
付議事件4.市民と議会の関わりに関する事項・議会と住民との協働の取り組みに関する件についてなど
付議事件5.議会の情報提供に関する事項・議会中継について・ホームページ上の聴力障がい者対応について・請願要請についてなど)
付議事件6.議員の身分等に関する事項議員の身分について議員定数についてなど)


 委員会は、これまで、9月28日、11月20日、1月15日、2月6日、2月15日、3月20日、4月11日、4月27日に開催され、2月6日までの議事録は「町田市議会」のホームページに掲載されている「会議録検索」から検索できます。

 統一地方選があったためか、審議は余り進んではいないようで、「政務調査費」関連の審議については既に領収証の提出など実施している関係からか、議論は比較的進んでいるように見受けられます。しかし市民にとって最も関心のある「議会基本条例」や「市民と議会の関わり」などについての議論はまだまだこれからとなるようです。(地方自治法の改正に伴う会議規則の一部改定は行われたようです。)

 市民の付託に真摯に答え、いかに市民の意見を議会の議論や政策に反映していくのか、対話の場の構築や説明責任がますます問われています。言論の府として、議員間の自由討議を基本とした議会運営や、町田市では未制定の「政治倫理条例」も視野に入れた活発な議論が展開されるよう望みます。


★特別委員会の委員は以下の方々です(敬称略、◎は委員長、○は副委員長)。
 ◎井上正行、○若林章喜、河辺康太郎、齋藤祐善、市川勝斗、佐々木智子(2007.2.27選任)、佐藤洋子、上野孝典、
  川畑一隆、大塚信彰、おさむら敏明


◆井戸枯れ?

 毎月1回水質調査している「最終処分場排水浄化センター」のポイントと併せて、比較対照として測定している近隣民家の井戸水が4月中旬から出なくなったそうです(4月26日確認)。ご主人のお話では、2ヶ月程前から少し様子がおかしいいと感じられていたようですが、前回の調査(4月4日)の時は、いつもどおり水量も豊富で、電気伝導度やpHの値も大きな変化はありませんでした。近くで深い井戸を掘っているのだろうかと話していたとのことでした。

 最終処分場では閉鎖へ向けた調査活動の一環として、試掘が行われましたが、周辺の井戸水に影響を与えるほどの深度ではないようです。現在のビンカン収集の集積所となっている場所には深さ60メートルほどの井戸があり、リサイクルセンター寄りの道路脇の土手にある貯水タンクに一定量が導水されています。そして、これまでは市営プールの水を再利用するために、同様に貯水タンクに導水されていました。この市営プールからのラインが別の貯水タンクに導水するように切り替えされたために、井戸からの採水量が増えたようです。もし、この井戸と同じ水脈であれば、採水量の増加はその民家の井戸にも影響を及ぼした可能性があるかも知れません。
 ※ちなみにこの井戸からの揚水量は、昨年1年間の月平均が1112立方メートル、4月の実績が1360立方メートル、そして今年4月の揚水量は2936立方メートルでした。1年前の実績値の2倍以上、平均値からすると3倍近い数値です。
 
 以前、周辺民家の井戸が下水道敷設工事以降、水が出なくなった事例もあり、現在でもリサイクルセンター周辺では下水道敷設工事が行われていますので、その影響も無視できません。
 その後、5月3日に掘ったら、少し出てきたそうです。排水浄化センターのモニタリング井戸も水が出なくなり、4月23日に50cm程掘り下げたら少し出るようになりました。

 地下水の流れは複雑で、地形図(開発前の)や地層から推測するしかありませんが、今回のモニタリング井戸の電気伝導度の値がやや高かった事を含め、その原因を探る必要があります。(電気伝導度:今回は236μs/cm。これまでの値は150〜180μs/cm程度)


◆水質調査活動への支援カンパのお願い

 当センターの環境活動の一環としてスタートした「どぜうの会
 http://www.age.ac/~dojo/index.html」では、2000年から町田市リサイクルセンター周辺の民家の井戸約60ヶ所で、水質調査(伝導度・pH・塩化物・硬度など)を行っています。処分場からの汚水漏れの兆候を、周辺井戸の継続的な基礎調査を通して監視するとともに、非常用水源としての井戸水の保全と水質調査を兼ねた試みです。当センターの調査情報の「最終処分場のモニタリング井戸の電気伝導度」も、この活動の一環として行われてきました。
 全国的に見ても、このような内容の市民活動を継続している団体はまれで、何とか今後も継続していきたいと考えています。


 電気伝導度やpHを計測するには、標準液での電極の「校正」が欠かせず、特に電気伝導度計の標準液は液体のため日持ちがせず(約3ヶ月)安くありません(1本3200円)。また、pHの標準液は各pH(7・4・9の3点校正)共、粉末から精製水で調製するため日持ちはしますが(粉末で1年間)、金額はかさみます(3種類で約1万円)。
 その上に計測計本体の電極が伝導度計電極(約3万円)は1〜2年が寿命、pH電極(約2万円)も2年です。現在使用している電極は既に寿命を越えて使用していて、精度の面からは換え時です。また、塩化物や硬度測定は各種の試薬が必要で、決して安いものではありません。その上、使用済み試薬の廃棄の問題もあります。

 これまでは生協(東京マイコープ生協から2年間の助成実績あり)の助成金やメンバーの持ち出しで何とかやりくりしてきましたが、こうした地道な調査活動は、すぐに結果が出ることが少なく、これまで数多くの助成金申請を行いましたが、なかなか審査を通りがたいのが実情です。
 具体的には年間で約5万円ほどの活動資金に加え、電極交換のためのプール資金として3万円ほどの積立が必要になります。
もちろん基本的には会のメンバーが財政面を支えるのは当然ですが、これまで会員制でやってこなかったため、経常的な会費収入がないのが現状です。

 どうか応援団的に「どぜうの会」を支えていただけませんでしょうか。
 
 ●ご支援くださった方には、「どぜうの会」のこれまでの活動報告および活動紹介ビデオをお送りさせていただきます。

 ※支援カンパは「郵便振替口座 00100−6−31864 まちだ市民情報センター」 までお願いします。
   なお、通信欄に「どぜうの会 支援カンパ」とご記入ください。




◆長野県飯田市で自治基本条例が4月1日に施行されます。

 
飯田市(人口107,845人)では2004年度(平成16年度)に、議会が市民・議員・行政・学識からなる「わがまちの“憲法”を考える市民会議(公募8名を含む24名)」を設置(議会が設置した委員会は全国初)して自治基本条例の検討を進め、2005年度(平成17年度)に地区説明会を市内20地区で行うなど、市民の意見の反映にも努めてきたとのことです。
 また、市民委員会でまとめられた最終答申に対して、「原案に対する意見募集」や「飯田市自治基本条例シンポジウム」を開催しています。議会が行った説明会では、「会場の準備、資料の用意、受付、進行、説明そして片付けを議員自らが行い、議場とは反対の立場となって、質問に答弁するということは大変な緊張であった」と、議案提案説明の中で述べられています。
 
 議会が主導した条例制定の試みは、本来の議会の立法機関として役割を果たしたものと評価できます。また、議会に関する条項に5条(23〜27条)を割き、開かれた議会運営(第23条)では、「市議会は、市民の意見を聞くため議会活動への市民参加を推進し、市民に開かれた議会運営に努めます。」という条項を入れています。また、同27条では、市議会議会事務局の責務規定をおき、議員の政策立案にあたっての補佐としての事務局の機能の充実を図るとしています。
 ただ、全国初の議員提案の条例となった新潟県吉川町の「まちづくり基本条例(2003年10月施行)」では、住民投票への参加資格を「18歳以上の住所を有する個人」と条文で明記しましたが、 飯田市の住民投票に関する条項では、第35条において「その都度条例で定める」と、明確にしてありません。吹田市の条例でも同様でしたが、自治基本条例に、地方自治法第74条の直接請求権の範囲を超えない規定を置くことにどんな意義を見出したらいいのでしょうか。

 このところの自治基本条例の条文では、「自治」や「協働」に関する規定を置くことが主流になってきたようですが、こと「住民投票」に関しては未だ足踏み状態のようです。また、案の段階では革新的な条項を明記してあっても、議会に提出される議案や議会での審議の中で、すっかりそぎ落とされてしまった例も少なくありません。運営実態を踏まえて、使い勝手の良い条例に「見直し」していくことが必要ですし、市民も自分たちの意見が反映されなかったからと無関心にならず、主体者として積極的に関わりを持っていく事が求められます。

★飯田市の「自治基本条例」の条文はこちらから→
http://www.city.iida.nagano.jp/gikaijimukyoku/jyoureibun.pdf





◆札幌市で自治基本条例が4月1日に施行されます。

 
人口189万人の札幌市で「自治基本条例」が制定され、今年4月1日から施行されます。
札幌市では2003年(平成13年)12月に、公募委員8名、指名委員8名、合計16名の委員からなる
「市民参加、こうありたい!」委員会(市民自治を考える市民委員会)をスタートさせ、翌年5月に市長に提言書「札幌の市民参加は、こうしよう!」を提出しました。市ではこの提言書を受け、自治基本条例を検討するための組織「市民自治を進める市民会議」(委員構成は「市民自治を考える市民会議」委員の12名と学識2名)を立ち上げ、全79回にわたる検討を経て、2006年(平成17年)12月に最終報告が提出されました。


★条文はこちらから→札幌市自治基本条例(PDF形式:22KB)






◆公民館市民講座「市民によるパブリックデザイン」が終了しました。

    最終回(第6回)の実践的ファシリテーションの演習風景


       
    
    
    

 昨年10月27日にスタートした、当センター企画立案の公民館市民講座「まちの未来の描き方〜市民によるパブリックデザイン」が、1月12日の第6回をもって終了しました。
全6回連続して受講された方は少なかったのですが、第1回の基礎講座に始まり、第2回から5回の町田での市民の実践活動報告、そして最終回の実践的ファシリテーションの演習を兼ねた講座のまとめという流れで、とても充実した内容でした。
 特に最終回は「市民プロデューサー」としてのスキルのひとつである「ファシリテーション」を実践報告の評価を題材にして、全員が入れ替わりで参加者から意見を引き出して論点を整理するという演習を行いました。講座の振り返りという意味でも有意義な演習となりました。
 今後、この講座の報告書を作成する予定です。ご期待ください。



◆吹田市が「自治基本条例」を施行しました(1月1日)

 
2003年から「自治基本条例を考える市民会議(学識1名、公募市民7名)」および「自治基本条例研究会(学識3名、市民会議選出2名)」で検討されてきた条例案が、昨年9月議会で可決され、今年の1月1日に施行されました。検討の過程では計10回に及ぶワークショップの開催、およびパブリックリックコメントを実施しています。

 住民投票については、多くの自治体同様に別途個別条例での対応という規定になっています。しかし地方自治法に定める直接請求権(第74条)の範囲を超えないこのような規程は、自治基本条例であえて規定することにどれほどの意義があるのか、改めて考えさせられます。市民からも、1/50ではなく、1/30を採用すべきとの意見がありましたが、自治法と違う規定を置くのは違法になる可能性があるので、市民発議についての規定として原案の通りとする旨の回答をしています。

 ご存知のように、常設型の住民投票条例を制定している自治体では、独自の資格要件等を定め、広く市民に投票権を認めるなど特色あるものとなっています。
何れにしても、条例の運用を含め、「市民自治」が掛け声倒れにならないよう、市民のチェックが今後とも必要でしょう。

 ※条例文はこちらから
吹田市自治基本条例のページ



◆今年最後の水質検査

                         
    排水浄化センターの敷地内にあるモニタリング井戸           検体の入ったポリ瓶

 
1999年6月から、環境部(現・清掃事業部)の協力によって最終処分場の排水浄化センターで、浸出汚水や処理水、モニタリング井戸などの水質測定を行ってきました。
測定項目は電気伝導度、水温、PHと少ないのですが、万一の汚染の目安として、平常時の測定の継続が欠かせません。月1回の測定には必ず職員が立会い、採水・測定を行っています。これまでの結果については、
調査情報コーナーからモニタリング井戸の電気伝導度へリンクしていますのでご覧ください。

 
このところモニタリング井戸の水の出がだんだん少なくなってきています。藻による詰まりなのかどうかは不明ですが、今のところ電気伝導度の値(単位:μs/cm)は150台で、やや上昇傾向にあるものの、大きな変化は現れてはいません。また、初期に埋め立てが行われていた峠谷の浸出水の電気伝導度の値は、現在1000台に、池の辺の値は10000台(測定を始めた頃は20000台)に下がってきています。

 既に7年以上にわたって、こうした水質調査を市民と行政が協働でおこなってきた意義は大きいと思いますし、こうした事例は少ないのではないでしょうか。できれば結果を「広報まちだ」や市のHPに掲載し、広く市民に知ってもらう事が望ましいのですが、当面は私たち情報センターのHPで、その内容をお伝えしていきたいと思います。


◆町田市は「自治基本条例」に慎重!それとも消極的?

 「答申を踏まえ、新年度以降において検討を進める予定としております。」との市長からの回答(2006年9月26日付06町企広手第330号の2)に対して、新年度の事業計画があるならば、予算措置など具体的構想があるのかを問いました(11月7日付の市長への手紙
自治基本条例検討の具体化について)。
 その回答が12月5日付けでありました。

●市長からの回答文(06町企広手大330号の4)

 (前文略)
 2006年9月26日付け、06町企広手大330号の2でお答えしましたとおり、2006年2月に町田市自治基本条例検討委員会より「町田市における『自治基本条例』のあり方について」の答申を受けました。
 この答申では、「自治基本条例」の策定が最終目標ではなく、基本理念において「『地方自治の本旨』の実現」「情報共有に基づく市民参加」「共生と協働」を、基本原則において「地域共治(ガバナンス)」「計画的・市民参加型行政運営(マネジメント)」を掲げ、新たな行政運営の仕組みづくりを求めています。
 そのため、行政評価制度の確立や例規の見直しを手始めとして、議会の運営・活動や地域共治(ガバナンス)組織のあり方など行政運営の充実を図ることが前提と考えております。
 従いまして、これらの議論の進展を見据えて、予算を含め、具体的手順をお示しさせていただきます。

 確かに「行政評価制度の確立」や「行政運営の充実を図ること」は重要なことだと思います。しかし、制度の確立や行政運営のあり方こそ、市民と共に議論していく「協働」の過程を経て、策定していくべきものであると考えます。市長の回答のように全て脇を固めてから、自治基本条例という「筋」を入れるという手法は、いかにも行政的ではありますが、主体者としての市民を育て、職員の意識改革を進め、共にパートナーとして自治の確立に取り組んでいく「市民自治」の観点からは、いささか後ろ向きではないでしょうか。
 市民協働のしくみづくりには痛みも伴うでしょうし、時間も掛かります。しかし、それを乗り越えずに、毎度お馴染の手法を繰り返していては、市民との信頼は築き得ないのではないでしょうか。「共感」のないところに「信頼」は生れません。脇を固める作業から市民と共に取り組まれてはいかがでしょうか。
「ごみゼロ市民会議」を推進された市長の前向きさを、こうした局面でも活かしていただきたいものです。


◆指定管理者の選定基準とは?

 
指定管理者の指定制限に関する10月11日付での市長回答(06町企広手第331号の2)によれば、「指定管理者の選定を行うにあたっては、当該公の施設を所管する部の管理職を構成員とする審査組織による審査を行う〜」としています。そこで、そんな組織でどんな審査基準に基づいて審査が行われているかを知るために、11月2日に町田市情報公開条例に基づいて公文書の情報公開請求を行いました。請求した公文書の件名又は内容は「公の施設を所管する部の管理職を構成員とする審査組織」の審査基準およびそれに準じるものとしました。

 その結果、11月29日に、10課(健康福祉部高齢者福祉課、同部健康課、同部障がい福祉課、生涯学習部スポーツ課、同部大地沢青少年センター、子ども生活部児童青少年課、環境産業部経済振興課、同部農業振興課、建設部交通安全課、市民部市民活動振興課)の所管する公の施設の指定管理者の選定に関する書類が公開されました。

 指定管理者制度の導入にあたっては、町田市は「公の施設の指定管理者制度運用の基本的指針」を2004年6月に策定し、移行手続きや管理形態の決定手続き、条例の整備など、移行までの手続きを示し、また、指定管理者の募集、候補者選定指定管理者の指定、協定書、予算、その他留意すべき諸点につき定めていました。その後、2005年3月には「公の施設の指定管理者制度運用の基本的指針の補足」を策定、指定管理者の募集・選定、選定・評価組織、債務負担行為と協定書の類型の諸点について定めました。この文書の存在も今回初めて知ったわけですが、広く市民に公表されたのでしょうか。3月21日号の「広報まちだ」で「指定管理者制度」を導入した施設名、指定管理団体名が公表されましたが、これで説明責任を十分に果たしたとは言い難い状況です。

 この文書(基本的指針)によって、指定管理者の選定を行う審査組織が「部の契約事務適正化委員会」であることが解りました。また、政策に関わる場合や他部に関わる場合などの理由で部長が必要と判断する場合は「〜部指定管理者選定・評価委員会」を設置する事ができるとしています。「町田市契約事務適正化委員会」という、助役を長とする組織がある事は、同委員会規則で知っていたのですが、この委員会の所掌事項は入札関係の審査であり、指定管理者についての記載はなかったため、どんな組織が存在するのか不明でした。
 しかし、「部の契約事務適正化委員会」は設置要綱で置かれていますが、その一部を改定して、所掌事務に「指定管理者制度に関すること」という一文を入れたに過ぎず、個別の施設毎の設置管理条例の一部改定で「指定管理者」に対応したのと同様の事が、選定・評価の組織においても行われていたわけです。本来、部毎に「指定管理者選定・評価委員会」を設置し、選定・評価にあたるべきではないでしょうか。
 
 指定管理者の選定は、「生涯学習部指定管理者選定・評価委員会」の会議録によれば、課が
「指定管理者選定評価基準表の評価項目・評価基準毎に、5段階評価をしたものを「指定管理者選定・評価委員会」に提出、応募団体から提出された事業計画書などの書類とともに審議され、各委員が最終的に評点して順位が決定される流れになっています(室内プールのケースでは2回委員会が開催された)。所管課の評価が主観的にならず客観的に行われたのかという点については、団体から提出される応募書類が、この「指定管理者選定評価基準表」の項目に沿って記述されているとのことですので、主管課の所見というよりも、団体の自己アピール力の部分が反映されたものというべきものかもしれません。

 さて、指定管理者選定にあたって欠格条項を設けていたのは、建設部交通安全課所管の自転車駐車場と、生涯学習部スポーツ課所管の室内プールでの募集要項です。一般競争入札での欠格条項(地方自治法施行令167条の4)や、指定管理者の指定の取り消し等(地方自治法244条の211項)などに加え、地方自治法の請負禁止規定(92条の2、142条、166条、168条、180条の5)に該当する場合は、欠格事項として応募できないことを明記しています。
 やはり、指定管理者条例で欠格条項を定めておいた方が、たこ足配線のように付け足して全体としてみたらバラバラという状態を避ける事ができたのではないでしょうか。前述の「公の施設の指定管理者制度運用の基本的指針」によれば、“個々の施設に応じて少しずつ異なる異なる規程が必要になることから”としていますが、今の状態こそ、そうなっているように
思えてなりません。

 また、現時点では公募による指定管理者選定よりも、特定団体の指名という形でこれまで管理委託していた団体を選定するケースが多く見られました。これまで委託に出していた団体の方が、業務実績もあり、専門性という観点からも適切との判断なのでしょうが、当面は良いとしても、特段の事情がない限りは、協定期間終了時には再度公募の是非についても検討が必要だと思います。それが団体のさらなるパワーアップや信頼にもつながると思うからです。もちろん、単なる単価競争に巻き込まれることのないような評価が必要ですし、評価の指標作りを含め、利用者はもちろん、広く市民が「評価」に関わりを持てるようなしくみの構築が待たれます。

 


◆平塚市で自治基本条例が施行されました

 2004年4月から「平塚市自治基本条例を考える市民委員会」で検討が始まった平塚市、平行して設置された「策定委員会」の検討を経て市長に答申され、議会に上程されていましたが、9月議会で可決成立(9月27日)し、10月1日より施行されました。
 市民による検討組織である市民委員会は公募市民52名で設置された委員会で、2005年7月までに32回の会議を持ち、地区報告会やフォーラムの開催など、市民への広報や意見集約も積極的に行ってきました。平塚市では市民委員会、策定委員会の他にも、職員プロジェクトチームを設置し40回の会議を経て、市長に条例案(検討結果報告書)を提出していました。
 しかし、市民委員会の委員からは、検討期間の短さ、運営の硬直化、条文策定経過についての疑問の声も上がっていました。紆余曲折を経て施行された「平塚市自治基本条例」、これからどれだけ市民・行政・議会が使いこなしていけるのか、条例に掲げられた「共有」・「参加」・「協働」という自治の基本原則を、どれだけ実のあるものとしてしていけるのか、各主体の積極的な関わりと力量が問われていくでしょう。
 なお、策定委員会がまとめた条例案と市長が議会に提出した議案とは、前文や最高規範性、外部監査制度など、基本的部分の削除が随所に及んでいます。対照表は以下のサイトへ。
http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/cherter/pdf/hikaku.pdf

 平塚市では、条例制定記念フォーラム「市民が主体のまちづくりにむけて」を開催します。http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/cherter/index.htm
11月23日(祝) 10:00〜12:30(開場9:30)、会場は、ひらつかスカイプラザ第2会議室(MNビル11階)です。策定委員会の座長を務めた、(財)地方自治総合研究所所長 中央大学大学院客員教授 辻山幸宣さんの基調講演の他、座談会を予定しています。
 条例文はこちらから→「平塚市自治基本条例」http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/cherter/pdf/jorei.pdf

各自治体での取り組みについてはこちらから


◆指定管理者制度についての町田市の回答
 8月31日付けの町田市長宛質問状への回答が届きました。

 先ず、指定管理者の指定制限(欠格条項)については、「個々の設置管理条例において、指定の手続きを定めるとともに、条例施行規則において、指定申請に必要な書類を定めるなど指定選定を公平に行えるよう、規定をしています。」と、指定審査にあたって提出させる書類には『役員の名簿』があるから、長や議員本人又は親族が経営する会社・団体は排除できる旨の回答しています。同時に、「また、町田市内部の通知において、指定管理者の選定にあたっては、当該公の施設を所管する部の管理職を構成員とする審査組織による審査を行うこととし、審査過程などの公平性、透明性を確保し、対外的な説明責任を果たせるように審査することとしています。」として、審査組織で審査しているから、2重にチェックがかかり、問題ないという回答でした。
 町田市は、独自に「指定管理者条例(公の施設に係る指定管理者の指定手続き等に関する条例)」を置かず、個々の施設の設置管理条例を改定して指定管理者の条項を追加しました。本来、指定管理者の指定手続き等に関する事項は、一元化した条例を置くべきで、これまでの個々ばらばらな施設管理に、単に指定管理者の条項が追加されたに過ぎないのが現状です。しかし、書類審査や審査組織における審査の過程で、長や議員本人はともかく、どのように「親族の経営する会社や団体」を排除しているのかは不明です。
 実態としては「問題ない」としても、自治体の法務体系としては、むしろ、条例において指定制限規定を置き、それを法的根拠としてさまざまな手続きをすすめることの方が、市民にとっても分かり易く、説明責任のあり方としても明瞭ではないでしょうか。しかも、各施設の設置管理条例によれば、市長部局にあっては市長が、教育部局にあっては教育委員会が審査に当たることになっているだけて、具体的な選考・選定・審査組織の規定は、どの条例にも施行規則にもありません。これは極めて不明瞭なことだといわねばなりません。
 ちなみに町田市には入札や契約事務の適正化を図るため「町田市契約事務適正化委員会」が置かれていますが、指定管理者は「行政処分」であって、これまでの委託管理のような「契約」ではありませんから、この委員会の所掌ではありませんし、「町田市内部の通知」とは、内規的なものに過ぎません。審査組織の実態を明らかにしてほしいものです。

 次に、指定管理者の情報公開について、「開示請求に対応しうる実効的な規定(多摩市や和光市のように、実施機関が保有していない公文書を、実施機関に提出させる)を置く事が必要ではないか
」との問いに、「有効な手段と考える」としながらも、「指定管理者に関しては、同時に指定管理者でない、事業者としての側面もある」から、「条例ではなく、指定管理者が作成する規程により情報公開の水準を担保する方法を取り入れた」としています。
 現在、各団体にこの「規程の作成を依頼している」としていますが、示された「指定管理者情報公開規程」の雛形によれば、情報公開の請求先も異議申出先も事業者であり、手続きが円滑に行えるのか、こうした申立に不慣れな事業者の対応が心配されます。情報公開の水準を担保させるための行政指導(実効性のある)や、こうした仕組みを市民に解り易く情報提供することが、先ずは必要でしょう。
 いずれにしても、指定管理者である事業者に対しても、情報公開は行政機関に準じた扱いが求められるわけで、検索資料の作成を含め、指定管理者となる事業者の事務管理が行政に準じて行われていくのか、そして、その実態をどのように検証していくのか、行政の姿勢が問われていくでしょう。



公民館市民講座「市民によるパブリックデザイン」がスタートします!

 
まちだ市民情報センターが企画立案した、公民館市民講座「市民によるパブリックデザイン」が10月27日よりスタートします!
町田で活動しているさまざまな団体からの報告を受け、これからの協働や市民の役割を考える「市民発の実践活動を知ろう@〜C」や、市民と行政との協働を考える上で、行政と市民との橋渡し的な役割を担う「市民プロデューサー」としてのスキルを身につける「市民プロデューサーへの道」など、盛りだくさんな連続講座です。
10月1日号の「広報まちだ」に掲載されましたが、スペースの関係であまり目立たない記載となってしまいました。
チラシをご参照いただき、ぜひ、ご参加ください。


※講師・報告者の詳細は以下の通

●庄嶋 孝広(しょうじま たかひろ)市民社会パートナーズ代表
  1974年福岡県志摩町生まれ。97年慶應義塾大学経済学部卒。アンダーセンコンサルティング、NPO法人まちづくり支援・東京ランポを経て、2006年より市民社会パートナーズ代表。ほかに、おおた市民活動推進機構副代表理事、社団法人日本経営協会協力講師、聖学院大学コミュニティ政策学科非常勤講師、別府大学人間関係学科非常勤講師。「学習」と「対話」で市民社会を創造する、をキーワードに、他者に耳を傾け、自分で考える市民を増やすため、@会議や事業のファシリテート、アドバイス、A市民参加や協働の制度・手法の調査提案、B市民や自治体議員・職員向けの研修・執筆などを行っている

●中西 佳代子(なかにし かよこ)
 たぬき山名:かこさん。1999年2月から前・たぬき山代表、岡本とともにたぬき山の立ち上げに参加。中心的なメンバーの一人として尽力する。2005年4月、2代目のたぬき山代表に就任。1994年から2002年まで町田市議会議員として、子どもに関わる問題を議会の場で追求し続けた。

●高田 欽哉(たかだ きんや)
 たぬき山名:らっぱ。町田市教育委員会で青少年行政を担当していた縁で、中西、岡本らとともにたぬき山の立ち上げに参加。しばらく第一線の活動から離れていたが、ここ数年、再び活発に関わるようになる。スタッフとプレーリーダーの中間的な微妙な立ち位置が持ち味?

●広瀬 立成(ひろせ たちしげ)
1967年東京工業大学大学院博士過程修了。早稲田大学・理工学総合研究センター教授。
東京都立大学名誉教授。専門は素粒子物理学実験。小山田環境対策連絡協議会代表、町田発ゼロウエイスト宣言の会代表。主な著書に『入門・超ひも理論』(PHP研究所)、『真空とはなんだろう』『超ひも理論と「影の世界」』『質量の起源』(以上、講談社ブルーバックス)、『現代物理への招待』(培風館)、『超老人のすすめ』(PHP研究所)他がある。

●大和田一紘(おおわだ いっこう)
 1943年、青森県弘前市生まれ。
都留文科大学講師。東京多摩自治体問題研究所副理事長。主な著書に「大和田流環境観察のすすめ」、「これならできる市町村財政分析」(共に自治体研究社 発行)がある。市民の目線に立った財政分析講座は好評。 自治のひとつの到達点は財政民主主義であり、究極の「協働」は市民と行政と共同の財政白書づくりと提言している。

●酒井芳博(さかい よしひろ)
 町田市役所職員 団塊世代の先頭を走る59歳。
「地方自治を住民の手に」を掲げ、現在は「まちだ市民財政分析研究会」で市民と一緒に市役所の財政分析を続けている。2冊目の冊子はイラスト入りで好評頒布中。
地元鶴川では、「鶴川市」独立を掲げ、初代鶴川市長を夢見ている。

●森野 榮一(もりの えいいち)
1949年、神奈川県生まれ、國學院大學大学院経済学研究科博士課程単位取得修了、経済評論家、ゲゼル研究会代表。WAT清算システム会員。著書、論文は『消費税完璧マニュアル』『商店・小売店のための消費税対策』(ぱる出版)、『エンデの遺言』、『エンデの警鐘』(共著、NHK出版)、『なるほど地域通貨ナビ』(編著、北斗出版)など多数。1999年、NHK BS1特集「エンデの遺言」の番組制作に参加。その後、地域通貨の普及活動に努め、各地の自治体や商工団体等を中心に講演活動を続けている。  電子メール morino@grsj.org ホームペイジ www.grsj.org


町田市は「自治基本条例」をどう進めるのか

 今
年2月に前・寺田市長に手渡された、町田市自治基本条例検討委員会の答申「町田市における自治基本条例のあり方について」は、傍聴者を含め市民の意見・要望を大幅に組み入れた答申であっただけに、その後の進め方が注視されていました。しかし、新市長の引継ぎ事項に、この「自治基本条例」がなかったことから、今度の展開についての市長の見解を質すために、質問状「自治基本条例の検討組織について」を提出しておいたところ、この程、その回答が届きました。

●市長からの回答 (2006年9月26日付 06町企広手第330号の2)
 
 (前文略)
 2006年2月に町田市自治基本条例検討委員会より「町田市における『自治基本条例』のあり方について」の答申を受けました。これは、全ての検討過程が公開された委員会において、市民の皆様から寄せられた多くのご意見、ご要望を反映して取りまとめられたものと認識しております。
 そこで、この答申を踏まえ、新年度以降において検討を進める予定としております。
 なお、ご提案の「仮称・市民会議」につきましては、今後、検討を進める際の課題とさせていただきます。
 今後とも貴重なご意見を賜りますようお願いいたします。

 この回答によれば、「時期は未定だが、新年度以降(2007年度以降?)に検討を進めますよ」ということなのでしょうが、答申から1年以上も店晒しで置いてから、その後に検討するというのは、余りにも官庁答弁がすぎませんか?。検討を始めますよ!という掛け声がかかる前に、しっかり条文案を含めて庁内で深く静かに検討が進行する、ということなのでしょうか?。それとも、10月よりスタートする「ごみゼロ市民会議」での行く末を見定めてから、という考えなのでしょうか。
 何れにしても、もう少し踏み込んだ回答を期待していただけに、少々肩すかしを喰らった感じです。

 これまでのような、お役所的な物事の進めかたを変えていかない限り、市民との真の協働は実現しないと思いますし、進め方から市民に投げかけていく姿勢こそが、今求められているのではないでしょうか。
 「信頼」を施策方針の要に掲げる、石阪市長の今後の手腕は如何に・・・。「ごみゼロ市民会議」の動向も注視していきましょう!


「指定管理者制度」を考える

●指定管理者制度とは
 公の施設の管理運営を民間の事業者にも委任する事ができるようにするしくみで、2003年の地方自治法(244条の2)の改正で新たに導入された制度です。
 もともと、公の目的のために供する施設は「営造物」とされ、その管理は自治体が行ってきました。その後1963年の改正では、自治体が「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設」を「公の施設」と規定し、公共団体および公共的団体(商工会、農協、生協、町内会など)に委託する事ができる「管理委託制度」を導入しました。さらに1992年の改正ではその委託先を拡大し、自治体が資本金の2分の1以上を出資する法人が加えられました。

 そして、今回の改正で、公の施設の管理主体の制限を撤廃し、民間の事業者を含め自治体が「指定」する法人その他の団体に、管理を代行させることができる「指定管理者制度」が導入されました。これまでの業務委託と違って、指定管理者は住民の施設利用の許可権を持っています。
 従来の業務委託制度は、この改正法の移行後3年以内(2006年9月1日まで)に廃止し、「指定管理者制度」に移行(施設の廃止や直営という選択肢もある)することになりました。

●どんな問題点があるのか
 
 1.指定制限(欠格事由)について
 「指定管理者制度」の導入は、これまで「官」が独占してきた公共サービスの民間開放だといえ、民間研究所の試算によれば、全国の公の施設管理をアウトソーシングすれば、その市場規模は10兆円にものぼるそうです。まさにビジネスチャンスです。こうした「利権化」による弊害は立法者である総務省も懸念しているようですが、総務省が懸念する「反社会的な法人」だけでなく、議員や首長等の関係会社が指定管理者になれば、癒着と腐敗を生むことになります。
 
 「請負」においては明確に規定(請負禁止規定:地方自治法第92条の2)が置かれ、「普通地方公共団体の議会の議員は、当該普通地方公共団体に対し請負をするもの及びその支配人又は主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。」としています。また、同様の規定は、首長など三役や教育委員等にもあり、違反したときは職を失うと規定されています。 ここでいう「請負」とは、工事などの請負契約や物品納入契約、業務委託契約など、広く業務としてなされる営利的・経済的な取引一般を指す、とされています。

 しかし、この「請負禁止規定」は指定管理者には適用されないのです。「指定」は、自治体の「行政処分」であり、自治体と業者との「契約」ではないとされているためです。指定管理者は、条例の定めるところにより、議会の議決を経て自治体が指定し、施設管理の細目ついては、指定管理者との間で「協定」することになります。
 その各段階で、議員・首長等は請負の場合同様に指定に関与する立場にあり、権限や地位の影響力を用いて私利を図れば、適正な議会運営と、公正な行政執行が損なわれるという点では、「請負」となんら異なる点がないことは明白です。

 公共工事の請負にからむ議員の収賄や出資法人の事業運営のずさんさ、業務委託者と自治体との不明瞭な癒着など、自治体をめぐる汚職や不祥事が後を絶たない現状を考えれば、当事者のモラル任せではなく、何らかの手建てが必要と考えるのは当然だといえます。
 こうした懸念を払拭するためにも、議員や首長等の関係会社を指定管理者から排除する「指定制限(欠格事由)」を含め、公正・透明な選定手続きを「指定管理者条例」で定めることが必要です。

2.情報公開条例の適用について

 情報公開制度は、市民の「知る権利」に基づき、実施機関が作成または保有する情報を公開させるための制度です。実施機関には市長、議会、教育委員会などの行政委員会も含まれます。いまでは、実施機関は公社や出資法人にも広げられ、多くの情報公開条例で、出資法人について何らかの情報公開規定を置くようになりました。
 町田市では情報公開条例施行規則第7条で対象とする出資等団体を「町田市土地開発公社、社会福祉法人町田市社会福祉協議会、町田市スポーツ振興公社、財団法人町田市勤労者福祉サービスセンター、町田市リサイクル公社、株式会社町田まちづくり公社、財団法人町田市文化・国際交流財団、社会福祉法人町田市福祉サービス協会」と規定しています。

 また、同条例第15条で「出資等団体は、この条例の趣旨にのっとり情報公開を行うため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」同条2項で「 実施機関は、出資等団体に対し、前項に規定する必要な措置を講ずるよう指導を行うものとする。」としています。
 通常、「指定管理者」は、実施機関には含まれません。施設利用の許可権を持つ指定管理者については実施機関とする条例(藤沢市)もありますが、多くの自治体では実施機関とはせず、情報公開条例を改正して単に指定管理者の条項を加えたものとなっています。

 『指定管理者制度と情報公開』の著者、斉藤文男氏は、「指定管理者を実施機関に加えるだけでは不十分。あわせて、個人情報の非開示規定から、指定管理者の従業員を除外すると共に、企業情報の非開示規定から、指定管理者の管理業務を除外しなければならない」と指摘しています。

 また、不服申し立てについても指定管理者に関する扱いは異なります。実施機関同様に、施設の利用許可権を持つ指定管理者の許可・不許可は「行政処分」となり、行政不服審査法に基づく不服申立(第244条の4)ができますが、利用許可権を持たない指定管理者の行為は行政処分ではないために、不服申立が認められていないからです。
 ですから、指定管理者の情報を実施機関を介して公開させ、情報公開条例を指定管理者にも準用させることが必要です。


●町田市では
 3月21号の「広報まちだ」によれば、庁内の11の所管課が管轄する86の施設で、指定管理者制度が導入されています。町田市では独自の「指定管理者条例」を置かず、施設設置条例の改正で指定管理者の項目を付け加えました。しかし、指定制限(欠格事由)の規定は置かれていません。

 また、情報公開条例で、「指定管理者の情報公開」の規定を置きましたが、同第14条「公の施設を管理する指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)は、この条例の趣旨にのっとり、当該公の施設の管理に関する情報の公開を行うため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」
 同条2項「実施機関は、公の施設の指定管理者に対し、前項に規定する必要な措置を講ずるよう指導を行うものとする。」と、指定管理者の措置義務と実施機関の指導義務方式を取りいれたに過ぎません。

 これでは指定管理者の情報公開の実効性は疑わしいといわざるを得ません。実施機関並みの公開規定とするためには、指定管理者に対する情報公開は実施機関に対して行い、実施機関が情報を保有しない場合は、実施機関が指定管理者に対して情報の提出を求め、指定管理者はこれに従う旨を規定する「情報の提出要請、提出義務方式」によらなければなりません。

●他の自治体では
 まず、指定制限(欠格事由)については、多摩市、千代田区、福岡県飯塚市が「指定管理者条例(公の施設に係る指定管理者の指定手続き等に関する条例)」を定め、議員や首長等の排除を規定しています。情報公開条例では前述のように、藤沢市で施設利用の許可権を持つ指定管理者については実施機関と規定しました。また、実施機関とはしないものの、多摩市、和光市などにおいては、実効性のある「情報の提出要請、提出義務方式」での規定が置かれています。

●制度のジャッジは誰が行うのか
 指定管理者の指定制限については、「議員や首長等は市民の代表として常に高潔であり、権限や地位の影響力を用いて私利を図ることなどありえない」という声もあるでしょう。当然そうあらなければならないことは、いうまでもありません。しかしルールを定めるということは、単にそうした疑義のあるなし以前に、憲法が政府に対する国民のコントロール(政府がしてはいけないこと、しなければならないこと)を定めたように、条例においても市民自治の原理(住民統制の原理)が貫かれていなければならないからです。

 情報公開についても同様に、指定管理者の情報がブラックボックス化しないために、指定管理者に対しても情報公開条例を準用させる規定を置く必要があります。もちろん、選定基準や選定手続きにおける公正・透明な手順と、場合によってはヒアリングや情報管理体制のチェックが必要であることはいうまでもありません。そして、その指定管理者が市民に対する公共サービスの担い手として、十分に役割を果たしたのか、審査するしくみが構築されていなければなりません。書類に不備がなければよしとするのではなく、指定管理者の情報管理体制や従業員への個人情報取り扱いに関する指導の徹底は当然ですが、仕事の結果に対する市民の評価も審査項目に加えるなど、市場原理ではなく市民自治の原理が常に働かなくてはなりません。公共サービスを民間に委任しようと、市民のための公共サービスであることに変わりはなく、経費が安く上がったのだから質が低下してよいなどとは、本末転倒の責任放棄にすぎません。

 指定管理者制度はマイナス面だけでとらえる必要はなく、これまでの行政による公共サービスにはないユニークな施設運営の可能性も秘めているといえ、「管理」に重点を置いた運営ではなく、市民の目線に立った運営と共に、市民と行政のパートナーシップを築く上での試金石としての位置づけも忘れてはなりません。

 いづれにしても、制度はまだ始まったばかりです。今後のノウハウの蓄積や所管課との連携なくしては制度は進んでいかないでしょうし、行政側も経費削減の手法としてではなく、当該公共サービスのありようについて見直す場として、常に検証していく事が求められているといえます。
 だからこそ、指定管理者制度に市民自治の原理が働く事が必要なのであり、自治運営の基本的理念・原則として「市民自治基本条例」の制定が待たれる所以でもあるのです。


※参考条例:町田市情報公開条例、同施行規則、多摩市情報公開条例、和光市情報公開条例、藤沢市情報公開条例、多摩市・千代田区・飯塚市公の施設に係る指定管理者の指定手続き等に関する条例
※参考文献:斉藤文男著「指定管理者制度と情報公開・自治体研究社」より、一部引用させていただきました。

◆上記の趣旨に基づき、市長に対して質問状を提出しました。
内容はこちらから→


◆「練馬区自治基本条例を考える区民懇話会」が提言書を提出

 昨年6月から開催されていた「自治基本条例を考える区民懇談会:会長:辻山幸宣(中央大学大学院客員教授)」が、今年7月3日の第15回で終了、区に提言書を提出しました。
 提言書は「区政への参加・参画」の章で、政策立案段階からの参加・参画に加え、執行機関への参加・参画として、政策提案制度・予算提案制度を挙げています。また、議会への参加・参画として、諮問機関の設置や議案提案制度、及び、陳情・請願の際の発言の機会の確保を挙げています。

 練馬区自治基本条例(仮称)のサイト 
http://www.city.nerima.tokyo.jp/kikaku/jichi/
 「提言書」全文はこちらから http://www.city.nerima.tokyo.jp/kikaku/jichi/pdf/1502.pdf


■ 市長が施政方針演説で「市民協働のまちの創造」を明言 全文はこちらから

 6月5日に開かれた町田市議会で市長は施政方針演説を行い、その中で、自治の基本である「団体自治」と「住民自治」は、市民協働のまちの考え方と相通ずるものがあります。「自治基本条例のあり方」の答申を受け、このまちの自治の仕組みづくりに向けて取り組んでいきます。”と発言しました。
前市長の事務引継ぎ事項には書かれませんでしたが、これでようやく、自治基本条例への道が開けたと思います。
その策定の過程に、いかに幅広い市民の参加を実現していけるか、これからも引き続き提言していきたいと思います。


ニュース 毎日新聞 2006年5月15日 東京朝刊より

※直接、町田の話題と言うわけではありませんが、2007年問題を控え、団塊世代の応援団となるのか?!、時の話題と言うことで新聞記事からアップしました。

団塊世代:全国3000団体結集、受け皿に 「地域創造ネットワーク・ジャパン」発足
 団塊世代の連携を呼びかける小川泰子・いきいき福祉会専務(中央)ら=東京都港区のみなとNPOハウスで4月25日

 大量定年を控える団塊世代の「地域デビュー」を応援しようと、全国約3000のNPOや市民団体などが集まる「地域創造ネットワーク・ジャパン」が22日に発足する。団塊世代を対象にした初のNPO全国組織で、定年後に行き場を失いがちなこの世代に活躍の場を提供し、地域づくりに生かすのが狙い。代表には、浅野史郎・前宮城県知事が就任する。【板垣博之、写真も】

 ◇活動の場や起業ノウハウ提供
 「団塊世代はNPO活動に意欲があるが、どこへ相談に行ったらいいのか分からない人が多い。その受け皿を作りたい。少子・高齢化など地域には課題がたくさんあり、団塊世代の知恵と力を集めたい」。呼びかけ団体の一つ、社団法人長寿社会文化協会の田中尚輝常務は強調する。
 これまで、シニア世代を対象に自治体やNPOはさまざまな取り組みを行っているが、十分な連携が取れていないのが実態。
 副代表に就任予定の社会福祉法人いきいき福祉会の小川泰子専務は「自治体でも就労セミナーを行っているが、参加者からは『セミナー終了後、どうしたらいいのか』という声が寄せられる。自治体も実際の就労支援はハローワーク任せのケースが多い。各団体の点の活動ではなく、線・面の活動が必要」と指摘する。

 ★1カ所で解決
 実際の活動は、各都道府県や地域ごとに設置されるエリアセンターが担う。自治体と協力し、1カ所で何でも解決できる「ワンストップ・サービス」を目指す。
 専門の職員を配置し、個人の要望や興味に応じて、その人にふさわしい団体を紹介する。NPOの設立や起業を希望する人には研修会などを通してノウハウを提供。参加団体の活動内容は、団体別にブログ(日記風の簡易型ホームページ)を作り、すぐに検索できるようにする。
 今年7月以降、エリアセンターを順次開設し、来夏までに47都道府県ごとに計約100カ所のセンターを置く。当面は、連合が設置する勤労者対象の相談窓口「ライフサポートセンター」内に併設されるケースが多いが、田中常務は「3年後には500〜1000カ所に増やし、最終的には小学校区単位で開設したい」と話す。

 ★笹森前連合会長も
 地域創造ネットワーク・ジャパンは、▽NPO事業サポートセンター▽財団法人さわやか福祉財団▽社団法人長寿社会文化協会▽NPO法人ニッポン・アクティブライフ・クラブ▽NPO法人市民福祉団体全国協議会▽NPO神奈川ワーカーズコレクティブ連合会−−の6団体が呼びかけ、昨年4月から設立準備を進めてきた。
 役員には浅野さんのほか、作家の落合恵子さん、笹森清・前連合会長らも名を連ねる。
 設立総会は22日午後3時から、東京都千代田区の霞が関ビルで。「団塊シニアに何ができるか」をテーマに、浅野さんや落合さんらによるパネルディスカッションも行われる。問い合わせは、NPO事業サポートセンター内の同準備会(03・5414・2795)。ホームページはhttp://www.souzou.ne.jp

毎日新聞 2006年5月15日 東京朝刊


●チェルノブイリ原発事故20周年
 
 1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故から20年。放出された放射能は8000キロも離れた日本にも飛来しました。しかし事故は決して過去のことではなく、今も汚染地域には500万人の人々が暮らしています。そして、甲状腺ガンや白血病などはいぜんとして多発し、その傷跡はいまも続いています。
 日本には現在54基の原発が運転され、どこかで事故が起きれば、狭い日本は汚染地域になります。チェルノブイリの事故は決して他人事ではありません。志賀原発2号機の運転差止判決(原発は地震に耐えられない)の指摘を待つまでもなく、地震大国での原発稼動は、背筋が凍る思いです。技術神話は事故でしか見直しできないのでしょうか。
 坂本隆一の「アメリカの先住民は7代先の子孫にとって良いと思えば「YES」、悪ければたとえ明日のためには良くても「NO」の答えを出す」というナレーションを聴くまでもなく、今だけの快適さ便利さへの執着ではなく、未来のことも考えた暮らし方にシフトしていくことが、今まさに求められているのではないでしょうか。

 参考サイト 原子力資料情報室 http://cnic.jp/


この頃気になる原子力をめぐる動き

●原発は地震に耐えられない?!
 3月24日、志賀原発2号機の運転差止訴訟において金沢地方裁判所は、「被告(北陸電力)は、志賀原発2号機を運転してはならない。」という、原告住民の主張を認めた判決を出しました。差止めの主要な理由として、裁判所は、次のような耐震設計の不十分性を指摘しました。1、直下地震の想定が小さすぎること、2、考慮するべき断層による地震を考慮しなかったこと、3、耐震設計の際、地震動の想定に使われている「大崎の方法」に妥当性がないこと、です。(原子力資料情報室より)

●プルサーマル国内初の実施へ!
 3月26日、佐賀県の古川康・同県知事は、九州電力による玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)のプルサーマル計画について、計画への同意書(事前了解書)を九電の松尾新吾社長に手渡した。同日、来県した二階俊博経済産業相が 「安全確保」を明言したことを受けてのこと。また、地元・玄海町の寺田司町長も正式に同意。玄海原発3号機(加圧水型軽水炉、定格出力118万キロワット)で、プルサーマルが国内初実施される手続きがすべて整ったことになります。


●青森県六ヶ所村の再処理工場実証実験が3月31日に開始された

 3月31日、青森県六ヶ所村に建設された核燃料再処理工場が、アクティブ試験(実際に原発の使用済み核燃料を使った、本格稼動前の最終試験運転)を開始しました。「再処理」とは、原発から出る使用済み核燃料からプルトニウムやウランを取り出し、もう一度燃料として使えるようにするものです。推進側(国・事業者である日本原燃)は、燃料のリサイクルができ、資源の少ない日本では効率の良い方法だと主張していますが、使い道のないプルトニウムが貯まり続けることや、未来にわたっての広範囲な放射能の拡散が危惧されています。
(グリンピースジャパン) 


石阪新市長「当面の施策の方針」を発表 全文は町田市のHPから

 13日の本会議で、石阪新市長は「2006年度、当面の施策の方針」を発表しましたが、この中で市長は、「信頼」は公の仕事に携わる「市役所」にとって最も大切な存在意義=存在価値です。市民から信頼される市役所でなければ、存在している理由はほとんど失われてしまいます。市民の疑問に率直に答えない職員は市政への不信を招きます、と発言。
 現在の市役所と市民との関係は、廃プラ施設や新庁舎問題だけでなく、疑心暗鬼状態に陥っているとの指摘もあり、これからの市政運営の重要なポイントを捉えた発言でした。
 また、ごみ問題全体について、早期に「ごみゼロ都市宣言」をできるよう、広く市民のみなさまとともに考える、検討・協議の場を作ります、との発言もあり、今後の手腕に期待したいと思います。市民も、過度な依存や糾弾だけでなく、自治の主体者としての自律と共に、「新しい公共」への協働と参画が求められているのではないでしょうか。


◆市長選・市議選が終了しました
 雨模様で心配された投票率、やはり、44.1%(※投票者数143,688人)に止まりました。前々回の43.29%(※投票者数136,205人)に次ぐ低さです。
 今回の市長選は再選挙もあるのではと囁かれていましたが、蓋を開けてみると、有効投票数の28.5%強の支持、次点に6106票という差で、石阪候補が当選となりました。
 もっとも、この数字、有権者全体(325,821人)から見れば、約12.6%の支持という見方もできますが・・・。
 新しい市長と市議に期待すること大ですが、「市政の主役は市民」という自治の基本原理を、どうかお忘れなきように・・・・。
 そして、公約に違わぬ行動を取り続けて行くかを、私たち市民はしっかりチェックすることが必要です。
 勿論私たち自身もも、選挙が終われば「これでまた役所と議員にお任せだ!」などという、市民自治と逆行する依存体質に陥らないことです!。


◆明日2月19日は町田市長選挙・市議会議員選挙の告示日です。 市長選の公開質問状と回答はこちらから
  「いよいよ選挙戦に突入」といっても、昨年秋ごろから市長選・市議選の各立候補予定者のツーショット顔写真が町中にあふれ、宣伝カーは走り回り、実質的には選挙戦さながらの様子。公選ポスター掲示板は、市長選6枠、市議選48枠ですが、どうも空きスペースは出ない模様です(市議選立候補は46名?)。廃プラ施設や新庁舎問題が突出し、他の政策の違いが見えにくい選挙となりそうですが、市民の判断は?
 今回の市長選挙は再選挙になるとの読みもあります。それは、公職選挙法の規定で、地方公共団体の長の選挙は、有効投票の総数の4分の1以上の得票を得ないと当選人となれないからです。現在の選挙人名簿登録者数は330,061人(2005年12月2日現在)。投票率を仮に50%とすると、当選には41,258票以上の得票が必要です。


本会議最終日、廃プラ施設関連請願全て賛成多数で可決!

 22日に開かれた町田市議会最終日、委員会で採択された「廃プラ施設建設計画に関する請願」5件が全て賛成多数で可決されました。
この結果を受け、市長は記者会見で任期中は凍結することを表明しました。
これで、小山が丘に建設が予定されている廃プラスチック中間処理施設の動向は、新しい首長と市議に委ねられることになりました。
そして、その選択は私たち市民の手にあります。
特に、今回1名を除いて賛成を表明した議員の、再選後の言動が注視されます。


◆市長選公開質問状を作成しました

 市内で活動するさまざまな団体・組織に対して共同での取り組みを呼びかけた結果、5団体から賛同を得て、質問状の項目について策定作業を行いました。各候補者宛に持参します。
回答については前回、前々回と異なり、あえて選択肢は用意せず、全て自由記入としました。
内容は以下の通りです。なお、回答期限は1月10日としました。各立候補予定者の回答を頂き次第、公開していきます。


以下のことについて、あなたの基本姿勢と具体的な取り組みについて、可能な限り詳しくお聞かせください。
1) まちづくりの理念について、あなたがもっとも大切だと思うことは何ですか。
2) 市民の市政への参画(市民活動・NPO、外国人、地域自治など)についてお聞かせください。
3) 人権・平和(憲法9条改正、教育基本法改正、歴史教科書問題、基地問題、男女共同参画など)についてお聞かせください。
4) 行財政改革(指定管理者制度、受益者負担、市場主義など)のあり方についてお聞かせください。
5) 環境政策(里山里地の保全と活用、ごみ政策ビジョン、不法投棄など)についてお聞かせください。
6) 教育・福祉・医療(子育て支援、高齢者問題、公民館の増設や使用料有料化、公立図書館の司書制度、市民病院のあり方など)について、お聞かせください。


以下の個別重要課題について、それぞれ具体的にお答えください。
7) 自治基本条例(条文化の手法、検討組織の委員構成など)について。
8) 新市庁舎建設(財政負担、市役所機能のあり方など)について。
9) 市民病院の運営(財政負担、救急医療体制、民間医療機関との連携など)について。
10) 廃プラスチック中間処理施設の建設(安全性、合意形成の手法など)について。
11) 2007年問題への対応(大量定年退職者問題【市職員・民間企業】など)について。
12) 北部丘陵【小野路・上小山田地区】問題(農とみどり、都市基盤整備など)について。


上記の項目について、あなたの市政運営の優先順位をそれぞれお付けください。
順位 順位
市民の市政参画 自治基本条例
人権・平和 新市庁舎建設
行財政改革 市民病院の運営
環境 廃プラ施設建設
教育・福祉・医療 2007年問題
北部丘陵問題

以上


◆「町田市斜面地における建築物の建築の制限に関する条例」が施行されました

 昨年12議会での条例制定を求める市民請願の採択や、今年6月の建築基準法の改正によって市での条例化が可能となったことを受け、議会への条例提案が行われた「町田市斜面地における建築物の建築の制限に関する条例 」案が9月議会で可決され、12月1日に施行されました。全国各地で問題となってきた斜面地へのマンション建設等が、これで一定の規制を受けるようになりました。
 既に、横浜市、横須賀市、川崎市、狛江市、日野市、世田谷区などで、同様の条例が施行されています。

 ※詳しくは、町田市のHPをご覧ください。こちらから


◆町田市が「容器包装プラスチックの資源化計画について」広報に掲載

 八王子市民まで巻き込んで大問題となっている廃プラ処理施設問題について、町田市は12月1日号の「広報まちだ」及びHP上に掲載しました。
内容は、@容器包装プラスチックの分別収集・資源化事業について Aこれまでの町田市におけるプラスチック製容器包装資源化の取り組み B小山ヶ丘の中間処理施設について
C施設の環境対策 D事業の進捗状況について EQアンドAです。
 しかし、住民が懸念している「杉並病」問題については、杉並中継所及び長野市清掃センター周辺大気環境調査結果を掲載して「一部、施設の改善も行い、周辺環境に影響を及ぼしていることはありません。」とのコメントに止まっています。
 1998年8月の都の調査で、杉並中継所周辺大気中からダイオキシンが検出され、燃やさないと発生しないというこれまでの固定観念に疑問が投げかけられました。また、ダイオキシン値の実測値から求めた「同族体別存在量比」から、明らかに都市ごみ焼却炉ガスや都市大気、自動車排ガスとは異なることが、識者によって指摘されています。
 今後のごみ処理のあり方をどう進めていくのか、市民との合意形成が最重要課題であり、その前提となる情報の共有と評価や分析検討を、同じテーブルで協議していく姿勢を行政が示すことができるかが「鍵」となるのではないか。掛け違ったボタンを繕うのではなく、その事実を認め合うことからしか、物事は始まらないと思うのですが・・・。

 ※詳しくは、町田市のHPをご覧ください。こちらから



イギリスのセラフィールド再処理施設で、大規模な放射能漏れがあり、施設は閉鎖した模様です。
 たんぽぽ舎から、ニュースが入ってきました。下記の河野太郎国会議員のメルマガをご覧ください。

 
 ●5/9
  http://www.taro.org/ml/mailmagazine/index.php?mode=day&log=200505&date=9#no257
 ●5/10
  http://www.taro.org/ml/mailmagazine/index.php?mode=day&log=200505&date=10#no258

事故の詳細は、原子力資料情報室から  http://cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=151


杉並病の支援科学者によって冊子「杉並病と化学物質の健康影響を理解するために」が出版されました。1冊300円です。
 問合せは、東京都杉並区今川1-12-21  井口てる子さんまで   FAX: 03-3395-1828

 
[廃棄物系化学物質による健康被害者支援科学者グループ]のHP  http://www.suginamibyo.com./



 町田市のごみ処理・処分に関するもの

・町田市議会にごみ有料化の条例「
町田市廃棄物の処理及び再利用の促進に関する条例の一部を改正する条例」が上程されました
・要請書に対する町田市の回答(10/27)への抗議書を提出
・小山田環境対策連絡協議会が、町田市長に要請書を提出    
町田市の環境大気のダイオキシン値、6月1日号の「広報まちだ」のデータから考える
「どぜうの会」の活動紹介ビデオが完成しました
リサイクル文化センター周辺環境大気のダイオキシンデータを掲載しました!5/16
・排ガスのダイオキシン類のデータ分析5/16
・「どぜうの会」のホームページができました!
日の出町の三多摩地域廃棄物広域処分場への搬出量との比較
リサイクル文化センターでの工業薬品使用状況
焼却灰・残渣の搬入量と浸出汚水の電気伝導度との関係を考察する
リサイクル文化センター排水中のプラスチック可塑剤・難燃剤の分析データ
・「ごみ環境フォーラム」の報告集ができました!
町田市が南地区にブラスチック中間処理施設をPFI方式で導入の意向示す:その後10/17更新


 その他

・町田市議会のインターネット中継が始まりました!
団地の農薬散布が一時延期 (下段記事参照) 7/27 続報8/5
・ 境川河川敷で除草剤散布 5/7(5/22一部修正)
・町田の広場が、市民の広場が消えていく!
横浜市で、農薬散布のガイドラインができました12/23
・住宅地周辺での農薬散布ガイドライン!


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