請願の意見陳述しました。

2011年3月議会に提出した「自治基本条例の再検討・制定の際は、市民及び住民参加を保障することを求める請願」の意見陳述をおこないました。地震の影響で1日遅れての総務常任委員会の冒頭でした。

主に3つの請願項目について、請願趣旨や補足説明をしました。

12議会に提案された「町田市自治基本条例」は、最高規範性も市民の権利も謳わないものであること、2006年の答申を踏まえたものではないこと、また、そうした議論は既に議会審議でもおこなわれ、問題点は共有していることを前提に以下の3点について述べました。


1.自治基本条例を再検討するに当たっては、行政主導ではなく市民及び住民参加を保障してください

 自治基本条例は自治体運営の基本となる、主権者である市民及び住民と、市(執行機関)および議会(議決機関)との信託と負託の関係を明らかにするものです。つまり、主権者である市民及び住民が、二元代表制の首長と議会に政治を信託するにあたって、これまでのような「お任せ民主主義」や「白紙委任状的な信託」ではなく、市民及び住民主権の立場から信託に一定の条件付けをするものです。それを一方的に市側だけで検討し条例化することは自治基本条例の精神や意義を揺るがすことであり、問題です。


2.全市的な議論を尽くすための情報共有と協議の場を持ち、しっかりと時間と手間をかけて再検討してください
 
 協働と情報共有を基本理念・基本原則に置くとした条例案の検討過程で、主権者である市民との協働や情報共有は全く行われていません。突然のパブリックコメントは市民との協働作業を得て示されたものではありません。また、市民からのパブリックコメントは事実上無視され、ただ形式的に行われたと言う外ありません。


3.全国的に議論されている同条例の趣旨、意義、実効性などに関する批判を明確に論駁できるだけの理論的な裏づけを持って検討をしてください
 
 自治基本条例は、理念条例として作ればいいというものではありません。役に立たない条例は不必要であり、先行自治体での施行後の推移の実態把握を含めて、条例の趣旨・意義・実効性についての充分な検証と議論が不可欠です。


陳述に対して、委員から、「最高規範性」は納得いかない。最高規範性があるのは憲法だけだ。また、項目1の「お任せ民主主義」とは何なのか納得できない、議員は選挙を通して選ばれたわけで、市民を代表しているという内容の質疑がありました。

これは当然予想していた内容で、そのことを巡ってはある意味の論争も必要と思い、敢えて述べました。

国の最高法規は確かに憲法。しかし憲法は、国に対して国民からシバリをかけるものであり、国民と国との契約書だと言われている。条例に上下の差はないが、自治体法務体系の再構築として自治基本条例を位置づけていく意味合いから、最高法規性を持たせている。

市民は二元代表制という制度の中で、自治体運営を長と議会にお願いしているが、白紙委任状的な信託をしたわけではないこと、法も間接民主制を補完する意味で、直接請求制度を置いていること。市民も自治を担う主体者として、公共を担っていくことが求められている。これまでのような行政や議会に「おまかせ」では、公共を担っていくという観点から問題で、市民の意識改革も必要と述べました。

驚いたのは、行政側(政策経営部)の答弁でした。
12月に議会で否決された条例案を「再検討するつもりはない」という答弁でした。
時間をかけて市民の理解を得ていく。だから修正する考えはないことを強調したのです。
よって、請願の願意には反対との言い分でした。

これにはさすがに委員から、議会で否決されたという問題をどう受け止めているのか、との質疑がありました。
しかし、行政は修正しない、再検討はしないの一点張りでした。
委員会の採決は「継続」となりました。

行政に対して、再検討をすべきとのアプローチも必要かもしれませんが、今日はしっかり行政の本音が聴けました。