[[[ サロマンブルーを目指して・・・ ]]] |
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900km/1000km地点へ レース当日の朝は予定通り2時に起床した。当然のことながら外はまだ暗い。雨が降っている気配はなかったが、星も見えなかったので、曇っていたのだと思う。前日に買っておいた、おにぎり2個とカップ味噌汁を飲み、ゆるゆると着替えを済ませた。ここ数年、レース前に緊張する事は無くなった。最終的にシューズにチップを装着し、ウェアにナンバーカードを取付さえすれば何とかなると言う、開き直りの境地なのだ。レース終了後の着替えをゴール地点の受取荷物袋に積めて、準備は完了。待ち合わせ時間の3時15分に合わせてホテルのロビーへと降りた。 ロビーから外へ出てみると気温はかなり低かった。Tシャツにウインドブレーカーという格好では寒さを凌げず、ガタガタと震え出すほどだった。100km出場者と応援者は、2台の車に乗り込み、スタート地点へと向かった。ハンドルを握る道中も、特別な気持ちの高ぶりはなく、穏やかな気持ちでいられたように思う。 スタート地点にある屋内運動場に到着すると、寒さの為かいつもよりも沢山の選手や応援者で賑わっていた。小さなスペースをみつけて、いつものようにレジャーシートを広げる。ウェアにナンバーカードを取付け、スペシャルボトルを預け、トイレに行くという、毎年行っているルーティーンを、そつなくこなし、仲間と写真撮影したり、談笑している間に、スタートの時は近づいてきた。スタートまで15分。円陣を組んで気合いを入れる。 『全員完走目指して、いくぞー、シャー!!』一気にテンションが上がってきた。 ![]() ![]() スペシャルエイド用のボトル スタート会場(室内運動場) あまり緊張感はないような? 全員完走目指すゾー!! 通算10回目の出場となるサロマ湖100kmウルトラマラソンのスタート風景は、これまでとは少し違っていた。今年から前半部分にコース変更があり、スタートする方向が逆になったのだ。スタートエリアは混雑していた。同行したサムズアップの仲間たちは、この時点で2つに分かれた。私は後ろの集団に属し、その瞬間を待った。 ![]() ![]() スタートまで残り1分。周りに居る仲間と笑顔を交わし合い、応援の妻と母に手を振った。緩やかな流れでスタートは切られた。私にとって今年のサロマは0km/100km地点ではなく、900km/1000km地点である。過去9年間に積み上げてきた900kmの距離と、9年間で様々な経験をしてきた9人の自分が、支えとなって真のゴールへと導いてくれる筈だ。 NEXT |
写真協力:M.fukuda