わがまま温泉日記 仙石原温泉 せんごくばら
俵石閣 ウェルテル俵石 仙郷楼 箱根甲子園
箱根大湧谷仙石原温泉へはJR小田原駅から桃源台行き箱根登山バス約50分

和の宿 俵石閣
http://www.hyoseki.com/yadono%20goannai.htm
住所 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1290 〒250-0631 Memo:
一泊二食 \19,500
(通常\27,000のところ
プラン利用で室料半額)
ビール中ビン \600
ウォシュレット完備
朝刊つき
電話 0460-4-8531
営業期間 通年
泉質 大湧谷温泉@酸性-Na・Ca・Mg-硫酸塩泉
(旧泉質名:酸性含塩化土類芒硝泉) 源泉温67.9度 pH2.6
旅行日 03/01/13
コメント 和洋折衷「草庵」

 箱根には、蕎麦屋のみならず、小粋なレストランだって数多くある。さて、今回は、TVにもたびたび登場の仙石原「草庵」にて、ランチをいただくことにする。
 外観こそイングリッシュガーデンを思わせる造りなれど、内部は和風。畳と障子のお部屋にダイニングセットを運び入れ、そこで創作フレンチいただく寸法。畳の上をスリッパ履きでは、向田邦子の父上にでも叱られそうで、心理的には抵抗がある。しかし、畳を「タタミ」と読み替えて、心の平安取り戻す。

数寄屋造り「柏の間」 腹ごしらえも済んだところで、今夜のお宿、俵石閣へ。この数寄屋造りの純和風建築は、商家の別邸として建てられたのを、昭和の初めに東京から移築したもの。
 とにかく屋根が素敵だわ〜。しかも、箱根外輪山に抱かれて、深山幽玄の趣あふれる宿として、生まれ変わってよかったね。しかも大事にされている。

 たった七室の宿とはいえ、あまりに静かな玄関先は、人の気配すらなし。ほんとに営業してんの? と思う間もなく、仲居さんがクルマまでご挨拶にみえる。
談話室 談話室にて一休みの後、部屋まで案内される。優に一間はあろうかという幅広廊下は畳敷き。もちろん、スリッパなどという無粋な履物はなし。その代わり、新品の足袋型ソックスが用意されているのだ。
 そもそも、ワタシはスリッパなるもの大嫌い。誰が履いたか分からぬスリッパに、素足を突っ込む気にはなれない。水虫持ちのダンナのものとくれば、なおさらのこと。風呂上り、湿気がゆえにベタッと足裏にへばりつく、あの感触たるや我慢ならない。不承不承、つっかけているものだから、階段から転げ落ちそうになったことすら二度三度。

亀の間 大きな床の間つきの八畳和室の障子を開けると、回り廊下がグルリと囲み、自慢のお庭が見渡せる。葉を落とした木々は若干寂しげながら、翌朝、朝日を浴びて飛び回る小鳥たちの姿がよく見え、まんざらでもない。
 この部屋だけでも十分なのに、もう一間、八畳和室がついている。こちらは、鏡台、衛門掛けなど調度が置かれ、隠しの間となってはいるが、横スライドの雪見障子に濡れ縁がつく。寝室もこちらとなっているので、布団の上げ下げに煩わされる惧れがない。舞い上がったホコリの中での配膳って、気になるのよね〜。

男湯 宿の広〜い敷地を散歩した。冷えた身体を温めようと、例のソックス片手に風呂場へ向かう。
 浴室のドアを押し開けたとたん、眼前に石造りの浴槽いっぱいに注ぎ込まれた白いお湯。窓の外には竹林が毅然として立つ。
 大湧谷の濁り湯、なぜにワタシは通うのか? 東京から最も近い白い湯は、ここしかないから・・・。それでも、硝煙臭と、身体をさするとパウダーっぽくスベスベの、硫黄成分楽しんでいる。
浴場外観 が、出ては入りの繰り返し。なぜかといえば、浴室がやけに寒いのだ。高い天井と、さらに高い湯気抜きを持つ、理想的な浴場の造りが、冬場の箱根では仇となってしまったようだ。しかも、パスカルの穴(ウォーターレベルの一致しないNew Type)からの排湯らしく、洗い場の冷たいことといったら、ありゃしない。それでも、女湯はスノコが敷いてあって、まだ救われるのだが・・・。
 湯温はお宿任せで好ましい。おそらく、お湯を絞ることで調整しているのだろう。しかし、このときばかりは願ったね。水道ホースがあってもいいから、熱々のお湯を入れてね! たっぷりね!

朝食 夕食のフグ皮、お造り、かも鍋、氷頭(ひず)といずれもおいしい。朝食のワサビ漬け、あさりのお椀、湯豆腐と、これまたおいしい。素材の良さが光るのだ。
 ところで、ワタシは今までに、何千枚の干物を食したことか。箱根の朝の楽しみは何といっても干物であるが、今朝のアジの干物は香ばしい上、脂たっぷり、身ほぐれよしの特上物。フィンランド産ばかり食べていたのかも知れないけれど、あまりの旨さに、その出所を仲居さんに尋ねてしまった。
お店の場所が分かる人は立寄ってみたら〜^^ 帰り道、教えてもらった仕入先の魚屋さんに立寄ったこと、言うまでもない。アジの干物5枚と、みりん干しを3枚買って、宿で教えてもらったことを告げると、干物を1枚多めにくれた。ラッキー!

 昼はフレンチ、夜は会席、にごり湯浸かって朝は干物で、アジは極上。箱根って、何回行っても飽きないね。お湯ばかりではなく、まさしく、味わい深いとこなんだ。



ウェルテル俵石
http://www.hyoseki.com/hotl%20e%20goannai.htm
住所 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1290 〒250-0631 Memo:
入浴料 \1,500
俵石閣利用客は無料)
電話 0460-4-3355
営業期間 通年
泉質 大湧谷温泉@酸性-Na・Ca・Mg-硫酸塩泉
(旧泉質名:酸性含土類石膏芒硝泉) 源泉温67.9度 pH2.6
旅行日 03/01/13
コメント 大湧谷

 仙石原にお湯は湧かない。湧くのは興味ばかりなり。というのも、この温泉地、大湧谷からの引湯で成り立っている。そのため、泉質表示上は大湧谷温泉となっているが、何よりこのお湯、蒸気井泉という一風変わった生い立ちをもつ。とはいえ、網張発哺湯の花沢と、全国各地で見られる温泉。
 箱根カントリー倶楽部の敷地内にあるというイタリ湿原地帯から水をくみ上げ、大湧谷から噴き出す蒸気と混ぜている。そのため、造成泉などとも呼ばれ、本物の天然温泉ではないだの何だの物議をかもす。
フロント棟 ところで、その湯量たるやいかがなものか。箱根温泉供給(株)のHPによると、「温泉用水揚水能力が日量最大5,000m3」、「30%は自噴泉」となっているので、これをもとに、なじみの リットル/分 表示に換算すると、
  5000*1000L/24h/60min/70%≒4960L/分
毎分8000Lの玉川温泉,毎分6000Lの須川温泉には及ばぬまでも、毎分5000Lの湯量といえば大したものだ。ちょっと、ビックリ・・・。

 俵石閣には露天がないので、リゾートホテル形式のウェルテル俵石まで足を運んだ。
展望の利く大浴場 高くとも3階までの小ぶりの建物が、分散配置されている。巨大施設をドカ〜ンと造るのではなく、8つの棟に分けることで、自然との調和を図ろうという目論見である。果たして、その願いは叶えられたか否か、定かではないにはしても、その心意気やよし。

 大浴場は小高い場所に建てられており、展望風呂が楽しめる。しかし、雪の日なんかに、宿泊棟からわざわざ出かけるっていうのも億劫だね〜。三度のお風呂が二度になりそう。
金時の湯 こちらのお風呂は浴槽ふちからお湯があふれ、天井もそれほど高くはないせいもあり、洗い場だって暖かい。そのぬくとさと引き換えに、湯気がこもるは致し方なし・・・。
 温泉宿のシャワーって、出が悪いのが常識なれど、ここのは違うよ。三社祭りを思わせる威勢のよさに、うれしくなって、こちらでシャンプーしてしまったわ。まだ、宿のお風呂は偵察だけというのにね。

内風呂の向こうに半露天ハーブ風呂 窓の外に広がる仙石原など眺めながら、ゆっくりお湯に浸かっていると、ドーン、ドーンと大気を震わす音がする。だれも不審がってはいない。京は雅の鹿追ではなく、今日はみなさん先刻承知の熊追いか?
 実は、御殿場演習場から聞こえる自衛隊の演習の音。空砲なんだか、実弾なんだか、知らないけれど、ここは戦国、
 遠山に日の当たりたる枯野かな
などと名句が口をつく。



仙郷楼
http://www.senkyoro.co.jp
住所 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1284 〒250-0631 Memo:
一泊二食 \20,000
ビール中ビン \700
貸切露天風呂 \1,000
電話 0460-4-8521
営業期間 通年
泉質 酸性-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉
(旧泉質名:酸性-含塩化土類石膏泉) 源泉温64.7度 pH2.9
旅行日 00/12/20
コメント 仙郷楼パンフレットより

 20世紀最後の温泉宿は、TVの旅行番組で見た仙石原の仙郷楼にした。紹介の湯船は木造真四角、しかも白濁したお湯。これは秘湯の湯に近いと直感し、早々に予約を入れた。
 実は、これ、千円を支払って45分間借りる貸切露天風呂だったのだ。あとで、パンフレットを見て「借りればよかったな」と思ったが、後の祭り。
 しかし、その発想すら起きなかったのは、太っちょのオヤジが若いオネェチャンを連れて、待ち切れなさそうに鍵をガチャガチャ、一所懸命あけようとしていたからだ。直後のお湯だけは使いたくないな〜。

仙郷楼入口 入口から宿までは、老舗旅館定番の坂道をうねりながら登っていく。いつも思うのだが、歩いてこそ、寺社の参道の趣きがあるというもの。クルマだとアッという間なので、それほどの感慨はない。しかし、何といっても、130年の歴史の重みだけは如何ともしがたい。
 二万円からという宿で、二万円の部屋。8畳プラス手前と奥に4畳ばかりのスペース。十分すぎるほどの広さで、何ら不満はない。「高い宿では安い部屋、安い宿では高い部屋」というワタシたち二人っきりの家訓は、ここでもその正しさが証明された。フロアの図面を見ると、この3倍の広さはあろうかという部屋がほとんどであったが・・・。

内風呂 楽しみにしていたお湯も、湯口からは触れないほどの熱い湯が、流量変わることなく、箱根では信じられないほどの分量で流れ込んでいる。きっと、大湧谷からの湯口権をあり余るほど持っているのだろう。
 仲居さんに聞いてみたところ、熱くて水で埋めながら湯船に注いでいるそうだ。あぁ、もったいない、成分が薄まるじゃないのよ〜。敷地はたっぷりあるんだから、湯畑の一つもつくって欲しいな。「東北の秘湯」東京版ということで、ワタシは間違いなく定宿にしますよ。
露天風呂 内湯はみんなジャンジャン水道水で埋めてくれてありがとね。何、考えてんだろ? 露天は水道で埋める客が少ないせいか、内湯よりも成分が濃いような気がする。

 食事は立派な京風懐石なのだが、栃木出身の友人たちは、きっと味(色?)がついてないと大騒ぎするだろう。懐石料理
 ワタシたちは懐石はコレでなきゃと思っているから、おいしくペロッといただいた。一品ずつのお運びでないのが、気を使わなくてよく、ありがたい。
 あと一つ、朝刊・夕刊のサービスにダンナは喜んでいたのだが、これにウォシュレットでもついていようものなら、きっと、箱根はココしか泊まらないと言い出すだろう。 



箱根甲子園
住所 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 〒250-0631 Memo:
一泊二食 \15,000
ビール \600
電話 0460-4-8561
営業期間 通年
泉質 単純泉・硫黄泉
旅行日 99/2/11
コメント

02/03/04
この施設は閉鎖しました。ご注意ください。

 宿泊客はワタシたちだけではないか、と思わせるほど広々とした部屋に通された。窓の下には大きな池を囲むように広がる庭園。日帰り客でにぎわっていたのも束の間、やがて誰もいなくなった。
 ラドン温泉というものに、はじめて入ったが、水風呂のようである。熱いのが好きなワタシに、これは少々つらい。しかし、サウナとラドンを2〜3回繰り返すと温まる。広いサウナ室も一人、ラドンの湯も一人。実にぜいたくな一日であった。
 食事どき、仲居さんにいろんなことを教えてもらった。ちょっと、ここでは書けないのが残念。夜、遅くまで酒を酌み交わした。

Top