わがまま温泉日記 玉川温泉 たまがわ
玉川温泉 新玉川温泉
玉川温泉へは秋田新幹線JR田沢湖駅よりバス80分

玉川温泉
http://www.hana.or.jp/~tamagawa/
住所 秋田県仙北郡田沢湖町玉川 〒014-1205 Memo:一軒宿
一泊二食 \13,800
ビール中 \580
ウォシュレット有(室内)
電話 0187-58-3000
営業期間 通年
泉質 酸性−含二酸化炭素・鉄U・アルミニウム−塩化物泉
98℃ 9,000L/分 pH1.2
旅行日 01/08/15
コメント

01/09/02
朝食はバイキング形式で、生タラコがおいしい


01/10/18
癌に対する放射線の効果については、疑問視する向きもあるが、ワタシは信じたい。
許容値以下の微量の放射線がもたらすホルミシス効果というものも近年研究の緒についたばかりだそうである。(Thanks to Mr.Yamasemi)
また、血から汗が出ると伺ったオンドル小屋だって、癌細胞を死滅させるには至らないまでも、何らかの効果は期待できそうだ
というのも、癌細胞が正常細胞よりも熱に弱い性質を利用したハイパーサーミアという治療法もあるそうだから。(Thanks to Mr.Konpeki7)
高台からオンドル小屋を望む

 半年先の予約受付開始の2月、夏の予約を入れてみた。電話口に出たお兄ちゃんが言う。「湯治部ですが、いいですか? 食堂での食事もいまいちなんですけど、いいですか? 部屋はクーラーもないんでけど、いいですか?」
 田沢湖から鹿角にぬける走りなれた道。相も変わらず、玉川温泉入口は大混雑。しかし、今回ばかりはひるむことなく、宿へと続く坂道を駆け下りる。なにしろ、楽しみにしていたお泊りなのだ。

北投石の碑 さっそく、地獄谷めぐり。てっきり、宿の敷地なのかと思っていたら、国立公園なのである。お国が管理しているだけあって、荒涼たる風景の中、よく整備された自然研究路を歩く。露天風呂やらオンドル小屋の、もの珍しさも手伝って、けっこう楽しめるね〜。
 思い思いの場所で、岩盤浴にはげんでいる人たちがいる。あとで、食事のときに聞いたのだが、場所によって放射線の強さが違うんだとのこと。放射線を放つ北投石は特別天然記念物。なんでも、台湾の北投温泉で発見されたので、その名がついたそうである。もちろん、日本ではここでしか産出しない。

大噴(おおふけ) 名湯玉川温泉のお湯は、「大噴(おおふけ)」から湧き出している。もうもうたる湯煙が迫力満点。熱いお湯の大好きなワタシも、さすがに、そこに浸かりたいとは思わなかった。
 このお湯を、50mほど伸びる大きな湯畑で、沈殿物をこしとってから、宿へと引いている。草津の湯畑と比べると、どちらが大きいんだろう? 草津は周りが建造物、こちらは周りが大自然。にわかに、甲乙はつけがたい。

湯畑 さてさて、いよいよ大浴場。「死にかけの病人が元気になる」といわれるほど、ここのお湯はよく効くらしい。なるほど、いるわいるわ、術後の跡も生々しい人たちが・・・。強酸性のお湯に身をしずめている。入ってみると傷口がピリピリ痛む。薬のようなこのお湯が、5倍に薄めて飲むと、意外なことに、とてもおいしい。これはもうレモン水なのである。
 しかし、観光シーズンの日中は、日帰りの入浴客の多いこと、多いこと。イモの子を洗うような混雑ぶりで、湯治場の風情を楽しむどころの話ではない。夜中、また、ゆっくり浸かることにしようかね。

大浴場(パンフレット) 8畳の和室にベッドを二つ置いた、何とも妙な取り合わせの、きれいなお部屋。そこに、きつ〜い西日が差し込んできた。クーラーがないので、窓を締め切ることはできない。夕食どきを見計らい、ちょっと早めに大食堂へと避難開始。
 宿の通路には、あらゆるところに手すりがつけられ、体の弱った人への配慮がうかがえる。ところが、残念ながらその手すり、格好の物干し竿に化けている。部屋の前には、ゴザが立てかけてあったり、花が活けてあったりと、生活感漂う宿なのだ。いや、新館は建物が新しいだけに、どこか病院を思わせる。

食堂(パンフレット) 湯治客を迎える大食堂。一べつするだけでも広いのに、さらに右奥にまで続いている。こんな巨大食堂は、さすがにお目にかかったことがない。食事はいずれも薄めの味付けながら、別にまずくはない。健康に気遣っているのだ。
 隣り合わせたご主人が、ずいぶん食事を残したようだ。食器を下げにきたおばちゃんが、「ここの人、元気だった?」と尋ねる。ア〜ッ! こんなとこまで、気配りがある〜!
 館内を見渡すと、働き盛りの夫婦連れがけっこう目立つ。しかも、どちらか一方がとても相手に優しいのである。穏やかで、一品ずつを慈しむ、かつて見たこともない夕食の風景が、そこには広がる。
玉川温泉全景(パンフレット) 右隣は奥さんが乳ガン、左隣はご主人が舌ガン、いずれも再発を恐れて毎年、GWとお盆休みに、岩盤浴に来ているという。北海道出身、東京在住の左隣のおじさんには、ビールまでごちそうになって、いろいろ教えてもらったな。お元気で・・・。

 本当に、湯治を必要としている方々が、どれほど予約に苦労なさっているかをうかがうにつけ、ワタシはただただ、反省しきり。ハイシーズンの予約だけは避けようと、心に決めた。
 冒頭の、電話予約の応対といい、和室にベッドの妙な取り合わせといい、ウォシュレットはあってもクーラーがない設備のアンバランスといい、不思議ばかりのこの宿のナゾ。どうやら解けたようである。



新玉川温泉
http://www.hana.or.jp/~shintama/index.htm
住所 秋田県仙北郡田沢湖町玉川 〒014-1205 Memo:一軒宿
入浴料 \600
電話 0187-58-3100
営業期間 通年
泉質 酸性−含二酸化炭素・鉄U・アルミニウム−塩化物泉
98℃ 9,000L/分 pH1.2
旅行日 01/05/02
コメント

中和処理施設(パンフレット) GWのため、本家の方はR341の道端にまでクルマがあふれかえっている。「イモの子」を洗う浴槽が脳裏をよぎる。あっさりとあきらめて、クルマを走らせたのだが、ちょうどお昼時。お腹が新玉(二子玉川略してニコ玉、こちらはシン玉、ダメかしら?)に立ち寄って行けという。それもそうだ、この先、角館まで走らなければお昼にありつけないのだから。

 国道を折れ、快適な舗装道路をしばらく進むと、大きく開けた空間が出現する。右に新玉川温泉、左にビジターセンター中和処理施設
新玉川温泉玄関 強酸性の温泉が玉川の水質を酸性化させているため、玉川の水はいったん田沢湖に導かれ、雄物川へとつながっている。それでも、農作物に影響を及ぼし、田沢湖は死の湖と化していたそうだ。この問題の解決を図るために設けられたのが、石灰による中和処理施設なのだ。草津温泉の湯川にも処理施設はあったが、こちら方が規模は格段に大きい。
 強酸性で、湯量豊富。自然環境にまで影響を与える何ともスケールの大きな温泉である。

食堂 駐車スペースに困ることもない広々とした玄関前の車寄せでは、ボーイがにこやかに出迎えてくれる。明るく開放的なロビーには浴衣姿のジジババがうろついているので、華やかさにこそ欠けるのだが、何から何までゆったりとした一流ホテル並みの造りである。
 大きな空間に包まれた食堂では、蝶ネクタイも凛々しいウェイターが丁重に注文を取りに来る。ビールとおそばをいただき、一心地ついたのだが、「百年河清を待つ」のたとえ通り、21世紀の終わりを迎えようとも、浴衣姿だけはこの食堂には似つかわしくないことであろう。

パンフレットより ゆったりした造りというポリシーは大浴場にも及んでいて、本家のちょうど倍の広さ。真ん中に「源泉100%の湯」がでで〜んと控えているのだが、浴槽が広すぎるのであろう。本家よりもぬるいのである。「熱い湯」と交互に浸かって満足を得た。ブースで仕切られた洗い場も快適である。しかも、入浴客は数えるほどしかいない。本家と同じお湯にゆったり浸かれるのだから、こちらは立ち寄りに断然のオススメである。

 この夏、本家に予約を入れていたので、帰り際、フロントでお値段を尋ねてみた。\11,500と本家より安いのだ。岩盤浴ができないせいか? 思わず、グラッときたのだが、やはり宿泊するなら、湯治場の雰囲気を色濃く残す本家の方がワタシにとっては魅力的だな。夜なら「イモの子」にならずともすむだろうしね。

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