わがまま温泉日記 鳴子温泉(なるこ)
東多賀の湯 鳴子ホテル 滝の湯 湯の宿吟の庄
鳴子温泉へはJR陸羽東線鳴子温泉駅徒歩

東多賀の湯
http://www.higashitaga.com/index.html
住所 宮城県玉造郡鳴子町字新屋敷160 〒989-68 Memo:
一泊二食 \7,000
キッチン付
トイレ共同
電話 0229-83-3133
営業期間 通年
泉質 東多賀の湯1号泉@含硫黄Na・Ca-硫酸塩泉 45度 pH5.4
旅行日 03/08/12
03/09/13

ワタシは温泉の効能については語らぬようにしている。なぜって科学的に解明できているものばかりではないから。

ところが、ここ東多賀の湯は確かに皮膚に効いた。まるで、ステロイド剤でも含んでいるかのようなお湯だった。
理屈のほどはよく分からない。



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足湯 国道沿い、西多賀の湯のすぐ横に東多賀の湯「湯治処・ひふ病名湯」の文字が踊る大きな看板、目に飛び込んでくる。最近、オデコに赤く腫れた傷もつワタシに期待をもたせる。
 玄関前には木樽に温泉流し込み、手軽に足湯が楽しめる。透明なのと白いのと、2本の源泉もつからなのか、それとも、時間の経過を示すのか。もちろん、白い方に指を突っ込んだだけで、もうウキウキ♪

自炊設備 さすが、湯治宿だけあって、部屋は6畳に3畳のキッチンがつく。しかも、冷蔵庫の中は何とも好ましいカラッポ。
 峩々温泉もそうだったけど、あの山中では気軽に買い出しには行けない。ところが、ここは鳴子の町なか、不便を感じることはない。
 共同のランドリー設備もあるし、貸出のお皿から鍋・釜・フライパンと、きれいに食器棚に収められている。あっ、釜はなかったっけね〜。

隣はスーパー 足取りも軽く、さっそく買い出しに出かける。うれしいことに宿の隣はスーパーで、食料品から日用品まで十分ここで事足りる。しかし、ビールが置いてな〜い・・・。
 心配ご無用、二分も歩けば酒屋だってある。缶ビールをしこたま買い込み、カラッポの冷蔵庫に放り込み、夕食前から飲み始めたのは、いつもながらのことだわねぇ。
 6畳に3畳のキッチンという部屋は、若い頃の一人暮らしのアパートと同じ造りだ。こんなところで、ダンナと二人、ビールを飲むと、妙に落ち着く、居心地がよい。なごむのである。
自炊部屋
 ワタシは、お湯はもちろんのこと、風呂場の造りにもこだわりがある。
 まず、方形の木の湯船でなくてはならない。ワタシに「浴槽」なんて呼ばれるお風呂は失格だ。次に、木の洗い場が浴室に占める割合は75%くらいでなくてはならない。つまりは、湯船が浴室の4分の1、百歩ゆずって、3分の1。
 続いて、カランはあってはならない。シャボンでゴシゴシやられた日には、温泉の風味も飛んでしまうのだ。

理想のお風呂場 さて、お風呂場の戸を引くと、湯船の木枠の縁からは白い湯あふれ、湯船と洗い場の按配が、まっこと理想に近いのだ。熱すぎることもなく、ぬるすぎることもない、いい湯加減の鼻先を硫黄泉特有のゆで卵臭がかすめて通る。換気にもずいぶん注意を払っているみたい。
 湯上りのお肌はサッパリ、真夏には実にありがたいお湯で、ワタシは何度足を運んだだろう。
 あと二泊、北東北に泊まるんだけど、「帰りに寄って、連れて帰ってよ〜」と、ダンナに言うと、もちろん目が点・・・。ワタシはここで、自炊がしたくなったのだ。

夕食 電話で予約を入れたとき、「食事付なら八千円くらい」と電話口の向こうから、おばぁちゃんが教えてくれた。この金額で食事に期待はできないでしょ? 何の何の、秘湯の宿の食事に慣れてるワタシにすれば、十分満足できるもの。となりの部屋に用意をしてくれ、せかされることもなく、の〜んびり飲んだり、食べたり、テレビを見たり。
 自炊をすれば、イタ飯にワインをつけて硫黄泉。かくして、ワタシの老後の楽しみの、湯治の宿も3軒目が決定。

カランの代わり 非日常を「ハレ」と「ケ」で説いてみせたのが、民俗学の柳田国男博士。ちなみに「ケ」とは「穢れ」をあてる。女性の生理・出産など、すべて「ケ」として、穢小屋に移されたという。
 昔のことだとお笑いだろうが、温泉旅行にもこの2種類があることを確信している。たとえば、「ハレ」なら箱根の温泉、病気療養ならば玉川温泉。こんな2種類の温泉を同列に並べて評価するのは、いかがなものかと思う昨今。
 ここ東多賀の湯、ハレでもなく、ケでもなく、こだわりもった日常の温泉なのだ。



鳴子ホテル
http;//www.narukohotel.co.jp/
住所 宮城県玉造郡鳴子町湯元 〒989-6823 Memo:
一泊二食 \16,000
ビール \750
ウォシュレットあり
電話 0229-83-2001
営業期間 通年
泉質 [鳴子ホテル1号+2号+3号]混合泉@含硫黄Na-塩化物・硫酸塩泉(旧:含食塩・芒硝硫黄泉) 85度 pH8.0 掘削自噴
旅行日 02/08/14
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03/02/04
Q.源泉をなぜ混ぜるのか?
A.リーフレットにある「1本は130度にも達する高温蒸気」なる源泉が、3号源泉の正体ならばどうだろう?
1号2号で成分いただき、3号源泉にて加熱

温泉製造装置かな?

玄関脇の間歇泉 「水・熱・成分」、3つの条件がそろってめでたく温泉誕生。このことは、季刊「鳴子ホテル通信ゆとりすと」なるリーフレットでも語られている。「千年も枯れず沸き出す鳴子のお湯は、落葉広葉樹の森がもたらす山の恵み」
 森に蓄えられた豊潤な水のもとは天水。ならば温泉というのは、天の恵み、地の施し。ありがたく、いただかなくっちゃね。

 ホテルに着くと真っ先に、玄関横の湯煙と温泉玉子が迎えてくれる。見とれていたので、よもや13階建てのホテル直下とは気づかずにいた。
 ロビーに入ると、さすが山中の一軒宿とは違う。温泉玉子をもう1個と無心する人、浴衣がけでお土産の温泉饅頭を20箱も買う人、大阪弁やら東北弁やら飛び交って、何ともにぎやか。
 12階の部屋から外を眺めると、ホテルの向かいは小学校。目と鼻の先なんてものじゃない・・・。目に湯煙、鼻に硫黄臭、何たる幸せ。「泣く子と地頭には勝てない」もじり、「鳴子と児童には勝てないな〜」と、うらやましさに溜息をつく。

 温泉玉子などほおばりながら、宿のガイドに目を通す。3本の源泉、3つのお風呂があるという。芭蕉の湯と玉の湯は男女交代となっているので、あわてて玉の湯へと向かう。
 ホテルの大浴場というのは、石盤造りの浴槽がほとんど。しかし、ここでは総檜造りの湯船が7つほど、組み合わされた凝った造りとなっている。端へいくほど湯温が下がっていくという草津は大滝の湯でもとってる仕組み。しかし、こちらは湯治場風ではなく、清潔かつオシャレ。いいお湯は楽しみたいけど、湯治場風の小汚い造りに違和感覚える女性も多いが、ここなら安心、おすすめできる。
 あっちの湯船、こっちの湯船とウロウロさすらう。けれど、やっぱり掛け流し直下の一番温度の高い湯船がお気に入り。広さに驚くことはないけれど、源泉掛け流しというから圧倒される。こりゃ、すごいわ〜。

 もう一方の芭蕉の湯もこれまた広い。カランが一直線にずらりと並び、カラン待ちの必要なんぞさらさらない。ここから続く露天のお湯は真っ白なのに、芭蕉の湯ではそれほどでもない。
 1号源泉はオリーブ色、2号源泉は白なので、そのせいかとも思ってみたが、このホテルでは敷地内から沸き出す3本の源泉を混合使用しているので、そのせいではない。混合比の問題か、お湯の老化の問題か、いまだ釈然とはしない。
 この混合泉、弱アルカリ性硫黄泉というから、箱根芦之湯の松坂屋同様、めずらしいお湯に属する。それにつけても、惜しむらくは、3本の源泉をなぜ混ぜるのかなぁ?

 個室となったお食事処でいただく夕食、食べ終わった頃合いを見計らって、順々に運んでくれる。氷でできたかまくらの中に収まったお刺身が面白かったが、クーラー効きすぎ、寒かったな〜。
 このホテル、源泉蒸気を利用した熱交換暖房システムを使って、エコエネルギーを謳っている割には、冷やす方には気が回らない。ちょっと間の抜けたところが、ご愛敬で、これもまたよし。 



滝の湯
住所 宮城県玉造郡鳴子町字湯元84 〒989-6823 Memo:
入浴料 \150
電話 0229-83-3441(鳴子観光・旅館案内センター)
営業期間 通年
泉質 [町有下地獄混合源泉+温泉神社硫黄泉]混合泉@酸性-含硫黄Na・Al・Ca・FeU-硫酸塩泉(硫化水素型) 46.2度 pH2.8
旅行日 02/08/15
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鳴子温泉ホテルから見える温泉神社の屋根 コケシの由来は「子消し」にあると、すっかり信じていたのだが、この「コケシ」なる言葉、昭和の初期から使われ始めたそうなので、語呂合わせによる俗説と断言してもよいだろう。東北地方はコケシの産地、それが天明の大飢饉と重なり合って、無用の誤解を招いたか。
 鳴子でコケシが作られ始めたのも、ちょうどその頃・・・。やはり、少しは引っかかる。

滝の湯 さて、今回は鳴子ホテルに宿をとったので、クルマと同じコースを辿れば、滝の湯まではけっこうかかる。しかし、2本の足で歩くなら、裏口出てすぐ、滝の湯はある。
 前回は高見の見物を決め込んでいたので気づかなかったが、どうやら、この界隈こそ鳴子の中心。湯めぐり手形片手に、はしご酒ならぬ、はしご湯楽しむお客も多い。はしご酒は、段を踏み外す惧れがあって危険だが、はしご湯ならば暖をとるだけ、心ゆくまで楽しめる。

成分表示板 リニューアルの施された滝の湯に、もはやかつての薄ら暗い気味の悪さは感じられない。番台上の成分表示なんか、金ピカよ〜。果たして、どこかにこんなのあった?
 ヒバの木肌も新しく、清潔感は確実にアップ。一方、造りは生活感ただよう昔とまったく同じで懐かしい。

奥に2本の打たせ湯がある 青白色のお湯を一口、飲んでみる。「酸っぱ〜い」と顔の皮膚全体が眉間の直下に集まってくる。大好物の酸性硫黄泉なのだ。
 打たせ湯の形式をとるお湯の投入。酸化も進むが、空気にさらすことによる冷却効果が見込めて好ましい。泉温46.2度のお湯もちょうどとなる仕組み。しかし、白布温泉ほどではないにはしても、湯音の方はいささかうるさい。だって「滝の湯」、仕方がないか・・・。
 昨今、レジオネラ対策のため休止に追い込まれている施設も多い打たせ湯ながら、酸性硫黄泉の掛け流しをもって、今どき貴重な打たせ湯の、歌声ひびくよ、高らかに♪



湯の宿吟の庄
http://www3.ocn.ne.jp/~masuya/ginnosyo/ginnosyo-index.html
住所 宮城県玉造郡鳴子町湯元 〒989-6823 Memo:
一泊二食 \23,000
ビール \700
電話 0229-83-4355
営業期間 通年
泉質 硫黄泉・他
旅行日 97/08/13
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01/12/18
インバクトの強かった共同浴場は、その名を「滝の湯」というそうです。
「滝の湯」ごしに「吟の庄」

 巨大なコケシに迎えられ、温泉街に入ったときは雨だった。温泉街をぐるぐる回っても宿が見つからず、ダンナはふてる。実は、雑誌で捜した宿だったので、場所の把握もしていなかったのだ。
 そもそも、この夏の温泉旅行を私に任せたのが大間違い。なぜかって、地図を見てても距離しかつかめず、所要時間が全くピンと来ないのだから。そういえば、新潟・福島県境の奥深い山の中を、行けども行けども、木々の濃い緑。飽きて眠ってしまう上に、宿への到着まで危ぶまれたね〜。

吟の庄の部屋に迫る裏山 降りしきる雨の中、何とか探しあてた宿は、豪華すぎて、少しあわててしまった。部屋は次の間つき、料理はおしゃれな食堂でのものながら、懐石風で、次から次へと運ばれてきた。
 残念ながら、大きなホテルのお風呂は、どこも似たようなもので、きれいな大浴場という印象しかない。ここも例外ではなく、宿のとなりにある、薄暗くて、決してきれいとはいえない共同浴場の方がインパクトが強かった。再度、訪れることがあれば、お湯をもう少し吟味したいと思っている。

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