わがまま温泉日記 統計から読む温泉活力
「県勢」2002
増減率を読む



〜都道府県別温泉ベスト10〜


▼はじめに  源泉数や、42度以上の高温源泉数や、お湯の湧出量をあなたはご存知ですか? 知らなくっても困らないけど、秘湯めぐりをするなら、常識として身につけておいても、決して損にはならないでしょう。
 温泉地別ではなく、都道府県別ですから、隔靴掻痒(くつの上から足をかく)の思いもしますが、知らないよりはマシ。

▼出典 日本国勢図会地域統計版「県勢」1998

・L/F(Litters/Fountains) 源泉1本あたりの湧出量
・H/F(Hot/Fountains) 高温源泉率
・かこ指数(ワタシ好みのお湯指数) 豊富な湯量と熱いお湯
はワタシが加工したデータです。


▼温泉地数
宿泊施設のあるもの
Best10 温泉地数 源泉数 高温源泉数 湧出量 L/F H/F
北海道 209 2,075 1,055 291,442 140.5 51%
長野 186 962 432 121,830 126.6 45%
青森 135 973 599 157,176 161.5 62%
新潟 122 462 161 72,155 156.2 35%
福島 120 713 276 88,767 124.5 39%
秋田 109 502 268 74,067 147.5 53%
山形 91 363 178 53,998 148.8 49%
静岡 90 2,258 946 131,440 58.2 42%
群馬 78 395 188 71,593 181.2 48%
岩手 74 341 202 148,556 435.6 59%

 北海道は観光資源も多く、観光客も多いので、当然こういう結果になるのでしょう。そういう目で見てみると、国立公園のない都道府県は含まれていないね。それにしても青森に、こんなに温泉地が多かったっけ?

▼源泉の本数
すべての都道府県に、みごとなまでに、火山帯が走っています。
Best10 温泉地数 源泉数 高温源泉数 湧出量 L/F H/F
大分 54 4,660 3,510 245,470 52.7 75%
鹿児島 69 2,710 1,766 190,705 70.4 65%
静岡 90 2,258 946 131,440 58.2 42%
北海道 209 2,075 1,055 291,442 140.5 51%
熊本 54 1,248 673 102,293 82.0 54%
青森 135 973 599 157,176 161.5 62%
長野 186 962 432 121,830 126.6 45%
宮城 38 727 296 36,099 49.7 41%
福島 120 713 276 88,767 124.5 39%
栃木 61 628 250 68,587 109.2 40%

 大分といえば別府や湯布院、静岡といえば伊豆が有名。鹿児島も意外といっては失礼だけど、すごいんだな〜。でも、いずれも源泉1本あたりの湧出量(L/F)は少ない。だから、本数でカバーしているのだろうか。

▼高温源泉の本数
42度以上の源泉
Best10 温泉地数 源泉数 高温源泉数 湧出量 L/F H/F
大分 54 4,660 3,510 245,470 52.7 75%
鹿児島 69 2,710 1,766 190,705 70.4 65%
北海道 209 2,075 1,055 291,442 140.5 51%
静岡 90 2,258 946 131,440 58.2 42%
熊本 54 1,248 673 102,293 82.0 54%
青森 135 973 599 157,176 161.5 62%
長野 186 962 432 121,830 126.6 45%
神奈川 32 559 341 39,642 70.9 61%
宮城 38 727 296 36,099 49.7 41%
福島 120 713 276 88,767 124.5 39%

 先ほどの源泉数とあまり違いのない結果。源泉の絶対数が多いのだから、高温の源泉数だって多くて当然。それでも、栃木が消えて、代わりに神奈川が登場してきた。箱根のおかげでしょうね。

▼湧出量
源泉数同様、あちらこちらで温泉が湧く証明のようなもの。
Best10 温泉地数 源泉数 高温源泉数 湧出量 L/F H/F
北海道 209 2,075 1,055 291,442 140.5 51%
大分 54 4,660 3,510 245,470 52.7 75%
鹿児島 69 2,710 1,766 190,705 70.4 65%
青森 135 973 599 157,176 161.5 62%
岩手 74 341 202 148,556 435.6 59%
静岡 90 2,258 946 131,440 58.2 42%
長野 186 962 432 121,830 126.6 45%
熊本 54 1,248 673 102,293 82.0 54%
福島 120 713 276 88,767 124.5 39%
秋田 109 502 268 74,067 147.5 53%

 ここでも、源泉の本数の多い道県が上位を占めているけれど、源泉数のさほど多くない岩手秋田に注目しましょ。そういえば、玉川温泉乳頭温泉郷も秋田県だったな〜。

▼L/F
源泉1本あたりの湧出量。総量よりも、こちらの項目に注目してください。なにしろ、きれいなお湯につかりたいですからね!
Best10 温泉地数 源泉数 高温源泉数 湧出量 L/F H/F
岩手 74 341 202 148,556 435.6 59%
三重 36 164 40 43,514 265.3 24%
愛知 30 87 16 16,101 185.1 18%
群馬 78 395 188 71,593 181.2 48%
富山 58 133 52 24,040 180.8 39%
岐阜 47 425 147 70,842 166.7 35%
青森 135 973 599 157,176 161.5 62%
新潟 122 462 161 72,155 156.2 35%
東京 16 84 28 12,914 153.7 33%
山梨 48 413 69 63,071 152.7 17%

 源泉1本あたりの湯量が多いとなると、滝のように流れ落ちるいかにも男性的な温泉を想像して、ワクワクしてしまう。須川夏油をかかえる岩手がダントツの1位。なるほどと、うなずけるような気がする。
 三重と愛知の上位も驚きだが、H/Fを見る限り、冷泉が多いようである。また、山梨も冷泉中心であることが明らか。東京の9位には、ただただびっくりさせられるばかり。

▼H/F
高温(42度以上)源泉率
Best10 温泉地数 源泉数 高温源泉数 湧出量 L/F H/F
大分 54 4,660 3,510 245,470 52.7 75%
鹿児島 69 2,710 1,766 190,705 70.4 65%
長崎 27 154 100 15,537 100.9 65%
青森 135 973 599 157,176 161.5 62%
神奈川 32 559 341 39,642 70.9 61%
岩手 74 341 202 148,556 435.6 59%
熊本 54 1,248 673 102,293 82.0 54%
秋田 109 502 268 74,067 147.5 53%
北海道 209 2,075 1,055 291,442 140.5 51%
山形 91 363 178 53,998 148.8 49%

 「お熱いのがお好き」なワタシにとって、この項目は外せない。東北の各県もいい感じで顔を並べているのだけれど、九州の源泉は熱いといえばいいのか。東北をはるかに上回っているのは驚き。

▼冷鉱泉率
42度で区分していますから、41.度の源泉などはこちらに入ってしまいます。徳島の祖谷温泉などはその典型例で、うのみは禁物です
Best10 温泉地数 源泉数 高温源泉数 湧出量 L/F H/F
埼玉 9 18 0 1,808 100.4 0%
千葉 36 109 0 8,845 81.1 0%
徳島 18 49 0 3,935 80.3 0%
香川 29 119 0 4,822 40.5 0%
高知 27 77 0 3,101 40.3 0%
広島 50 213 1 19,690 92.4 0%
滋賀 16 54 1 5,939 110.0 2%
岡山 34 177 6 17,881 101.0 3%
茨城 36 114 6 15,850 139.0 5%
山口 55 353 25 20,316 57.6 7%

 冷鉱泉が悪いわけでは決してないのよ。その昔、武田武士が浸かって傷を癒したのが山梨の冷鉱泉。豊臣秀吉家臣なら有馬温泉。
 成分は変わらないのだから、単なる気持ちの問題だけなんだけど、なぜかワタシは加熱なしの天然温泉が好きなんだね〜。ヘタに加熱なんかするから、軽んじられるんではないでしょうか?

▼かこ指数
豊富な湯量と熱い湯が大好きなワタシの好感度指数
Best20 温泉地数 源泉数 高温源泉数 湧出量 L/F H/F かこ指数
岩手 74 341 202 148,556 435.6 59% 258.1
青森 135 973 599 157,176 161.5 62% 99.4
群馬 78 395 188 71,593 181.2 48% 86.3
秋田 109 502 268 74,067 147.5 53% 78.8
山形 91 363 178 53,998 148.8 49% 72.9
北海道 209 2,075 1,055 291,442 140.5 51% 71.4
富山 58 133 52 24,040 180.8 39% 70.7
長崎 27 154 100 15,537 100.9 65% 65.5
三重 36 164 40 43,514 265.3 24% 64.7
岐阜 47 425 147 70,842 166.7 35% 57.7
長野 186 962 432 121,830 126.6 45% 56.9
新潟 122 462 161 72,155 156.2 35% 54.4
東京 16 84 28 12,914 153.7 33% 51.2
福島 120 713 276 88,767 124.5 39% 48.2
宮崎 24 152 71 15,577 102.5 47% 47.9
鹿児島 69 2,710 1,766 190,705 70.4 65% 45.9
熊本 54 1,248 673 102,293 82.0 54% 44.2
栃木 61 628 250 68,587 109.2 40% 43.5
神奈川 32 559 341 39,642 70.9 61% 43.3
大分 54 4,660 3,510 245,470 52.7 75% 39.7

 勝手に「かこ指数」なるものを作ってしまいましたが、L/F*H/Fの計算をおこなっているだけで、大したものではありせん。ワタシ好みのお湯なので、ついつい、ベスト20jまで挙げてしまいました。
 豊富な湯量・熱いお湯の大好きな方は、ぜひともご参考に。けっこう、実感として当たっています。あと、九州と三重を訪ねなくてはならないな〜(^^)

●終わりに
 秘湯探訪と称して、お湯を循環させているところへ行くのは、ちょっと変でしょう? ところが、駅前の旅行代理店などでは、平気でそんなチケットを高い値段で売ってくれるのです。やはり、秘湯めぐりを楽しむのなら、最低限の知識くらいは押さえておいた方が身のためです。
 ちなみに、ワタシは「マワシ」「ワカシ」「ウスメ」(HP上で使われている言葉でいうと、「循環」「加熱」「加水」)なしをもって、秘湯と考えるようになってきたので、ロケーションはあまり気にしない。東京のど真ん中でもよいのです。
 ただ、大深度地下水を汲み上げて「温泉」と称する風潮だけは何とかして欲しいな〜。竹下内閣の「ふるさと創生」で、各自治体に1億円がばらまかれたバブルの典型がコレ。母なる地球がかわいそう・・・。
▲Top

Home