わがまま温泉日記 岩瀬湯本温泉 いわせゆもと 岩瀬湯本温泉へはJR東北本線須賀川駅バス130分

源泉亭 湯口屋
住所 福島県岩瀬郡天栄村大字湯本 〒962-0621 Memo:
入浴料 \500
電話 0248-84-2001
営業期間 通年
泉質 含土類石膏食塩泉 48度
旅行日 02/08/11
03/03/24
白布温泉(山形)も茅葺き屋根の温泉地。


コメント

03/03/24
アルカリ土類金属にはCa,Sr,Ba,Ra
と、4つの元素が含まれる。泉質を語る上では、カルシウムCaを表していると思えばよい。だから、
「Na・Ca-硫酸塩・塩化物泉」などという表示も「含土類石膏食塩泉」にあたるハズ。特に珍しいものでもなく、四万温泉をはじめとする、いわゆる名湯の部類に属する。
白河ラーメン 田中屋

 白河の関はといえば「これよりみちのく」。今ではラーメンの方が有名である。事故渋滞に巻き込まれ、インター降りたら12時前。さっそく、その名もとどろく「とら食堂」へと向かったところ、店の前には長蛇の列。事故起こしたの、いったい誰よ〜!

 真昼の太陽まぶしくて、30度を超える外気が盛夏を告げる。市内に戻り、列の短い田中屋のお店に入った途端、ダンナのきびすはクルリと返る。
 店内では、鍋から立ち上る蒸気を含んだよどんだ空気を、4台ばかりの扇風機が弱々し〜く撹拌するのみ。ワタシはダンナの上着を引っつかむ。せっかく来たんだから、白河ラーメン、絶対、食べて帰るのだ〜。
茅葺き屋根の湯口屋 夏の盛りにクーラーなしで、熱々ラーメン食すとはいかなるものか。滝のように汗が流れ落ちるのはもちろん、塩辛さに悲鳴をあげる咽喉をいたわる水一杯に至るまで、瞬時に汗となって噴き出す感じ。

 まだ、今夜のお宿、甲子温泉に押しかけるには日が高すぎる。汗びっしょりの身体をサッパリさせるには、立ち寄り湯という術もある。クルマを走らせ小一時間、茅葺き屋根の温泉宿が、四つ、五つと見えてくる。
湯口屋玄関 汗はすっかり引いている。源泉掛け流しのお湯ばかりを求めていると、とかくこういうことになる。タイミングがずれるのである。
 開けっ放しの玄関先で、何度も何度も声をかけ、やっとのことで、宿のお方が顔を出す。掃除に忙しいという時間帯でもなし、どちらかといえば宿泊客を迎える前の安息のひととき。お昼寝の邪魔をしてしまったのかも知れないね。

 茅葺きの外観から想像できる湯船とは、やはり木造り。しかも石膏なんかが木枠の面に固着して、入浴中も剥がそうと、思わず爪など立てている・・・。
女湯 お風呂場に首を突っ込んだ瞬間、似ても似つかぬ小ぎれいな浴室に内心がっかり。しかし、湯船から溢れ出すお湯っていうのは、いつ見てもいいものだね〜。無色透明、これといった特徴のないお湯は、ワタシにとって少し熱めという程度、水道ホースの出番はなかった。
 ところで、含土類石膏食塩泉なる泉質は、石灰ドームをうず高く積み上げる湯の沢温泉「でわの湯」とも同じ。しかし、成分総量が少ないせいか、極めておとなしい印象。似て非なるものとは、このことである。宿のパンフレットには「全国五名湯」なる活字も躍り、古より湯治場として、人々の身近で愛されてきたお湯であること、教えてくれる。

 熱めのお湯を満喫し、またも汗ダラダラとなるのだが、ラーメン食した汗とは違う。
住民以外立入禁止の共同浴場 涼みがてら、玄関先から外を見てると、川遊びから帰ったばかりの海パン一丁の小学生が、着替え片手に緩やかな坂道を駆け上ってくる。何か落っことしたのに気づかずいたので、「落としたよ〜」と、道路の上の白いものを指差すと、照れくさそうに落としたパンツを拾い上げ、仲間とどつき合いながら共同浴場に飛び込んでいく。
 まったくもって、絵になるね〜。BGMは、もちろん井上陽水「少年時代」
 ちなみに、玄関脇の共同浴場、地元専用のせいもあり、飾りッ気など一切なし。どうヒイキ目に見ても、十和田大湯温泉でもお目にかかった公衆便所か物置小屋としか思えない。浴場内から、さっきの少年たちのふざけ合う声、鳴り響く。ワタシも一緒に入りたかったが、ルールは守る・・・。

山里の湯 余談になるが、過疎化の波に洗われて、どこの村でも人の気配には乏しい。たまに見かけたとして、お年寄り。子どもの姿などというもの、天然記念物の指定でも受けているのではないかと思えるほどの稀有なる存在。
 ところが、ここいらあたりの集落では、やたら子どもの姿が目に飛び込んでくる。もしや、里の子ばかりとすると、この天栄村、いかなる方策、講じたものやら。エライ!
レトロなロビー
 玄関の階段をさらに数段上がってみると、吹き抜けの何ともレトロなロビーがあった。いや、ロビーというより和洋折衷の居間だわね。休憩がてら、椅子に腰掛け、意匠凝らした室内調度が目の肥やし。
 風吹き抜けるこの居間は、涼しくついつい長居となった。外はますます暑さがつのる昼下がりの午後、お昼寝すると気持ちいい。

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