わがまま温泉日記 甲子温泉 かし

秘湯を
守る会
旅館 大黒屋
住所 福島県西白河郡西郷村大字貴船字寺平1 〒961-8071 Memo:一軒宿
一泊二食 \13,000
生ビール中 \700
トイレ共同洋式あり
冷蔵庫なし
電話 0248-36-2301
営業期間 4月上旬〜11月中旬
泉質 石膏正苦味泉 48度
旅行日 02/08/11
コメント 大黒屋入口

 郡山、福島盆地を貫いて、仙台湾に注ぎ込む阿武隈川の源流に、この温泉は湧く。つまりは、福島県の命の水だが、諸事万端、ことの始まりとはいかにも心細いものなのだ。奥の奥はさすがに細道、交互通行の信号機がある。
 「世の中に 蚊ほどうるさき ものはなし ぶんぶというて 夜もねられず」と、寛政の改革を揶揄(やゆ)された白河藩主松平定信の別荘「勝花亭」は未だ健在。宿泊も可能である。
 崖っぷちに建つ勝花亭から見下ろすと、川向こうに建つ湯小屋がほんとに小さく見える。こりゃ、風呂場まで行く道のりが、おっくうになるのも当然だわ〜。

温水プールまである湯小屋 館内から階段下りて、勾配つきの地下通路を通り抜け、長い階段を下り終えたかと思うと、いったん外へ出、鉄板敷きの橋を渡って、やっとのことでたどり着く。雨の日は傘をさして橋を渡ることになる。
 ふだんなら、宿に着いて4〜5回は風呂場に向かうワタシだが、今回は、たったの3回という結果。10年後には1回になっているかも知れないな。足腰、鍛えるしかないね。

大浴場 大浴場は混浴ながら、20:00〜21:00と、5:00〜6:00の都合2時間、女性専用となる。そもそも、夜8時といえば、夕食後のおくつろぎタイム。だから、たいていお風呂もすいている。
 にもかかわらず、夜の8時に訪ねてみると、宿泊中の女性全員が集まったかと思われるほどの人数。ねぐらに戻ったカラス同様、夜の大集合がここでは見られる。もちろん、
女性専用風呂とは比べものにならない大きな湯船がお目当てだ。湯船には満々とたたえられた無色透明のお湯。
女性専用風呂 キシキシきしみを立てつつ、お風呂の中でお肌をさすると、足裏を冷たい水がときどきかすめる。岩風呂の底から清水が湧き出している。湯船の底からお湯が湧き出すお風呂は蔦温泉鶴の湯木賊と知ってはいるが、清水湧き出すお風呂は初めて。
 いや、実は、清水ではなく28度の泉温有する低温泉なのだ。湯口から注ぎ込むお湯は44度と熱めだが、ちょうど、ほどよい湯温となる仕組み。しかも、上がり湯は35度というから、いくつもの泉源を持っているに違いない。どこを掘っても温泉が湧くんだろうね〜。
お食事処 一度だけの入浴じゃ、もったいないので朝5時に、一番風呂目指して、はるばる足を運んでみると、昨夜と同じメンバーが全員集合! みんな考えることはおんなじなんだ・・・。
 全員がお風呂に浸かったところで、肩が触れ合うこともなく、深くて広い湯船が快適。

 山奥の秘湯といえば、お湯さえよければ、設備そこそこであったところで文句は言えない。しかし、近頃ではいささか事情が異なっている。ここ、大黒屋の
お食事処もこぎれいな、こじゃれた造りになっている。
温かいものは後から運ばれる夕食 工夫が見られる
夕食の一品は、薄めの味付け好ましく、分量もよく、見た目も決して悪くない。なのに、やはり食べ残しだけは出るようだ。

 屋外の自販機前に置かれた残飯あさりにくるテンを、冷えた清水を飲みながら、ロビーのソファに腰掛けて、ゆっくりながめる。次から次へとやってくるテンに驚き、さすがに目が点。もちろん10頭ばかりいたはずだ。
ハハッ!

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