わがまま温泉日記 湯の沢温泉郷 ゆのさわ でわの湯 なりや温泉 秋元温泉 湯の沢温泉郷へはJR奥羽線碇ケ関駅より送迎車15分

でわの湯 湯の沢山荘
住所 青森県南津軽郡碇ヶ関村湯の沢 〒038-0101 Memo:
入浴料 \300
電話 0172-45-2531
営業期間 通年
泉質 含土類石膏食塩泉 53度
旅行日 02/08/12
コメント 碇ヶ関の関所跡

 今年の東北は長雨続きで、お盆とはいえ、まるで梅雨のような毎日。りんご農家も稲作農家も天を仰いじゃ、溜息ついていたんだそうな。
 大雨で速度規制の高速道をひた走り、碇ヶ関のインター出る頃、お天道様の怒りが解けて、束の間の津軽の太陽が雲間から顔をのぞかせ、ワタシに微笑む。「よぐ来たねし」「うん、また来たよ」
 羽州街道と津軽街道が交わる、まさに交通の要衝たる地に津軽藩の関所がおかれ、宿場町として賑わったとか。しかも、温泉付である。

浴場外観 羽州街道は矢立峠の手前を右折。沢道をしばらく上ると、この宿の大浴場が目に飛び込んでくる。
 浴室から打ち捨てられたお湯が石灰華をうず高く積み上げている。何でも、石灰ドームと言うんだそうだ。
 成分表を調べてみると、マグネシウムと塩素イオンが、カルシウムと炭酸イオンよりも圧倒的に多いのだ。石灰華が白くはなく、茶褐色に染まっているのも、そこいら辺に理由でも、あるのだろうか・・・。
 そして何より驚いたのが、成分総量21,647mg/kgという値。この数値、1,000mgで温泉と認められるものだそうだが、何とその21倍もの成分が含まれている。どうだ、参ったか! とでも言わんばかりのお湯である。

ひば造りの浴室(パンフレット) 湯船に舞うのは細かい湯の花、熱めのお湯が好ましく、この濃いお湯を飲んでみた。しょっぱ〜い昆布茶のお味で、なかなかいける。濁り湯ならぬ、「にがり湯」なんて言わせない。
 ペットボトルに詰め込んで、自室に運ぶ湯治のおばさん。ここで、またまた驚かされた。その中身たるや、まさしく検尿の際のあの色なのだ。

 湯の沢温泉郷は、泉質を異にする三軒の宿で成り立っている。
 三軒とも泊まってみたという湯治のおばさんのおすすめがココ。女性専用の浴室が一番広くてゆっくりできる。それに、カラオケだってあるしね〜。だとさ・・・。



なりや温泉
住所 青森県南津軽郡碇ヶ関村津軽湯ノ沢温泉 〒038-0101 Memo:
一泊二食 \6,048
ビール大 \550
冷蔵庫なし
トイレ共同洋式あり
バスタオルなし
歯ブラシなし
電話 0172-45-2228
営業期間 通年
泉質 東の湯@弱食塩泉 46度 pH7.0 28.8L/分
西の湯@食塩硫化水素泉 51度 pH7.0 28.8L/分
旅行日 02/08/12
コメント

02/10/17
第1浴場は20:00〜21:00が女性専用時間帯。
玄関

 玄関先では、女将さんがノ〜ンビリ迎えてくれるが、なんだか周りがあわただしい。この宿に向かう道すがら、道端で作業していたオジサンたちの視線は不安げ。
 水道管(送湯管?)が破裂して、第2浴場の湯船に泥水が入ったという。長雨が、穴を塞いでたサビを取り去り、そこから破裂したんだそうだ。
 長雨の影響、ここにも表る。まっ、何とかなるでしょ・・・。

なりや温泉 建物こそ、ややくたびれてはいるものの、奥行きのあるけっこう大きな宿である。
 案内された部屋の扉を開けてもらうと、二つ折りのふとんが二組、部屋の半分近くを占領している。つまりは6畳一間きり。隣の部屋は広いのにな〜。
 そちらに越したくなってはみたが、カメムシが畳の上のあちこちに転がっている。カメムシキンチョールなるもの、はじめて見かけたのはよいが、夜の夜中、カメムシ、ボトンとワタシの顔の上に落ちてきたならどうしょう・・・。
 もちろん、ダンナは「どういう予約を取ったんだ」とワタシを責める。「予約お願いできますか?」「はい、どうぞ」「お願いします」と、至ってシンプル。相手のペースに乗せられるのだ〜。はははっ!

夕食の膳 ゆっくりテレビを見ながら自由気ままに食事をいただく「部屋出し」も、諸手を挙げて賛成とは、いかないところが面白い。
 6畳一間っきりの眺望の得られないこの部屋に、食事をお持ちいただいたところで、ありがた味はなし、情けなさしか募らない。定員2名の雑居房に囚われた、わが身を嘆くとはダンナの弁。
 この飽食の時代にあって、家庭料理の延長線上にあるお食事は、贅を尽くさず、心を込める。よくぞ、この料金で・・・。キャベツ一切れ、残さずいただく。

第1浴場 東の湯 さてと、まずは第一浴場。「混浴だけど気にすることないですよ〜」と仲居さん。だって、泊まりの客はわずか三組。出くわす恐れはないだろう。
 とはいえ、第2浴場は整備中、ここしか空いていなかった。途中で入ってきたジッサマ、あわてて逃げて帰って行ったよ・・・。
 弱食塩泉とはいうものの、湯船の底のおりものが、舞い立つ、舞い散る、舞い上がる。しばらく間をおいた味噌汁なのだ。

 朝6時、女将さんと一緒に浸かった第一浴場から上がり、ロビーで火照った身体を冷ましていると、高級外車が玄関先に。何でも、東京から高速道をひた走らせてきたんだそうで、玄関先の東京ナンバーのワタシたちのクルマを見つけて、飛び込んだとか。
第2浴場 西の湯 ワタシたちは泊まりなんだよ。朝の6時に立ち寄り湯とは、そいつはあんまり無茶苦茶だ。ところが、涼しい顔で、「どうぞ、どうぞ」と女将さん。

 清掃終えた第2浴場、この上もなく濃密な気体で充たされ、期待感、いやが上にも高まってくる。硫化水素臭と石油臭のダブルパンチにTKO負け。しかも、熱々なのである。こいつは癖になりそうだ・・・。
 とはいえ、この石油臭の正体だけは図りかねてる。松之山のコールタール臭とは確かに違う。
女性専用 小ぶりの女性専用風呂でも、このお湯が楽しめるのがうれしいね。水で埋めているんだそうだが、それでも十二分な存在感。すごいね〜!

 他の二軒では飲泉可能なのに、ここではコップが置いてない。女将さんに、うかがうと、「地下から湧いてくるものを、何でもかんでも飲んじゃダメでしょ」と、たしなめる。
 そうだよね〜。ここからは、はるか遠くの話だけれど、岩手・青森県境では産廃が不法投棄されていたとか・・・。なんでも豊島を上回る量というのだ。人為的に何が混入するか分からない当世、用心するに越したことはないかも知れない。

 帳場の前では、女将さん、客の入りを別に気に病む風もなく、涼しい顔してパチンパチンと、お花の水揚げに余念がないのだ。
 あの広いお部屋を、都会のお客に売りなさいってば・・・!



秋元温泉
住所 青森県南津軽郡碇ヶ関村湯の沢 〒038-0101 Memo:
入浴料 \300
電話 0172-45-2137
営業期間 通年
泉質 食塩硫化水素泉 53.5度 pH6.4 90L/分
旅行日 02/08/12
コメント 秋元温泉

 湯の沢温泉には、3つの温泉宿があり、でわの湯、なりや温泉ときて、突き当たりが秋元温泉
 見てのとおり、宿の前のスペースは限られており、荷物を降ろすと、ダンナは少し離れた駐車場までクルマを置きに行く。これがボタンの掛け違い。玄関先で予約の確認をすると、何と予約が入ってないというのだぁ〜!
 背筋を走るゾクッと冷たいもの。従業員がさらに出てきて、「部屋はいっぱい空いているから大丈夫だぁ〜」 楓の間がいい、食事の追加をしなくちゃなどと内輪の会話を耳にする。みるみるうちに、荷物は部屋まで運ばれて、布団の準備、お茶の用意とめまぐるしい。
 予約の電話番号を確かめに、クルマに戻って帰ってくると、事情の分からぬダンナときたら、10畳のゆったりしたお部屋で、ノンビリお茶などすすっておくつろぎ。実は、予約を入れたのはなりや温泉だったのだ〜。あ〜ッ、今さら、宿を間違えたなんて言えないよ〜。額に浮かぶは脂汗。

混浴大浴場 宿を間違えたこと、丁重に詫び、宿を移ることにした。すると、皆さん、いやな顔一つするわけでなく、「なりやさんでは待ってるだろうから、早く行ってあげなさい」とまで言って下さる。
 湯の沢温泉では全部のお湯に浸かるつもりだったので、ならば、秋元の湯からとばかりに入浴料を払おうとすると、「いいから、いいから、気を使わなくってもいいから」の一点張りで、お金を受け取ろうとしない。
 これにはホトホト参った。人間がすれておらず、純朴なのだが、ちとずれている。ともかく、お湯をいただくのに、これほど苦労した試しはかつてない。

女性専用 大浴場は混浴で、バァちゃん一人入っていない。見えるのは、寝湯を楽しむジッサマばかり。むせ返るような湯気とはこれを言うのだろう。なりやの第2浴場よりも気体成分はきつい気がする。
 浸かるは女湯、3人ほどでいっぱいになる。大浴場に浸かりたかった・・・。
 お湯の投入量が少ないせいか、湯気も立たずにおとなしい。湯上りの汗よりも、出だしの冷や汗の方が多かった。

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