わがまま温泉日記 強羅温泉 ごうら
強羅花壇 強羅館 山田家 お宿向山

強羅花壇
http://www.gorakadan.co.jp/
住所 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300 〒250-0408 Memo:
一泊二食 \50,000
ウォシュレットあり
電話 0460-2-3331
営業期間 通年
泉質 単純泉
旅行日 98/11/23
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02/05/27
敷地に自家源泉をもち、しかも、いいお値段を取るんだから、きっと循環ではないだろう。パスカルの穴にちがいない。
強羅花壇パンフレットより

 高級旅館イコール強羅花壇というイメージが、ワタシの脳裏にしつこく、こびりついていた。たまたま、十万円の旅行券を手にしたので、よい機会とばかりに訪ねてみることにした。
 箱根登山鉄道の踏切を渡ると、もうこの宿の敷地。入口が踏切っていうのは全世界的にも珍しいに違いない。宿へと続く意外に狭い駐車場
 作務衣姿の男性従業員に案内され、ロビーのソファを勧められる。座ったままの手続き、ここらへんが違うんだなと感心しつつ、エレベーターに乗ると、内部ではお香が焚かれている。仲居さんも無駄なオシャベリなど一切なし。ワタシはどちらかというと、オシャベリが苦手なので、節度をわきまえた対応は誠にありがたい。
庭いじり
 部屋には畳敷きの廊下が一本まっすぐに延び、京風「ウナギの寝床造り」とでもいえばよいのだろうか。しかも、各部屋ごとに専用のお庭まである。
 いつまでも、庭いじりばかりやってもいられない。さっそくひとっ風呂とばかりに、浴場に向かうのだが、ガラス張りのアーチをくぐりぬけ、遠いこと、遠いこと。

強羅花壇パンフレットより 大浴場、確かにきれいでカッコいいしかし、無色透明・無味無臭の上品なお湯がね・・・。浴槽から全然あふれないので、広い浴槽内を探し回ると、吸入口を見つけた。どうやら「まわし」のようである。
 こんなお湯ならプールも同じだ、と思ったワタシは温水プールで泳ぐことにした。入口からそっとようすをうかがうと、誰もいない。
 管理のオバサンに恐る恐る聞いてみた。「泳いでもいいんですか?」 後から考えれは間の抜けた話で、プールなんだから泳いでいいに決まってるでしょ!
強羅花壇パンフレットより 脱衣室には専任の女性がいて、ワタシが濡らすあとから、床を拭いていってくれる。どうりで髪の毛一本落ちていないはずだ。ここらあたりが高級旅館の真骨頂なのかな〜。

 本格懐石が売り物の宿のこと、そりゃスゴイわ。部屋に隠しカメラでも仕掛けてあるのではないかという絶妙のタイミングで、一品ずつ運ばれてくる。普通なら、TVのひとつもつけ、酒をガンガン飲みながら、好きなものからいただくという作法のワタシたちながら、この日だけは違った。
 本格懐石ということで、TVもつけず、煙草もやらず、小声で会話(なにしろ監視カメラが?)し、まるで借りてきたネコのよう。おかげで、料理のお味はほとんど覚えていない。


強羅館 
住所 神奈川県足柄下郡箱根町強羅駅前 〒250-0408 Memo:
一泊二食 \18,000
ビール中 \700
電話 0460-2-3208
営業期間 通年
泉質 ナトリウム・カルシウム・マグネシウム硫酸塩泉
(酸性含土類石膏芒硝泉) 源泉温67.9度
旅行日 01/02/11
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 この連休、宿の手配には本当にまいった。どこもかしこも満員御礼、電話を20本ほどかけまくって、やっと見つけたこのお宿、強羅駅前だという。さぞかし賑やかなんだろうなと、あまり期待もせずに訪れた。正しくは駅前ではなく、駅ウラで、意外と静か。

大文字 通された部屋は「大文字」。京都の送り火でもあるまいし、「何が大文字?」と、小ばかにしながら窓を開けると、正面にあった。山肌に雪で白く描かれた大の字が・・・。失礼しました〜。
 1万円からの宿で、その倍近くも取るのだから、ゆったりした造りのこの角部屋が、きっと一番いい部屋に違いない。
 まさにその通り、お風呂へ向かう途中、廊下で目にするものといえば、共同トイレに洗面所、さらには給湯室。う〜む、箱根にも自炊部があったのかと、東北の秘湯を思い出し、一瞬なつかしさすら覚える。
強羅館パンフレット さぁ、お風呂。浴室の扉を開けたとたん、目に飛び込んできたのが真っ白なお湯。ラッキー! 泉質など調べていなかったので、喜びもひとしお。ややぬるめではあるが、少し長めにつかっていると、うっすら汗が浮かんでくる。しかも部屋数が少ないせいか、入浴客はほかにはいない。満足、満足。
 ただ、女性用の岩風呂は浴槽内からお湯が湧いているので、顔が洗えない。少し損した気分であるが、翌朝は男女入れ替わりで大浴場。こちらには湯口がついているので、前夜の分まで取り戻す。
大湧谷 ここの白いお湯、実は地元の強羅温泉ではなく、箱根温泉供給株式会社が供給している大湧谷のお湯なのだ。だから、強羅花壇のように、敷地内から湧き出すそれこそ本物の強羅温泉は透明なのに、こちらは白いのだ。

 夕食は海の幸がやや多めであるが、量も手ごろで味もよし。さらには茶碗蒸やら串カツを熱いまま運んでくれる。もし、1万円でも同じサービスなら、お湯よし、お料理よしで、大満足の宿である。
 ただ、まぁ、露天がないとか、おしゃれじゃないとか、古い設備には多少目をつぶることにしようかね。


山田家
http://www.mmjp.or.jp/bwj/yamadaya/top-fla.htm
住所 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-907 Memo:一軒宿
一泊二食 \20,000
電話 0460-2-2641
営業期間 通年
泉質 単純泉・硫黄泉
旅行日 98/02/14 98/12/22
コメント 山田家

 大雪の予報はあたった。小田原厚木道路は何とか乗り切ったものの、箱根新道の入口あたりで、いよいよ怪しくなってしまった。ダンナは前夜からチェーンを巻くイメージトレーニングを続けていたそうで、意外とすんなり、雪道装備とあいなった。箱根のお山に突入だ〜!
 強羅とはいえ、早雲山駅の先、大湧谷にのぼっていく道の途中に宿はある。道路の片側は崖。だから当然、宿からの眺めは良好。開けた視界が眼下に広がり、実に気持ちいい。

山田家バンフレット 「白湯の宿」とうたっているこの宿の自慢は、もちろん白い湯のはずだか、これは内湯だけ。浴槽の底には真っ白なおりものがたっぶりたまり、天ぷら粉を溶いて5分ほど置いた頃合いの感触。この天ぷら粉が足に触れる感じが好きで、ついついかき混ぜて遊んでしまう。もちろんお湯は強烈な白さとなるのだが、それがまた楽しい。
 箱根名物、寄木細工で壁面を飾られた露天風呂は、どうやら単純泉のようである。とはいえ、夜は下界が見えないので、お湯にじっくりつかりながら寄木細工をながめているのも一興。それにしても、あの寄木細工、いったいどうやって作るんだろう?
 食事は部屋出し、懐石風。ただし、気を遣う必要はまったくない。


お宿 向山
http://www.ko-zan.com/ 
住所 神奈川県足柄下郡箱根町強羅字向山1320-65 〒250-0408 Memo:
浴食 ランチA \3,300
    ランチB \4,300
ビール生 \700
入浴のみ \1,000(タオル・バスタオルつき)
ウォシュレット完備
電話 0460-6-0551
営業期間 通年
泉質 酸性-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉
(酸性-含塩化土類石膏泉) 源泉温64.7度 pH2.9
旅行日 02/05/26
コメント

02/05/27
大湧谷のお湯なのに、強羅館と成分表示が微妙に異なる。分析時期の違いによるものだろうか?
向山入口

 ワタシだって、たまには仏蘭西料理なんぞ、優雅に食べたくなるときがある。ビール片手に焼き鳥ほお張るばかりじゃないのだ。
 ここ向山(kouzan)は、5月25日オープンの出来たてホヤホヤ。さすが2日目、内覧会にでも招かれたかのように、建築直後のまだ褪せることない木の香がふんわり迎えてくれた。
 何もかもが初々しい。パンフレットの写真そっくりのお宿なんて、もちろんはじめて、めずらしい。

白木が新しさを伝える玄関 玄関先で、「ごめんくださ〜い」と声をかけ、お風呂に入って食事がしたいと伝えると、「お名前は?」と尋ねられ、要予約にようやく気づく。飯山温泉では満室で断られたこともあったのに、まったくもって懲りないな〜。
 「この時間帯ならいいですよ」と、奥から女将さんが顔を出す。しかも、だれも入っていないから、男湯を家族風呂として使ってもいいとのこと。湯河原「若松家」のように、そこしか空いていないなら仕方もないが、やっぱりお風呂は一人がいいな。せっかくのご厚意ながら、丁重にお断りすることにした。お客も少ないオープン直後、サービス精神旺盛なのだ。

木の香たっぷりの内風呂 大湧谷から引かれた熱めの白い濁り湯を、たっぷり楽しむ。源泉掛け流しのお湯は、湯船の縁からあふれ出すことがない。湯船の座面に円い穴が空けられて、大気圧にて押し出されるのだ。「うわっ、これは燕温泉と同じ仕組みの「パスカルの穴!」 と、ワタシ一人で悦に入る。
 檜の枠で囲まれた湯船は、もちろん一人にはぜいたくすぎるほどの広さ。ただね〜、このロケーションだけに、立ち寄り客が増えて当然。入場制限が必要になることだろう。休憩室をあえて設けなかったのも、入浴客が増えすぎるのを恐れてのことではないかと勘ぐっている。
屋根つき露天 露天はぬる目で長湯ができる。広さと開放感については男湯に一歩ゆずるが、内風呂の造りと大きさは男湯と同じで、ありがたい。とかく、女湯は隅っこに追いやられがちなんだから。

 玄関入ってすぐ右手、「紅葉亭」と名づけられたレストラン。大きなガラススクリーンのすぐ前には楓の大木が枝を張る。その向こうには、杉の巨木が宿を取り巻くように並び立ち、あたかも一軒宿にでもいるかの趣。
 晩秋の箱根の紅葉を眺めながらのフレンチも、また楽しんでみたいな〜。でも、その頃にはきっと、人気のスポットになっているんだろうけれど・・・。

レストラン(パンフレット) 前菜、冷製スープ、自家製のパン、肉料理、季節のご飯、味噌汁ときて、最後にデザート。食後にはエスプレッソコーヒーまでつき、2800円とはいかにもお得。ランチとはいえ、ご飯のおかげで満腹感すら味わえる。
 しかも本格的なフレンチで、目で楽しませる技術はもちろん、食材だって確かなもの。オードブルのスモークサーモンのお味は特筆ものだし、箸で繊維がほぐれてしまう鴨肉の赤ワイン煮込みも、香草とのハーモニーが実にいい。
デザート二品 外皮のパリッとしたパン、お替りしていた客がいた。女将さんのサービスぶりがうかがえるのだが、何より自慢のパンなのだろう。確かにおいしい。
 「銀豆腐」といえば強羅の名物。豆腐をモチーフにしたデザートのプリンだって、今まで食したことのない、お味と触感。工夫のほどがよく分かる。

 白いお湯と、美味しいフレンチ、ランチにいただき、幸福感にひたすらひたり、帳場にてのお勘定。「まだ慣れておりませんもので〜」と、5分間ほどパソコン相手にバトルを挑む女将さん。「お待たせしました〜」と、お風呂代の500円をサービスしてくれ、何だか恐縮することしきり。女将さんまで、ウィウィしいのだ。

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