わがまま温泉日記 燕温泉 つばめ
樺太館 黄金の湯 河原の湯
燕温泉へはJR信越線関山駅からバス20分

秘湯を
守る会
樺太館
住所 新潟県中頚城郡妙高村燕温泉 〒949-2000 Memo:
一泊二食 \15,000
ヒール大 \600
冷蔵庫なし
バスタオルなし
電話 0255-82-3101
営業期間 冬期休業
泉質 燕温泉北地獄谷@Na・Ca・Mg-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉 65度 (旧名:重曹泉)
旅行日 02/04/30 03/07/17
コメント

03/07/21
ワタシはこの湯がけっこう好きだ。お肌にやさしく、視覚・嗅覚と楽しませてくれる。
ただし、保温効果はいささか劣るようなので、夏向きの温泉。


02/06/30
自然排湯の仕組みについては「パスカルの罠」を読んでみてね。


02/06/25
天気は悪いわ、ダンナは痛風発作を発症するわで、やはり象徴的な暗雲だった。
宿のご主人、女将さん、どうも心配かけました。
教えていただいた県立妙高病院で、ボルタレンの座薬を処方してもらい、とてもよく効いたみたいです。

燕温泉「樺太館」 赤倉温泉からの道は、未だ冬期閉鎖中。一旦、R18まで下り、そしてまた関山から上っていかねばならないのだ。
 妙高高原から、暗雲たちこめる下界のまっただ中にクルマを突っ込む。濃霧であった。前を走るクルマなんか見えないよ〜!

 快適舗装道路をグングンのぼり、赤い湯花の関温泉を通り過ぎ、今夜のお宿は標高1200mの高所に位置する燕温泉「樺太館」。去年、同じ時期に予約を入れたら、まだ開業していなかった。今年は雪解けが早いのだろう。それでも、名物露天「河原の湯」には、まだ行けない。吊り橋の踏み板を外したままなんだという。雪の重みが思いやられる。

霧の多い燕温泉 3階の角部屋に案内される。天気がよければ絶景だろうな・・・。乳白色のお湯っていうのは大好きなのだが、ガスともなると天敵だ。摩周湖ならば、名物だけに涙も飲むが、わざわざ霧を見に来たんじゃ、ないんだからね。
 仕方なく、ふと軒先を見上げると、ツバメの巣がぎっしり並ぶ。中華の食材になるのやら、ならないのやら、どうにも気になる。それはともかく、なるほど、燕温泉だ。
 スイートホームが長屋を形成しているところからすると、イワツバメの巣に違いない。もちろん、食べられない・・・。須川温泉藤七温泉でも、同じ軒下の風景が広がっている。どうやら、高原温泉がお好きなようだ。
内風呂
 霧雨で冷えた身体を温めようと、さっそく風呂場に向かったところ、大きくはないが、手入れのよく行き届いた木枠の湯船が迎えてくれる。しかも、白いお湯に硫黄臭とくれば、もう見境がつかない。掛け湯もそこそこに、チャプンと浸かる。
 ところが、湯船の縁から全然お湯があふれ出してないじゃない! もしかして、マワシじゃないの? と、湯船の壁をなでまわり、吸込口をひたすら探す。
お食事処 ご安心あれ! 源泉掛け流しのお湯は、パスカルの穴から排湯されている。ただし、燕温泉「45度の硫化水素泉」なるはずが、このお宿では残念ながら北地獄谷から引湯している。旧泉質名は「美人の湯」として誉れの高い重曹泉。白い硫黄臭ただよう美人の湯。がっかりした反面、何だか得した気分だな〜。

 連休の谷間のせいか、泊まりの客は二組だけのガランとした食堂。和洋折衷の小粋な造りで、お部屋とは随分ちがう。
夕食 山菜はもちろんのこと、各種料理がすき間なくテーブルを埋める。山の秘湯を感じさせないメニューなのだが、ダンナにとってエビ・カニ・肝は禁物だ。もちろん、ワタシがペロリと食べる。
 昨日までサラリーマンの奥さんだったんじゃないかと思わせる女将さん。一生懸命、生真面目に、問いかけに答えてくださる。
 湯船からパイプを通して、直接、排水溝にうち捨てられた源泉で、バスを待つ間、身体をきれいに拭って帰る登山客も多いんだとか。お湯のリサイクルとでも言うべきか、これにはビックリ、バスクリン・・・。

坂道沿いの小さな温泉街 翌朝早く、ダンナが騒ぐ。足首に痛風が出て、とうとう動けなくなったんだとさ。なるほど、起き上がれないでいる。これじゃあ、まったく、燕ならぬ、スワロー温泉だわさ。これで何度目? いい加減、懲りないのかな〜。枕元にはビールが2本、転がっている。
 手を貸し、何とか立ち上がらせて、窓から外を見おろすと、そろそろゾロゾロ坂道を、アリの群れがタオル巻きつけ登ってくるのだ。こりゃイカン! 動きの取れないダンナを置いて、バスタオルを首に巻きつけ、露天まで、小さな温泉街の石畳、タッタッタッと駆け上る。
白い湯花に黒い湯花がわずかに混じる 脱衣用の小屋掛けが、まだ用意されてもいない「黄金の湯」。一面の雪、二面の岩風呂、参入したいが男性ばかりで四面楚歌。ダジャレ続きで、あ〜ゴメン。とどのつまりは、寒い思いをしただけだった。

 ザラメのような雪の路面を、素足にサンダルつっかけて、往復したものだから、足指先の感覚は完全に麻痺。宿に戻るなりすぐ、お風呂めがけてまっしぐら。なにしろ、ダンナ痛風。ニョウボ凍傷、同情どころか洒落にもならない。幸いにして、足の指はまだ付いていた。あ〜、あったか〜い。

何羽のツバメが見えますか? 3羽以上見えたら画面を拭いてね^^ 風が吹いても痛いというのに、お腹だけは減るようである。朝ご飯をいただくために、所定時刻の10分前に部屋を出る。このお宿、エレベーターがついてないので、ダンナ真っ青、あぶら汗。後ろ向きに階段を、手すりにしがみつきつつ降りていく。
 そしてあの、見晴らしの良い部屋まで戻ってくることは、二度となかった・・・。


黄金の湯
住所 新潟県中頚城郡妙高村燕温泉 〒949-2000 Memo:
入浴料 \0
電話 0255-82-3133(燕温泉旅館組合)
営業期間 5月〜10月 要確認!
泉質 硫化水素泉 45度 (妙高高原観光協会HP
旅行日 02/04/30 03/07/17
コメント

03/07/21
確か月・木、週2回清掃しているようですが、入浴客の多さを考えてみると、いささか疑問。

温泉街を上ったところの道標 露天風呂っていうのは、あまり好きじゃない。それでも、去年、たった一人でチャレンジしたのが、ここ野天風呂「黄金の湯」。
 今回は、昨春の「痛風温泉奇行」を企画した、お方の要望取り入れ再挑戦。「靴をはいていった方がいいよ」と、サンダルばきのお方に、さっそく注意。

 温泉街を上りきったあたりに、道しるべがある。何にも知らないダンナのチョイスは徒歩3分の黄金の湯
 ゲレンデ脇にあるので、その坂道は、たったの3分、ガンガン続く。ダンナは早くも戦線離脱の気配濃厚。お歳を召したご夫婦なんかも、ひぃひぃ息を吐きながら、休み休み上ってらっしゃる。

黄金の湯 よしずで仕切られた女湯だけに、すんなり入浴。普通、掛け湯にて身を清めてからお風呂に入るよね。ところが、どこをどう見回しても桶がないので、「手」桶でお湯を身体に浴びせかけ、そのままドブン。
 白い湯花に混じって、黒い湯花と虫の死骸もけっこう目立つ。黒い湯花の正体は何だ〜? もう、お湯から上がりたくなってきた。
 しかも、よしず掛けのせいで、写真のような開放感には恵まれない。オフシーズンこそ、この湯は真価を発揮するのだろう。

 宿に戻って、お風呂に浸かって、ほっとする。タダほど高いものはなし。


河原の湯
住所 新潟県中頚城郡妙高村燕温泉 〒949-2000 Memo:
入浴料 \0
電話 0255-82-3133(燕温泉旅館組合)
営業期間 5月〜10月 要確認!
泉質 硫化水素泉 45度 (妙高高原観光協会HP
旅行日 03/07/17
コメント

03/07/27
宿に着くとまずは露天を勧められ、首をかしげる。
旅館組合の管理だからと納得したが、宿泊客以外にも無料開放とは心が広い。

惣滝 頭のてっぺんからつま先に至るまで、本格的な装備に身を包み、下山途中の登山者と、「こんにちは〜」と、ごあいさつ。露天の湯上り、ワタシは首からバスタオル。何とも珍妙な光景が、この道中には存在するのだ。
 名も知らぬ滝を愛でつつ歩を進めるが、この滝、けっこう落差が大きく、川床には万年雪まで養っている。名瀑といわれる滝も見てきたけれど、これより陳腐なものもある。奥入瀬あたりに持っていけば、奥入瀬でも一二を争う落差になるんじゃないかな。

 トコトコ歩くこと10分。冬場は踏み板外される、くだんの吊り橋、見えてくる。
吊り橋まではV字谷、そこから先は「I」字谷 谷底を見下ろすと、めまいを起こしそうな断崖に切られた小径。ガードレールもないので、ふざけて歩いちゃいけないよ! もちろん、千鳥足での歩行もしかり。
 吊り橋のたもとを下り、沢を伝って露天を探す。足元が悪いので、サンダル履きは止した方が無難だね。
 川岸から1mも離れていないところに、それとおぼしき掘立小屋が見えてきた。小屋に隠れて湯船は見えない。

いま来た道を振り返る 匂いというのはそれとなく、漂い来るので心の準備ができている。しかし、色というのは現物を目にせぬ限りは分からない。
 掘立小屋の陰から、ひょいと顔だけ突き出してみる。期せず、思わず、「うぉ〜」と声が上がってしまう。どこぞの洗剤メーカーのCMではないが、輝くような白さなのだ〜。
 湯船はきっちり四角形、洗い場だって、桶だってある。しかも、ウェスタンスタイルの扉のついた脱衣所もあり、ぬる目の露天好きにはおすすめの一湯。ということは、ワタシにはおすすめできなかったりして・・・。

河原の湯 どれほどぬるいかというと、40℃は切っているに違いない。山川草木、森の自然に包まれて、1時間でも2時間でも浸かってられそう。
 真っ白いお湯に浸かる男性3人、生真面目に森を見つめながら、身じろぎ一つすることもなく、さながら生き仏の感。この露天、きっと人の魂を抜いてしまうに違いない。
 恐れをなしたワタシときたら、手浴・足浴にてガマン。いくら仏様だとはいえ、男性だからね、ほっとけない。 

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