コメント
03/07/21
ワタシはこの湯がけっこう好きだ。お肌にやさしく、視覚・嗅覚と楽しませてくれる。
ただし、保温効果はいささか劣るようなので、夏向きの温泉。
02/06/30
自然排湯の仕組みについては「パスカルの罠」を読んでみてね。
02/06/25
天気は悪いわ、ダンナは痛風発作を発症するわで、やはり象徴的な暗雲だった。
宿のご主人、女将さん、どうも心配かけました。
教えていただいた県立妙高病院で、ボルタレンの座薬を処方してもらい、とてもよく効いたみたいです。 |
赤倉温泉からの道は、未だ冬期閉鎖中。一旦、R18まで下り、そしてまた関山から上っていかねばならないのだ。
妙高高原から、暗雲たちこめる下界のまっただ中にクルマを突っ込む。濃霧であった。前を走るクルマなんか見えないよ〜!
快適舗装道路をグングンのぼり、赤い湯花の関温泉を通り過ぎ、今夜のお宿は標高1200mの高所に位置する燕温泉「樺太館」。去年、同じ時期に予約を入れたら、まだ開業していなかった。今年は雪解けが早いのだろう。それでも、名物露天「河原の湯」には、まだ行けない。吊り橋の踏み板を外したままなんだという。雪の重みが思いやられる。
3階の角部屋に案内される。天気がよければ絶景だろうな・・・。乳白色のお湯っていうのは大好きなのだが、ガスともなると天敵だ。摩周湖ならば、名物だけに涙も飲むが、わざわざ霧を見に来たんじゃ、ないんだからね。
仕方なく、ふと軒先を見上げると、ツバメの巣がぎっしり並ぶ。中華の食材になるのやら、ならないのやら、どうにも気になる。それはともかく、なるほど、燕温泉だ。
スイートホームが長屋を形成しているところからすると、イワツバメの巣に違いない。もちろん、食べられない・・・。須川温泉や藤七温泉でも、同じ軒下の風景が広がっている。どうやら、高原温泉がお好きなようだ。

霧雨で冷えた身体を温めようと、さっそく風呂場に向かったところ、大きくはないが、手入れのよく行き届いた木枠の湯船が迎えてくれる。しかも、白いお湯に硫黄臭とくれば、もう見境がつかない。掛け湯もそこそこに、チャプンと浸かる。
ところが、湯船の縁から全然お湯があふれ出してないじゃない! もしかして、マワシじゃないの? と、湯船の壁をなでまわり、吸込口をひたすら探す。
ご安心あれ! 源泉掛け流しのお湯は、パスカルの穴から排湯されている。ただし、燕温泉「45度の硫化水素泉」なるはずが、このお宿では残念ながら北地獄谷から引湯している。旧泉質名は「美人の湯」として誉れの高い重曹泉。白い硫黄臭ただよう美人の湯。がっかりした反面、何だか得した気分だな〜。
連休の谷間のせいか、泊まりの客は二組だけのガランとした食堂。和洋折衷の小粋な造りで、お部屋とは随分ちがう。
山菜はもちろんのこと、各種料理がすき間なくテーブルを埋める。山の秘湯を感じさせないメニューなのだが、ダンナにとってエビ・カニ・肝は禁物だ。もちろん、ワタシがペロリと食べる。
昨日までサラリーマンの奥さんだったんじゃないかと思わせる女将さん。一生懸命、生真面目に、問いかけに答えてくださる。
湯船からパイプを通して、直接、排水溝にうち捨てられた源泉で、バスを待つ間、身体をきれいに拭って帰る登山客も多いんだとか。お湯のリサイクルとでも言うべきか、これにはビックリ、バスクリン・・・。
翌朝早く、ダンナが騒ぐ。足首に痛風が出て、とうとう動けなくなったんだとさ。なるほど、起き上がれないでいる。これじゃあ、まったく、燕ならぬ、スワロー温泉だわさ。これで何度目? いい加減、懲りないのかな〜。枕元にはビールが2本、転がっている。
手を貸し、何とか立ち上がらせて、窓から外を見おろすと、そろそろゾロゾロ坂道を、アリの群れがタオル巻きつけ登ってくるのだ。こりゃイカン! 動きの取れないダンナを置いて、バスタオルを首に巻きつけ、露天まで、小さな温泉街の石畳、タッタッタッと駆け上る。
脱衣用の小屋掛けが、まだ用意されてもいない「黄金の湯」。一面の雪、二面の岩風呂、参入したいが男性ばかりで四面楚歌。ダジャレ続きで、あ〜ゴメン。とどのつまりは、寒い思いをしただけだった。
ザラメのような雪の路面を、素足にサンダルつっかけて、往復したものだから、足指先の感覚は完全に麻痺。宿に戻るなりすぐ、お風呂めがけてまっしぐら。なにしろ、ダンナ痛風。ニョウボ凍傷、同情どころか洒落にもならない。幸いにして、足の指はまだ付いていた。あ〜、あったか〜い。
風が吹いても痛いというのに、お腹だけは減るようである。朝ご飯をいただくために、所定時刻の10分前に部屋を出る。このお宿、エレベーターがついてないので、ダンナ真っ青、あぶら汗。後ろ向きに階段を、手すりにしがみつきつつ降りていく。
そしてあの、見晴らしの良い部屋まで戻ってくることは、二度となかった・・・。
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