小田原厚木道路の終点を、いつもなら箱根のお山目指して右へ曲がるところを、今度は左。真鶴道路へと向かう。
駅前をはじめ、温泉街もけっこう賑わっており、ひなびた感じは微塵もない。ところが、いざ昼食を取る段になると、これが一軒も見つからないのだ。「浴食」で予約しときゃよかったな。
昼食は後回しにして、ともかくひとっ風呂浴びようと立ち寄ったのが、創業昭和5年、自家源泉の湯を謳うこのお宿。立ち寄り入浴までもが予約が必要なようだ。あきらめかけていたら、貸切ならということで、お風呂まで案内してもらう。それにしても、1500円は高いよね。ワタシとしては設備もそこそこの200円のお湯でも大満足なんだけど・・・。
とちゅう、色とりどりの貸し出し浴衣が並べてあったり、お香が焚かれていたりと、快適空間の演出にこだわりが感じられる。あまりの快適さに猫だってあお向けになって、のんびり日向ぼっこというあんばい。
案内された先は何と大浴場。え〜、大浴場を貸しちゃうの? そりゃあ広いわ。 脱衣室をお部屋に見立て、勝手気ままな温泉三昧。風呂に浸かったり、マッサージの椅子でうとうとしたり、ちょっと冷えたと思ったら、またお風呂。こりゃ、ええわ〜。1500円も高くない。
大きな浴槽はお湯を循環している場合が多い。ここでも、吸水用のスリットを発見。タオルをスリットに近づけてみる。まったく吸いつかない。つまり、源泉かけ流し。浴槽からあふれ出るお湯は川となって洗い場を横切る。湯川には橋もかかっており、うん、なかなか面白い意匠だね〜。
お湯はそれほど熱くはないが、お肌すべすべなのである。成分分析書によると単純温泉との標記ながら、ナトリウムと塩素・炭酸水素イオンの含有量が多いので、ワタシに言わせれば浴感も加味した上で、含食塩重曹泉となる。源泉温も低いので加水なしと推測できる。これはもう、超おすすめのお湯なのだ〜。
浴場の片隅には小田原の漬物屋から貰い受けたという樽が置いてあり、そこにもひたひたとお湯が注ぎ込まれている。せっかくだからと、樽風呂に身を沈めた。案の定、大音響とともに大量のお湯がこぼれ出す。これがワタシの音なのだ。こんなに体積あったっけ・・・。あぁ、もったいない。
こちらのお湯はかなりぬる目ながら、成分が少し濃いような気がする。きっと、別の湯井のものに違いない。
貸切=狭い家族風呂とのイメージを描いて毛嫌いしていたワタシながら、大浴場での貸切体験。大浴場で一人きりというのは、何度も経験しているのにも関わらず、貸切というだけで気持ちがはしゃぐのは何故なんだろう?
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