03/05/31
大きなお風呂が6つもあるのに、毎分100L強の湧出量では少なすぎる。
ワタシのメモが源泉のうちの1本だけを表すものなら杞憂に終わるが、「千寿の湯」の裏手にて、貯湯漕らしきボリタンクを見つけてしまった。

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土湯峠のあたりでは、幕川・鷲倉・新野地・赤湯とお湯が湧く。しかも、幕川以外は歩いて行ける。もちろん、歩いて行けないところなど、ないのであるが、その気になるかどうかの話。
ワイルドな露天風呂で有名な新野地温泉とは目の鼻の先。しかし、泊まりとなると足が遠のく。今夜のお宿は野地温泉ホテルという、リニューアルなったばかりの温泉ホテル。
ロビーには胡蝶蘭を先頭に、誇張ではなく、お祝いのお花で一杯。ダンナは「ファレノシプスで一杯だ〜」、「またも、飲むこと企んでるな」と穿った見方をしていると、ファレノシプスって胡蝶蘭のことなんだって。なんでも、桜花賞を制した馬なんだそう・・・。
本館の客室廊下はヨーロッパ調。トランク転がし進むがお似合い。
「これじゃ、お部屋もベッドだな」と観念するが、ダブルベッドでないことだけをひたすら祈る。なぜって、ダンナの寝相の悪さは特筆物で、何度、蹴落とされたことか・・・。
恐る恐る、部屋の扉を開けてみる。お茶のセットとポットが畳の上にちょこんと鎮座ましまする。内と外とのギャップにうろたえたこと、言うまでもない。
お風呂は、男女とも専用風呂が1つずつ、女性専用露天もあって、これにて3つ。あとの3つは時間による男女交代制となっているので、浴衣に着替え、まずは「千寿の湯」に向かう。
外国では、パジャマ姿でホテル内をうろうろしていようものなら、それこそ変態扱い。しかし、温泉場なら、浴衣一枚で、食事もできるし、おまけに外出までできる。日本文化を改めて、つくづく見直す今日この頃なのである。
総檜風呂「千寿の湯」は3つの湯船からなり、奥から順に自噴のお湯が送られる。湯口のある奥が一番熱くって、順に湯温が下がっていくのだ。もちろん、3つとも浸かってみたが、それぞれ、はっきり湯温の差が分かる。草津温泉「大滝の湯」と仕組みは同じ。
当然、奥の湯口のたもとにたむろってみる。飲泉コップもあるので、さっそく一口。苦味が強く、こりゃあ効くなと思ったね。胃の痛みなんか、一発で治りそうだが、表示上の泉質は「単純硫黄泉」。イオウというのは、こんなに苦いものなのか? やはり翌朝お腹すっきり、快腸、快調。
人気の露天「鬼面の湯」は、広くて快適。日帰り客を受け入れる10時以降は、この伸びやかさと清澄感を味わえまい。背伸びをすると、竹柵の上方に鬼面山が顔を出す。
それにつけても、露天風呂に白い湯はお似合い。ぬる目であるとか何だらかんだら、能書きなどは言ってられない。さわやかな朝の大気を胸一杯に吸い込んで、うっとり目などを閉じてみる。硫化水素臭が弱いのが、清澄感に拍車をかける。
パンフレットには、「おもしろい新感覚のお風呂」というコピーが踊る「天狗の湯」。なるほど、内風呂と露天がつながっており、湯船の中を歩いて往復できる。
しかし、習い性とは恐ろしいもの、律儀に一旦、湯船から上がって移動。頭の中では分かっちゃいるけど、体の方がついていかない。
内風呂に湯口があるのは当然として、露天の方にも湯口があるのがありがたい。
洋風のお食事処で夕食いただく。温かいものは、そのつどベテランの仲居さんが運んでくれるが、BGMを流し忘れたりと、少々不慣れ。2時間ほどかけ、ゆっくり食事を楽しんだ。
部屋へ戻る途中、なんだか廊下が慌しい。水漏れなのか、火事なのか、それともドロボーでも入ったのか? 何のことはない。各部屋の布団敷きが間に合わなくて、ドタバタ走り回っているのだ。
リニューアルして、和室があったの忘れたかしら? それとも、ベテランの従業員までリニューアルしちゃったのかな〜。
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