わがまま温泉日記 霧積温泉 きりづみ 霧積温泉「金湯館」へはJR信越本線横川駅より送迎車50分

秘湯を
守る会
湯元 金湯館
http://plaza15.mbn.or.jp/~kirizumikintokan/index.html
住所 群馬県碓氷郡松井田町坂本1928 〒379-0307 Memo:
一軒宿
入浴料 \500
電話 027-395-3851
営業期間 通年
泉質 入之湯@Ca-硫酸塩泉 39℃ 300L/分
旅行日 03/04/04
コメント


03/09/02

皮膚呼吸について朝日新聞「知恵の玉手箱」に次のような記述がありましたので紹介しておきます。

皮膚表面から二酸化炭素がわずかに空気中に出ることがあったとしても、体の活動を支えるような量の酸素が皮膚を通して入ってくることはない。

おぎのや 峠の釜飯 長野新幹線開通に伴い、期せずして終点となってしまった横川の駅。お風呂の前に、まずは峠の釜飯にて遅い朝食、というか早い昼食。九百円也。蕎麦屋に入ってあれやこれやと注文するより、うんと安くつく。
 朝はお茶漬けかきこんで、お昼もご飯ときた日には、さすがのダンナもビールを飲む気になれないようだ。作戦成功、大成功!
 これは絶対内緒だが、仕事がなければ真昼間っからビールを飲むのがダンナの習性。くわえ煙草で下手な馬券を買っている。そんな不健康な生活からの脱却目指し、十年前にひらめいたのが温泉めぐり。
アプト式の車輪 しかし、敵もさるもの。小さなパソコン買ってきて、携帯経由で車内から馬券を買ってる。温泉入れば入ったで、湯上りのビールはうまい! と上機嫌。

 腹ごなしの食後の散歩は碓氷峠鉄道文化むら
アプト式という歯車と車輪の何てことない鉄の塊に興味を示すかつての鉄道少年、ダンナの後を続いて歩く。
 一応運転席にも腰掛けて、あれこれいじっていたところ、子どもたちがお父さんに連れられて乗り込んできた。そそくさと車内の通路に戻ってみると、退屈そうなお母さん、客席に腰掛けたまま一向動く素振りも見せない。

土砂流出防止用ゴム? 秘湯を冠に戴くお宿はたくさんあれど、「これって秘湯?」なんていうのが多いなか、ここ霧積温泉金湯館は正真正銘、秘湯のお宿。ワタシ的にはベスト3に挙げられる。何より、きりづみ館から分岐する山道こそが、その印象を忘れられないものとする。
 大平温泉までの山道もすさまじかったが、豪雨のせいもあったろう。このたびは、雪解け直後で路面がえぐられ、穴ぼこだらけ。石はゴロゴロ転がってるし、サファリラリーじゃあるまいに、シートベルトをしていなかったら、脳震盪でひっくり返っていたかも知れない。
 時期にもよるのだろうが、車高の高い4WDなど、悪路に適したクルマで行かれることをお奨めする。あるいは、愛車のお腹をこすって、ダイエットに励むも、また楽しからずや。

金湯館玄関 道路から宿へと下る階段を降りようとした、ちょうどそのとき、野犬が吠えながら猛烈な勢いで突進してきた。猪突猛進とはちょっと違い、階段手前でピタリと止まり、人懐っこい顔してすり寄ってくる。
 もう〜、びっくりさせないでよ〜。宿の飼い犬だったのだ。ワンちゃんのぬいぐるみが大好きで無邪気に遊ぶ姿から、さっきの勢い、感じられない。首輪もつけずに勝手気ままに山野を駆ける。帰り道、宿から10分くらいも離れたところで、トコトコお散歩楽しんでいた。宿の犬といえば番犬ならぬ肥満犬が定番で、お昼寝大好き。しかし、この宿のワンコは精悍、日本一幸せな犬だといえる。

樋の行く先には水車 水車の回る玄関横には沢水を引く木箱が一直線に並んでいるが、樋の下には、まだ解けきらぬ名残雪。
 一瞬、この樋を泉温調整用の仕掛けかと勘違いしてしまった。なぜすぐ間違いに気づいたかというと、ここのお湯はぬるいので、わざわざ冷ます必要もないのだ。

 お風呂場に案内されると、石油ストーブに火をつけながら、「ぬるいのでじっくり浸かっていって下さい」と、女将さんが一言添えるを忘れない。39度という湯温、浸かる前から心配になったものだが、田沢温泉40度と変わらぬものなら何とかなりそう。
源泉掛け流しのお風呂 脱衣室には灯油臭、浴室内には微かに漂うゆで卵臭。コップの置かれた湯口から、無色透明のお湯が、けっこうタップリ湯船に飛び込み、タイル貼の洗い場に惜しげもなくあふれ出す。ぬる湯なので、お湯を絞る必要など、更々ないのだ。思う存分、掛け流し
 ところで、カランのところが一段高く木造りとなっているのは、寒さの厳しさ物語る、いわば「寒さの証明」なんだろう。冬場の箱根で味わったけど、洗い場の冷たいのはつらいよ〜。
 ちなみに、森村誠一「人間の証明」誕生の裏には、この地が大きく関わっている。「母さん、ぼくのあの帽子、どうしたでしょうね」、「脱衣室にでも忘れてきたんじゃないの〜」というのは、ダンナに対する常套句。
男性用浴室
 お湯に浸かると、必ず全身、泡がつく。毛穴の中に空気を取り込み、皮膚だって息をしていることが実感できるのではあるが、ここのは湯船の中で何度泡を払っても、いつしかまたつく、泡食った・・・。
 それはさておき、お湯から出ると寒いので、けっこう長湯となってしまった。引越そうにも、ほかにお風呂もないからね〜。薬師温泉から1年、ワタシの我慢も何とか利くようになった。

お茶とお煎餅のおもてなし 洋服を着込んだとたん、やけに背中が熱いのだ。温シップでも貼ってるみたいにあったかい。皮膚と衣類のすき間に、さっきの泡でも残っていて、空気の断熱層でも作っているのか?
 湯上りはお茶とお煎餅のおもてなし。山奥の秘湯宿のちょっとした心憎い気配りに唸りながらも、また考えてみる。
 おそらく、ワタシにしてはめずらしく、長湯をしてしまったからだろう。予想だにせぬ効能やらおもてなしに驚かされて、まっ、「ぬれ背に泡」ってところかねぇ。

Top