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04/02/17
貯湯タンクの件はあくまで推測に基づくものであり、未確認です。 |
冬場は気候温和な地に限る。暖を求めて伊豆半島の南端にまでクルマを飛ばす? 小田原からは断続的な渋滞続きで、都バス並みのスピードでしか進んでくれない。海岸沿いの温泉の地理的位置を確認しながら南下しようと目論んだのが大いなる見込み違い。
ちょうど2月10日から、河津桜祭が開催されていた。立寄ってはみたものの、未だ、二分咲きくらいかな。桜の苗木も売ってはいたが、河津桜は買わずに帰る^^。
かの有名な金谷旅館であるが、たとえ看板があったにせよ通り過ぎること間違いはなし。秘湯の趣などいささかもなく、向かいは鳴子ホテル同様、学校なのだ。しかも、温泉神社なるものもなし。こんなところに果たしてお湯が湧くのかな〜? 旅館というより、旧家の今どきの風景なんだね。
朝から晩まで、せっせと日帰り客をとる合間をぬって、ドサッと荷物を置くならば、ようやく宿泊客と認識してくれ、2階の一番奥の部屋が今回ワタシのアジトとなった。
ビールをグビッと飲み干して、お風呂へ向かう。「千人風呂」に出入りするにつけての仲居さんの事前説明は複雑だった。オートロックの扉になっているので、3つのカギのどれかを忘れず身につけて、仙人になれというもの。
百聞は一見に如かずというのは、このことで、女湯からは出入り自由、千人風呂からの男性闖入お断り。大らかな東北の秘湯では及びもつかない発想なのだ。
レイ=ブラッドベリ「何かが道をやってくる」がごとく、湯気に包まれた千人風呂の彼方からひたひたと忍び寄ってくる男性の気配を認めたとたん、カギを差し込みガチャガチャいわせ、スリリングな瞬間を楽しむのである。
これがまた、3つのうちの1つがうまくカギ穴に合わないんだな。おばちゃん、おばちゃん、早く開けてよ〜!
千人風呂も良いのだが、女性専用「万葉の湯」、ワタシはこれで十分満足なのだ。熱い方から順に、壱番湯から四番湯まで勝手に名づけて、あっち行ったりこっちへ来たりとひたすら遊ぶ。
中央吹き抜けの天井を見上げながら、湯船のふちに頭を載せると、必然的に身体が浮かぶ。ぬる目の弐番湯ならば30分は楽しめる。参番湯はさらにぬるいが、深い分だけじんわり温まる。なぜなんだろう。
日本一の広さをもつ檜の千人風呂。酸ケ湯の湯船より大きいのはもちろん、須川の千人風呂、川上温泉の万人風呂は木造りではないので除外すると、その貴重さがうかがえよう。
ここで、簡単な実験をおこなってみた。浅い方と深い方の両方の湯船に両手を突っ込みながらの全長15mの歩行浴。
浅い湯船が8→5→2と湯温が下がるのだとすると、深い湯船は6→5→4という感じ。これだから、金魚鉢みたいな浅い露天で浮かれていてはならないのである。おそらく、蓄熱量というものが効いているに違いない。
単純温泉ながら、硫酸塩系のせいだかどうか、湯船の中では滑りが悪く、このお湯がアルカリ性であることを感じさせない。それでも、いつの間にやら、すべすべお肌に満足満足。12畳に次の間6畳のつくお部屋に戻って何度もすりすり。本物なのだ。
ワタシがよく行く温泉は山の奥が多いため、山菜の天ぷらに、イワナかヤマメが関の山。刺身ときたらマスかコイのあらいくらいしかない。
しかし、今回ばかりは伊豆だけに、ワタシだって期待する。伊勢海老、アワビ、マグロ、ホタテにアジにブリ。鮮度プリプリ、量も適度な上、本ワサビが1本丸ごとついてくる。2日目のワサビはさすがにもらって帰ることにする。もちろん、帰り道、酒の肴に小田原のカマボコ購入。
ところで、この宿のパンフレットによると、料理にもすべて温泉水を用いているという。そのせいか、薄目に味付けられた料理もご飯もおいしいよ。
それはそれでよろしいのだが、宿の裏手に共同浴場を見っけ。さっそく扉を開けようとしたが、カギのお好きな土地柄のようで、完璧ロック。地元組合員専用であった。さらに、奥には巨大貯湯漕。配管パイプは東北でよく見かける黒々とした断熱タイプではなく、自然放熱タイプ。
この貯湯タンクから恐らくお湯が供給されているのだろうが、貯湯タンクの是非につき、未だによくは分からない。マンションの給水タンクと思えば、どうってことないのかな〜。
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