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国旗・国歌について

資料: 法制化の1999年 戦後史 日の丸 君が代 学習指導要領 教科書検定 国旗・国歌法 政府答弁 世論調査

国旗・国歌法成立以後の出来事-2000年

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天皇写真コラージュ事件

   富山県出身の美術家大浦信行の10点連作版画「遠近を抱えて」は、昭和天皇のさまざまな時期の肖像写真と、ダビンチや尾形光琳の作品部分、女性のヌード、解剖図などがコラージュされた作品である。1986年、これらは、他の在住・出身作家の作品と共に、富山県立近代美術館の企画典「86富山の美術」に展示された後、同美術館が4点を購入、6点が寄贈された。
   同美術館は、県議会で「不快」な作品であると追求され、また右翼団体からは作品を破棄せよとの要求が突きつけられた。そこで美術館は、企画展の図録とも非公開とし、寄贈分の6点を作者に返却した。
   さらに、美術館を所管する県教育委員会は、93年、購入分の4点を第三者に売却し、美術館保存分の図録470冊を焼却処分にした。
  作者及び美術関係者は、作品の再収録と図録の再発行を求めて抗議するが、県教育委員会・美術館は、「管理運営上の障害と天皇のプライバシーの保護」を理由に拒絶した。
 

訴訟
   作者らは、作品を鑑賞する権利を奪われたとして、富山県に440万円の支払いなどを求めた国家賠償訴訟を起こした。
   富山地裁は1998年12月、「公開によって人の生命、身体が侵害され、公共の安全が損なわれるという差し迫った危険の発生は具体的に予見されない」と非公開を違法と認め、計23万円の支払いを県に命じた。
   しかし、名古屋高裁金沢支部は2000年2月、右翼の街宣活動などを重視し「管理運営上の支障を生じる蓋然性が認められ、非公開には正当な理由がある」と判断、作者らが逆転敗訴した。
   一、二審とも「天皇の人格権侵害」については、「地位や職務から制約は受ける」と否定された。

(2000.11.21毎日新聞「現代アート考」天皇版画訴訟−三田晴夫参照)

国旗・国歌法成立以後の出来事-1999年

武蔵丸に「君が代歌って」とNHKアナ
9月26日、大相撲秋場所で横綱武蔵丸が優勝したが、 表彰式の「国歌斉唱」の際、武蔵丸が「君が代」を歌わなかったため、 その直後の土俵下での優勝インタビューで、NHKのアナウンサーは、 「今度は君が代を歌うよう、お願いしたいですね」と問いかけると、 武蔵丸は「今、一生懸命やっています」と応じた。
     このことに関して、視聴者から「いかにも唐突、軽率」 という抗議電話がNHKに27日夕方までに30件以上寄せられたという。
     NHK広報局によると、インタビューしたアナウンサーは 「武蔵丸関が歌う練習をしていることも知っていたので、 激励の意味を込めて質問した。言葉足らずだったが他意はなかった」 と話しているという。
(毎日新聞による)

清志郎風の「君が代」発売中止に
8月18日付の新聞各紙によると、10月14日にポリドールから発売される予定だったロック歌手の忌野清志郎のアルバム「忌野清志郎リトル・スクリーミング・レビュー」の「冬の十字架」(全7曲)が発売中止になった。歌詞とメロディーは原曲通りだが、パンクロック調に編曲されていた「君が代」が2曲目に収録されていたため、ポリドール側が「君が代」を外して発売したいとしたが、忌野さんが拒否し、11日に発売中止に決まったもの。
    忌野さんは「法制化の議論が音楽的な観点からなされていなかった。こういうアレンジがあるという提案」であるとしているのに対し、ポリドールは「政治的社会的に見解が分かれている重要事項に関して、一方の立場に立つかのような印象を与える恐れもあり、発売を差し控える方が適当と判断した」と説明しているそうだ。
    忌野さんは17日夜、横浜アリーナで「ピア・ミュージック・ファンデーション・スペシャル」に出演し、忌野風「君が代」を披露し、1万人以上の観客の喝采を浴びた、という。


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