わがまま温泉日記 大沢温泉 おおさわ

山水閣
http://www.oosawaonsen.com/s-sansui.stm
住所 岩手県花巻市湯口字大沢181 〒025-0244 Memo:
一泊二食 \14,000
ビール中ビン:\600
ウォシュレット有
電話 0198-25-2021
営業期間 通年
泉質 アルカリ性単純温泉 源泉温51.3度 pH9.2
旅行日 01/08/17
コメント

03/02/23
循環ろ過装置について調べているうちに、大変なものに出くわした。
お風呂の科学
大沢温泉玄関

 花巻南インター出口では、花巻農業高校の生徒たちが育てた真っ赤なサルビアの花々が咲き、否応なしに宮沢賢治を思い起こさせてくれる。銀河鉄道から見える「南の十字」星って、どの山なんだろうと、あたりを見回す。
 鉛温泉に向かうゆるやかな坂道を上っていくと、右手に山水閣の大駐車場。わきの坂道を下れば旧館がある。これら二つの建物はつながってこそいるものの、ずいぶんと異なる趣。山水閣への予約ながら、日帰り客で賑わっている旧館に、どうしても目がいってしまう。

アブ発見 山水閣は立派なホテルで、お部屋も広くて快適だ。川沿い全面に広がるガラススクリーンの向こう、緑の木々が夏の盛りを教えてくれる。
 ところが、この引き戸、開閉できないとくる。ふと下を見ると、大きなアブが2匹も3匹もころがっている。瞬時に納得する一方、露天でのアブを相手の壮絶な戦闘が思いやられる・・・。

 まずは自炊部「薬師の湯」をいただく。とはいえ、迷路のような館内をさまよった末、ようやくたどり着いたのだけど。
曲がり橋 ヌルヌル感の強い湯は、ほどよい湯かげん。タイル張りの浴槽も湯治場らしくて逆によい。観光客におもねる風がまったくないのが潔いのだ。
 脱衣室では湯治にきているバァちゃんが色々話しかけてくるのだが、例によって聞き取れない。ワタシのご先祖様は盛岡から北海道へと入植したんだそうだが、これもご時世なのかな〜。
 延々としゃべり続けるバァちゃんに、「ワタシは一泊しかここに居られないの。次のお風呂に行かなきゃならないからお先にねッ」と、心の中でキッパリ言って、浴室を見下ろしながら「薬師の湯」をあとに。そういえば、この造り、川原湯温泉「王湯」とどこか似てるね。

橋から見た露天風呂 自炊部と菊水館を隔てているのが豊沢川である。曲がり橋から混浴露天「大沢の湯」に目をやると、みんながみんな、タオルを振り回しつつ、例のヤツと戦っている。おかげで下半身は無防備状態。絶景などとは決して言えない。ワタシの心の傷も決して癒えない。まさか〜、ハハッ。
 やはり、夏は露天ではなく内風呂に限る。なんて、偉そうなことを言ってるくせに、大湯温泉の内風呂でアブに刺されたことがあるのだ。
南部の湯 菊水館は「南部の湯」、脱衣室に足を踏み入れたとたん、木の香がプ〜ンと漂い、その新しさを主張している。半露天の造りではあるが、日よけ兼アブよけのスダレのおかげで至極快適。スダレ越しの景色なんぞを楽しみながら、ぬる目のお湯で長湯となるのも当然のこと。
 けれども、アルカリ性泉特有のヌルヌル感は「薬師の湯」ほど強くない。やはり、お湯だけは自炊部に勝るものなし。

菊水館と水車 部屋へ戻るとちゅう、自炊部の売店に立ち寄ってみる。さすが、湯治場ならではの品ぞろえ。自販機からガタンと出てくるビールではなく、大型冷蔵庫の中のを買える。
 従業員の動きがあわただしい。どうやら、自炊部の湯治客が調理中ヤケドを負って、救急車が来るらしい。ふと、「薬師の湯」で会ったバァちゃんの人なつっこい笑顔が脳裏をかすめる。
 そりゃあ大きな宿だもの、いろんなことがあるんだろうねぇ。ちなみに、いたずら盛りの宮沢賢治が水車を止めた事件はあまりに有名。

山水の湯 山水閣のお風呂は綺麗で、清潔で、カッコよくって、ただそれだけのこと。今度、泊まるときには萱葺きの菊水館から、川越しに山水閣をながめてみたい。
 とはいうものの、自炊部から山水閣への通路には「宿泊客以外立ち入り禁止」の立て札が、二等船室の悲哀を感じさせるからな〜。泉質とろうか、船室とろうか、悩みは深い。

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