わがまま温泉日記 川原湯温泉 かわらゆ

共同湯「王湯」
住所 群馬県吾妻郡長野原町大字川原湯290 〒377-1302 Memo:
入浴料 \300
電話 :0279-83-2960
営業期間 通年
泉質 含食塩-石膏硫化水素泉 72度
旅行日 01/09/29
コメント 水沢うどん

 日曜日にも関わらず、関越道はがらがら。1時間ちょっとで渋川伊香保インターにたどり着く。いつもこんな調子なら、伊香保草津にもっと足しげく通うのにね。
 伊香保の水沢うどんで、ちょっぴり遅い朝食を済ませ、紅葉の名所、吾妻渓谷に沿って草津へ向かう。途中、ダムの湖底に沈んでしまう温泉街、そこはかとなく、哀愁ただよう川原湯温泉に立ち寄ることに。
 八ッ場(やんば)ダムは昭和27年に予備調査が開始され、平成5年から本格的な工事に着手したのだそうだ。洪水・渇水対策とはいうものの、今から50年も昔の計画が、果たして妥当なものやらどうやら。「国家百年の大計」なる言葉もあるが、ワタシには見当もつかない。
ダムの水はここまで来るの?(柏屋外壁) 今年6月の発表では、完成予定は2011年に延期されたとのこと。本当に必要なものなら、政府も地方も、もっと本腰を入れて取り組むようにも思えるんだけどね・・・。

 坂の両側にへばりつく温泉街のこととて、駐車スペースを確保するのが、けっこう大変。坂を上りきったところに、駐車場を発見! 立ち寄り温泉グッズを携えて、いざ出発というちょうどそのとき、従業員宿舎からコワそうなおばさんが出てきた。「どこへ行くの?」「もちろん柏屋」・・・へ行かなきゃと思ってたんだけど、やっばり共同浴場だよねぇ〜。
共同湯「王湯」玄関 小さな温泉街ながら、王湯笹湯聖天の湯(混浴)と、3つも共同浴場がある。真っ先に目に飛び込んだのが、柏屋隣りの王湯。建物の下が源泉となっており、さかんに蒸気を吹き出している。よ〜し、ここに決めた!
 玄関入ってすぐ左が、事務所というより自宅の雰囲気。だって、洗剤なんかが置いてあって、けっこう家庭の匂いがするんだもの。ご近所さんまで、もらい湯に来ている感じ。
露天風呂 谷にへばりついた格好の建物だから、お湯に浸かるには階段を下りていかねばならない。露天は、湯口の脇に水栓なんぞがあり、いや〜な予感。好みに任せて湯加減を調節できるのは嬉しいが、やはりぬるかった。
 水栓をギュッと絞り、冷ましたお湯を飲んだり、立ち上がって渓谷を眺めたり、時間をつぶしながら、熱くなるのをひたすら待った。それにしても、この露天、もう少し開放感が欲しいな〜。

内湯 露天と着替えもそこそこに、次は内湯へ。脱衣室から浴槽が見渡せる。浴室内の階段を10段ばかり降りた末、お湯へとたどり着くのだ。
 浴槽縁の切り込みから、お湯が流れ出している以外、洗い場に水ッ気のかけらすらない。どうやら一番風呂のようである。
 のんびり、硫黄臭を楽しみながら、その階段を眺め続けた。正直いって、階段のある共同浴場の内湯なんてはじめてだ。いやが応にも、ワタシを物語の世界へといざなう。どういう訳か、大正ロマンでもない、映画で見る遊郭のイメージとだぶるのである。非日常の空間でお湯をいただくという、ワタシだけの幻想世界。
内湯の階段 みんながみんな、そんな心象風景を思い描くとは限らないけど、一度、浸かっておいても損にはならない。結局、だれも入ってこなかったところからすると、露天だけで帰ってしまうお客が多いのだろう。内湯の方が味わい深いのにねぇ。

 あと一つ、川原湯名物は大寒にあたる1月20日の奇祭「湯かけ祭」。枯渇しかけたお湯が再び出たことを感謝する神事だそうで、この精神もまた、源泉ともども、ダムの湖底に沈められてしまうのだろうか。

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