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「内科医の愚痴」」

今日は内科医の愚痴を聞いていただきましょう。

「診察はまだですか?」
「二時間も待っているのに、いつになったら診察してくれるんだ?」
最近の内科の受付けでよく聞かれる言葉です。
昨年の外来患者さんの一日あたり平均数が約190人。
ここ数日の患者さんの数は220-250人くらいです。
これではみなさんの診察時間が遅れるのも仕方ないですよね。
さらに入院患者さんの数も昨年は約40人だったのが、今年は五割増しの約60人。
重症患者さんも増え、それに伴い急変に対する処置などから外来診療が滞ることもしばしばです。
突き詰めるとどれもこれも医師数減による弊害と言えなくもありません。
昨年までは内科は5人体制でしたが、今年は4人で診療せざるを得なくなりました。
昨年よりも多い患者さんを少ない医師で診察せねばならないのです。
我々の苦労も少しはご理解いただきたいものです。
「たかだか一人ぐらい・・・」と言うなかれ。
外来診療時間中に救急車が来たり、搬送に同乗しなければならなくなれば、外来はそれこそpanicです。
みなさんが「遅くて大変」と思われるのは、実は我々も同様なのです。
昼が食べられるのは早くても1時から2時、遅いときは3時、4時です。
一日の仕事が終わるのは早くて8時、遅いときは10時、12時もめずらしくありません。
我々は身を削る思いをしながら、市立病院を守り、みなさんの健康を守ろうとしているのです。

それでも、昨年までと違って今年は毎日3診で診療していますし、
診療は8時30分から開始していますので、我々の医療サービス向上努力を少しは認めて頂きたいものです。
また超音波検査(エコー)、胃・大腸内視鏡検査、CT、MRi、膵胆管造影検査など、各種検査はのきなみ倍増しています。これらは我々が検査が好きだから、病院がお金儲け(赤字解消)をしたいからしているわけではありません。みなさんの健康を守るために必要だから行っているのです。これらの検査に伴う放射線技師や臨床検査技師の方々も昨年よりも倍増した検査に積極的に協力してくれています。ですから、「写真を撮るのが遅い」「心電図にまだ呼ばれない」「採血結果がまだ出ない」などの苦情も今しばらくはご容赦頂きたいと存知じます。

それでは、この状況をどのように改善すればいいのでしょうか?
簡単です。内科医を増員すればよいのです。
これは市民のみなさんから是非とも市長さんに掛け合って頂きたいものです。
みなさんのためにも、そして我々のためにも、是非早期に実現して頂きたいものです。
それともうひとつ。みなさんの診療日を変更するのもひとつの方法かも知れません。
最近では月曜日と金曜日に患者さんが集中しているようです。
他の日に診察にいらっしゃるのもよろしいかもしれません。
また、明らかに風邪などで新規に受診される方は、市立病院を受診されるよりは、開業医の先生にご相談頂く方がよろしいかも知れません。

最後に救急外来でよくあることなのですが、いつもは釧路を含め、他の病院へ通院しているのに、夜間や緊急時だけ当院へ受診する。 しかも初診なので、カルテはマッサラ、紹介状もない・・・。となると患者さんの容態を把握することもできなければ、一番良い治療方法さえも判断できなくなる場合が少なくないのです。それでは患者さん自身にとっても利益にならないと思うのです。
せっかくの機会なので、みなさんにお願いしておきます。普段他の病院へ通院されていて、市立根室病院へは3年以上かかっていないという方はもしもに備えて、通院中の先生に紹介状を書いてもらっておいて下さい。そうすれば「いざ」というときに、我々も安心してみなさんを診察できますし、正確な判断の上で、治療することも可能かと存じます。

我々は市立根室病院を良くしようとあらゆる努力を惜しまずに、取り組んでいます。
みなさんも病院を良くすることにどうか力添え下さい。そしてよい病院のかかり方を身につけて下さい。

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