<北海道の21世紀を考える21人委員会
「幸せな家族」分科会の報告>
「幸せになるために」
家族が幸せに暮らせるためには何が必要でしょうか。
私たちはこのテーマについて「北海道の21世紀を考える21人委員会」で定期的に討論しています。
経済の不安定さ、産業構造の変革、会社の倒産、終身雇用制度の見直し・・・。今の価値観が移りゆく不確実な社会の中で、ゆいいつ確実なのは家族の絆ではないでしょうか。私たちは家族のあり方、そしてその家族を支えてくれる社会のあり方をみなさんとともに考えてゆきたいと思います。
病気になってはじめて体感できる健康のありがたさ、会社が倒産して実感する働けることのよろこび、地震や災害にあったときにわかる「普通の生活」のすばらしさ、「幸せ」は実は普通の生活の中に隠れているだけなのかもしれません。各人の「幸せ」について再確認してみたいものです。
要するに「幸せ」は絶対的な価値基準があるわけではなく、お金やもので規定されるのでもなく、自分たちが満足のゆく生活ができることが大切なのではないでしょうか。実はご主人はたまには会社から早く帰宅して、家族と食事をすることだけでも、欧米のように家族と共有する時間を増やすことで、「幸せ」を実感できるかもしれません。しかし、「働くことが美徳」の日本の社会では、まだそれを許容する姿勢はないように思います。
家族を支えてくれる社会についても考えてみて下さい。病気をしたとき、身近に安心してかかれる病院や診療所はあるでしょうか。高齢化社会を迎えて、地域でもお年寄りが安心して暮らせるでしょうか。少子化の20年後の社会で、労働人口の供給が需要を満たせなくなるときに社会は成り立つでしょうか。65歳以上の老年人口が25%を越えたときに、福祉政策はそれを支えてくれるでしょうか。
このような政治や経済に不安や不満を抱きながら、多くの日本人は選挙に参加することを拒否しています。政治に対する不信感から無関心を装えば、いつまでたっても「幸せ」な社会にはならないでしょう。よりよい社会にするために参政権を行使して、社会を変えたいという気持ちにはなれないでしょうか。
家族が幸せになるために、家族が安心して暮らせる社会にするために、何が必要か考えてみて下さい。社会における価値観が変わってきているいま、「幸せ」の価値観が変わってもいいのではないでしょうか。
「幸せ」は遠くにある理想論ではなく、そうなりたいと努力することによって得えられるものではないでしょうか。日本人はもっと「幸せ」に対して貪欲になってもいいのではないでしょうか。労働は会社や社会のためではなく、自分や家族のために、それがひいては会社や社会に貢献できるというように・・・考え、実践できるようになれるといいですね。
あなたは幸せですか?幸せになりたいですか?
もう一度、自分の「幸せ」について考えてみませんか。