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飲酒後の入浴は禁止!

年度末、年度初めで、飲み会の機会も多いことと思います。
でも、お酒をのんでから、お風呂に入るのはやめましょう。
ましてや酒飲んでサウナに入るのは自殺行為です。
お酒を飲んで脱水になっている上に汗をかいて、脳梗塞や心筋梗塞の危険もあります。
と言いうのも、実は身をもって体験したことがあるからです。
その時は頭が真っ白になって(多分血圧が下がっていたのでしょう)、死ぬかと思いました。
お酒を飲むと脈拍が上がります。末梢の血管が拡がります。
顔が赤らむのも、血管が拡がり、血流が増加している証です。
アルコールデヒドロゲナーゼが少ない、顔が赤くなる下戸は余計に反応が強くなるようです。アセトアルデヒドが血管にも悪さをするようです。
そんな時にお風呂に入ると余計に末梢の血管が拡がり、血圧が下がってしまいます。
ですから、お酒を飲んでお風呂に入るのは危険なのです。

医者になって1年目の夏休みの時期に大学の後輩が来て集まる会のことです。飲み会は盛り上がって終了と思いきや、飲み会の後に流れでサウナへ行こうということになりました。もともと僕は下戸なので、酔っ払ても、一人で帰れるように飲む量はいつもセーブしていました。ですから、それほど酔っ払っていた訳ではありません。その時も軽く汗を流すくらいの軽い気持ちで皆と一緒に行きました。
身体を洗って、ふろに浸かって、きもちよくふぅ。
さぁ、サウナへ。もう少し汗を流そう。
サウナに入って間もなく、急に目の前が真っ暗に!
あれ、おかしいな。座っているのに、おかしい。まずい。
このまま意識を失ったら、サウナでひからびて脱水で死んでしまうかもしれない。
サウナ室から出なければ!
倒れても、もしかしたら、誰かが見つけて病院に搬送してくれるかもしれない。でも、それは恥ずかしい。裸というのもあるけど、それ以上に医師なのに搬送されるのはねぇ。
ここは自力でなんとかしなければ!
四つん這いになって、まずはサウナ室から出る。
ふぅ、何とか意識を保てている。
大丈夫かな?
立とう、と思った途端、またクラクラ!
まだダメだ。
お風呂の丸椅子に腰掛けて、やり過ごそう。
それでもダメだ。座っているだけでもクラクラする。
姿勢を維持できない!
横にならなければ。
大浴場で仰向けに横になる。
なんとか意識を保てる!
よし足は曲げて、頭への血流の確保を一番に考える。
これなら大丈夫。
ふぅ、ようやく意識が戻ってきた。
どうやら末梢の血管が拡がり、細菌性ショックのときのwarm shockのような状態に陥っているのだろうことがだんだんわかってきた。
落ち着いてきたと思って、頭を上げると、まだクラクラ。
もう少し寝ていないとダメだ。
すると後輩が、やってきた。
「倒れている人がいるから誰かと思ったら、先輩じゃないですか!大丈夫ですか?」
「やぁ、こんな格好で恥ずかしいなぁ。」
「救急車呼びましょうか?」
「いや、大丈夫だよ。時間が経てば治りそうだから、もう少し寝てるわ。」
結局10分以上横になって、ようやく椅子に座れるようになった。
その状態で、手足に冷水をかけて末梢の血管を収縮させて血圧を維持するようにした。
まだ、立って歩くには少し早い。もう少し循環動態が安定してからでなければダメだ。
さらに10分程してから、ようやく立つことができて、脱衣場へ移動することが出来た。
その間、何度か後輩が様子を見に来てくれたが、なんとか大丈夫そうなので、先に帰ってもらうことにしました。
その後ゆっくり座って休みながら、立つ練習、歩く練習をして、帰れる自信がつくまで20-30分程。ようやく、帰路についた。
今後飲んだ後には二度とサウナへは入らないようにしよう。

その後に、ICU/救急で研修していた時に飲酒後に入浴後に熱傷となった若い男性を診療した。どうして?と思ったら、入浴後に寝込んでしまったというのだ。一人暮らしで、お湯がぬるかったために追焚きをしてしまったようだ。搬入された時は胸に水面のあとの線がつくような火傷になっていた。赤から肌色のgradationは温度を現していたのだろう。熱くて、覚醒し自力で風呂から脱出。救急車を要請したようだ。
お酒を飲んだ後に、お風呂に入るのは要注意です。
せめてシャワーぐらいにしておきましょう。

http://wotopi.jp/archives/8779

http://www.cocokarafine.co.jp/healthcare/value/howto/2015/06009935.html

http://www.tmghig.jp/J_TMIG/topics/topics_184.html

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