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「体重」は健康のバロメーター

 体重は「健康」のバロメーターです。糖尿病や心不全の患者さんでは、ときには聴診器よりも有用な情報を与えてくれます。このような病気を持つ患者さんの診察が終わった後にかけるお別れの言葉は「おだいじに」ではなく「体重を減らしてね」なのです。
 「今日の体重は七十二Kg。先月よりも三Kgも増えているねえ。それに尿糖も4+、血糖の二時間値もいつもより高いし。食べ過ぎじゃあないですか?」「いやあ、あんまり食べていないんだけどねえ」「それじゃあ間食はどうですか?」「缶コーヒーが好きでねえ、甘いものが好きだから、おやつはちょっと」
 くわしく聞いてみると結局体重増加分だけ多く食事を摂っていたのです。糖尿病はダイエットにより、ある程度は自分で体調を維持できる病気。医師の仕事は、薬を出すだけではなく、どうやって患者さんを”なおす=やせる”気にさせられるかなのです。
 「ちょっと顔がむくんでいますね。体重を計ってみましょう。六十八Kg、増えていますよ。ほら足もむくんで、押せばへこみます」
 胸部エックス線をみると心臓も大きくなっていました。この患者さんは心臓が弱く、心不全が悪化していたのです。こうした患者さんに体重が減ったときに聞いてみるとたいてい「楽になりました」と言います。
 食事を減らして体重が減れば当然血糖も下がります。また心臓や腰への負担も軽くなり、こわさ、だるさがとれて楽になるのです。
 「やせたほうがいいよ」は、すきで憎まれ口を言うのではなく、患者さんのことを思いやっての忠告です。
 医師は患者さんに対して優しく接するだけではなく、時には説得することも大切なのです。
 みなさんはご自分の今の体重をご存知ですか?体重測定は簡単にできる健康チェックです。太っていること、やせていることを怖がらずに月に一度は、体重計にのってみてはいかがでしょうか。体重の変化は、体調の把握だけではなく、がんの初期徴候など病気の発見につながることもあるのです。
 
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