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「検診」の意味

 五月と六月の病院は”健康な人”でいっぱいになります。職場での健康診断を受ける人たちがやってくるからです。
 検診の意味は普段「健康」で病院へ通院していない人でも、自覚症状のないような潜在的な病気、すなわち高血圧、糖尿病、高脂血症や不整脈、肝機能障害などをチェックし、「健康」を確認して元気に職場で働けるようにすることです。
 初夏は病院の歳時記では、結核(肺がん)、胃がん、大腸がんなどの検診も行われ、がんと成人病をチェックする時期なのです。
   最近、「検診不要論」を唱えている著書がベストセラーになり一部マスコミでもてはやされています。この影響か「検診は受けなくてもいいんだ」と思いこんでしまう人を時々見かけますが、臨床医から見るとこれは決して一般的な話しではありません。
 利尻島国保中央病院では十五年間に診察した五百四十六人のがん患者さんのうち、検診を契機に病気が発見されたの方が五十七人いました。
 自覚症状を訴えて来院してがんと診断された患者さんのうち七十五%が「進行がん」だったのに対して、自覚症状のない時期に検診などでがんが見つかった患者さんの四十五%は早期がんでした。
 このように検診はがんの早期発見の手がかりとして有効です。かといって必ずしも検診が万能というわけでもありません。検診の検査項目は限られているために、体のすべてを調べているわけではないからです。
 例えば、大腸がんになっていても便に血が混じっていなければ、検診では「異常なし」と言われることもあるのです。精密検査をしなければ発見できないがんもあるのです。
 ですから、手軽な検診の結果だけで「大丈夫」とうのみにするのではなく、この結果を自分の健康管理に役立てようとする自覚が大切なのです。
 また職場の検診がある方は、ある程度は健康管理ができますが、問題は定期的に検診を受けるチャンスが少ない主婦や定年退職された方々です。
 普段「健康」と思っていても「この時期」に年に一回ぐらいは検査を受けられてはいかがでしょうか。
 
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