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島の「かかりつけ医」めざして

 このほど利尻島国保中央病院は開院10周年を迎えました。前身の利尻島町立病院から15年間にわたり、地域医療(「へき地」ではなく)の拡充を目的として、自治医科大学の医師三人(内科二人、外科一人)が二年の勤務交代で診療を継続してきました。
 今回は、ちょっとかたくなりますが、我々が「離島の医療」をどう考えているかをお話させて下さい。
 私たちが目指すのは、離島という地理的環境を克服するための自己完結型の医療です。すなわちできるだけ多くの患者さんを当病院で診断し治療してあげることにより、患者さんの島外へ出ることの経済的および身体的負担を軽くしてあげたいと思っているのです。従って、診療の幅は救急疾患はもちろん、慢性疾患から悪性疾患、消化器・一般外科、整形外科さらには小児科、眼科、耳鼻科など多岐にわたります。
 そのため内科の大西医師は月に一度、市立稚内病院で皮膚科、耳鼻科、眼科で研修をさせていただき、診療の幅を広げています。また外科の青木医師は島で手術の必要な患者さんがいると、市立稚内病院へ出張し、手術に参加させていただいております。「お腹を診せていただくと、術後の診療に役立つ」と。そして手術が終わると、患者さんに「島へ帰ってきたら、また診察させていただきますよ」と声をかけて帰ってきます。このような病院間の連携は、患者さんだけでなくわれわれ医師にとっても有益であり、地域医療の理想的な姿であるように思います。
 現在利尻島民の約八割の患者さんが当病院を受診していますが、それでも私たちが診療上解決できないときは、このように上位医療機関へ紹介し、診療・治療を仰いでいます。これら医療機関と患者さんとのよいパイプ役となることも私たちの大切な仕事のひとつです。
 私たちは地域住民にとって、よりよい「かかりつけ医」となれるように、いろいろなかたちで努力を続けております。
 また、この度開院10周年記念誌を刊行し、配布することになりました。皆様も機会がございましたら、ご覧下さい。
 
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