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「大学病院へ行く」ということ

 「紹介状を書きますので、大学病院を受診して下さい」
 診療の際にこう言われたら、あなたはどう感じるでしょうか?
 関連病院の先生が大学で精密検査や入院治療が必要なときに患者さんに説明すると「大学へ行くということはよほど悪い病気なのだ」と感じてしまう方がいて、「大学には行きたくない」という方がいるようなのです。
 多くは大学の専門スタッフと高度の医療機器を駆使することによって診断の精度を上げ、よりよい治療に結びつけることを目的とするものです。ですから、必ずしも患者さんの状態が「悪い」ためではなく、診断や治療が「難しい」ために「大学へ紹介」しているのです。このように患者さんから言われると関連病院の先生も大学病院へは紹介しにくくなると言われ我々も困ってしまいます。
 以前は極端な例では「大学で診てもらえば安心だ」という方もいましたが、最近では患者さんの医療への関心と知識が高まるにつれ、このような誤解や偏見も多くなるのかもしれません。また大学というのはいまだに権威主義で得体のしれないところで敷居が高いと思われているのかもしれません。大学病院は特定機能病院として様々な高度先進医療を実践する病院として評価されていますが、それは必ずしも難しい病気や重い病気だけを意味するものではありません。充実したスタッフによる知識と技術を生かし、そして先進医療機器を駆使してよりよい治療に役立てようというものです。
 「大学へ行きたくない」と思ったら、その時はまず患者さん自ら「どうして大学で診察が必要なのでしょうか」と主治医に相談してみるとよいでしょう。その病態に応じた受診理由が聞ければ、安心して大学病院へ来れるはずです。
 
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