[現代・政治]-----その底流を探り、常識を整理する-----

地方自治を担う人民と地方政府(4)

地方議会とは

owl  都道府県や市町村など地方自治体の議会と国政における国会とは、どんな点が違うのか。  国会は、国民に選挙された議員によって構成される「国民の代表機関」であり、国政につい ての意思決定を行う「国権の最高機関」であるとされている。
   
◇ことば◇

自主解散

 地方議会の解散は、議会の不信任決議を受けて首長が行う解散、 住民の直接請求による解散、議会が自ら進んで行う自主解散がある。
 自主解散とは、議会が住民の信頼を失ったとき、議会自ら住民の意思を聞く ために行う「地方公共団体の議会解散に関する特例法」による解散である。 議決には、議員数の4分の3以上が出席し、出席議員の5分の4以上の多数の 賛成が必要である。
 この特例法は、“伏魔殿”とよばれるほど腐敗していた都議会の解散運動を きっかけとして制定された。1965年、東京都議会の議長選挙をめぐり自民党都議17名が 贈収賄などで逮捕・起訴され、社会、公明、民社、共産のリコール運動が始まり、 国会で特例法が制定された。都議会ではこの特例法により、出席議員106名の全会一致 で解散を議決し、再出発した。
 その後、同法により40以上の地方議会が、大量の選挙違反や不正事件の発生により 自主解散している。

 それに対して地方議会も、議員が住民の直接の選挙によって選ばれるので、「市民の代表機関」 といえる。その一方で、知事や市町村長などの首長も、住民の直接の選挙によって選ばれている。 このように市民の代表機関二つが並立しているのが、地方自治体の特徴である。
自治体が行う事務の中には、「機関委任事務」のように国の指揮・監督を受けて行う事務もあって、 地方自治体の権限は限定されている。こうした点から地方議会は、自治体の権力の”最高機関”であるとは、 胸張っていえない。
  しかし、地方議会は、地方自治体の条例や予算を定めたり、行政の方針を決定するので、 やはり地方自治体の議決(議事)機関である。
 地方議会がもつ主な権限としては、条例(その自治体だけに適用される法令)を定める権限 予算を議決する権限のほかに、首長が副知事・助役や教育委員会などの委員を任命することに 同意する権限などがある。
 地方議会は、国会と同じように毎年、定期的に招集される「定例会」と、特別の案件を議論 する「臨時会」の2種類がある。定例会は、条例の定める回数(4回以内)だけ開かれる。
地方議会の意思決定は、議員全員によって開かれる本会議によってなされるが、議案を細かく 審議するために、国会と同じように、常任委員会や特別委員会がおかれている。
 議員の任期は、衆院議員と同じく4年で、解散もある。 cameleon

選挙権
−−−−−−−−日本国民3カ月以上在住20歳以上
被選挙権
市町村長日本国民25歳以上
市町村議会議員日本国民3カ月以上在住25歳以上
都道府県知事日本国民30歳以上
都道府県議会議員日本国民3カ月以上在住25歳以上

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