都道府県や市町村など地方自治体の議会と国政における国会とは、どんな点が違うのか。
国会は、国民に選挙された議員によって構成される「国民の代表機関」であり、国政につい
ての意思決定を行う「国権の最高機関」であるとされている。
それに対して地方議会も、議員が住民の直接の選挙によって選ばれるので、「市民の代表機関」
といえる。その一方で、知事や市町村長などの首長も、住民の直接の選挙によって選ばれている。
このように市民の代表機関二つが並立しているのが、地方自治体の特徴である。
自治体が行う事務の中には、「機関委任事務」のように国の指揮・監督を受けて行う事務もあって、
地方自治体の権限は限定されている。こうした点から地方議会は、自治体の権力の”最高機関”であるとは、
胸張っていえない。
しかし、地方議会は、地方自治体の条例や予算を定めたり、行政の方針を決定するので、
やはり地方自治体の議決(議事)機関である。
地方議会がもつ主な権限としては、条例(その自治体だけに適用される法令)を定める権限
予算を議決する権限のほかに、首長が副知事・助役や教育委員会などの委員を任命することに
同意する権限などがある。
地方議会は、国会と同じように毎年、定期的に招集される「定例会」と、特別の案件を議論
する「臨時会」の2種類がある。定例会は、条例の定める回数(4回以内)だけ開かれる。
地方議会の意思決定は、議員全員によって開かれる本会議によってなされるが、議案を細かく
審議するために、国会と同じように、常任委員会や特別委員会がおかれている。
議員の任期は、衆院議員と同じく4年で、解散もある。