大雪山・黒岳

  北海道の中央部の高山を形成する大雪山と十勝連峰を総称して中央高地と呼ぶ。 大雪山は単独の山ではなく山々の集合の名称であり、アイヌ呼称ではヌタクカムウシュペ である。
  大雪山はさらに表大雪、東大雪、北大雪の三地域にわけられ、 表大雪は黒岳、旭岳と十勝連峰と境をなすトムラウシ山までを言う。 層雲峡からロープウエイとリフト経由で標高1,700bの七合目まで行け、 ここから本格的な登山となり、大展望が見られ、黒岳頂上にはゆっくり歩いても1時間と30分 もあれば着く。しかし、観光気分でスカートにハイヒールと言う観光客には驚かされる。北国の山では、二千bクラスの山は本州の三千bの山と同じ条件になり、ましてや気象条件が変わりやすい山の事、軽率な行動は命の保証が出来ないので、気をつけたいものだ。 頂上からの展望が素晴らしく、残雪豊かな表大雪の山々が一望でき感激の声が上がる。 黒岳頂上から北鎮岳方面に向かう一本道をたどると15分ほどで黒岳石室で、途中から赤い屋根 が見える。小屋は7月から8月にかけては、特に混雑し最盛期には泊れない事もある。しかし、傍にはテントサイトがあるが、テントの持たない登山者は早めに小屋に着いた方が無難だ。
▲収容人数は160人・有料・素泊りのみ▲設備、貸寝具・公衆電話・ 売店(ジユース・ビール・インスタントラーメン)炊事用具と食料は各自持参、▲管理人常駐 期間6月下旬から9月下旬まで(期間外は開放)問い合わせ рO1658−5−3325 黒岳からは地図にも書いてある通り、各方面の縦走コースの始発点でもあり、白雲岳経由、忠別岳・五色岳・化雲岳・トムラウシ山・オプタテシケ山・美瑛岳・十勝岳・富良野岳と山中4〜5泊のロングコースもあるが、本州の山と違ってこの間、小屋があるのは白雲岳とトムラウシ山と美瑛岳の手前の美瑛富士の三箇所で(寝具はなし)確実に暗くなる前に到着しなければならず一日の行動が制約される。 途中での逃げ道はほとんど無いと言っても過言ではなく、しっかりとした装備と計画が必要だ。またこれが北海道の山の魅力でもある。 黒岳からお鉢平らを一周すると、北海岳・松田岳・荒井岳・間宮岳・中岳、ちょっと足を伸ばして北鎮岳と、北海道に幾つも無い二千bクラスの山々をいとも簡単に制覇した事になる。
このコースはゆっくり歩いても5〜7時間です。朝早く小屋をたつと、昼過ぎには小屋に戻れ るので、大雪山の雄大さを満喫して欲しいものです。 夏の最盛期が短い北海道の山は、夏休み頃から9月末頃までの期間に登山者が集中し、さながら大雪銀座 と言われる程に登山者も観光客も山中で出くわすが、個人の責任で装備や足周りには充分気を付けて 怪我や事故の無い様に慎重な行動をとる事を祈ります。

写真は9月15日撮影 ロープウエイ(りんゆう観光)п@01658−5−3031
旭川〜層雲峡温泉(道北バス)п@0166−51−0111(2時間)