北海道史

北海道の史跡

旧石器の文化

 時を遡ること二万年位前の旧石器時代北海道に人が住みはじましたようです。 その頃は氷河期の最後の氷期で平均気温は今より10度も低く海面も100 m程低く大陸と北海道・樺太(サハリン)が繋がっていたと思われます。このルート は沿海州・北海道陸橋と呼ばれこの陸橋を渡って大陸の動物たちが南下し、 それを追って人も渡来してきた。石器には石を打ち欠いて作る打製石器と、 石をすり合わせたり、研いだりして作る磨製石器がおもで自然ガラスである黒曜石等 は鋭い刃をもつ石片が得られた。北海道は豊富に黒曜石が産出され、優れた石刃やや じりの素材となった。道内各地で取れた黒曜石は北海道旧石器時代の遺跡として初め て国の指定をうけた白滝村周辺は黒曜石の産地・加工地帯で(紋別郡白滝村字白 滝184)あったと考えられる。この他にもに十勝石の名があるように 十勝三股などが産地として知られている。これらの黒曜石は道内はもちろん樺太方面など にまで運ばれたようだ。寒冷な時期だったらしく日高山脈の頂部位で氷河に覆われていた と思われる証拠の地形今もが残っている。 またその時期の北海道は北方文化の中で重要な位置を占めていたのでと思われる。

縄文文化

>北海道の先史時代は、二万年以前からの旧石器時代、一万年以前からの縄文時代、 二千年あまり以前からの続縄文時代、紀元七〜八世紀から十三〜十四世紀までの擦文文化と オホーック文化の時代、それ以後のアイヌ文化の時代と言う様に一応区分されている。 本州の弥生文化から古墳文化に至る時期の北海道は、その影響を受けながらも農耕文化を 発展させることは無く、続縄文と呼ばれる文化を生み出した。 今から一万年前、縄文時代に入ると全国的に見ても遺跡の数が断然多くなる。遺跡の分布は 関東・中部地方に密度が高く、東北・北海道が次いでいる。縄文文化は東日本を中心とした 文化で縄文時代の人口を中部・関東・東北・北海道が多く全体で二十万人位前後 だったと思われる。縄文時代の人々は、もちろん狩猟・漁撈・採取の三っを生活の柱 とした。 この時代の末期にはソバ・ヒエなどの栽培も行われたが北海道も同じではなかったろうか。 またこの時代の文化を示す遺跡には貝塚が多くあり 氷河期が去って気候が温暖化すると海面が上昇したと思われ

縄文時代の前期には 海面が今より三〜四メートルも高く海水が深く内陸に入り込 み、こうして出来た浅い海水域は貝や魚の繁殖地となりその周縁に多くの貝塚を残した。 しかし貝塚の内部は発掘調査の時に詳細に記録されるが普段はほとんど人の目に触れる ような形では存在しないが、縄文からオホーック文化に至る貝層の断面をそのまま 資料館に取りこんだモヨロ貝塚など貴重な存在で

また、千歳の千歳貝塚は貝塚をすっぽりと覆っていて簡単に見学が出来て 一般の近付きやすい貝塚の一つでもある。「美々貝塚」千歳市美々駅裏。 縄文期の遺跡には、ストーン・サークルや環濠遺跡のような特異遺跡も多い。石を並べるのでなく 堤をめぐらした周堤墓もある。この時期の人々の墓制や、集団と祭りの生活について多くの問題を 投げかける。

古代文字

すこし時代が下がって余市のブコッペ洞窟や手宮の古代文字 のような遺跡もある。こうしたさまざまな遺跡はシベリアから北海道、更に東北北部にかけての 文化や人の交流を想像させ、縄文初期に見られる細かい石刃を調査したやじり(石刃鏃) も沿海州やシベリア東部に起源をもつと考えられる。氷河期が去って樺太・北海道・本州の諸島がそれぞれ孤立したと しても人の往来が絶えたわけではなく文化の交流は続いていた。特に北方圏の文化交流が北海道 の文化を支える一つの柱だったと思われる。しかし石狩帯以南では東北地方との 関係が強かった形跡があるようで、縄文時代の後期以後の土偶や動物形の人形などが発見されるが これらは東北地方の伝統と思わせるものでもある。

弥生時代

二千年あまり以前、西日本に始まった弥生文化は農耕文化としては東北北部 や北海道には及ばず独自の文化が出来た。特に道東では樹木の下草が少なく、強い風邪に吹き払わ れ腐葉土の堆積が少ないので竪穴住居跡の凹が、土地の凹として今も残り観察できるのが北海道 の特徴である。七〜八世紀頃以後、本州の古墳文化の影響を受けて、刷毛目のような文様を残す 擦文土器の文化が成立した。この文様は土器の内外をならしたへらの跡である。擦文文化の少し前 北部オホーック沿岸に独自のオホーック文化が広がったが、擦文文化の後期にはオホーック文化 は消滅するがその影響は擦文文化の人々にもまた擦文文化を継承しているアイヌのに人々にも及ん でいて、北海道独自の文化を築いてきたものと思われる。

美々貝塚・千歳市美々758番地(市指定)
白滝遺跡・紋別郡白滝村字白滝184(国指定)
忍路環状列石・小樽市忍路二丁目(国指定)
  モヨロ貝塚・網走市北一条東二丁目(国指定)
キウス周堤郡・千歳市中央410番地(市指定)
北黄金貝塚・伊達黄金町(国指定)
ブコッペ洞窟・余市町堺町(国指定)
オムサロ竪穴郡渚滑町川向153(国指定)
標津遺跡郡・標津町字伊茶仁(国指定)
   常呂遺跡・常呂町字栄浦(国指定)
入江貝塚・虻田町入江190(国指定)

山川出版社発行
北海道歴史教育研究会著 「北海道の歴史散歩」
北海道出版企画センター発行「北海道略年表」
を引用させて頂きました。