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テレビゲームについて


一時期は絶好調だったゲーム業界(ここでは、ファミコンに始まる、いわゆる「家庭用ゲーム機」業界を指すとお考え下さい)ですが、最近は「趣味の多様化」のせいかどうか、いまいちなようです。セガは、ドリームキャスト(以下DC)を最後にハードの生産を打ち切ってソフト専業となり、一人勝ちと思われハードは無茶苦茶売れているSCEのプレイステーション2(以下PS2)も、ハードの販売台数に比例するほどソフトが売れないと言われています。
 ただ、今年後半は、任天堂のゲームキューブ(以下GC)や、マイクロソフトのX-boxといった新ハードの発売が予定されており、幾分か活性化の兆しが見えています。
 …といったような薀蓄はどーでもよくて、とりあえず今まで買ったゲームを整理してみようか、と思ったわけです。ですので、またまた内容はありません(^^; それに、ほとんどのタイトルが、買ったままとりあえず起動の確認だけして置いてある、いわゆる「積ん読」状態なもんで、まともなレビューとかは書ける立場ではなかったりして…うーむ、うじゃうじゃ。
 (2005/08/11追記) 随分久し振りにこのページを更新しました。修正前のファイルのタイムスタンプが2002年5月でしたので、 実に3年以上振り(という言い方があるのかどうかは知りませんが)の更新となります。 その間、全くゲームをしていなかった訳ではありませんが、やっぱり「どうしても言いたい・書きたい」という「何か」が無いと、なかなか更新もできない訳で。 今回、久し振りにそのような作品に出会えた事は、嬉しい限りであります。
 しかしこのページ、今読み返してみますと、色々と偉そうな事や訳知り顔な事を書いてあって赤面するような内容だったりします。 そうでなくても、3年以上前に書いたものですので、色々と古くなってしまった事もあったりして、ちゃんとそれぞれに書いた日付を入れておけば良かったなぁ、 と今さらながらに思います。これから書く分には、ちゃんと日付を入れるようにしよう。

ドリームキャスト(セガ)用タイトル

セガサターン(セガ)用タイトル

プレイステーション(SCE)用タイトル

パソコン用タイトル

ドリームキャスト(セガ)用タイトル

ル・マン24アワーズ(自動車レース)
 「世界一過酷な自動車レース」と言われる、ル・マン24時間レースを忠実に再現したレースゲーム。どのくらい忠実か、と言うと、本当に24時間レースをする事ができる。当然、時間に合わせて日が暮れたり夜が明けたりするし、天候も変わる。「本当にやる奴がいるのだろーか」と思うかもしれないが、先日行なわれた(本物の)ル・マンに合わせて実際に24時間ゲームをし続けた奴がいるようだ。
 もちろん、もっと短い時間で遊ぶ事もできる(最短で10分)。この場合、設定した実時間内で、ゲーム内時間は24時間が経過する。グラフィックは秀逸で、舞台となるサルテ・サーキットも忠実に再現されており、特に夜明けの風景は非常に美しい。また、鈴鹿サーキットを始めとする有名なサーキットを走るモードもある。標準のコントローラでは、ハンドル操作が敏感過ぎるのが難点。
F355チャレンジ(ドライビング・シミュレータ)
 アーケードゲームからの移植版。フェラーリF355という車を徹底的にシミュレーションする事を目的にしたゲーム。その再現性は、プロのレーサーも認めるほどらしい(何せ実物は見たこともないので)。当然、選択できる車はF355一車種のみ。いわゆる「ワンメイクレース」のノリである。このF355を駆って、鈴鹿サーキット等世界の実在のサーキットを自由に走ることができるのは快感である。このサーキットも再現性はすごい(らしい。何せテレビでしか見たことがないもので)。ともかく、グラフィックの美しさは上記の「ル・マン24」以上。普段は緑旗を振っているコース・マーシャルが、逆走すると黄旗を振っているなど、細かい点もきっちり作りこまれている。
 また、走行データを記録して、通信で他者とそれを交換し、そのデータを元にゴースト・カーを走らせるという、一風変わった通信対戦のシステムを持っている。また、公式Webページから、鈴木亜久里や片山右京といったプロのレーサーがプレイした走行データがダウンロードでき、彼らと競うことができる。
ナップルテール(ラブリーポップアクションRPG)
 ジャンル名がいまいち不明確だが、アクション性の強いゲーム。世界観やキャラデザインが女性中心に行なわれたらしく、全体的にソフトで可愛らしい印象がある。ストーリーは、新米のたまガイド(いわゆる死神)に間違えてナップルワールドという生と死の狭間の世界に連れて来られた主人公・ポーチが、現世に帰るために6つのペタル(命の素みたいなもの)を探して冒険する、というもの。そこここに、ルイス・キャロルやマザー・グースを連想させるキーワードが盛り込まれており、まさに「不思議の国のアリス」的な世界になっている。
 それはともかく、何と言っても秀逸なのが、坂本真綾・菅野よう子の最強ペアによる音楽。坂本真綾の伸びやかな声と、菅野よう子のオーケストレーションをふんだんに使った音楽は、それを聴きたいためだけにゲームをしたくなるほど美しい。ちなみに、アクションはさほど難しくない。
エアロダンシング〜Futuring Blue Impuls(フライト・シミュレータ)
 とことんリアル指向のフライト・シミュレータ。航空自衛隊のブルー・インパルスを題材にし、華麗な曲技飛行ができるようになるように頑張る、という異色の作品。離陸・着陸を始めとする基本的な操縦技術から、編隊による曲技飛行の技術まで、段階を踏んでみっちりと鍛えられる。目的が曲技飛行なだけあって、リプレイ機能も充実している。再生中に選択できるカメラアングルが10数種類もあり、リプレイ中に自由に切り替えができる。それも、単純にカメラ位置と方向を変えるだけでなく、「自機のまわりをまわる」とか、「フォーカスを自機にポイントしたまま、前方から接近してすれ違い、後方に抜ける」といったような、ダイナミックなものが用意されているため、航空アクション映画のような、非常に迫力のあるリプレイデータを作ることができる。また、そうやって作ったデータを保存することも出来る。ただ、カメラアングルが多すぎて、どれを使うか迷う事もある。ワイドテレビにも対応したグラフィックは、非常に美しい。
 この作品は、「エアロダンシング・シリーズ」としてシリーズ化されている。全国のプレイヤーから募集したリプレイデータとミニゲームを収録したファンディスク「轟隊長の秘密ディスク」、空中戦ができるようになった「F」(これも、空中戦の基礎からみっちりと鍛えられる)、そのファンディスク「轟つばさの初飛行」、インターネットを使った通信対戦を可能にした「i」がある。間もなく、そのファンディスク「次回作まで待てませ〜ん」が出る予定。ちなみに、轟隊長とは、一作目でプレイヤーを鍛える教官で、轟つばさはその娘という設定である。
サクラ大戦(ドラマチック・アドベンチャー)
 テレビアニメ、OVA、演劇、そして劇場映画へと、多種多方面に展開している「サクラ大戦」シリーズの第一作目。セガサターン版からの移植。「太正」という架空の時代を舞台に、帝都を守る帝国華撃団と、闇の組織との闘いを描く。システムとしては、帝国華撃団のメンバーの女性たちと交流を深めるアドベンチャー・パートと、敵と闘うシミュレーション・パートに分かれる。アドベンチャー・パートでは、基本的には選択肢により女性たちとの信頼度が上下するが、この選択肢の選び方に工夫がされていて、制限時間内に選択しないとそれはそれで別の分岐になるという、油断できないものになっている。このアドベンチャー・パートで築いた信頼度が高ければ高いほど、シミュレーション・パートが有利になるというしかけ。
 いろいろなタイプの女性が登場し、女性たちと仲良くなるという点では、いわゆる「ギャルゲー」の要素を持っているが、それが最終的なゲームの目標ではない(ゲームの目標は、あくまで敵を倒して帝都の平和を守ること)ことから、単なる「ギャルゲー」ではない。ただ、この一作目は、最後の展開が唐突かつ強引で、ストーリーとしてはあまり出来は良くない。続編の「サクラ大戦2」の方が話としては良く出来ていると言われている(何せまだ「2」は終わってないもので)。
 最近出た「3」は、舞台をパリに移し、主人公以外のキャラも一新して、新しい戦闘システムを導入した全く新しいゲームとなっている(らしい。何せまだ手を付けていないもので)。
 何にせよ、セガサターンとドリームキャストの看板タイトルの1つであることは間違いない。なお、先日、劇場版アニメの製作発表と同時に、「4」の製作も発表された。発売は、2002年の春の予定。名実ともに、これがドリームキャスト最後の超大作となる事は、まず間違いないであろう。
北へ。White Illumination(トラベル・コミュニケーション)
 「サクラ大戦」の広井王子氏が、ハドソンと組んで製作した作品。主人公は、何かの事件によって消沈した気持ちを癒すため、夏休みに2週間の北海道旅行に出かけ、そこで出会った8人の女性達との触れ合いを描くという、こちらは「ギャルゲー」と言っていい内容である。夏休みの間に、8人の誰とも一定レベル以上親密になれなかったらそこで終わり。1人でも親密になれれば、冬休みに再度北海道を訪れ、大晦日に札幌の大通り公園で行なわれている「White Illumination」会場で晴れて恋人になれるかどうか、という話になっている。
 この作品が、他の凡百のギャルゲーと違うのは、次のような点による。
 まず第一に、背景には、ほとんど全てが実在の北海道の風景を写した実写の写真が用いられている。上記の大通り公園(White Illuminationという行事も実在する)、時計台、函館山、美瑛の丘等の有名な観光スポットはもちろん、商店街や喫茶店、主人公が滞在する親戚のマンションまでが実在するもので、実名で登場する。これには、北海道観光協会のバックアップがあるといういきさつもあるが、作品にリアリティを持たせて登場人物が本当にその地に「在る」かのような印象を与える効果がある。一部には、軽蔑を込めて「北海道観光ゲーム」という評もあるようだが、実際、このゲームをやったことで北海道に興味を持ち、旅行に行ったり、北海道の大学に入ったり、果ては北海道に移住してしまった人もいるらしい。「背景が実写なら安上がりではないか」と思われるかもしれないが、逆である。そのシーンに合った背景を、適切な構図で撮影するにはテクニックが必要だし、撮影した写真もそのままでは使えない。余計な通行人などは消さなければならないし、曇り空を爽やかな青空に加工したりする必要がある。外的な制約に捕らわれない書き下ろしの画の方が、よほど楽で安上がりだと思う。
 第二が、「Communication Break System」(略してCBS)の存在である。一般的に、この手のゲームでは、主人公と他の登場人物(主に女性)とが会話をする事で、ストーリーが進む。その会話の途中に選択肢が現われ、その選択次第でストーリーが分岐していく。しかし、本作では、選択肢が自動的に表示されるのは極一部のみ。大多数の選択肢は、プレイヤーがボタンを押さない限り表示されず、また、何時ボタンを押せばいいのかも示されない。プレイヤーは、会話の進行を見ながら、「ここ」と思うところでボタンを押すのである。これにより、会話に「割り込み」をかけ、流れを積極的にコントロールすることができる。もちろん、ボタンを押さずに、単に話を聴いているだけでも良い。その場合、相手には「無口な人」という印象を与える事になる。逆に、しょっちゅう割り込めば、「雄弁な人」という印象を与える。ただし、それが相手に好い印象を与えるか悪い印象を与えるかは、相手による。おしゃべりが好きな娘もいれば、二人でただ夕陽を見つめているのが好きな娘もいるからだ。この、「割り込みをかける」というシステムにより、与えられた選択肢を選ぶという受動的な行為に、いかにも現実の会話のような緊張感を与えるのである。
(ただ、このシステムは、コンセプトはいいのであるが、いかんせん成熟していない。選択肢や相手の反応がワンパターンになりがちになっているのは残念である。また、その後同様のシステムを採用した作品が無いのは、技術的に難しい点があるのかもしれない)
 第三が、NOCCHI氏が描く登場人物たちのデザインである。あえて主線をぼかした描写と、水彩画のような色使いが、登場人物たちに繊細ではかなげな印象を与えており、その魅力をいや増している。画集が出版されているのだが、それも非常に素晴らしい。ただ、NOCCHI氏の画が、作品中で完全に再現されているとは言い難いのが残念である。
 第四が、出演している声優さんの魅力である。榊原良子さんや千葉繁さんといったベテラン陣も良いが、坂本真綾さんや川澄綾子さんのような若手がメインキャラを好演している。特に、主人公が滞在する親戚宅の従兄妹である春野琴梨は、ゲームおよび北海道観光のガイド役を兼ねたヒロインでもあるのだが、この声優である千葉紗子さんの演技は、かの藤島康介氏いわく「生っぽい」感じである。「生っぽい」とは、アニメや演劇でありがちなやや過剰な表現が無く、普段の日常会話をしているような自然な雰囲気がある事を指している。この声が、作品のリアリティを増している。
 あと、この作品には、続編にあたるファンディスク「Photo Memories」がある。これには、公式Webページから追加シナリオをダウンロードできるという機能がついているが、おそらく家庭用ゲーム機のゲームとしては初めての試みであったと思う。その後、このシナリオダウンロードという機能は、この手の作品には当たり前のように付くようになり、中にはシナリオを一般公募している作品もあるぐらいになった。この辺が、標準でモデムを装備したドリームキャストの面目躍如といったところであると思う。
 ちなみに、本作の主題歌の破壊力と中毒性は、ファンの一致するところである。また、そもそもの発端である、「主人公が意気消沈する原因となった事件」については、ついに作中で語られることがない。これは、本作最大の謎である。
首都高バトル2(公道レース)
 夜の首都高速を舞台に、様々な走り屋達とのバトルを繰り返す公道レースのゲーム。「2」とあるように、前作がある。前作に比べて、走れる範囲が広がったり、選べる車種が増えたり、グラフィックが綺麗にかつ本物により忠実になったりと、パワーアップしている。基本的システムとしては、次々とライバルの走り屋達と勝負し、勝つとお金が手に入る。手に入れたお金で、車をチューンアップしたり、より高性能な車に買い換えたりしてパワーアップをしていき、最終的に首都高を牛耳る大ボスに勝てば、ゲームクリアとなる。
 それ以外にも、自由にいくらでも首都高を走れるモードがあり、私は専らこちらで遊んでいたりする。何と言っても、夜の首都高速から見る東京の夜景が美しい。上記の「ル・マン24」や「F355チャレンジ」ほど現実を再現しているわけではないが、東京タワーやベイブリッジといった有名なスポットはきっちり再現されている。別にバトルに参加しなくても、一人でのんびり流しているだけでも楽しめる。
 難点は、車の名前が全て型式で表示されているところ。素人には、「スカイライン」や「シビック」といった車名でないと、どうもピンとこない。これは、自動車メーカーが、公道レースのゲームに自社の車が使用されるのを認めない、という事情もあるようだ。なので、車名はもちろん、使用されている型式名も、実在のものとはちょっと異なっているらしい。ただ、モデリングがいいので、一目見ればどのメーカーのどの車かはすぐにわかるのだが。
スペースチャンネル5(音ゲー?)
 ある日地球を侵略しに、モロ星人が来襲した! モロ星人は、地球人を捕まえ、踊らせてしまう。捕まった人達を救うには、モロ星人の踊りをそっくりそのまま踊り返してやるしかない。この厳しい戦いに、宇宙放送局「スペースチャンネル5」の新米レポーター・うららが挑む。はたして、うららは捕らえられた人達を解放し、モロ星人を撃退することが出来るのか!? …といった感じ。ジャンルとしては、音楽に合わせてテンポ良くコントローラーを操作する、いわゆる「音ゲー」になると思うが、このゲームはその辺の凡庸な音ゲーとは、そのセンスの良さで一線を画する。テーマ曲「メキシカン・フライヤー」を始めとする軽快な音楽は言うに及ばず、画面からコマンド表示を無くし、キャラクターの動きに集中できるようにした秀逸な画面構成、個性豊かなキャラクター達(何と、かのマイケル・ジャクソン本人が出演している!)、助け出した人達がうららの後について一緒に踊る爽快感。まさに、今までに見た事が無い世界が広がるのである。相手も、モロ星人だけでなく、ライバル局のレポーターや、宇宙海賊など、一筋縄ではいかない連中も現われる。
 さて、コマンド表示が無いのにどうやってプレイするのか、というと、まずモロ星人が踊る。これは、「UP,DOWN,LEFT,RIGHT,Chu,Chu,Chu!」というぐらいの短いパート。「UP」「DOWN」等の方向は、対応する方向キーを、「Chu!」はボタンを押す事を示す。次に、うらら(=プレイヤー)が、その操作を同じリズムで繰り返す。操作とタイミングがきっちり合えばOK。モロ星人は撃退され、踊らされていた人達がうららの後について一緒に踊ってくれる。違う操作をしたり、タイミングがずれると、救出は失敗し減点となる。また、ボタンを押すと、画面ではうららが銃を撃つのだが、相手がモロ星人の時とチキュージンの時とでは押すボタンが異なる。これも、間違えると減点となる。こうして、ステージ終了の時点で、一定以上のポイント(作中では「シチョーリツ」で表わされる)を獲得していないと、ゲームオーバーとなってしまう。コツは、画面のうららの動きを追わないで、あくまで音楽に合わせてタイミングをとる事。画面のうららは、プレイヤーの操作によって動くので、うららの動きを追うとどうしてもタイミングが遅れてしまうのである。もっとも、この、画に頼らず音のみでプレイする事こそが「音ゲー」の本質であると思うのだが。今主流となっている、画面にコマンド入力の表示が出るようなのは、このソフトに比べれば「音ゲー」としては邪道とも思える。
 難点を言えば、ステージ数が少ない事か。一応、続編の製作が発表されてはいるが、果たしていつ発売されるのかは不明である。
ゴルフしようよ(ゴルフ・シミュレーション)
 8ビットパソコンの時代から、ゴルフゲームというのは何故か根強い人気を誇っている。私も、FM-7の時代に、「I/O」という雑誌に掲載されていた「3Dゴルフシミュレーション」というプログラムを打ち込んで以来、FM-TOWNS用の「遥かなるオーガスタ」や、ファミコン用のゴルフゲーム等を楽しんできた。それは現在も変わらないようで、のんびりと遊べるゴルフゲームは、私に向いている。
 他のジャンルと同様、ゴルフゲームも、リアリティを追及するシミュレーションの方向と、多少物理法則を無視してもゲームとしての楽しさを追及した方向と、大きく2種類あるようだ。この「ゴルフしようよ」は、基本的に前者のゲームである。ゲーム中で使用されるクラブやボールは、ブリヂストン社の協力を得て実在の製品のデータを使用している。また、ライの状態やバンカーショット等による打球への影響は、真面目に物理計算を行なっているようだ。コースのデータは架空のもので、実在のオーガスタ国際コースを再現した「遥かなるオーガスタ」等に比べるとリアリティでは負けるが、荒唐無稽なものはなく、実在してもおかしくないようなものとなっている。
 だからといって、「シミュレーター」と言うほどストイックではない。プレイヤーは、自分の分身として作中でプレイを行なうキャラクターを選択できるのだが、これが3Dグラフィックながら、3頭身ぐらいの非常に見た目が可愛らしいデザインになっている。また、それぞれのキャラクターに、パワーやテクニック等のパラメータが割り振られており、「パワーはあるがコントロールが悪い」とか、「パットがうまい」等の性格付けがされている。どのキャラクターを選択するかによって、同じコースでも攻め方を変えなければならず、戦略性も問われる奥の深いものとなっている。
 本作品もシリーズ化されており、今までに、初めの「ゴルフしようよ」、コースデータ集の「アペンドディスク」、システムに改良を加えて新キャラを追加した「2−新たなる挑戦−」の計3本が発売されている。また、モデムを利用して通信対戦も可能になっており、人間相手の駆け引きを楽しむことが出来る。一人で遊ぶときは、CPUが相手をしてくれるが、こちらはいまいち。基本的にほとんどミスショットをしないのに、何故かろくにラインを読まずにパッティングしたり、とバランスが悪い。また、マニュアルが不親切で、画面表示内容の説明や、キャラクターのパラメータによって画面の情報表示がどう変わるか、等の説明が不足しており、雑誌の記事を読んで「そうだったのか」と気が付くことが多かった。まあ、他のゴルフゲームと操作方法がそう大きく異なるわけではないので、ゴルフゲームに慣れている人は問題ないだろうが、本作で初めてゴルフゲームに触れる人には、何が何だかわからないんじゃないかという気がする。
機動戦艦ナデシコ−Nadesico The Mission−(戦術シミュレーション)
 最初に購入したドリームキャスト用ゲーム。「機動戦艦ナデシコ」とは、数年前に放映されたテレビアニメシリーズである。「20世紀最後の戦艦アニメ」というキャッチコピーの通り、「ナデシコ」という戦艦を主役においたSFアニメであった。その特有のノリと、随所にちりばめられたSFテイストにより人気を博し、最終回から3年後を舞台にした劇場版も製作・公開された。このゲームは、その劇場版の直後から始まる、いわば続編という位置付けにある。脚本を、テレビ・劇場版ともアニメの監督を務めた佐藤竜雄氏が執筆しており、その意味でも「ナデシコ」の完全新作とも言える作品になっている。
 アニメのストーリーは、概ね以下のような内容である。
 22世紀後半、火星がテラ・フォーミングされ人類が植民している時代。木星方面からやってきた謎の巨大物体は、高度な無人兵器を多数展開して地球の艦隊を蹴散らし、火星のユートピア・コロニーに墜落した。その形状から「チューリップ」と名付けられた巨大物体は、その後地球にも飛来し、月面を完全に占拠、地球も多大な被害を被っていた。無人兵器を送り込むその敵は、正体不明のまま、いつしか「木星蜥蜴」と呼ばれるようになっていた。そんなおり、巨大多国籍企業「ネルガル」は、独自に開発した機動戦艦「ナデシコ」により、火星への侵攻を計画していた。乗組員は、才能優先で人格を度外視して集めた変わり者ばかり。艦長のミスマル・ユリカと、なりゆきで乗ることになったテンカワ・アキトは、火星ユートピア・コロニーで子供時代を過ごした幼馴染であった。ストーリーは、この二人の恋愛を軸に、「木星蜥蜴」の意外な正体、その高度な無人兵器と「チューリップ」の技術の謎が絡んで進む。
 劇場版は、テレビの最終回から3年後、今度は「ナデシコ」でオペレーターを務めていたホシノ・ルリを主人公として新たな展開を見せる。このホシノ・ルリは、テレビでは当初はメイン・クルーの一人であったが、端麗な容姿にミステリアスな出生と歳に似合わないクールな言動とで人気を集め、最終的には主役の筈のユリカとアキトを追い越す勢いとなった。そのためか、劇場版ではルリが「ナデシコB」の艦長となり、新たな戦いに臨む、という話になっている。
 ちなみに、「ナデシコ」はこれ以前にも何度かゲームになっており、セガサターンでアニメの番外編的な話や、アニメと劇場版との間の3年間をつなぐ話など、主にアニメを補完するような内容のゲームが発売されている。
 さて、本作は、ジャンルはシミュレーションであるが、全体を通して一本のストーリーが存在し、その要所要所でシミュレーションゲームの形式をとった戦闘が入り、その結果によってストーリーが進行するという形になっている。プレイヤーは、戦艦「ナデシコ」に艦長職の研修のために乗り込み、数々の戦闘をこなしていき、最終的にトータルの戦績によって艦長としての評価が下される。シミュレーションの「コマ」としては、当然ながら、アニメで登場するメカが使用される。プレイヤーは「ナデシコ」側なので、戦艦「ナデシコ」とその搭載機動兵器である「エステバリス」数機を使用する。各戦闘には勝利条件が設定されている。それは、単に敵を殲滅するものから、味方艦艇の護衛や拠点の占拠などのバリエーションがある。時には、ストーリー進行の関係で、敵が戦闘中に後退するものもあり、こういう場合は規定のターン数を持ちこたえさえすればいい場合もある。
 戦闘時には、3Dのポリゴンでモデリングされた各メカが動き回る様が描かれ、迫力ある戦闘場面を演出する。ただ、そんなにパターンが多いわけではないため、何回か見れば飽きてしまう。そういう場合は、戦闘場面をスキップすることもできるが、そうすると今度は戦闘の結果がどうなったのか(どちらがどれだけダメージを受けたか)がわかりにくくなってしまう。このあたりは、もう少し工夫が欲しかった。また、戦闘の間は、「サクラ大戦」のように他の「ナデシコ」乗員との会話により話が進行したり、細かいイベントが発生したりするのだが、一通りやるのはなかなか大変である。また、アニメを観ていないとよくわからないネタもあるため、万人向けとは言い難く、やはりアニメのファンがやるものだと思う。

セガサターン(セガ)用タイトル

少女革命ウテナ−いつか革命される物語−(アドベンチャー)
 「少女革命ウテナ」というのは、何年か前にTVシリーズが放映され、劇場版も製作・公開されたアニメ作品である。かの「美少女戦士セーラームーン」のシリーズを手がけた幾原邦彦氏が監督という事で期待されていたが、その期待に違わず、カルト的な作風と、独特な音楽世界を形成し、今なお根強い人気を誇っている。主人公は、私立高校の鳳学園に通う天上ウテナという少女で、幼少期の体験から「王子様」に憧れるあまり自分が王子様になろうと決心してしまったという奇妙な一面を持つ。そのため、普段から男子の制服を着用し、スポーツは万能で男子にも負けた事がない。そんな彼女が、ひょんなことから、学園の生徒会メンバーが密かに行なっている「決闘」ゲームに巻き込まれてしまう、というストーリー。
 このゲームは、全く新しいエピソードのもとに、その作品世界をほぼ忠実に再現したものと言える。何と言っても、オープニングからプレイヤーを「ウテナ」の世界に引きずり込む強烈さがある。こればっかりは、実物を見ないと分からないと思う。ストーリーは、時系列的には、TVシリーズの13話と14話との間に挟まる事になる。プレイヤーは、ウテナの通う鳳学園に転校してきた少女となり、やはり「決闘ゲーム」を巡る事件に巻き込まれる事になる。プレイヤーは、ウテナや生徒会メンバーと協力し、事件の解決を目指す。アドベンチャーとは言っても、特に難しい謎解きがある訳ではなく、選択肢も特に悩むようなものが出てこないので、ストーリーはサクサクと進められる。また、この手のゲームには珍しく、プレイヤーが演じるキャラクターにも音声が割り当てられており(というか、主人公が少女というのからして珍しいが)、ゲームというよりはアニメを観るような感覚でプレイする事ができる。アニメのファン向けの作りであり、そうでない人にはとっつきにくい作品だと思う。
ゆみみみっくす・りみっくす(アドベンチャー)
 竹本泉という漫画家がいる。もともとは、少女漫画誌に描いていたらしいが、今は様々なジャンルの漫画雑誌に描いている人気作家である。可愛らしい画風と、センス・オブ・ワンダーというか、SFのテイストが感じられる世界観が、その人気の秘密だろう。古典SFのパロディが混ざっていることもあり、特にバロウズの「火星シリーズ」のパロディが多いようである(火星人と、「カオール」という挨拶は特によく登場する)。その竹本泉が全面的にシナリオを書き、キャラ・デザインも行なった「書き下ろしインタラクティブ・コミック」、それが本作である。
 ゲームの雰囲気は、「動きのある紙芝居」または「動きが少ないテレビアニメ」といった感じ。ストーリーは、主人公のゆみみが、ひょんなことから異世界の生物と「合体」してしまったことから発生するドタバタ事件を解決する、というもの。プレイヤーは、そのゆみみの活躍(?)を、マンガを読むように、またはアニメを観るように楽しむのである。しかし、ゆみみは優柔不断な性格なので、色々と判断を迫られる場面で迷ってしまう。そこで、プレイヤーがゆみみの代わりに選択肢を選んであげて、その選択によってストーリーが進行または分岐するようになっている。結末も一通りではなく、まっとうに事件を解決するものから、トホホな結末に至るものまで、数種類が存在する(いわゆるマルチ・エンディング)。ちなみに、私は今までに3通りの結末を観ている。他にもあるかどうかは不明。この作品を観るまで、私は「アドベンチャーゲームの結末は一通りしかない」と考えていた(というか、結末が一つしかない作品しか観たことが無かった)ため、このマルチ・エンディングというのは新鮮であった。今では、マルチ・エンディングでないゲームを探すほうが難しいぐらいであるが、一通り終えるまでに時間がかかった昔のゲームでは珍しかったのである。
 この作品、元々の竹本ファンはもちろんのこと、この作品を観て竹本ファンになったという人も多い(私もその一人)ぐらい、竹本泉の作品世界をよく再現している。そのせいか、様々なプラットホームに移植されている。私が知っているだけでも、メガドライブ、PC-FX、FM-TOWNS、セガサターン、Windows用が存在している。よくもまあ、これだけスペックが異なるマシンに移植できたものだと感心するほどである。ちなみに、タイトルの「りみっくす」は、おおもとのメガドライブ用を移植したことから付いているらしいが、同じ移植のはずのFM-TOWNS用には付いていない。結構いいかげんである。
 なお、取扱説明書には、竹本泉書き下ろしの説明マンガが描かれている。説明用なので、当然他では見ることができない。さらに、移植されるたびにそれぞれ書き下ろしているので、同じものが一つも無い。これでは、コアなファンは、たとえハードを持っていなくても、全機種用を買ってしまうかもしれない。上手い商売をするものである。
 ちなみに、私は、FM-TOWNS版、セガサターン版、Windows版を買ったが(<バカ?)、FM-TOWNS版が最も出来が良いようである。ズームなどのアニメーションの効果が全体的に綺麗に表示される。次がサターン版で、最後がWindows版。もっとも、Windows版も、FM-TOWNSのWindowsで動かしただけなので、ネイティブ環境で動作するTOWNS専用版に劣るのは仕方ないであろう。一度、最新のマシンで動作させてみたいものである(最新の環境では動かないかもしれないが)。
だいな・あいらん(アドベンチャー)
 竹本泉書き下ろしインタラクティブ・コミックの第2弾。今回は、セガサターンが初出ということもあり、アニメーションが大幅に増加している。もはや、インタラクティブ・アニメと言っても差し支えないレベルに達している。「ゆみみ」から引き継いだ説明書マンガも健在。Windowsにも移植され、好評を博したようである。
 ぱっと見、タイトルが意味不明であるが、これは「Dinosaurus Island」、すなわち「恐竜の島」の変形読みである。ある日、アイルランドの地下深くに、太古の恐竜が多数生息する巨大な洞窟が発見された(このへん、「ペルシダー」か「失われた世界」が混じっている)。研究用に連れ出された恐竜達は、環境が似ている赤道付近の島々で大繁殖した。ふとした事から、恐竜を音楽で自在に操れることが発見され、それを職業とする者達が現われた。パワーのある恐竜達は、輸送や建築の現場で重宝されるようになり、恐竜を音楽で操る「恐竜使い」の需要は急増した。そのため、恐竜の多い南国の島に、「恐竜使い」を専門に養成する学校が開設されたのである。ストーリーは、その学校に通い「恐竜使い」を目指す少女の一風変わった学園生活を描くものである。
 システム的には、「ゆみみみっくす」と似ている。つまり、基本的には流れるアニメを観つつ、要所に出現する選択肢を選ぶ事でストーリーが分岐するというもの。マルチ・エンディングなのはもちろん、その種類もかなり多いようである。ただし、その分、一回あたりのプレイ時間は短く、1時間もあれば一通り見る事が出来る。ちょうど、OVAを1本観るぐらいの感覚なので、何回でも繰り返し観ようという気になる。このあたりのゲーム・バランスは、よく出来ていると思う。
 ちなみに、「達成度グラフ」というものがあり、存在する分岐を観ていくとグラフが伸びていく。これが100%に達すれば、全ての分岐を観尽くしたことになり、何か「いいこと」があるらしいのだが、私は97%ぐらいで止まってしまった。どこかにモレがあったのだと思うが、さすがにそれがどこかは覚えていない。100%を達成しようと思ったら、ダンジョンをマッピングするように、出現した選択肢と自分の選択したものとを記録していくしかないのだが、どのようにすれば効率よくできるかが悩ましいところである。基本的には、HTMLを使って、分岐をリンクとして作っていくのが一番効果的ではないか、と思うのだが…。
 その後、セガのBBSで、「30回エンディングを観れば、隠しモードが観れる」という情報が見つかった。また、「100回エンディングを観れば、別の隠しモードが観れる」という情報も見つかった。さすがに、始めから繰り返さなくても、エンディング直前のセーブ・データから繰り返すだけでいいらしいが、それでも「100回」というのは尋常ではない。

プレイステーション(SCE)用タイトル

My Merry May with be(ビジュアルノベル)
(2005/08/11作成)
 KIDから過去に発売された、「My Merry May」と「My Merry Maybe」とを1つのパッケージに合わせ、3本の新シナリオと、それに伴う新イベントグラフィックを追加したもの。 内容としては、過去の2作品と同じようだが、システムは最新のもので統一されているし、ちょっとした文章の修正(内容そのものに影響があるようなものではなく、 ちょっとした間違いや適当に端折っていた表現などを直しているだけ)も加えられているし、何より新シナリオもあるので、これから買うと言う方は、 過去作品の中古よりも素直に本作品を買った方が良いかと思う。 特に、過去の「My Merry May」の方は、クイックセーブが16個までしかできない(本作品は64個)ため、繰り返しプレイをする時に面倒さが増すかも。 また、過去の2作品とも、DC版とPS2版とがあるが、本作品は、もちろんPS2版を基にしている。 そのため、PS2に移植される時に追加されたイベントグラフィックがあり、それらはDC版では見る事ができない。 本作品の攻略本と言えるのは、エンターブレインの「マイメリーメイ ビジュアルファンブック」だけのようだが、これはDC版に沿って作成されているので、 PS2版で追加されたイベントグラフィックは掲載されていない(PS2版に対応した改訂版は発売されていないはず)。

 (2005/08/19追記)
 ※「My Merry Maybe マテリアルコレクション」には、PS2版の追加グラフィックが掲載されている。

DC版には、GD-ROMを通常のCDプレイヤーで再生した時に流れる警告音声(というか一人漫才?)が収録されているが、どうしてもそれを聞きたい、という方を除いては、 やはり素直に本作品を購入される事をお勧めする。 一応、過去の2作品のデータファイルがメモリーカードにあると、本来1回はエンディングまで見ないと出現しない「Special」メニューが最初から表示され、 「Album」で本編使用分以外のイラスト(雑誌に掲載されたり、特典テレカ等に使用された版権イラスト等)が見れたり、 「Clear list」で1回目のプレイから進行度合いの確認ができたりするが、それも1回分の手間が省ける、程度の事なので、あまりメリットとは言えないかもしれない。
 なお、この文章は、「My Merry May」、アペンドシナリオ、追加シナリオ「Beginning」及び「Metempsychosis〜輪廻〜」までをクリアした時点で書いている。 「My Merry Maybe」及び追加シナリオの残り1本については、また後日記述する予定である。
 ジャンルとしては「ビジュアルノベル」、あるいは「ギャルゲー」となるだろう。これらの呼称も、すっかり定着した感があるし。 一昔前なら「恋愛アドベンチャー」とか言っていたかもしれないが、上の「少女革命ウテナ−いつか革命される物語−」などと同様に、 表示される文章を読み進めながら、時折出現する選択肢を選んでいき、その選択次第で複数のエンディングに向かって分岐していく、というものであり、 謎解きを中心とする「アドベンチャーゲーム」という概念とは、やはり乖離しているだろう。 そのため、攻略と言っても難しい事は特に無い。 特に本作品は、エンディングを全て見るだけなら、ほとんど攻略らしい攻略というのは無い。 選択肢の内容が結構判り易いため、お目当てのヒロインに対してどれを選べば良いのかに迷う事が少ないからである。 適切な選択肢を選んでいけば、対象のヒロインに対する好感度がアップしていくので、後は最終的にヒロイン毎のルートに分岐する選択肢を選ぶだけ。 それも、その時点までの好感度の高低に関係なく各ヒロインのルートに分岐できる(2人のヒロインを除く)。 ただし、ヒロイン毎に複数のエンディングがあり、好感度が高くなければ見る事ができないエンディングがあるため、好感度を高くしておくに越した事は無い (好感度が低いと、特定のエンディング(大体は「Aエンド」と呼ばれているもの)に行く事が出来ない。 一方、好感度が高くても、「Aエンド」以外のエンディングにも行ける)。 あと、他のヒロインのエンディングを見ていないと行けないエンディングというのもあるが、これも、各ヒロインのルートに分岐する選択肢の、 上から順番にやっていけば問題無いので、さほど気にする必要も無い(そのヒロインのストーリーだけ見たい、というような方は別だが)。
 一方、全シナリオを100%読破しようとすると、それなりに面倒である。 最終的な分岐の選択肢で、それまで好感度を上げてきたヒロインとは異なるヒロインを選ばないといけない(つまりは「浮気」をしないといけない)場合などがあるためである。 基本的には、クイックセーブを「選択肢ごと」にしておいて、通常のセーブ・ロードよりも、クイックセーブ・クイックロードを活用する方が良いように思う。 システムとして、そういうプレイが楽になるように出来ているので、面倒とは言っても大した事はないが。
 ちなみに、現時点で2つのシーンシナリオが100%読めていない。 これはおそらく、そのシーンで行なうミニゲームの結果によって変わる部分だと思われる。 ミニゲームの結果には、ある程度運も関わってくるので、全てを見るには少し根性がいるのかもしれない。 もちろん、このミニゲームの結果自体は、ストーリーの展開には影響が無いため、100%見れていなくても特に問題は無いのだが。
 本作品は、実は最初のDC版「My Merry May」からずっと買っているシリーズなのだが、プレイする暇が無くて殆ど進めていなかったものである。 今回、この「with be」の発売を期に、ようやく一通りプレイする事ができそうになってきた。 まずは、現時点でクリア済みの、「My Merry May」、アペンドシナリオ、追加シナリオ「Beginning」及び「Metempsychosis〜輪廻〜」について、クリアした感想などを。 内容のネタばれになるので、ページを改めて書く事にする。

クリアした感想などはこちら

(2005/08/19作成)
 「My Merry Maybe」、及び「with be」追加シナリオ「Epilogue〜五月の終わり〜」終了。
 終わった。疲れた。総プレイ時間115時間37分、既読メッセージ99.90%。 残りは、例の「My Merry May」に残っている、ミニゲームの結果によって変わると思われる部分のみ。 これは、そのうちのんびりやる事にする。既読メッセージが100%になったら何か出るのだろうか、とかも気になるし。
 とにかくテキストの量が膨大。 前回の記事を書いた時点で、既読メッセージが50%以下だった(すなわち「My Merry Maybe」と「Epilogue〜五月の終わり〜」の2本で半分以上を占める)、 という所からして嫌な予感はしてたんだが、まさかここまでしんどいとは思わなかった。 クイックセーブのデータを消してしまって始めからやり直したりとか、シナリオの消化順を考え無しにやってまた始めからやり直したりとか、 その際内容を忘れていたので既読メッセージもスキップせずにいちいち読んでいったりとか(さすがに音声までは聞いてないけど)、 色々と効率の悪い事をしていたというのを差し引いても、このプレイ時間は尋常じゃないと思う。
 凶悪なのは、その膨大なテキストを読む事をやめることができない、という点。 「My Merry May」からの特徴である、特異な語尾や言い回しに頼らない「普通の文章・普通の台詞」 (多少堅苦しかったり回りくどかったりもどかしかったりはするけど)をひたすら積み重ねていくテキストの面白さと、 その積み重ねによって描かれていく登場人物達の行く末が気になるのとで、「今日はこのシーンまで」と思っているのが、 ついつい「このヒロインのシナリオのエンディングまで」「このヒロインの別エンディングまで」というように、まさに「やめられない・止まらない」状態に。 これは疲れる。
 で、その膨大なテキストに含まれる、膨大な情報量(その多くが、登場人物達を「立てる」事に使われているし)が、「My Merry May」の倍近い約230のシーンに分割され、 それが絡み合って一つの物語を形成している。 だから、エンディング一つ見たぐらいでは何が何やらサッパリ。主人公・浩人のようにレゥや恭平達に振り回され走り回され、気が付いたら残るは謎ばかり。 その謎を、浩人が言う「パズル」を完成させるためには、全てのテキストを読まざるを得ない。
 ただ、その量の膨大さが災いしたのか、「My Merry May」に比べるとテキストの間違いが多いように見えるのは残念。 誤字・脱字や変換ミス(「衛生軌道」はさすがにちょっと)、音声との不一致(テキストで「………」の所に小声の台詞が入ってる、とかは抜きにして)、 シーンの繋がりの間違い(例えば、シーン1からシーン2に行く時は良いが、別ルートでシーン3からシーン2に行く時は文章が繋がっていない、とか)、等々。 特に、穂乃香シナリオやライカシナリオの山場のシーンで、この繋がりの間違いがあったのにはちょっと萎えた。 また、歴史的な事実の記述にも何か変な所がある。スプートニク2号がまだ衛星軌道上で周回している、というのは、そういうパラレル・ワールドなんだろうか (現実のスプートニク2号は、1958年4月に大気圏に突入して消滅した)。謎である。
 しかし、そういう所を「些細なもの」と思ってしまえるぐらい、この作品にはハマる。ハマってしまう。 人間とレプリスと。魂のある者と無い者と。 時が止まったかのような海辺の田舎町に突如出現したレプリスの少女によって、否応なく巻き込まれ掻き回され複雑に絡み合う彼らの、魂と生命の在り処を求める物語。 そして、エンディングを一つ一つ確認していくうちに、この物語が「My Merry May」とどう繋がっているのか、その全貌が明らかになってくる。 「My Merry May」に引き続き、ARCHIBOLDの音楽がその物語に色を添える。特に、「CANDY HEART」の使い方は秀逸である。 また、「My Merry May」で出てきた、変なパンとか男女混成の学生寮とかの「あり得ない設定」に関するツッコミがされているのが、製作者の照れ隠し、 あるいは反省が入っているかのようで面白い。確かに、「My Merry May」のアレは、作品の内容から「浮いてる」感じがしていたし。
 攻略の要領としては「My Merry May」とさほど変わらないが、複雑さは増している。 基本的に、ヒロインの好感度を上げる為の選択肢と、ヒロイン別のルートを選択する為の選択肢とに分けられるようだが、「My Merry May」のように、 好感度が高くても最終選択肢でA・Bのエンディングのどちらにも行ける、という程単純にはなっていないようだ。 「ようだ」と言うのは、そもそも「My Merry Maybe」の攻略本と言えるのは、これまた「My Merry Maybe マテリアルコレクション」しかなく、 しかも、各ヒロインのAエンドに向かうための選択肢しか記述されていないから、本当にそうなっているのかどうか不明で、 プレイした感じで何となくそうなっているみたい、としか言えないからである。
 だいたい、言葉を選択するのが好感度に、行き先を選択するのがルートに影響する、と思っていいみたいだが、例によって、 好感度が高くないと出現しない選択肢やらもあるので油断できない。 それに、穂乃香/ライカルートについては、他のヒロインのAエンドを全て見ないと行けないようになっている。 「オレはナース服にしか興味が無い」とかいう方は御愁傷様である。 もちろん、そうなっているのにはちゃんと意味がある(と思う。製作者が意図した通りの意味に受け取っているかどうかは判らないが)ので、ちゃんと納得できる。
 で、今回もヒロイン毎にA・B(時にはC)のエンディングが用意されているが、「My Merry May」と比べると、その落差の大きさに打ちのめされる事うけあいである。 これは、「My Merry May」のテーマが「成長」であったのに対し、「My Merry Maybe」のテーマが「魂と生命」である事に因るのではないか、と思う。 「My Merry May」では、Aエンドが「成長の達成」であるとすると、Bエンドは「停滞」あるいは「現状維持」(時には退行)であった。 これが「My Merry Maybe」になると、テーマがテーマだけに、Aエンドは「生命の誕生・死の克服と希望・魂の再生」であり、 Bエンドは「生命の死・絶望・魂の消滅」になるだろう。 それだけに落差が大きいのは当然であるのだが、Aエンドに比べると、Bエンドはやや唐突過ぎるような印象が目立つのが残念。 特に、由真シナリオやみのりシナリオは、AルートとBルートとの内容から受ける印象に対して、エンディングの落差が大き過ぎるように思う。 これは、後で穂乃香/ライカルートに進めば、由真やみのりのBエンドが何故ここまで悲惨な末路となっているのかが理解できるものの、 その導き方には納得のいかない感じが残る。 正直言って、どちらもラストの直前までのシナリオから受ける印象は、AもBもあまり変わらなかったので、 あそこまで落差のあるエンディングにするのは無理矢理過ぎる気がした。 この二人(他のヒロインについてもだけど、特にこの二人)については、できれば、BルートやCルートから先に見ていく方が良いと思う。できれば、であるが。
 あと、この作品で注目すべきは、松岡由貴さんの声の演技だと思う。 一人五役(になるのか?)を演じ分けるその見事さ。 それも、単に全く異なる別人を演じるというのではない、異なっていながら同じ所もしっかり残っている、という演じ分けをきっちり行なっているのが凄い。 時間が無くて音声は聞かない、という人も、せめて松岡由貴さんの演技だけでも聞いてほしい。プロの声優の底力を味わえると思う。

クリアした感想などはこちら

(2005/08/26作成・2005/08/27修正)
 「My Merry May」に残っていた、未読部分を全て見る事ができ、既読メッセージ率が100.00%になった。 やはり、ミニゲーム(インディアンポーカー)の結果(誰が負けたか)によって変わる部分だった。 落ち着いてやると、結構結果をコントロールするのは簡単だった。
 でも、既読メッセージ率が100.00%になっても、別に特典も何も無かった…orz

 また、ジャイブの「月刊COMIC RUSH」2005年11月号から、コミックの連載が始まるらしい。 粗筋がキッドの公式サイトに載っているのだが…何か、またえらい話になってるような…。
 「My Merry Maybe」から7年後の清天町が舞台で、みのりが教育実習生として里帰り、までは良いとして、 浩人が死んでしまっていて(!)、浩人そっくりの「浩一」がやって来て、しかも浩人とレゥがその両親、って…一体何がどうなってるんだか。 自称「浩人とレゥとの子供」が出てくる、という事は、「マテリアルコレクション」の物語のその後、になるんだろーか。 あるいは、B・Cエンドのどれかのその後とか。由真Bエンドの浩人なんて、あのまま海に飛び込んでしまいかねない勢いだったし、死んでしまっていても不思議ではない。 もしかして、浩人もレプリスだった、とかいうオチだったりして(確かに、それを匂わせるような描写があった事は確かだが。 例の「ぴきゅーん」が、レゥ以外にも穂乃香と浩人には聞こえたり(確か…)だとか、「マテリアルコレクション」の物語で浩人が見る夢だとか)。 でも、それではいくらなんでも、「恭介」と被りすぎだしなぁ…。

コミック版の粗筋

(2005/08/31作成)
 ジャイブから、「マイ・メリー・メイ ウィズ ビー ビジュアル・ガイドブック」が発売されたので購入。
 内容的には、各種の版権イラスト、各シナリオの解説、設定解説、用語集等で、既刊2冊のムック本を越えるものではなかった。 新しい内容としては、「with be」に収録された新シナリオ及びAppend storyの紹介と、「with be」用の版権イラストの掲載ぐらい。 既刊2冊にあったような、書き下ろしのイラストや小説も無く、シナリオや設定の解説、各ルートの選択肢一覧なども、新しい内容やより詳しい内容が載っている訳でも無い。 また、掲載内容にも疑問が残る点(例えば、各ルートの選択肢一覧では、Aエンド以外への分岐ポイントも記載されているものの、代表的な箇所一ヶ所だけで、 記載されている箇所以外にも分岐ポイントがある事が書かれていなかったり、「My Merry Maybe」の「ライカAエンド」の人物相関図、としながらも、 穂乃香がライカにマスターデバイスを提供した事になっていたり、等)があるため、攻略本や資料集としても今一つ。 キャラクターの紹介と、用語集が少し詳しくなっているかな、ぐらいなので、本シリーズのファンなら買っておいても損は無い…かもしれない、程度だと思う。 まあ、この「びめお」な所が、いかにも本シリーズらしいと言えばらしい。
 あと、「My Merry May」のみさおAエンドの解説では、やっぱりみさおは気付いている事になっている。だめじゃん。

(2007/03/25作成)
 最近、ある本を読んでいて気が付いたのだが(今更!)、「My Merry May」序盤にある、レゥが中国語で道案内をするという場面は、所謂 「中国語の部屋」(Wikipedia)の思考実験そのものである。
 「中国語の部屋」とは何か、については上記Wikipediaの記述を参照してもらいたいが、脚本を書いたQ'tronの方々が、 「中国語の部屋」を知っていてこの場面を作ったのは間違いないと思う(知らずに作ったのなら、それはそれで恐ろしい話だが)。
 果たして、この時のレゥは、「哀れな英国人」だったのだろうか? それとも…。



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