体外受精[IVF]

    

体外受精(IVF)とは・・・・・?
まず、排卵誘発剤を使って卵子を複数個育て、採取します。
採取した卵子と精子を培養器内で受精させ、
できた受精卵を4細胞期前後で子宮内に移植することです。
妊娠率は、20%強ですが、流産、子宮外妊娠の率が高く、
出産までいたるのは、15%くらいです。


“人工授精は6回目まで”と決めた私達夫婦は、6回目の人工授精の結果を待たずに、
体外受精を受ける準備に入りました。
体外受精をするにあたって、私がしたことを順を追って書いていきます。

1.インフォームド・コンセント 先生から、体外受精の方法、薬の副作用、採卵時の危険性、多胎妊娠についてなど
の説明を、夫婦そろって受けました。このときは、「注射とか大変だろうなぁ」「双子が
できたら楽しいな」「これで赤ちゃんできたらいいのにな」くらいしか考えませんでした。
赤ちゃんができるまでのことしか考えられず、もし多胎になったらどういうことになるか
ということまで、考えられなかったのです。
2.スプレキュア 卵子が成熟するまで、排卵されないようにする薬です。これを、採卵の直前まで、
1日3回8時間ごとに鼻にスプレーします。苦いです。
私は、1999年6/27から、これを始めました。この時期はまだ6回目の
人工授精の結果待ちの状態でした。結局、7/6に生理がきてしまい、本格的に
体外受精に向けて心の準備ができました。
3.排卵誘発剤の注射 生理が始まって3日目から、いい卵子を複数育てるための注射が始まります。
毎日注射に通うのも大変ですが、お金の方も保険が適応されていないので、
結構大変です。注射1回5000円などもありました。
4.超音波検査 生理開始7日目から、超音波で卵子の育ち具合も見ていきます。同時に血液検査をして、
卵子の成長に見合ったホルモン値が分泌されているか調べます。
私は、このホルモン値がなかなかあがらず、途中から、注射の種類を替えて打ちました。
5.採卵日決定 排卵誘発剤の注射開始10日目で、なんとか採卵できる状態にまで卵子が育ち、
いよいよ採卵日が、1999/7/21と決定しました。
採卵時は軽い麻酔をするため、抗生剤の皮内テスト、出血時間の検査をします。
採卵日が決定したのが、7/18。この日は私は風邪のため38度の熱を出していたのですが、
そのためか、抗生剤のテストをしているときに貧血をおこして倒れてしまいました。
毎日の注射通いで疲れていたのもあるかも・・・。クリニックでしばらく休ませて頂きました。
スプレキュアは、7/19で終了することになりました。
6.HCG注射 採卵の36時間前に、排卵を促す作用のあるHCGという薬を注射します。
私は、7/19 pm7:45に注射しました。そして、2日後の7/21の朝7時半頃から採卵です。
採卵日まで、排卵されないかどうかちょっとドキドキして過ごしていました。
7.採卵 前日は夜10時から絶飲食。当日の朝は、緊張のため行きの車中は夫も私も口数が少なかったです。
クリニックは大阪市内の繁華街にあるのですが、朝早い時間とあって、人も少なく静かでした。
私は術衣に着替え、手術室の前で待ちます。私以外にも何人か採卵の人がいました。
私は2番目。「痛い〜!」という声が聞こえてきてドキドキ・・・。
痛みは人それぞれと聞いているけれど・・・。
そして、私の番がきました。手術室の中に入ると、中は薄暗く、色んな機械がありました。
(胎内の明るさと同じくらいにしてあるそうです)
静脈麻酔の注射をし、点滴をし、血圧計やらをつけて横になります。
そして、超音波下で経膣的に採卵をします。針でひとつひとつの卵胞(卵子を包んでいるもの)を刺して、
卵胞液ごと卵子を取り出すのです。右の卵巣から採卵しているときは痛くなかったのですが、
左の卵巣から採卵するとき、向きが悪かったみたいで看護婦さんにぎゅーっとお腹を押されました
(採りやすいように卵巣を押していたみたいです)。 これが痛くって、歯をくいしばって我慢しました。
7個の卵子が採れました。その後は、休憩室でお昼まで安静にして過ごしました。
後で、膣内に入れた止血用のガーゼを取るんですが、ちょっと痛かった。しばらく少量の出血は続きました。
8.受精確認 翌日、クリニックに電話して受精できたかどうかの確認をします。
受精できてるかどうか・・・。結果を聞くのが怖くて、受話器を持ってはまた置くというのを何度も繰り返し、
やっと覚悟を決めて電話しました。
結果、5つ受精卵ができました!とのことで、もう赤ちゃんができたかのようにうれしかったです。
9.胚移植(ET) 受精から2日後、子宮内に受精卵を移植します。この時点で、私と夫の受精卵は4分割胚にまで育っていました。
自然妊娠でいうと、このころ子宮内に受精卵が入ってくる頃です。
再び術衣に着替え、手術室に入ります。横にあるモニターに、何か映し出されました。
先生が、「今からこの受精卵を入れます。きれいに分割してるでしょ?」とおっしゃいました。
モニターに映し出されたそれは、私と夫の受精卵3つだったのです。そこで、胎内にもどす受精卵の数を
確認され、「3つとも戻してください」と返答しました。少しでも、妊娠の確立があがるのなら・・・、
まさか3つとも着床することはないだろう・・と思ってました。それにきれいに分割している3つの受精卵、
その3つ全てがもう私にとっては大切なものでした。
受精卵を戻すときは、そんなに痛くありませんでした。子宮口をつまむのがちょっと痛かったくらいで。
この痛みは人工授精の時で慣れています。
胚移植後、腰の下に枕を置いて高くして、3時間ほど休みます。
お腹の中に受精卵があるというだけで、いとおしくって、ずっとお腹をさすっていました。
10.結果判定まで・・・・ 胚移植後、妊娠しやすくする黄体ホルモンを保持するための注射を2回打ちます。
外に出るのはその注射に行く時ぐらいで、後は家の中でひたすら安静にし、「どうか着床しますように!」
と祈る毎日でした。
17日後の妊娠判定の診察まで、毎朝、体温が下がらないかドキドキしながら基礎体温を測っていました。
11.結果判定 判定日近くになっても、基礎体温は高いまま。おまけにやけに梅干が食べたくなることもあって、
「もしかしたら!?」とは思っていました。でも、結果が出るのが怖くって、市販の判定薬は試せないまま
クリニックへ行きました。
結果は、妊娠反応陽性!!!!!  「陽性反応出てます」って言われても実感わかないよ〜!
自分のことではないような感じでした。

   〜(おまけ)夫の気持ち〜
この体外受精では1回目に失敗していたら、今度こそもうやめにしようと思っていた。
妻の体の負担と、家計への負担、この二つが大きい理由でした。
多胎になる可能性が大きいというのも、理由としてあった。
でも、初挑戦で子供が出来たので本当に良かった。
結婚から3年後に3人が生まれた事は、年子で3人出来るのとそんなに違いは
ないかなーとのんきに考えています。