タイヤについて
タイヤパターンについて、次のようなパターンがあります。
1.方向性も内側外側ももたないもの
2.回転方向をもつもの
3.内側外側をもつもの
4.回転方向・内側外側をともにもつもの

1.はパターンが点対称になっている場合です。タイヤをホイールにどう組もうが同じ状態になるタイヤです。ホイールにタイヤを組む場合、内側外側を意識する必要もありませんし、タイヤがホイールに組まれた状態でも左右兼用に使えます。まあ一般的なタイヤパターンですね。

2.は、パターンが中心線に対し線対称になている場合です。このような場合、タイヤに方向性が出てきます。多くの場合回転方向が指定されサイドウォールにその指示が書かれています。一世を風靡したBSのポテンザRE71がその代表例ですね。ホイールにタイヤを組むときに内側外側の指定はありませんがよく考えてから組まないと右用のホイールが4本できてしまったりします。つまりタイヤ自身には右用左用はありませんが、タイヤをホイールに組むことにより右用・左用ができてしまいます。

3.はパターンが左右非対称で点対称にもなっていないものです。つまりタイヤパターンの右半分と左半分がまったく違うものです。このパターンではタイヤに内側外側の指定がありますので、ホイールに組む時点で気をつけなければなりません。ただしこのような方向性をもたない左右非対称パターンではタイヤをホイールに組んだ状態でも左右兼用に使えます。このパターンの例としては泣く子も黙る(^^;)タイプD…ヨコハマのADVAN HF typeDがありました。

4.は2と3の要素を併せ持ったものです。つまり左右非対称でありながらかつパターンに方向性があるものです。こうなるとタイヤ自体に右用・左用の2種類ができてしまいます。右のホイールには右用を内外側を間違えずに組む必要がありますね。左も同様です。タイヤの右半分と左半分でパターンが大きく異なり、方向性をもった例ではBSのEagerというものがあり、これが確か左右非対称方向性パターンのはしりだったと思います。また方向性を持ちながら、そのパターンの中心となる線が左右対称ではなく微妙に外側にオフセットしていものもありこれも当然このカテゴリですので右用左用があります。ヨコハマのADVAN GROBAがその例でした。

この分類でいくとP700Zは2.の分類となり方向性を持っているので、指定回転方向があってもよさそうなのですが、メーカーとしては指定回転方向は定めておらず、どちらに回っていてもいいということらしいです。

ここで、点対称とか左右対称といってますが、まず点対称についてタイヤは通常パターンノイズを抑えるため何種かのピッチ長をもったバリアブリピッチを採用していますので、その1ピッチのなかで点対称という意味です。では、どこからどこまでが1ピッチか?…絶対どこかに”隣にどのピッチがにきても繋がる切れ目”がります(^^;)
次は左右対称ですが、左右対称といいながら中心の線でずらしている場合もあります。これもノイズ絡みですね。なので左右対称は正確にいうと「中心線でずらすと左右対称になる位置がある」です。さらにずらす線がセンターに限らずどこかの溝だったりもしますので、「溝でずらすと左右対称になる位置がある」かもしれません。

要するに大局的に見て点対称・線対称かということが重要ですね。

さて、ついでにタイヤに右用左用ができるのは、4.のカテゴリの場合、つまりパターンが左右非対称でかつパターンに方向性がある場合といいました。…が、NSXデビュー時に標準装着されていた唯一のタイヤ(NSXはデビュー当時100%ヨコハマだったんです。日本のスポーツカー史的に結構すごいことだと思いますがあまり知られていない、あるいは忘れられてることかもしれません。)、ヨコハマのADVAN A022、これには右用左用があります。しかも前後でサイズが違うので、4輪全部違うタイヤでした。ところでA022のパターンは、左右対称の方向性パターンで特に内側外側でパターンが変わらないのです。ん!?何故?

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