【第12回・学科一般 問3】乾燥空気の気体定数の単位を国際単位系(SI)で表すとき、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし
ここで、J:エネルギーの単位(=Nm =m2kgs-2)、K:温度の単位、Pa:圧力の単位(Nm-2)である。(1) J (2) JK-1 (3) JKg-1 (4) JKg-1K-1 (5) Pam-3 K-1
解説:
物理量の単位についての知識がまったくなく、この問題の意味がわからない人は、 先に「第5章 苦手な数学を克服する」の「単位」のページを読んでください。
気体の状態方程式と気体定数
気体の圧力(気圧)と体積と温度のあいだには、一方が増えればもう一方が増えたり減ったりするという比例や反比例の関係があります。この関係をきちんと式で表したものが気体の状態方程式です。気象学の本では、
P = μRT ・・・ (A)
という式で示されています。式中の P は圧力[Nm-2 ]、μは密度 [kgm-3] 、T は絶対温度[K]を表しています。ちなみに絶対温度とは、私達がふだん使っている温度(セ氏〜度)に273を足したものです。単位には、K(ケルビン)を使います。
絶対温度[K] = セ氏温度[℃] + 273
高校で物理や化学を学んだ人は、
PV = nRT ・・・ (B)
という形の状態方程式を習ったはずです。式中で用いられている物理量や単位系が異なれば 、式の形や定数の値は変わってきますが、(A)、(B)どちらも気体の状態方程式です。この式の中で R という文字で表されているのが気体定数です。高校化学では R = 0.0821、高校物理では R = 8.314 と覚えたはずです。
この問題では気体定数の数値ではなく、(A)式の気体定数についてその単位を求めよと言われています。通常は意識しませんが、気体定数にも単位があるのです。
高校物理 高校化学 P:圧力 Pa atm V:体積 m3 l(リットル) n:物質量 mol mol R:気体定数 Pa・m3/K・mol l・atm/K・mol T:絶対温度 K K
気体定数の単位
式中の物理量の単位を用いて、(A)式を表してみます。
[Nm-2 ] = [kgm-3] × R × [K]
R = [Nmkg-1K-1]
下線部は問題文中に書かれているようにエネルギーの単位であり、[J]に置き換えることができますから、
R = [Jkg-1K-1]
となります。
答:(4)
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