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[医療の基礎知識-3]

注意したい頭痛………思わぬところに原因が

  幸いなことに私は、今、頭痛で悩んでいないし、かつても悩んだことがありません。 何度か「アルコールの呑み過ぎ」で、頭がズキズキしたことはあっても、 次の日の夕方には普通の状態に戻りました。少量のお酒なら頭が痛くなるまでいかないので、 これはアルコールのせいだということが、明らかなのです。「風邪」で発熱し、 頭痛が起こっても、あまりひどくなったことがありません。世の中には、頭痛に悩まされている人が かなりいるそうですが、そうした人の解決の糸口として書きます。

▽大部分の頭痛は、片頭痛か緊張性頭痛

 何らかの原因で血管が拡張して、ズキズキと頭が痛む「片頭痛」(偏頭痛)や、 筋肉の緊張からくる「緊張型頭痛」、これらを普通、慢性頭痛といいます。 頭痛で悩まされている人の大部分は、片頭痛か緊張型頭痛だといいます。
 緊張型頭痛を起こす背景、誘因の一つとして、神経質な性格やストレスがあげられています。 緊張型頭痛は、何らかのきっかけで起こった頭痛が、ストレスや不安を引き起こし、 それがまた痛みを増すという『痛みの悪循環』が作用しています。
 最近では、「コンピュータの画面の見過ぎ」で目が疲労し、頭痛として感じている人 がかなり多いといいます。これは緊張型頭痛の一つだそうです。
 慢性頭痛は、生命を左右するものではないので、安心していいのですが、本人の生活に支障を きたすようなケースもあり、そうした人はやりきれないでしょう。不安が頭痛を誘うので、 原因を突き止めずに不安がるより、早く診察を受け、治療して安心した方がいいでしょう。

▽危険な頭痛は、くも膜下出血、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍

 問題は、生命が危険だったり、重大な後遺症を残すような頭痛で、 緊急に治療が必要です。よく知られているのが「くも膜下出血」により突然起こる激痛です。 お年寄りが、頭をぶつけたりした後で、何日か経って頭痛が生じることがあり、 これは「慢性硬膜下血腫」によるものと思われますが、早く治療しなければなりません。 なかなか消えない頭痛が「脳腫瘍」による場合もあり、なるべく早い治療が必要です。
 sakura 頭痛は、以上のほかにも、目、耳、鼻、首などのさまざまな所も病気が原因で起こります。 頭痛が「神経症」や「うつ病」の一つの症状である場合も少なくありません。これらの頭痛は、 CTで頭の中を検査しても病変を見つけることができません。
 もともと痛みは主観的なもので、血圧や体温のようなわかりやすい客観的な指標がある わけではありません。頭痛に悩まされている人を理解することは、医師を含めた他人には難しく、 頭痛の原因の究明、治療も難しいのです。
 というわけで頭痛の原因がわからず、通りいっぺんの鎮痛剤を処方するだけで 「しばらく様子を見てください」と返されるケースも少なくないようです。
 片頭痛には、普通「エルゴタミン」という薬が処方されています。この薬は、 本格的な頭痛がくる前に予防的にのむ薬です。ところが特にエルゴタミン 、一般の鎮痛薬でも長期間連用すると、かえって頭痛が起こりやすくなります。 片頭痛でもないのにエルゴタミンが処方されているケースがあるのではないか、 と指摘する医師もいます。
 指導されたのみ方を守っているのに薬が効かなかったら、医師に別の病気 ではないのか尋ねたり、医師を変えてみるのが賢明でしょう。

患者・家族・医療関係者の会
病気を抱えている人にとっては、同じ悩みを持つ人の経験が役立ちます。
患者及び家族の会を集め、紹介します。(掲載承諾済み)


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