加仁湯からの帰り道、全身にまとわりつく硫黄臭にニンマリしながら、平家の落人伝説で有名な湯西川に立ち寄った。せっかく近くまで来たんだからという、いやしい根性である。 ほの暗い閉鎖空間で雰囲気を高めてくれる檜風呂。味わい十分で、じっくりお湯につかったのだが、お湯が湯船からあふれ出ることはなかった。な〜んだ、マワシじゃない。これだから、大きなホテルはね・・・。全部で十種類もあるというお風呂を片っ端からめぐってしまった。 家までもって帰りたかった硫黄臭もすっかり雲散霧消。もう一度、加仁湯に戻るというわけにもいかないし、とても悔しい思いをしたものの、おみやげの味噌には、新しい楽しみを一つもらった。
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