そもそも、新潟から福島までの峠道を甘くみていたのが間違いだった。峠道は直線距離では測れないのだ。
日も暮れて、霧が出てきた。吾妻スカイラインを料金所に向けて、センターラインだけをたよりに、やっとのことでたどり着いた宿。
玉子湯というネーミングは、いかにもうさんくさそうなのだが、鉄筋の立派な温泉ホテルであった。食事も部屋出しで、山奥の温泉宿とはちがって、都会風である。
当日は着いたのがおそかったので、風呂の探検ができず、内湯めぐりにとどめた。
翌朝、早くからゲタをつっかけて探検をはじめた。まだ、谷間を霧がみたしている。やはり好みなのだろうが、広い露天風呂よりは、かやぶき屋根のこじんまりした湯小屋にひかれる。
なるほど、歴史の古い由緒正しい温泉なのだ。フジTVの諸国漫遊記で紹介されていたのを、たまたま目にして、予約したのだが、値段も安いし、なかなかのものだ。

この湯小屋こそ源泉のようで、お湯がこい。あまりに真っ白なお湯は、白骨温泉に近い。
なのに、みんな露天風呂に行くのか、この小屋に客はまったくいない。そこで、となりの男湯にいるダンナに、窓ごしに写真をとってもらった。真っ白いお湯のカーテンのおかげで、何もかくす必要がなかった。
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