4月だというのに高峰高原はスキー客でそこそこ賑わっていた。アサマ2000スキー場にクルマを止め、迎えに来てもらうために携帯から宿に連絡を入れる。何度かけてもつながらない。それもそのはず、「圏外」だったのだ。公衆電話に走ったところ、テレカしか使えな〜い。持ってな〜〜〜い!
第3駐車場の一番端っこ、一段高くなった雪の上、宿からのお迎えがすでにワタシたちを待っていた。春だというのに雪上車。もちろん、乗るのは初めてだ。乗り心地こそイマイチなのだが、遊園地の乗り物みたいで何だかウキウキしてしまう。
玄関が狭い、雪国特有の造りの宿は、中に入ると装いを一変する。吹き抜けのロビーが広がるロッジ風の造りは清潔感満点!
まずは「四季の湯」に入ってみる。湯口から流れ込むお湯はぬるいのだが、浴槽の底から熱い湯が勢いよく吹き出している。なぁ〜んだ。ワカシ・マワシと何でもありのお湯なのね。
8:30になると星空観望会が宿の前でおこなわれる。 こういった催しは峩々温泉以来のこと。けっこう印象に残るんだよね。木星・土星・オリオンと、遠い星々を高倍率の天体双眼鏡で見せてもらったのだが、何を思ったか、うちのダンナ。「月が見たい」と言い出した。両手で抱え込めそうなほど大きく見える。クレーターまでくっきり見える。月の輪郭はなめらかな曲線などでは決してないのだ。ギザギザなのだ。
「これなんぼ〜?」と宿の説明員に双眼鏡の値段(クルマ1台分とのこと)を尋ねていた子連れのオバチャン。よほど感激したのか、子供に向かって「おじいちゃんを呼んどいで〜!」 思わずワタシは、にこやかに微笑みながら言ってしまった。水金地火木土天海冥、「冥土の土産にいいですよね〜」
1時間近くも雪の上で星空観察を続けると、長靴の底を通して体が芯から冷え切ってしまう。ここは温泉で温まるしかない。
ロビー奥にひっそりたたずむ「ランプの湯」に飛び込んでみた。浴室の扉を開けてビックリ。湯船からはひたひたとお湯があふれ出し、洗い場を清めてくれる。これぞ秘湯のお湯である。小さい湯船にランプの明かり。
好みの熱いお湯でこそなかったが、長いあいだ入っていても飽きがこない。ちなみに、小さい方はワカシなしの源泉そのまま。入りたかったけど、なにしろ星空観察のあと。浸かる勇気がなかったのが残念である。
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