わがまま温泉日記 奥蓼科温泉郷 おくたてしな

渋の湯温泉 渋の湯ホテル
住所 長野県茅野市(豊平局区内)奥蓼科温泉 〒391-0213 Memo:
入浴料 \800
ボットン便所
電話 0266-67-2732
営業期間 通年
泉質 渋の湯@単純酸性硫黄泉(硫化水素型) 27.2度 pH2.76
旅行日 02/09/23
コメント 渋の湯ホテル

 渋川ぞいを奥へ奥へと入っていくと、渋御殿湯のすぐ先に、このホテルはある。名は体を表すとはいうものの、八ヶ岳登山口に建つこの宿は、入口看板の「ホテル」というカタカナだけが、これがそうだと教えてくれる。
 外観はどうあれ、館内には一つや二つ、旧き良き時代の調度品など、あるはずなのに、高度経済成長期のものと見られる家庭用のシャンデリアが2基、ロビーを照らす。どうにも、あの時代の製品は、欧米の物真似だけで、薄っぺらくていけないね。文化的なバックボーンが感じ取れないのだから。

殿の湯 女将さんから温泉の正しい入り方の講義を受け、今にも抜けそうな、きしむ廊下をおもむろに、風呂場へ向かう。
 源泉そのまま、冷たいお湯をたたえた湯船と、8枚ほどの木の板でふたをした、加熱のお湯を大切そうにかかえこむ湯船の二つが迎えてくれる。流れ込む湯音は、「私はお湯じゃない」とばかりに密やかである。
 女性用「姫の湯」は男性用ほど広くない。途中で、造るのに飽きちゃったのかな〜。

 熱い湯、冷たい湯と、交互に浸かると効能著しいのだそうだが、熱い湯好きのワタシにとって、模範的な受講生にはなれそうもない。
加熱なしの源泉 しかし、いよいよ源泉そのまま、27度のお湯にトライする、熱い湯から来た渡来人。両腕を脇に固め、歯を食いしばり、肩までゆっくり沈め込む。滝に打たれる修験者までとはいかないが、握りしめてた両手がなかなかほどけない。湯船の底には、ざらついた細かい砂粒状の沈殿物。
 そこに漂うゆで卵臭。金縛りが解けるがごとく、全身がお湯になじんでいってしまうのだ〜。とはいえ、タオルを頭に乗せ、「極楽極楽」とつぶやくまでには至らない。
 何度も何度も、2つの湯船を行ったり来たり。けっこう楽しんでいるワタシがいたりする・・・。冷たいお湯には見向きもしなかった高峰温泉でのことを思えば、ずいぶん進化をとげたものだ。
黄葉はじまる麦草峠 ちなみに、酸性硫黄泉ブラス硫化水素臭とくれば、熱々のお湯というのがワタシの常識。だからというわけでもないが、加熱による影響は殆どなさそう。
 憑かれたように2つの世界を行き来する、めずらしいお湯に浸かれて、さすが疲れた。

 標高2000mになりなんとする蓼科は、源泉100%の高原ホテル。ちょっと勘違いして、お洒落な彼女なんか誘って行ったら、きっと帰りの助手席に、彼女の姿はないだろう。

Top