わがまま温泉日記 鳩の湯温泉 はとのゆ

秘湯を
守る会
鳩の湯
住所 埼玉県秩父郡荒川村日野526 〒369-1803 Memo:一軒宿
入浴料 \800
電話 0494-54-1190
営業期間 通年
泉質 単純硫黄泉 源泉温12.0度 毎分5.5リットル
旅行日 01/05/13
コメント 露天風呂建屋

 「秘湯の宿」のちょうちんが出ていなければ、行き過ぎてしまうような、ごくごく普通の田舎家。玄関で声をかけると、女将が丁寧に風呂場まで案内してくれる。
 帰り際にもわざわざ奥から出てきて、日帰りのワタシたちを見送ってくれたくらいだから、泊まったときのもてなしにも期待がもてようというもの。

 客はほかには誰もおらず、内風呂、露天と独り占め。「秘湯の宿」ならぬ「ひと〜りの宿」なのであった。熱いの、ぬるいの、泉質がどうのこうのと色々あるが、お湯を独り占めする幸せ。これ以上のぜいたくが果たしてあるだろうか。
内湯には白い鳩の置物 ほのかに硫黄臭の漂う内風呂も、今回ばかりはそこそこに、露天に大いに時間を割いた。

 最近、新たに造られたばかりなのだろう。木枠の湯船が初々しい。乾いた28度の大気も手伝って、洗い場には水滴一つついてない。ぬる目のお湯なので、長い時間つかっていられる。湯船のへりに頭をのせて、森に溶け込む自分を楽しむ。
男性用露天風呂 女性用は正八角形 キラキラ輝く山の緑が、今にも覆いかぶさらんばかりに迫る。さわやかな風薫る五月を満喫しつつ、ぼんやりしていたちょうどそのとき、汽笛が山にこだまする。「ボーーーッ!」 秩父鉄道のSLが走り抜けていったのだ。これが「ポッポッポー」なら、さすが「鳩の湯」ということになるのだけどね・・・。

 このあと、雁坂トンネルを抜け、山梨は三富温泉へとクルマを走らせた。埼玉とはいえ、奥秩父は何とも山深い辺境の地であった。都内では想像もつかない荒川の、懐の深さを確かにワタシは見たような気がする。

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