湯の沢温泉には、3つの温泉宿があり、でわの湯、なりや温泉ときて、突き当たりが秋元温泉。
見てのとおり、宿の前のスペースは限られており、荷物を降ろすと、ダンナは少し離れた駐車場までクルマを置きに行く。これがボタンの掛け違い。玄関先で予約の確認をすると、何と予約が入ってないというのだぁ〜!
背筋を走るゾクッと冷たいもの。従業員がさらに出てきて、「部屋はいっぱい空いているから大丈夫だぁ〜」 楓の間がいい、食事の追加をしなくちゃなどと内輪の会話を耳にする。みるみるうちに、荷物は部屋まで運ばれて、布団の準備、お茶の用意とめまぐるしい。
予約の電話番号を確かめに、クルマに戻って帰ってくると、事情の分からぬダンナときたら、10畳のゆったりしたお部屋で、ノンビリお茶などすすっておくつろぎ。実は、予約を入れたのはなりや温泉だったのだ〜。あ〜ッ、今さら、宿を間違えたなんて言えないよ〜。額に浮かぶは脂汗。
宿を間違えたこと、丁重に詫び、宿を移ることにした。すると、皆さん、いやな顔一つするわけでなく、「なりやさんでは待ってるだろうから、早く行ってあげなさい」とまで言って下さる。
湯の沢温泉では全部のお湯に浸かるつもりだったので、ならば、秋元の湯からとばかりに入浴料を払おうとすると、「いいから、いいから、気を使わなくってもいいから」の一点張りで、お金を受け取ろうとしない。
これにはホトホト参った。人間がすれておらず、純朴なのだが、ちとずれている。ともかく、お湯をいただくのに、これほど苦労した試しはかつてない。
大浴場は混浴で、バァちゃん一人入っていない。見えるのは、寝湯を楽しむジッサマばかり。むせ返るような湯気とはこれを言うのだろう。なりやの第2浴場よりも気体成分はきつい気がする。
浸かるは女湯、3人ほどでいっぱいになる。大浴場に浸かりたかった・・・。
お湯の投入量が少ないせいか、湯気も立たずにおとなしい。湯上りの汗よりも、出だしの冷や汗の方が多かった。
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