Kawasaki KR500 '82
K・Ballington


 2001年 1月7日〜1月13日

このところ、NSRとかガンマとか最近のGPマシンのキットばかり作っていたので、
たまには古いマシンのキットを作ってみたいと思い立ったのでした。
何を作ろうかと考えていて、ふとギャラリーをみるとカワサキ車のGPマシンがない・・・。
こりゃ作らねばってコトで、KR500の製作を始めるのでした。

箱を開け、パーツの確認をして組説にざっと目を通します。最近のキットに比べてパーツ数が少ない。
この頃のマシンとなると資料も少ないので、ディテールアップも今回は簡単なもので済まそうかな?
これは結構製作が早いかも。さてどうなることやら・・・。

 

まずはカウル類の製作からです。
この頃のキットのパーツ割りの特徴は、フルカウルが縦にスパーンと割られた2パーツ構成。
カウルのセンターにパテを盛るのも久し振りです。
さすがに古いキットだけあって、パーツの合いはかなり悪いです。
最近のキットのパーツの精度に慣れてしまった感覚では少々煩わしく感じます。
ですが、これも古いキットの醍醐味。・・・ってコトでガマンしましょう。(^-^;)

 

 

古いキットの醍醐味をた〜っぷりと味わうこと3時間。
それにしてもこの醍醐味ってヤツは手強いです。
パーツの接着面に隙間はあるわ、パーツ自体にヒケはあるわ、パーツの接合面に段差は出きるわで整形作業に時間が掛かりまくりです。
組説をみると、フレームの組み立て部分の説明に「フレームのあわせ目はきれいに整えて下さい。パテ盛りをして、フィニッシングペーパーでなめらかにします。」って書いてるじゃないですか!
組説に書くぐらいだから、苦労して当たり前です。
フレームとタンクの写真を見れば解ってもらえると思いますが、接着部分に見事に段差が出来てます。
まあ、古いキットの醍醐味ってコトで・・・。(T_T)

 

この頃のキットのチャンバーのパーツは裏側が空洞になっています。
そこでその空洞をパテで埋めるという、この時代のキットの定番ディテールアップ(?)を施します。
とりあえずポリパテを盛って整形します。
ポリパテを盛る際、後ろ2気筒分のチャンバーには、チャンバー固定用のパーツの為の逃げを作るためにプラ板などを挟んでおきます。

パテを盛っているときに気づいたのですが、組説の写真にはチャンバーの溶接跡があるのにキットにはありません。
おや?と思って組説を見ると「チャンバーの溶接もようは濃い目のフラットブラックを塗り重ねてもりあげます。」
・・・・・。さすがに時代ってヤツを感じてしまいます。(^_^;)
いくらなんでもフラットブラックを塗り重ねる根性はないので、ここは無難に延ばしランナーで溶接跡を再現します。
延ばしランナーの接着はいろいろ試した結果、流し込みタイプのタミヤセメントが一番作業性が良かったです。

それにしても、作り始めて間もないというのに、すでにくじけそうになってます。
今回は素組みでラクに組み立てようと思ってたんだけどなあ〜。


 


 〜2月3日

 

フロントフォークは裏側の空洞を埋めるために、まずメッキを剥がしてしまいます。


メッキを剥がすのには定番のキッチンハイターを使用。
約1リッターの水にキャップ1杯のキッチンハイターを使いました。
分量はこれでいいのかは良く判りません。適当です。(^_^;)
一晩漬けておけばメッキは粗方剥れます。

剥れずに残った部分をペーパーで落とし、ポリパテを盛って整形しておきます。


 〜3月20日

 

 

整形の終わったフロントフォークは、グンゼのシルバーにフラットベースを加えた色で塗装。
インナーフォーク部分はモデラーズのメタルックシルバーを貼ります。
あいかわらず、この手の作業は苦手なので肩が凝っちゃいました。
いつになれば「こういう作業は得意だぜ!まかせな!!」なんて言えるんでしょう?(^_^;)

 

 

スイングアーム回りの組み立てです。
ほぼ組説通りに組み立ててます。
パーツ割りがいいおかげでほとんど合わせ目は消さなくても見えません。
パーツの状態でさっさと塗装し接着出来るのでラクでした♪
まあ、その分バリ取りに時間がかかってるので相殺かな?

 

 

エンジン回りもほぼ組説通り。
ディテールアップしようにも資料がほとんどないので判りません。
それにしてもこのフレームは特徴的です。
合わせ目を消すのがしんどかった・・・。

 


 〜2002年7月7日

 
長い間放置されていたKR500。
カウル塗装に失敗し、戦意を喪失してしまっていたからでした。
これではキットもうかばれないので、なんとか完成に向けて製作再開。
とりあえず、カウルの失敗した塗装を地道に剥ぎ落とし、もう一度下地から作り直しました。
この辺りの作業は、手が空いたときに少しずつしていたので、画像がありません。
・・・ってコトで、塗装が終わってデカールを貼り終えたところからの日誌再開です。

カウル類は塗装を済ました後、デカールを貼り、その後、クリヤー掛けを行います。
今回は研ぎ出しを行いません。
・・・というのも’80年代初期のワークスマシン、特にカワサキワークスのマシンの塗装って、そんなにキレイじゃないんですよね。
なので、今回はデカール保護の目的だけにクリヤー掛けを行いました。

しかし、それでも思った以上にツヤが出てしまったので、クリヤーにごく少量のフラットベースを混ぜて、もう一度クリヤーコートを行いました。
写真はそのツヤを抑えたクリヤーがかかっていますが、ツヤの抑え具合まではさすがに解りませんね。(^_^;)

 

チャンバーの塗装です。
組説では「セミグロスブラック」の指定ですが、それではなんなので、焼け表現を・・・と思い施してみたのですが、これが思いのほか難しい。
最近のGPマシンのように、チタンのチャンバーの焼け表現はずいぶん慣れてきたのですが、この頃のGPマシンのチャンバーって鋼板製で、しかもチャンバーを黒く塗装しているものがほとんどでした。
チャンバーの熱で塗装が剥れている状態、チャンバーが焼けている状態、さらにその焼けによりサビが出ている状態、と私の技術では到底再現不可能な状態でした。
なので、なんとなく「雰囲気」が出ればOK!という、なんともいい加減な塗装になってしまいました。(^_^;)
’80年代のチャンバーの焼け表現の仕方、誰か教えてくれませんか!?(^_^;)

 


 〜2002年7月20日

長い間、放置していたKRでしたが、作業を再開してからは結構いいペースで進みました。
まあ、シャーシはほぼ完成していたからなのですけどね。(^_^;)
細かいところのディテールアップなどを施して、今回は完成までです。

 

 

チャンバーサイレンサーのディテールアップです。
キットのままだとサイレンサーのエンドパイプが長すぎるので、約1/3程度の長さにカットします。
資料の写真ではエンドパイプがほぼないに等しい状態だったのですが、多少残っていたほうが、かっこいいかな?と思い残しています。
まあ、多少はディフォルメした方が実車っぽく見えたりしますしね。(^_^;)
カットしたエンドパイプは1ミリのピンバイスで穴を開け、フチを薄く削ってます。

 

 

このキットはアクセルワイヤーの取り付け指定が取り説にはありません。
・・・が、もともとはアクセルワイヤーも取り付けられるように設計されていたようで、アクセル部分とエンジンはキャブ上部にビニールチューブを取り付けるのにちょうどよい棒状のものが出ています。
その部分を利用して、アクセルワイヤーを追加しました。
まず、4個あるキャブの上部にキット付属のビニールチューブを短く切ったものを取り付け、そこへモデラーズのプラグコード0.56ミリを取り付けます。
右2気筒分と左2気筒分をそれぞれにまとめて、キット付属のビニールチューブ(太)をつなぎとして取り付け、そこへビニールチューブ(細)を取り付けて、アクセルまでパイピングしています。
つなぎになったビニールチューブ(太)は、両面テープでフレームに固定しました。
作業が簡単なわりには、すごくディテールアップしてるように見えるのでオススメの工作です。
なにせ、ピンバイスの1本も使わずに出来る作業ですから。(^_^;)

 

 

実車には、フレームの上部一面と側面の一部にタンクとの緩衝材(?)として、薄いゴム板が取り付けられています。
実際にゴム板を使おうと思ったのですが、思った厚みのゴム板が見つかりません。
そこで電気配線などによく使用される熱収縮チューブを切り開いて使用しました。
そのままでは、ツヤがありすぎるので、2000番のペーパーをかけて、その後コンパウンドで磨きキズをとっています。
思った以上に質感が出たので、本人的には満足しています。
・・・が、熱収縮チューブなので、今後縮んできたりしないか?と、ちょっと不安なんですが・・・。(^_^;)

 

 

タンクのフューエルキャップは最後に取り付けますが、ここでトラブル発生。
タンクのフューエルキャップ用の穴がきつくて入りません。
無理やり入れようとしましたが、せっかく仕上げたタンクにヒビが入ってしまっては困るので、タンクの穴を少しづつ削って取り付けました。
当然、塗装が剥れてしまいますが、タンクの内側なのでタッチアップしておけば、ほとんど目立たないのでOKとします。
塗装前にちゃんと仮組しておけばよかった・・・。(^_^;)

 


先に仕上げてあったシャーシにカウルを取付、最後にワックスをかけて完成です。
ほとんど素組みなので、すぐに完成するかと思っていましたが、製作開始から1年半以上かかってしまいました。
実質の作業期間は1ケ月ほどだったのですが・・・。(^_^;)
完成してみて思ったのですが、ストリップ状態では、現在のGPマシンよりも魅力的に感じます。
キットが古いということもあって、バリ取りなどの作業に時間がかかりましたが、最新のキットとは違う楽しさがありました。
また’80年代のマシンを製作してみたいと思います。


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