情報センター通信第12号
2001年2月25日発行


情報公開制度の使いやすさ度を比べてみると
( 制度の使いやすさ度、東京都内の全区市比較調査より )

市民オンブズマン・町田 前田 功

昨年夏、全国市民オンブズマン連絡会議の全国大会が東京で開催されましたが、その準備を機に、都内のオンブズマンが集まりました。(集まったのは、ねりま区政ウォッチャーズ、品川区民オンブズマンの会、@市民、東京市民オンブズマン、市民オンブズマン・町田の5団体)
自分の市区ではこうなんだけど、他のところではどうなっているんだろうという話で盛り上がりました。その中で、各団体が共通して関心を持っていたのが、情報公開制度の運用実態でした。全国レベルでは、いろいろなテーマについて全国市民オンブズマン連絡会議によって全都道府県に対する一斉情報公開請求が毎年行われ、大きな成果を上げています。そこで、何か一つの事柄について、公開請求する対象、請求文言を統一して、都内全市・全区一斉に公開請求して、情報公開制度の使いやすさを比較してみようということになりました。(自分たちの自治体以外の各市区については、集まったメンバーが知人友人などをたどって協力をお願いし、極力その市区に住んでいる人に請求をしてもらいました。)

《請求の対象》
「平成11年度の区(市)議会の常任および特別委員会〔議会運営委員を含む〕の宿泊を伴う国内視察の日程および費用がわかる資料と、議員が書いた視察報告書と、視察先を検討したときの議論の内容がわかる資料」

《採点基準》
評価を客観化するため、次の7項目に絞りました。
(1)請求者資格・・・当該区市内に住んでいない人なども請求できるか
(2)請求手段・・・・窓口に行かずに郵送やファックスなどで請求できるか
(3)請求から公開までの日数・・・今回の請求で公開決定まで何日かかったか
(4)コピー代・・・・写しの交付を受ける場合のコピー代はいくらか
(5)手数料・・・・・コピー代以外の手数料を必要とするか
(6)開示文書の郵送・・・開示した文書のコピーを郵送してもらえるか
(7)議会が実施機関か

《 調査結果からわかったこと 》
町田市は、請求手数料はとらないしコピー代も数年前から10円になっています。また、郵送での請求も受け付け、開示された文書のコピーの郵送にも応じています。そういう点で、町田市は情報公開先進地という認識をもっていましたが、調査結果から、他の市区も意外と進んでおり、町田市の遅れているところが明らかになってきました。
ほとんどの自治体でコピー料金は10円であり、郵送での請求や開示された文書のコピーを郵送に応じるなど、予想以上に利用者の立場にたった運用が広がっていました。ファックスでの請求についていうと、町田市は不可ですが、27市23区のうち、13市区がそれを可としています。また、請求から公開までの日数も、町田市は13日かかっていますが、0〜5日で出しているところが50市区のうち5市区、6〜10日で出しているところが18市区あります。

自治体名 可能な請求手段 請求から開示までの日数
小金井市 ファックスで受付可能 0〜5日
狛江市 ファックスで受付可能 0〜5日
杉並区 ファックスで受付可能 6〜10日
中野区 ファックスで受付可能 6〜10日
港区 ファックスで受付可能 6〜10日
三鷹市 ファックスで受付可能 6〜10日
田無市 ファックスで受付可能 6〜10日
文京区 ファックスで受付可能 11日以上
品川区 ファックスで受付可能 11日以上
東村山市 ファックスで受付可能 11日以上
江東区 ファックスで受付可能 11日以上
新宿区 ファックスで受付可能 11日以上
豊島区 ファックスで受付可能 11日以上
町田市 ファックスで受付不可 11日以上
以下36市区 ファックスで受付不可 いろいろ

※ 編集部注:全国市民オンブズマン連絡会議では、独自の採点基準に従って自治体の公開度ランキングを発表していますが、今回は各自治体の対応の違いを見ていただくことが目的のため点数と順位は割愛しました。


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