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男の言葉を聞いてはいけない、目を見てもいけない、これは誘導催眠であの液体は擬似薬である可能性もあ
る。だが投薬の所為かあるいは男による催眠効果なのか、身体は意に反し確実に生理的反応を催し始めて
いた__熱い、熱くて堪らない。頭頂から爪先まで隙間なく絶え間なく疼く熱に耐えかね、身を捩った。襦袢
の裾が肌蹴て太腿が露わになり、潤み始めたその奥の変化を悟られまいと、両の脚を擦り合わせる。汗の滴
る項に張り付く黒髪、上がる息。身体の中で急激に膨張する快楽の被膜は、いまにも針の一刺しで破裂しそ
うだ。乳房を触りたい。揉みしだきたい。今胸の尖りを指先で摘めたら、潤む秘所を中指で掻き回せたらどれ
程の喩楽を得られるだろう。
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