からくりオルゴ−ル「人力もまた楽し」

 手回しカ−ド式オルゴ−ルを利用したからくりオルゴ−ル「人力もまた楽し」です。
  新幹線が走り、大型ジェット機が飛び交い、原子力潜水艦が徘徊し、宇宙旅行が現実味を帯びてきた現在、科学技術の進歩はとどまるところを知りません。 18世紀、イギリスで始まった産業革命の時代、より便利な世の中を目指し色々なものが開発されました。人力にによるものからニュ−コメンによる蒸気機関の発明など 現代に通じるものなど様々な分野への挑戦が始まりました。昆虫や動物たちも人間に多くの貢献をし、逞しく生きています。
  科学技術の進んだ今、先人達の苦心の跡を偲ぶのも意義があり、また楽しいものと思います。
  前部の一段低くなっている所が海、後方の高い所を陸地として構成されています。  
「裏面からのアップ画像」

    後方陸側から見たところで、左から「ちょうちょ」「ヘリコプタ−」「自転車鉄道」「フライヤ−号」「ハグロトンボ」「ロケット号」と並んでいます。    
「ロケット号」

 イギリスのニュ−コメンによって発明された蒸気機関は、トレビシックにより蒸気機関車となり、更にスチブンソンによって改良されたのがロケット号です。
 学生時代の工場実習の時に作った青銅製の動輪を活用しました。動輪が回転し、「釜炊き」がボイラ−に石炭を投入します。
「ライト兄弟・フライヤ−号」

 アメリカのライト兄弟が初飛行に成功した有人動力飛行機・フライヤ−号です。実際はガソリンエンジンを動力としたものですが、人力として楽しいものにしました。
  操縦士がペタルを漕ぐとプロペラが回転し、手で昇降舵・方向舵を操作します。
「ア−サ−ホチキス自転車鉄道」

 1817年ドイツのカ−ル・フォン・ドライスによって地面を足で蹴って走る自転車が製作されました。後輪をチェ−ンで駆動する現代のタイプは、1879年イギリスの ヘンリ−・ジョン・ロ−ソンによって製作されました。1890年代は自転車の黄金時代で、通勤に、貨物輸送に、郵便配達に、そして戦争にも使われました。
  ア−サ−ホチキス自転車鉄道はアメリカ・ニュ−ジャ−ジ−州の2つの町をレ−ルで繋いで実際に走っていたもので、複線になっていました。写真を見ると、二人乗りもあり 実用価値もありそうですが、実際には6年後には姿を消したそうです。
「ヘリコプタ−」

 15世紀、レオナルド・ダヴィンチの円形回転翼のヘリコプタ−の図案がありますが、実際にパイロットを乗せて地上を離れたのは20世紀になってからのことでした。1994年、日本人 による人力飛行機は30cm・24秒間浮き上がったという記録もあります。
  人力ヘリコプタ−で2つの回転翼が回転し、水平・垂直尾翼を手で操作します。 
「ハンリ−潜水艦」

 ハンリ−潜水艦は1863年、アメリカ・アラバマ州で進水した実際に戦争に使われた潜水艦です。完全に潜水することは出来ませんでしたが、戦闘で1隻の艦船を沈めた最初の潜水艦 として海中戦闘の歴史に名を残しました。しかし原因不明で3度沈没し、21人の乗組員が死亡しました。
  武装は、艇の後に長いロ−プの端に結びつけた接触信管を備えた浮遊式水雷で、敵艦の下に潜航して浮上すれば、、引っ張られている水雷が敵艦の舷側に当たって爆発する、 という仕組みでした。
  潜水艦の周辺は珊瑚や貝を配置し海底をイメ−ジしています。
「ハンリ−潜水艦・内部」

   電磁動力や蒸気動力が試されましたが、結局は単純な人力による手回しクランクによるプロペラ推進になりました。
  実際の潜水艦は、8人乗組員で7人が手回しクランク推進のプロペラを回し、1人が舵を握ることになっていました。 
「ハグロトンボ」

  昆虫の中でも「トンボ」の飛翔能力のすばらしさは知られており、色々研究もされています。「ハグロトンボ」は少し山里に入った環境の良いところで普通に見られますが、最近、高槻市の芥川で 「ハグロトンボしらべ隊」なるものが発足し、生態を調査しています。これにあやかり「ハグロトンボ」を取り上げ、仲間に加えました。
  4枚の羽が別々に動きます。   
「ちょうちょ」

   昔、中学生の頃、昆虫採集の主な狙いは「ちょうちょ」でした。最近、庭の柑橘類に成長する蝶の幼虫が鳥に食べられるのが可哀そうになり、飼育して放蝶するのが趣味になりました。 蝶の行動を観察していると、蝶も生まれ育った故郷を知っているような気がしてなりません。仲間に加えました。 
「スイミングする人」

  最近の水泳着も動物を研究して素晴らしいものが出来るようになりました。新幹線にも色々な分野で応用されています。昆虫や動物も科学技術の発展に大いに貢献しています。 そして更に昆虫や動物の構造や機能をモデルとして新たな工業技術や医療技術の革新を図ろうとするバイオミメティクスがおこりつつあり、人類との関係について再評価されようとしています。
  珊瑚礁の海を泳ぐ人がいるのもまた楽しいと思います。  

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