リアブレーキ交換
フロントに続きリアブレーキのパッドとローターの交換作業記録です。

選んだローター、パッドはフロントと同様ともににDIXCEL製のもの。

ローターはDIXCELのプレーンローター。

パッドもフロント同様PREMIUM。スタンダードユース向きのもの。

作業の前にブレーキフルードの抜き取り。今回は50-60mlぐらい。


リアの馬を掛けるポイントは、確信がないので、割愛します。

先ず3輪に輪止めをし、サイドブレーキを外します。ジャッキアップし、タイヤを外して馬を掛けたら、フロントと同様、15mmのオープンと13mmのメガネ等でキャリパーを外します。詳細は、フロントのページをご覧ください。
先ずは、上を外して。

下も同様に。今回は、メガネではなくスピンナーを使いました。スピンナーで最初に緩めたあとはラチェットで外していくのは、メガネと同様。

これらのボルトを外しても、フロントのように簡単にキャリパーが外れてくれませんでした。前後、上下にゆすってやっとキャリパーを外しました。

キャリパーが外れると、ピストンが現れますが、これを戻すのが難関。皆さん苦労されているところです。このピストンはフロントのように押せば戻るのではなく、押しながら回さなくては戻っていきません。羽のようになっている部分の窪みに何かを入れながら回し同時に押し込んでいくという工程が必要になります。


さて、この「ピストン押し戻し」のためにある策をとることにしたので、ピストン戻しはひとまず置いておいて、その策を講じるためにローターまで一気にはずしてしまいます。

フロント同様、キャリパーベースを固定しているボルトを外しますが、このボルト大きさがフロントとリアで異なっていて、リアは16mm(フロントは19mm)。
今回スピンナーを持ち出したのは、16mmのメガネが手持ちにないから…。(この16mmをスピンナーで外すついでに前述の13mmもスピンナーで外しました。)

キャリパーベースが外れたら、今回は、スライドピンのグリスアップをしておきます。

ダストブーツを引きちぎらないようにそーっとスライドピンを抜いて、先ずはパーツクリーナーで洗浄し、シリコングリスを塗布しておきました。ここは、、ダストブーツのゴムに触れるので、モリブデングリスは厳禁です。

スライドピンを戻して、キャリパーベースはとりあえずそのまま。

ローターを外すための作業を更に続けます。ローターを止めてあるコーン状のボルトを外すのもフロントと同様。フロントの項で書いた、「ホイール締結用ボルトを2本ほど戻し、それにレンチなど掛けてつっかえ棒にして固定して外すと」の意味は、次の画像の通りです。言葉で説明するより簡単ですね。

錆び付いていることが多いといわれるリアのローターですが、幸いゴロンと簡単に取れました。


ここまで一気に外してしまいます。


(…と、ここまで行いましたが、どこかの156の記事を読んで、はたと思ったのですが、155もリアはキャリパーベースを外さなくてもローターの脱着ができるかも知れない…。実際やってないので不明ですが。)


さて、懸案のピストン戻し。押して回せるピストン戻しを入手すればそれで良いのですが、今回はこのアストロプロダクツの「AP ブレーキピストンキューブ」を使いました。

ラチェットの先に取り付けてキューブの各面の出っ張りからピストンの窪みに合うものを探し、ピストンの溝にそれを引っ掛けながらラチェットを使って回すというものです。

いろいろ検討した結果、以下の通り、キューブ+150mmエクステンション+3/8-1/2変換コマ+1/2ラチェット、という組み合わせが、力も入れやすく良いという結論になりました。

これをピストンに押し付けながら回すのですが、ブレーキホースに自由を奪われているキャリパーを「力を入れて回す」という作業を行いやすい場所に固定するのが至難の業。
そこで思ったのが、本来、キャリパーがある位置に戻してやれ、ということでした。ローターが無ければキャリパーを固定した状態でピストンを押すことができます。

ということで、一気にローターまで外してしまった次第です。
ローターが外れたらローターを入れない状態でキャリパーベースを組み付け、それにキャリパーを取り付けます。こうすることにより、表からピストンを押すことができます。

ただし、このままピストンを押すと、スライドピンが抜けるだけです。それを防ぐために、画像のようにキャリパーのおもて面の裏側とキャリパーベースの間に何かを噛ませます。

今回は使わなくなった積み木を使いました。画像中、オレンジに白のテープが巻いてあるものです。こうすることにより、キャリパーベース、キャリパー、ピストンが固定され力を入れることができます。

この画像のように、キューブをピストンに差し込み押しながら回していきます。回す方向は時計回りです。反時計回りに回すとみるみるピストンが出てきて最後には抜けてフルードがどばー…となるそうなのでくれぐれも間違えないように…

正直、この工具により回すのは非常に簡単ですが、回しただけで引っ込んでいくのか力いっぱい押さないと空回りしているだけで戻されていかないのか、今ひとつこの「押し回し」ピストンの機構を理解していないのでよくわかりません。ある程度戻った後なんとなく動きが鈍くなったような気もするし…

とにかく悪戦苦闘しながら、ここまで戻したところで、いくら回れどこれ以上戻っていかないようなのでもう良いだろうということにしました。(右はもっと引っ込んだような気がします。)


ピストンの窪みは、パッドの裏面につけられた凸部に合わせるため、以下の画像のように装着後タイヤの半径方向に窪みが向くようにな位置にしておきます。(若干ずれた。撮影後修正)

さてピストンも戻ったことだし、組みつけに入ります。先ずは、ピストン戻しのために組み付けていたキャリパー、キャリパーベースを再度外していきます。

キャリパーベースが、外れたら、いよいよ新しいローターを取り付けます。外すときと同様、一旦ボルトを差し込んで、画像の通り、コーン状ボルトで仮止めします。

新しいローター取り付け完了。


ローターが付いたら今度は、キャリパーベースを本取り付けします。裏から撮ってみましたが分かりにくいですね…。16mmのボルトです。今度は本取り付けなので、スピンナーなりメガネなりでしっかり締めておきます。


新しいパッドの登場。外したパッドと比べるとご覧の通り。古いパッドもまだ若干残っていなくもないなどと悠長なことを思っていたら、後に作業を行った反対側の右はもっと薄かったです。殆ど厚みなし。危ない危ない。


パッドはヤスリで、各辺をバリ取りしておきました。裏につく分は、ピストンに当たる部分にグリスを塗布。表分は、キャリパーの爪の裏に塗っておきました。その他、フロントと同様パッドの耳にあたる部分にも軽く塗布。

新しいパッドをキャリパーベースのパッドホルダーにはめ込み…

キャリパーを固定していきます。15mmと13mmです。
(尚、グリスを塗る前に、パッドを仮置きして、キャリパーがはまるかどうかピストンの戻り具合をチェックしておいた方が良いと思います。)

上も同様にお馴染み(?)15mmと13mmの共同作業。

ということで、完成です。


同じ手順で、右側も行いましたが、右は最初の段階で、キャリパーが外れないというアクシデントに…。CRCやプラハンマーなどどうやっても外れないので、一旦キャリパーを所定位置に戻し、ボルトで止め、この状態ではローターが回ることを再確認しながら、先ずは、下のボルトを外し、そこでまだローターが回ることを見て、上を外してだましだま外しました。結局よくわかりませんが、どうも力ではないようです。

右は先が思いやられると思った反面、ピストン戻しは、あっけない結果に。ちょっと力を入れて押しながら回すことにより面白いようにスルスルと戻っていきました。戻すのに3分とかからず。いったいどういう機構なのか気になります。

今回、このツールで主に使ったのはこの面です。

左を行ったときには、押しながら回せる特殊ピストン戻しがあった方が絶対に良いと確信したつもりでしたがあまりにもあっけなかった右を終えた後は、う〜ん必須ではないかも…と。
なんといっても値差が5-6倍ぐらいですからね。

とりあえずの結論は、
「155のリアのピストン戻しはAP ブレーキピストンキューブで行うことができた」
です。

お約束…
この記事はブレーキ交換の手順を説明したものではなく、一素人が行った作業記録で必ずしも正しい手順とは限りませ。また、本作業を推奨するわけもありません。
仮にもし作業を行うのであるならば、ここだけを信用せず他の書籍・サイト等もご覧になった上、先ずは155のブレーキング方式である片押し1ポッド方式(フローティング式)の仕組みを理解されてから行った方が良いかと思われます。(…が、サイド兼用、押し戻しピストンの機構を自分自身理解していません。)

使用工具その他はこんな感じ
・車載ジャッキ
・馬2脚(車体支え用&キャリパー置き)
・クロスレンチ(19mm)
・3/8ラチェット(13mm 16mmソケット)
・3/8スピンナー(13mm 16mmソケット)
・1/2ラチェット(3/8-1/2変換ソケット)
・12mmメガネ
・15mmオープン
・AP ブレーキピストンキューブ
・3/8エクステンション
・ヤスリ
・10cc注射器(25-50ccがbetter。50cc高いから25ccがbest?)
・100cc容器
・モリブデングリス
・シリコングリス
・パーツクリーナ−

備忘録
R 26,490
P 15,120
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T 41,610