フロントブレーキ交換
フロントブレーキのパッドとローターの交換です。
交換後、しばらく走ったところ一応問題なさそうなので作業記録です。

今回選んだローター、パッドはそこそこ評判もよくリーズナブルだったのでともにDIXCEL製のもの。どちらも通常走行に必要にして十分というグレードのものです。

ローターはDIXCELのプレーンローター。スリット加工も穴あけ加工もしませんでした。


パッドはPREMIUMという所謂スタンダードユース向きのもの。

因みにMADE IN ENGLANDとありました。キャリパーはガーリング製ですが、ガーリングキャリパーの適合はルーカス用パッドでOKのようです。Girling、LUCAS、TRW-LUCAS、どういう経緯だかわかりませんが、互換という意味では一括りにして考えてよいようです。155V6のブレーキではガーリング−ルーカス系のほかに、ATEが入っている場合もあるようですね。ATE用のパッドは多分ガーリングキャリパーには不適合(?)。

さて、作業の前にブレーキフルードを抜いておきました。どのくらいが適当かわからなかったので取り敢えず80mlぐらい。10mlの注射器で8回分です。

あとから25mlの注射器を買っておいたことを思い出しました。これなら3、4回で済む量。因みに50mlのものは10ml、25mlに比べ急に値段がはね上がっていたので25mlが適当かも。約80mlほどを抜いた状態で、残量2-3mmのほぼ終わっているフロント左右のパッドを新品に交換し、新品パッドを組んだ作業終了時点で抜いたフルードを戻すことなくMAXに達していました。

作業開始。先ずはジャッキアップしタイヤを外します。

馬を掛けるポイントは、結局画像の通りのようなので、ジャッキアップポイントでジャッキアップする場合は、馬と干渉を避けるために車載のパンタジャッキが都合がよさそうだということが判明。

馬を掛けたら、キャリパー、キャリパーベース、ローターの順に外していきます。

外すボルトは少なく、この図に示したもの(マウスを合わせるとサイズが表示されます。全てボルトの頭の径。M--というネジの径ではありません。)と、ローターを仮止めしている12mmのコーン状のボルトだけです。

先ずは、キャリパーを外すためスライドピン(スライディングボルト)に止められているボルトを緩めて外します。外すボルトは13mmですが、スライドピンを抑えながら緩めないとスライドピンが一緒なって回ってしまいます。
スライドピンの頭は15mm。画像を見て頂ければわかる通りオープンレンチが必要です。
因みにに15mmはやや特殊なサイズなので汎用のセットものには入っていない可能性が高いです。手元にあるFACOMのコンビのセットでも8 10 11 12 13 14 16 17 18 19mmと15mmを避けるような内容。とは言うものの工具専門店でなくても工具が比較的充実しているという程度のホームセンターで簡単に単体で手に入りました。
またこれも画像でわかる通りレンチに厚みがあると入らないのですが(画像の矢印の幅以下でなくてはならない)、今回ホームセンターで見つけたTONEの15mmコンビでも十分でした。FACOMの16mmの厚みも試してみましたがこれも特に厚みは問題なし。あまりにも厚みがあると入らないとは思いますが薄型にそれほど拘らなくても良いかもしれませんね。

画像の通り15mmのオープンでスライドピンを抑えながら13mmのボルトを緩めて外します。当然緩めはじめは画像のようなラチェットではなくメガネを使いました。その際、汎用の45度のものを使いましたがストレートの方が使いやすいと思います。まあ45度のものでも問題なく使えましたが。
少しでも緩めばあとはラチェットで緩めてボルトを抜きますが、ボルトが抜ける時にパッドのバネに押されて、キャリパーがバコンと動きキャリパーのボルト穴とスライディングピンの頭のネジ穴がずれますか焦らないように(^_^;)

下が終わったら上も同様に外します。ボルトの背後に配管があるので、頭が厚くなる内歯式のラチェットだと干渉しました。ここは頭が薄い外歯式の方が有利かも知れませんが、作業がやりにくいだけで内歯式でも作業が行えないわけではありませんでしたが。

左側は磨耗センサーの線が繋がっているのでカプラーを抜いておきます。あとはキャリパーを前後左右に揺するようにすればキャリパーは簡単に外れます。外したキャリパーは吊っておくのが一般的なようですが、余った馬を台にして置いておきました。

キャリパーが外れたらピストンを戻しますが素人なので一応ピストン戻しを用意しそれで戻しました。何を使ってどうやって戻しても問題ないとは思いますが、ブレーキが緩む仕組みを考えると不均一な力でピストンを戻しシールに変な力がかからないように…と素人的には思ってしまいます。実際は、ピストンとシリンダーにクリアランスがないので傾いて戻る余裕はないとは思いますが。

今回、作業は最初に左を行って次に右を行いましたが、このピストン戻しのことを考えると左が後のほうが良かったかもしれません。というのも、左側からだとエンジンルーム内のブレーキフルードの液面がよく見えるので、より溢れる可能性が高い後の作業を左にしといた方が良かったかもしれない、ということです。

パッド交換ならここまでで良いのですが、今回はローターも交換するのでキャリパーベースを外す必要があります。19mmのメガネで外すのですが、かなり固い。激安工具だと折れてしまうかもというぐらいの力を入れてやっと緩みました。

19mmボルトの位置は上の画像(これもマウスをあわせるとサイズを表示)を参照(もっと上の裏からの画像のほうがわかり易いですね)。
キャリパーベースが外れたらスライドピンのメンテが行いやすいのですが今回は(気持ちに^^;)余裕がなかったので近いうち。
さてキャリパーベースが外れたらあとはローターの表にあるコーン状のホイール位置決め兼ローター仮止めのボルトを12mmのレンチで外せばよいのですが、このままだとローターが回ってコーン状ボルトが外し難いのでホイール締結用ボルトを2本ほど戻し、それにレンチなど掛けてつっかえ棒にして固定して外すと外し易くなりました。このボルトを外すとローターが外れます。固着している場合もあるようですが今回はゴロンと簡単に外れました。


ここまで到達するのもそれほど難しくはないことがご理解頂けると思います。

あとは外してきた逆の順に組み上げていくだけです。新しいローターを入れて、コーン状ボルトで止めキャリパーベースを19mmボルトで固定します。

ここで新しいパッドの登場ですが、取り付ける前に角の面取り…というかバリ取りをします。

パッドをキャリパーベースのホルダーに仮組みした状態ですが、ここで無理やり押し込まないとホルダーにはまってくれなかったのでほんの気持ち程度耳の部分を削りました。(なんとなくパッドがスムース動いてくれなさそうだったので。)

パッドは組み付ける前に内側はピストンが当たる場所にグリスを塗っておきました。位置は外した古いパッドに残った跡を参考にしながら。外側はパッドではなくキャリパーの爪の内側に塗っておきました。あとは、ホルダーに当たる耳の部分にも。グリスは、モリブデン系で問題ないと思いますが、ピストンやスライドピンのダストカバーにつかないように。

左側は磨耗センサーのカプラーを繋ぎ(左右共通のパッドだったので右側は線を根本から切断)組み付けたときと同じように15mmでスライドピンを抑えながら13mmのボルトでキャリパーをキャリパーベースに(スライドピンに)固定します。上を止めてから下を止めますが、外すときと同様パッドのバネがキャリパーを押す状態になりますので、下を止めるときはパッドのばねを押さえ込むようにキャリパーのボルト穴とスライドピンのネジ穴を合わせてボルトを差し込みます。

ということで比較的あっけなく作業は完了。片側が終わった時点で、ブレーキペダルを踏んでピストンを所定位置にもどしてから、反対側の作業に入った方がよいようです。そうしないと、もう片方の作業中の段階で両側のピストンともに一杯に引っ込んだ状態になるので、フルードが溢れる危険性が高くなるとうことですね。

さて、普通はこれで終了なのですが、どうも走ると何か引きずっているような音が。
ニュートラルで著しい速度低下も、ローターの異常発熱もないようなので、ブレーキを引きずっているわけでもなさそうですが、一週間後タイヤを外して確認してみました。

キャリパー外してパッドも取って、ローターをまわしてもシャリシャリ…

どこが当たっているのかを見てみたら、ここ(↓)でした。

(画像は全てコトが終了したあとに撮影…だからパッドもキャリパーもついてます
…ていうかここなら最初からキャリパー外す必要なかった-_-;)

この画像は調整後ですが、この赤の幅のクリアランスがなくこのプレートが僅かにローターに接触し、音を出していたようです。

ちょいちょいとマイナスドライバーの先で内側に押しやると、隙間が空いてくれました。

他の画像もこのシャリシャリ音確認作業の時に撮ったものが多いので、本文の流れに合わず既に新品ローター、パッドが時系列に関係なく組まれているものが多々あります^^;

この手のページのお約束として…
この記事はブレーキ交換の手順を説明したものではなく、一素人が行った作業記録で必ずしも正しい手順とは限りませ。また、本作業を推奨するわけもありません。
仮にもし作業を行うのであるならば、ここだけを信用せず他の書籍・サイト等もご覧になった上、先ずは155のブレーキング方式である片押し1ポッド方式(フローティング式)の仕組みを理解されてから行った方が良いかと思われます。

使用工具その他はこんな感じ
・車載ジャッキ
・馬2脚(車体支え用&キャリパー置き)
・クロスレンチ(19mm)
・3/8ラチェット(13mm 19mmソケット)
・1/2ラチェット(19mmソケット)
・12mmメガネ
・13mmメガネ
・19mmメガネ
・15mmオープン
・ピストン戻し
・ヤスリ
・10cc注射器(25-50ccがbetter。50cc高いから25ccがbest?)
・100cc容器
・マイナスドライバー(通常不要)
・モリブデングリス
・パーツクリーナ−