タイヤについて
タイヤのスピード表記ってなんかあとから決まりや規格が追いついてきているようで、不自然ですよね。

ラジアルタイヤが生まれRという表記が生まれましたが、その後高速に耐久するラジアルが生まれるとそのRの前に高速に適するという意味を付けたくなったのでしょう。最初に速度180km/hを意味するSRがうまれましたが、多分Speedyとかいう意味合いだったんでしょう。そして次にそれより速いスピードレンジとしてHRですね。多分Hight Speedという意味でしょう。これは速度210km/hを意味します。そして次は多分Very High Speedと思われるVRができます。これもHRに+30km/hで240km/hです。

そしてHRからラジアルをあらわすRと速度を意味するHがはなればなれになって、更に荷重指数がスピードレンジの前につき185/60HR14が185/60R14 82Hになっていきます。

スピードレンジが独立するとSとVのアルファベット順が近いこともあり間に文字を埋めたくなってきたのでしょう。
STUと10km/h刻みにすると上手い具合に次は既存の210km/hになります。
S=180km/h
T=190km/h
U=200km/h
H=210km/h
この上はVが既に存在していたので30km/h刻みにして
V=240km/h
そしてS以下も順に10km/h刻みで遡り既に使ったHを除いてAまで規定されています。
S=180km/hですから
R=170km/h
Q=160km/h
となりスタッドレスで良くみるQが160km/hであることがわかります。

さて荷重指標入り表記は(確か)Hからはじまったと思いますが、それまではSR、HR、VRとラジアルを示すRとスピードレンジがくっついた表記になっていました。そしてそれらのスピードレンジで整備が進み荷重指数が決定されれいくと、xxx/xx Rxx xxH となっていくのですがこれがいかにもあと追いなんですよね。HがxxH表記になっても暫くVRはVRのままでした。そうこうしているうちにVRの上をいくZRができてしまい(多分「究極」みたいな意味で「Z」にしたのでしょう)これがまたいい加減で240km/h「以上」だったんですね。こんな表記を認めてしまったからややこしい…。Vの整備が進んで漸くVRではなくxxVに落ち着いたのですが、ZRはどうしようもなくなったんだと思います。

というのも荷重表記はHなら「タイヤが耐える最高速度210km/hで指標にあらわされる荷重に耐える」という意味ですので、「240km/h以上で、何kgの荷重に耐える」とういい方はできません。ZRにメスを入れ荷重指数付き表示にするには、「何km/hのとき」をあらわす必要があります。そこで「以上」といういい加減な意味ではないスピードレンジが必要になったんだと思います。Vまであったのでその上のWとY(Xをとばしたのは不明。ひょっとして…)が生まれ、H以上は30Km/h刻みだったので、Vの240km/hに30km/hを足して
W=270km/h
Y=300km/h
となりこれですべて終了。アルファベット使い尽くしましたから…。

さて、例えばVRは荷重指数付き表記xxVになったときに素直に役目を終えることができたのですが、ZRは残ってしまったんですね。そこで、
205/45ZR16 83Y
というような表記が出てきてしまいました。多分ですが…ZR=凄い!!というイメージがある上、聞きなれないYだけじゃ凄さが伝わらないという理由だけで残ったのでは?

因みに今年の日本自動車タイヤ協会(JATMA)では国産タイヤの205/45-16では、
205/45R16 83W
が規定されていますね。このサイズでは他の表記(=規格)はJATMAの規格にはないことに…。
他のサイズでは、ZR表記はまだ認められていますが、205/45-16ではZR表記は止めて、スピードレンジWが規格になったようです。因みにどのサイズでもYレンジは今のところJATMA上では無いことになっているようです。ZRかWのようですね。そしてややこしいZRとWの二重表記もないようです。またZRとともにVR表記もまだ一部サイズに規格として残っているようですね。

MICHELINのPilot SPORTはJATMAの規格にはない規格なんですね。輸入タイヤに対する表記も別に定めていてそこでは205/45R16 83Yなら意味をもつのですが、ZR・・・Y表記はないんです。やはり205/45ZR16 83Y表記はJATMAの規格外ですね。

国産タイヤでもJATMAの規格にない規格(表記に限らず)を用いる場合は「このタイヤは〜の規格です」とか「○○専用です」という注釈がよくカタログに表記されています。

いずれにせよ、今後はWとYが浸透しZR表記は無くなっていくでしょうね。しかし、いままで性能を誇示するような意味合いをもたせるために故意につけられたアルファベット、S、H、V、ZRはどれも何か速そうなイメージがありますが、ただ順番でつけられたWやYにはその辺のイメージがないので素直に移行していくでしょうか?
実際300km/hというものすごいスピードレンジを表すYに対し「Y=凄い!!」とは直感的には思えないのですが^^;。

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